【街の明かり】
最近は、夏が近づいてきて
街の明かりは、夜7時以降じゃないと点かないようになった。
夏が近づいて、日が沈むのが遅くなると、祖父はいつも『夏が近づいたな』と言った。
日が沈むのが遅いと、趣味が沢山できるから喜んでいるのだろうか?
そう思っていたけど、
ちょっと違うような気がした。
嬉しそうな顔をして言わずに、
何処か懐かしい顔をして言うのだ
どうもその様子が気になった
だけど、少し大人になったから分かる
夏が始まった風情が、
梅雨が明けて、
日焼け止めを塗って、
セミの鳴き声が聞こえて、
汗をかいて、
汗ふきシートを買って
嬉しさを感じるけど、終わりは悲しい
そんな夏が来たのだと、
街の明かりが点いていない街を
祖父と似たような顔をして見ている
7/8/2023, 3:25:29 PM