『街の明かり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私はさすらいの明かりつけ師。
他人の住居に侵入し、部屋の明かりをつけることに命をかけている。
理由?そんなものはただ一つ。
家主が帰って来たときに寂しくならないようにするためだ。
我ながら出来すぎた性格である。
「さあて、今日の報酬は何かな〜♪」
ちなみにボランティアでやっているわけではない。
見返りとして家のものを拝借している。
とりあえずブランド物のバッグと腕時計と液晶テレビとパソコンと、、、
私は手近なものを袋に詰め込んだ。
「まあこんなもんか。シケてんな」
大したものはなかったがそろそろ潮どきだろう。帰ろうとすると物音がした。
「誰だ?姿を見せろ」
私はいい感じに威圧した。
出てきたのは家主だった。
「お取り込み中にすみません」
やけに低姿勢な家主だった。
私がさらに威圧しようと考えていると家主は続けて言った。
「ちなみに警察には通報しています」
「あああああーーー」
私は家から飛び出た。ここで捕まったら泥棒と勘違いされるに違いない。
見た目に騙された。あの家主は鬼だ。
しかし家の周りにはすでにパトカー100台が待機していた。
私は警察官に袋叩きにされ息を引き取った。
朝日が差して
一日が始まる
静かな都会に
足音が鳴り響く
昼になり
人の話し声
街を賑わす音楽
笑い声が響き渡る
闇に光る街灯
乾杯の合図
グラスに写る瞳
子供達の“おやすみ”
クラシックが穏やかに
やがて無音
明かりも静かに消えていく──
(2023.07.08/街の明かり)
夜の帷が降りて
私を飲み込めば
消えてなくなる
街の明かりに縋って
あなたを探して彷徨えば
見つからないまま息を呑む
あなたを照らす街灯は
私の瞳にどう映るのでしょう??
サーサーサー ..
鳴り響く風で揺れる葉の音
また今日が始まる
今日の朝
目覚ましをかけていないのに
目が覚めた
今日の朝には違和感があった
何かを忘れているような..
なんだろう
そう思っていたら
一通の通知が鳴った
"ピコンッ"
そこには
「◯◯ー??まだー?」
それを見てすぐさま
思い出した
忘れてた!!!
今日は修学旅行だった ..
_ 実話です💦
「父さん!めちゃくちゃキレイだね!」
今にも駆け出してしまいそうな息子の左手をしっかり握りしめながら、その弾む声に返事をする。
父親として面目が立っただろうか。
先日、不可抗力とは言え約束を破ってしまったお詫びとして、今日は息子と2人でキャンプに来ている。
いつもと違う、少し遠い所にある穴場のキャンプ場。山も川もあり、いろいろと体験するには良い環境だ。
到着が思ったより遅くなってしまったので、テント設営、魚釣り、焚き火の準備、食事までを、日のある間に一気にやりきった。妻が用意してくれていた握り飯の美味かったこと。今頃、下の子と一緒に何してるかな…。
家に思いを馳せながら食後の片付けをしている内に、1日の疲れがどっと出たのか、気付いたら息子が椅子に腰掛けたままうたた寝をしている。
少しだけ寝かせておこうかと思ったが、今日のメインイベントがまだ残っている。そっと揺すって起こす。行こう。
「父さん!キレイだね!灯りがこんなにいっぱい!」
本当に来て良かった。息子とこんなに長い時間2人だけで過ごしたのはいつ以来だったか。
「こんなに楽しいなら、父さん、たまには約束破っても良いよ!」
眼下に広がる街の灯りを望みながら、思いがけない発言に苦笑する。名誉挽回とはまだ言えないようだ。
テントに戻るまでの道すがら、いろいろなことを話した。今日のこと、学校のこと、友だちのこと、家のこと。子どもは子どもなりに、いろいろ感じ取ったり一生懸命考えたりしているんだなと感心する。はて、自分がこれくらいの年齢の頃はどうだったろうか…。
