空を見上げればそこにあったはずの星々の代わりに、人工的な街の明かりが夜景を照らす。その中を私は一人歩いていた。人工の街に越してきた以上、嘗てのような無数の星を眺めるような事はもう無いのだろう。あの時隣に居た優しい兄は仕事で東京に越して以来、連絡が途絶えたままだ。きっとあの星々のように、人口の明かりに呑まれて消えてしまったのだろう。ならばいずれ私も、同じように消えていくのだろうか。
7/8/2023, 4:44:52 PM