紅茶の香り』の作文集

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紅茶の香り』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

10/28/2023, 6:50:33 AM

私は友人の結婚式の帰りにとあるカフェにきた。
「はぁ~。新郎かっこよかったなー。私にも運命の相手現れたらいいのに。」
そんな勝手な妄想を1人で呟いても現れるわけないと分かっているのに、そんなことを言ってしまう。
はぁー。お腹空いた。一応式で食べたけど、満腹になるまで食べると引かれるからちょっとしか食べてない。運命の相手が現れるかもしれないという絶対に無い可能性をちょっと信じてた自分が馬鹿だった。
何かあるかなーとメニューを開いてみる。
えーと

○アイスコーヒー  
○ホットコーヒー
○紅茶
○オレンジジュース
○カヌレ
○ラスク

どうしようかなー。
ラスクは苦手だしカヌレにしよー!あとは、アイスコーヒーかな!店員さんが近くを通ったので声をかける
「すみません。アイスコーヒーとカヌレ下さい」
「かしこまりました。少々お待ちください。」
店員さんがキッチンの方へ消える。
それにしてもこの店は紅茶のいい香りと周りの観葉植物が綺麗に並んでいて好きだな。とりあえず近くのカフェにググって来たのは正解だったなー!周りの人を見渡してみると、平日の昼頃であまり人がいない。
でも、1人だけ20代後半らしい眼鏡をかけた男性の人が紅茶を飲んでいた。顔はイケメン。こんな人を新郎にしたかったな。そんなことを考えていると
「失礼します。アイスコーヒーとカヌレです。
ごゆっくりどうぞ。」
軽くお辞儀をする。カヌレを食べながらさっきの男性のことを考える。ずっと見ているのが気づかれたのか男性がこっちを見る。軽く会釈をしてきたのでこっちも会釈をすると男性が紅茶を持ってこっちの席に来る。何で?面識のない人がこっちに来るとか何で?
「こんにちは。間違っていたらすみません。今日の結婚式にきていた人、、、ですよね、、?」
あぁ。新郎の友達か。スピーチをしていた気がする。
「あぁ。スピーチをしていた方、、、ですよね、?」
「はい!そうです!こんなことを言うのは気が引けるのですが、、、ずっと気になっていて、、。お話ししたいと思ってました。」
えええええええええええええええええーーーーーーー
なんで、、!体全体の体温が高くなっていくような気がする。気になっていてって、、、、、、。とりあえず話合わせるか。
「えっ?私も気になってました!」
「よかったー。どんどんお話ししましょ!」

どんどんお話ししていくうちにいい人かもしれないと思った。

そのあとは3年の月日が経ったあと2人は結婚した。
人生にはいい出会いがどこで現れるかはわからない。

10/28/2023, 6:47:10 AM

彼は彼女が大好きだった。ある日、彼女のために、彼は紅茶を淹れることにした。彼女は紅茶の香りがすると、彼が淹れた紅茶を受け取った。
彼女はその香りに包まれ、彼の優しさに触れて、幸せな気持ちでいっぱいになった。彼の愛を感じた彼女は、彼に心を開き、彼を愛するようになった。
それからというもの、彼女は彼と一緒にいるときに、いつも紅茶の香りを感じた。彼女は彼との思い出を紅茶の香りと一緒に大切にしていた。
そして、ある日、彼女は彼と一緒に紅茶を淹れることになった。彼女が淹れた紅茶の香りを彼は嗅ぎ、彼女が彼に与えた幸せな気持ちを思い出した。
彼女との思い出を紅茶の香りとともに胸に刻み込んだ彼は、彼女を愛し続けることを決めた。紅茶の香りは、彼女と彼の愛の証であった。

10/28/2023, 6:19:57 AM

アフタヌーンティーの時間に合わせてメイドが紅茶を入れている。
ポッドに注がれる湯から湯気と共にダージリン特有の甘い香りが私の鼻を掠める。

私は紅茶の香りが嫌いだ。

この甘い匂いは私に厳しい令嬢教育の過去を思い出させる。
美しいウエストを維持する為に肋骨が変形するまで巻くコルセット。
主人となる男を立てる為に与えられる知識は女の自立に役立たない。
飲食のマナーの時間には、いつもこの紅茶を出されていた。