テントに戻った途端、電池が切れたかのように眠りについた息子を横目に見ながら、明日のプランを確認する。明日は龍見学ツアーか。
息子の隣に寝転びながらさっき見た夜景を思い出す。あの灯りの中に、きっと自分たちと同じような "人の親子" がいるに違いない。その親子も自分たちのように幸せな時間を過ごせていたら良いな、などと取り留めのないことを考えている内に眠り落ちていった。
―――続・信頼と実績 [鬼の親子]
#5【街の明かり】
『齧歯類と亀の街』
生きる速さが違うけど 僕らは同じ街の住人だ 土日祝日は実入りが良いから 綺麗な服を着ていよう 今日のニュースは知らないけれど 別段変わりなく暮らしていける 知識がいらなくなったのはいつの日か
おつきさまがまあるい日にはたまにそういうことも考える 晴れた朝 遅い朝食をとっている 警告音を知らない吟遊詩人の命が危うい
木々の茂る暗闇から遠くを見据える。街の明かりは星空の延長。二人で眺める人間の生活の印は、星と同じくらい手の届かないものに思えた。
「今日は星が綺麗だから、一緒に見に行こうか。」
彼の一言をきっかけに、私は山の上へ連れて行かれた。
生身を持たない彼は、時折この山の頂上からあの街を見下ろすのが趣味らしい。人間の営む全く知らない暮らしが、明かりの数だけ見渡せる。その一つ一つの中にも各々違った生活が見える。私にはただの小さな明かりの集合体にしか見えないが、彼は明かりの"中身"まで見通せるのだという。
「時は動いているのだな…。」
私を抱きながら、彼はどこか物悲しげに呟く。
時の流れから追放された彼には、間違いなくあるはずの「今」の景色は、ただ形のある絵巻のようなものなのだろう。
私は、彼に寄り添って言った。
「今の私は、あなたと同じ時の中にいるよ。」
遠くに見える明かりの群れが、気づけば少し減っているように思えた。
空を見上げればそこにあったはずの星々の代わりに、人工的な街の明かりが夜景を照らす。その中を私は一人歩いていた。人工の街に越してきた以上、嘗てのような無数の星を眺めるような事はもう無いのだろう。
あの時隣に居た優しい兄は仕事で東京に越して以来、連絡が途絶えたままだ。きっとあの星々のように、人口の明かりに呑まれて消えてしまったのだろう。ならばいずれ私も、同じように消えていくのだろうか。
「街のあかり」
街から少し外れた、山の上。
麓には田んぼやら、誰かの墓があったり地蔵が置いてあったりする。
走り屋の煩い車の音と、なんだか忘れた夜を囃す虫の音に包まれて、街を見渡してみる。
いつも過ごしてる街の、いつも行くスーパー、コンビニ。
今通った電車の中で光の粒。下には確かトンネルがあったかな。
一つ、正面に見えるマンションの光が消える。
私もさっさと家に帰ろう。夜に酔えるほど豊かな人間では無かったみたいだよ。
街の灯りなんてもうだいぶ遠い。
遠くの街灯の光で暗い砂浜を歩くのには暗すぎるだろう。
足を取られ、びしゃんと闇に沈む。手を繋いでいた君も冷たい!ときゃっきゃ笑っている。僕らが何も覚えていないような、昔から変わらないと思っていた海も温暖化のせいか水温が些かぬくいような気がした。
海水をのみ込んで沈みたい。本当はわかってるんだ、ここに君が居てはいけないこと。だって、自分の体温が温かく、水面に映る影があまりにも。息とともに海水を大量に含みながら溺れていた君に似ていたから。嗚呼なんてつめたい、海。
街の灯り
#街の明かり
午前2時
この時間になると街の明かりは、住宅街でまだらに点いている光か、道にぽつりぽつりと立つ街頭、はたまた24時間営業の店や自動販売機。
この時間はなんだかワクワクする。
子供の頃には出来なかった、深夜に外に出るという行為。
