街の灯りなんてもうだいぶ遠い。
遠くの街灯の光で暗い砂浜を歩くのには暗すぎるだろう。
足を取られ、びしゃんと闇に沈む。手を繋いでいた君も冷たい!ときゃっきゃ笑っている。僕らが何も覚えていないような、昔から変わらないと思っていた海も温暖化のせいか水温が些かぬくいような気がした。
海水をのみ込んで沈みたい。本当はわかってるんだ、ここに君が居てはいけないこと。だって、自分の体温が温かく、水面に映る影があまりにも。息とともに海水を大量に含みながら溺れていた君に似ていたから。嗚呼なんてつめたい、海。
街の灯り
7/8/2023, 4:40:47 PM