「ご主人さま、アフタヌーンティーです。」

「ありがとう。」

私はカップの取っ手を摘み、鼻先に近づけより香りを堪能する。

私は負けない。

不敵な笑みを浮かべて私は紅茶を飲み干した。



《紅茶の香り》

10/28/2023, 6:15:34 AM

【 紅茶の香り 】

温かいお茶の香りは、思い出の鍵だ。

小学生の頃、一番仲良しのあの子の家にお呼ばれして、
初めて飲んだ。
苦いな、という印象だったが、砂糖を入れ忘れただけだ。

中学生になると、好きな子とペットボトルを買った。
ミルクティーは、とても甘かった。

高校では皆してレモンティーを。
大人気分を味わったものだ。

オシャレなフレーバーティーを楽しめる歳になって、
当時の仲間たちと語り合う。

思い出のお供に、一杯の紅茶はいかが?

10/28/2023, 6:10:07 AM

紅茶の香り





コーヒーよりも紅茶が好きだ。
ミルクと砂糖は入れず、ストレートで飲む。
口中に広がる紅茶の香りは、どこかホッと安心できる。 
一口、また一口と飲む。味も匂いも楽しみながら、のんびり本を読む。
この時間は誰にも邪魔されたくはない――

10/28/2023, 6:04:03 AM

皆さんお元気ですか?今日は土曜日なのでずっとお昼寝してます。何もしない日もいいものですね。明日私は友達と出かける予定があります。ワンピースを見に行くんです。久しぶりに友達と映画を見に行くのでワクワク(っ ॑꒳ ॑c)してます。好きな人も来るので気合いを入れるために今日は睡眠を確保してます!明日11時45分までに駅に着いておかないといけないので11時25分くらいに家を出る予定です!早めに起きないといけないので今日はめっちゃ寝ます!

10/28/2023, 5:59:56 AM

「紅茶の香り」


わたしには、大好きな古本屋がある。

少し小難しい哲学書や歴史書から、有名な文豪の作品などが置いてあり、アンティークな雰囲気のあるお洒落な古本屋だ。

店内にはいつも、クラシックの音楽が流れていて。

少し小さいお店の中に、沢山の本が置いてある。

今日もまた、足を運ぶ。

チリンチリン

木製の扉の鈴がなる。

「ごめんください」

ゴロゴロと喉を鳴らしながら、黒猫がこちらにすり寄ってきた。

その猫を撫でていると、目の前に人影が現れた。

「いらっしゃいませ。」

「店長さん!こんにちは!」

慌ててスカートを叩き立ち上がる。

茶色のカフェエプロンをした、白髪のオジサマがたっていた。

「少し久しぶりですね。」

「そうですね…来たかったのですが、大学のレポートが立て込んでいて…」

「そうだったのですか!もしよければ、ここで作業していただいてもいいですからね。」

「本当ですか!ありがとうございます!」

一時の休息を思わせる優しいオジサマも、このお店が好きな理由の一つだ。

コト、といつもの紅茶を机に置く。

「では、私はこれで。ごゆっくりどうぞ。」

ふわり、と紅茶の匂いを漂わせ店長さんは裏に戻っていった。

ギシギシとなる椅子に腰かける。

ダージリンの匂いが、私を妄想の世界へと誘っていく。

今日は、どんな人生を生きようか。

本の背を撫で、1人紅茶を揺らしながら考える。

今日もまた、偽りの世界へ浸っていった。

10/28/2023, 5:53:27 AM

子供の頃、母と訪ねたどこかの家。
住宅街の中にある、ごく普通の一戸建てだった。
私たちは乾いた落ち葉を踏みながら
呼鈴を押した。
玄関で迎えてくれたのはおばあさん。
案内された部屋には小さな引き出しがついた壁一面の棚、
その前に置かれた木のテーブルの上には、たくさんのガラス瓶が並んでた。
母が鉛筆で何か書いて渡す。
その間おばあさんは私をじっと見て、目が合うとニッコリした。
間もなくいくつかの瓶と、抜いた引き出しがテーブルの上に置かれた。
いつの間にか眼鏡をかけていたおばあさんは、木のスプーンで茶葉を掬うと広げた紙の上に次々と出していった。
空中で何度も何度も混ぜ合わされる小さく捻れた葉っぱたち。
独特の香りが部屋の中を私の周りを包み込んでいく。
誰も喋らない静かな空間に乾いた音だけが響いてた。
おばあさんは平たい袋にそれを全て詰め終えると、熱で口を閉じる機械のペダルを踏んで封をした。
はい、こちらです。
母はお辞儀をしながらそれを受け取り、代わりにお札が入った封筒を渡した。私も母に倣って頭を下げた。
玄関のドアを開けると、門の向こうに父の車が停まっていた。
私は落ち葉を踏みながら車に向かって走った。