それを大人になった今なら存分に味わえる。
さぁ、今日はどこへ向かおうか。
ぎらぎらと輝くネオン、街灯。もうじき夜も更けると云うのに、天高く伸びたビルの四角い窓は、未だ幾つか光を灯していて。狭い道路を縫う様に走る車輌だとか、路地を駆ける自転車だとかのヘッドライトが、ちかちかと瞬く。宙を見上げれば、其処には昨日切った足の爪みたいに細い月と、点滅しながら移動する航空機の光が見えるばかりだ。
眠らない街、とは良く言ったものである。部屋着でベランダに座り込み、煙草をふかしているわたしも、そんな街の一部だった。明日も仕事で朝早くに起きなければならないと云うのに、如何にも眠れる気がしなくて、こうしてぼんやりと景色を眺めている。
そういえば、こんな風に街を見るなんて初めてかもしれない。何時もは日付が変わる随分前に布団に包まっているし、休日もあまり外に出ない上に、丑三つ時迄呑み歩く様な友人も恋人も居ないから。起きて、働いて、寝て、偶に買い物やネットサーフィンや読書をする。唯其れだけの毎日の中、此の光景は少しだけ新鮮だった。子供の頃住んでいた片田舎に比べると、星なんか一つも見えやしないし、聴こえるのは虫や蛙の合唱ではなくて老若男女の騒ぐ声ばかりだけれど。明日になれば、今見た物も忘れて忙殺されているかもしれないけれど。
「もう少し、生きてみても良いかなァ」
短くなった煙草を灰皿に擦り付けて、のそりと立ち上がる。風呂上がりで濡れた儘だった髪は、すっかり乾いてしまっていた。風邪をひいてしまうかもな。そんな事を考えながら、部屋に入って、窓の鍵を掛け、カーテンを閉めた。次に此れを開ける時、外は眩しいばかりになっているだろう。明日もまた、何時も通りの朝が来る。
#街の明かり
夜の街を暗闇が支配する時代は終わった。世界は広いと聞くので外国であれば、未だ夜が闇で覆われる国あるのかもしれないが、少なくともこの国では終わった。都会の不夜城はもちろんのこと、田舎の道でも街灯がついており、あるいは民家からはぼんやりと光が漏れ出ているから、街明かりのない場所というのは即ち人のいない場所となる。
(人間に近づけなくなってどれだけ経つだろう……)
僕のような弱小の幽霊にとっては、非常に生きづらい時代となった。弱小の幽霊は光にさらされると固まって、その場から動けなくなってしまう。しかも身体は光に透ける。姿が見えないから人間に気づいてもらえない。驚いてもらえないし、もちろん意思疎通もできない。幽霊同士での会話は、新しい話のネタもなく堂々巡りばかり。一言でまとめるなら「非常に退屈」ということである。
幽霊というのは、大抵死んだ者のうちこの世に何かしらの未練があったり、あの世というのが怖くて必死にこの世にしがみついたりした結果、生まれるものである。ごく稀に本人(本霊?)に関係ない理由でこの世に残ることもある(そういう宿命的に残った幽霊は強者や猛者で光にも強い)が、大抵は自ら望んでこの世に残っている。僕も自ら強く望んでこの世に残った。訳あって生きている時は叶わなかったことだが、僕は色んな人と話したかった。話せなくてもなんとかして意思疎通してみたかった。人間にとっては迷惑極まりないだろうが、驚いてもらえるだけでも嬉しかったのだ。
それなのに、数十年前から段々と街は明かりで埋め尽くされ、弱小幽霊たちは行動範囲がどんどん狭まり、今や墓場から動けない状況になっている。とはいえ、街明かりが灯るようになってからも、肝試しと称して遊びに来る子供たちや若者がいた頃は良かった。彼らを望み通り驚かせたり、泣き虫な子供に握れない手であっても差し伸べて元気付けたりした。そんな日が一年に一日でもあれば十分だった。肝試しの日のことを幽霊同士で話すのも十分楽しかったからだ。
しかし最近は肝試しに来る人間すらいなくなった。少々の光には負けない強者の幽霊が言うには、最近は動画とかいうものが人気で、幽霊が出ると有名な場所や人工的な「お化け屋敷」を巡って動画というものを撮る人間はいても、有名でもなんでもない普通の墓地に来る人間はいないのだと言う。また、光に照らされても形が保てる猛者の幽霊が言うには、今の子供たちはそういう動画を見て十分に満足してしまうらしい。だからなんの変哲もない墓地までわざわざ来る人間はいないのだ、と猛者幽霊も肩を落として言った。
(この世に残る意味は、あるのだろうか)
人間と関わってみたい一心で必死にこの世に残ったものの、今やその目的は達成できそうにない世の中になっている。街の明かりが明るすぎる。強者や猛者の幽霊たちなら光の中でも動くことができるから、幽霊で有名な屋敷にでも神社にでも出掛けて行ける。この世に残っても楽しみはあるかもしれない。だが、弱小幽霊はそもそも光の中で動くことができない。自由に動くには完全なる闇が必要だ。あの世が怖くてこの世にしがみついている幽霊はいざ知らず、何かしら目的があってこの世に留まっている弱小幽霊たちにとっては明らかに潮時である。
目的が達成できないなら、この世に残る理由はない。そして、あの世へと渡るタイミングは一年に一度しかない。
「逝くのか」
彼岸花を眺めていると、猛者の幽霊に声をかけられた。彼は他者の願いによってこの世に繋ぎ止められている、宿命の幽霊である。死んだ年齢は近くないのだが、幽霊になった時期は近いので、長年よくしてもらっていた。
「うーん……そろそろいいかなって思いまして」
「……また1人仲間が消えるのか」
そう言われると罪悪感に押しつぶされそうになる。彼は光の中でも動ける代わり、自分の意思ではこの世から離れることができない。ずっと、ずっと、この世に残って、幽霊になったのに出会いと別れを繰り返さなくてはならない。
「いや、悪い。いいんだ。お前は自由に動けないんだから、この先ここにいたところで同じ日々を繰り返すだけだ。人間との関わりを望んでいるなら退屈だろう。あの世で休むのが良い」
「そういっていただけると気が楽です。光の中でも動ける皆さんの話を聞くのも楽しくないわけじゃないんですが、やはり自分で関われないのがなんとも」
「そうだろうな。達者で」
「はい」
彼は光の照らす道の方へと歩いて行った。僕はそれを見送って、真っ赤な彼岸花に食らいついた。身体が焼けるように熱い。ゆっくり、ゆっくりと街の明かりは僕の視界からぼやけて消えていった。
街の明かり
すっかり暗くなった夜の街
その街を照らすのは1本の街灯
街灯のおかげで街は明るい
キラキラ輝いて見えている
その1本の街灯は、ただ独りで街を照らしている
街の人々は街灯など気にもとめない
日が登り、街灯は消える
昼も夜も同じ 何も変わらない
誰も気に掛けることは無い
独りで自分を慰めている
まるで_________ようだ、
「こんばんは、孤独な方。私があなたの友達になりますよ」
夜、仕事帰り、マンションに囲まれた小さな公園。ブランコとベンチと自販機しかない。ジュースを買ってベンチでうなだれてるとそんな声が聞こえてきた。失礼なこと言う奴も居るもんだな―― 事実だけれど。顔を上げあたりを見渡してみるが誰も居ない。
「ここですよ。ここ」
疲れているのか。街灯から声が聞こえてきた気がする。
「そうです。あなたを優しく照らし出す。虫にモテモテな街灯です」
幻聴か。耳鼻科、脳神経内科、精神科に行くべきか。
「上から見るとハゲてますね」
「ハゲてね―よ」
思わず反応してしまった。完璧に怪しいやつだ。
「聞こえてるじゃないですか。お話しましょーよ」
街灯の声って若いんだな。立ち上がる気力もなく現実逃避しながら仕方なく話し始めた。
色々な話をした。仕事や人間関係の悩み。通勤電車がつらいこと。上司がタバコ臭いこと。――孤独を感じること。愚痴ばかり話してた気がするが、街灯は「正直よくわかんないですけど」とほとんど流してた。だけれど、誰かに話せて少しすっきりした。
「まぁ、うなだれて下ばかり向いてないで上を向けば気付くこともありますよ」
その言葉に上を向いてみた。マンションの明かりが見える。きっとそこには悩みと無縁の人もいれば同じことで悩んでる人もいるんだろう。自分だけじゃないと思うことが出来た。そしてもう一つ気付いたことがあった。立ち上がる。
「ありがとう、話せてよかったよ」
けれど――と続ける。街灯に着けられた小型のスピーカーをコツンと叩く。マンションの上層階に向かって手を上げる。
「ちゃんと回収しておくように」
はーい、という声がスピーカーとマンションの上から聞こえてきた。
[街の明かり]
ノスタルジー
光が届かないほど遠く
まるで深海だ、なんて言って
でも暗いからこそ夜の明かりが綺麗なんだと言いかけて
隣で見ているあなたを見て
やっぱり綺麗なんだと言ったんだ
※街の明かり
【街の明かり】
最近は、夏が近づいてきて
街の明かりは、夜7時以降じゃないと点かないようになった。
夏が近づいて、日が沈むのが遅くなると、祖父はいつも『夏が近づいたな』と言った。
日が沈むのが遅いと、趣味が沢山できるから喜んでいるのだろうか?
そう思っていたけど、
ちょっと違うような気がした。
嬉しそうな顔をして言わずに、
何処か懐かしい顔をして言うのだ
どうもその様子が気になった
だけど、少し大人になったから分かる
夏が始まった風情が、
梅雨が明けて、
日焼け止めを塗って、
セミの鳴き声が聞こえて、
汗をかいて、
汗ふきシートを買って
嬉しさを感じるけど、終わりは悲しい
そんな夏が来たのだと、
街の明かりが点いていない街を
祖父と似たような顔をして見ている
その男は、
昼間に街に出ると人に紛れ、
存在感を消した。
街の明かりのせいで。
その男は、
深夜に街に出ると闇に紛れ、
存在感を消した。
街の明かりのせいで。
その男は、
どうやら街の明かりとの相性が、
とてつもなく悪いらしかった。
否、一周まわって良いのではないか。
どちらも、
上手く溶け込みすぎて。
溶け込むことに慣れすぎて。
今日もまた、男は自分が地球という、
小さい世界で生きていることを、
自覚して生きてる。
「キレイだね」
山の上から見た街は、暗い夜の存在を消してしまうのではないかと思うほどの明るさであった。
「そうかねぇ。僕には汚く見えるよ」
一緒にこの夜景を見ていた少女が言う。
私にはキレイに見えた景色は、彼女には汚く見えてしまった。
「あの明かりの数だけ空気が汚染されて、地球が段々と崩れてく気がしてヤだよ。」
「そうかなぁ。太陽光発電とかはエコなんじゃない?」
「ここはそんなエコなことしてる場所じゃないだろう。」
そうだ。ここは周りの街に比べると、かなり積極的に地球を崩すようなことをしている。反論できない。
「車とか他の街ではエコなやつなのに、ここは排気ガス垂れ流してさ。やだねえ」
私がなにか、なにかを言おうとしたとき、目の前の明かりがスッと消えた。
本気で汚いと思っていたのか、それともなんとなくだったのか、スッと消えた明かりを見ながら少し考える。
「…お気に召さなかった?」
「いーや。別に?嫌いじゃないよ、夜景。」
なんとなく、か。
街があったその場所を見ながら、心の中で手を合わせる。
「次はもっと良いもの見に行こうね」
彼女はそう言うと、帰って行った。
だめだ!血痰がひどい今日から始まった訳ではないが、今日のは特別だ、月曜日の結果報告しだいだが、入院そして手術、怖い怖い?せめて放射線治療にしてほしい。まあ、まな板の鯉よ、思う存分にしてくれ!恭子や洋子、助けて?