ずいぶん後になってそのお茶を飲んだ。
ごく普通の紅茶、少しだけ苦い紅茶だったと思う。

乾いた季節、乾いた音、乾いた記憶。

10/28/2023, 5:19:48 AM

紅茶の香り


 私は紅茶の香りが苦手で、母が淹れている紅茶の香りでいつも目が覚める。
いつも「紅茶はやめて。」と言うけれど、やっぱり母は
「紅茶の味も香りも大好きでやめられない!」
って。そう発言した母が少し面白くて、笑ってしまった。

母と話をして私は
「行ってきます!」
と言い、学校へ向かった。
母は家のドアから私の登校姿を見て、キラキラとした笑顔で
「行ってらっしゃい!」
と言ってくれた。私まで笑顔になった。
 今は亡き父も紅茶が大好きだったな、と思い出しながら電車に乗る。

 学校へ着くと、友達が
「ハッピーバスデー!」
と言ってくれた。ああ、そうだ、今日は私の誕生日だ。
「覚えててくれたんだ。ありがとう」
そう言い席に着く。

───────────────────────

 授業が終わり、放課後。友達とたわいもない話をしていると、電話があった。
私が小さい頃からよく通っている病院からだった。

「お母様が交通事故に遭いました。すぐに来てください。」

 私はすぐに病院に向かった。
でも私が向かった時にはもう遅かった。私の誕生日ケーキを買いに行った帰り、大型トラックに轢かれて亡くなった、とお医者様から聞いた。
 家に帰ってからは一晩中泣いた。そして一睡も出来ないまま朝を迎えた。

 母が朝、いつも淹れていた紅茶を飲んでみる。
やっぱり、私の口には紅茶は合わない。
けれどこの日から私は──────


紅茶の香りが大好きになった。






    ───────フィクション───────

10/28/2023, 5:12:57 AM

君に出会うまで紅茶といったら、ティーバッグかペットボトル。

それか刑事ドラマのビチャチャチャチャ〜っと盛大に飛沫を撒き散らすものしか知らなかった。

 キュウリサンドを噛りながらそう言ったら、目の前で優雅にティーカップを傾けていた君がキョトンとした顔。

そういえばテレビをあまり見ない人だったな、と小首を傾げた君に、ドラマで見た刑事が紅茶を淹れるシーンのマネをする。

顔の直ぐ側まで持ち上げたポットから手元のティーカップ目掛けて勢い良く注ぐ。

びちゃちゃちゃちゃー、と紅茶が跳ねる音は口で再現。

 それはマナー違反ですね、半分に割ったスコーンにクリームとジャムをたっぷり塗りつけながら君が言う。

正確にはポットに湯を注ぐ時にすると良いと君に聞かされて、また一つ私は賢くなった気がした。

テーマ「紅茶の香り」

10/28/2023, 5:03:16 AM

休日の午後
テレビをだらだら眺めていたら、キッチンからお菓子食べる?と声をかけられた。
思わずキッチンへ駆け寄ると、紅茶とそれに合わせたお菓子が添えられていた。
お湯で蒸されたダージリンの香りと、焼きたてのスコーンのバターの香りが鼻腔をくすぐる。
ぶっちゃけ紅茶の種類なんて違いはわからないけど、アフタヌーンティーはいつだって幸せを運んでくるのだ。

10/28/2023, 4:41:39 AM

お題《紅茶の香り》







金木犀の雨が蜂蜜色の屋根に降る。聖域のように澄んだ沈黙の空間。



ここは、《アルカナの箱庭》と呼ばれる異世界の果てにある――紅茶と伝承の、《鳥籠》。



「紅茶の本、ティーセット、駄々広い茶畑……でも来客者なんて滅多にこない――どうしてなの?」



黄昏色の髪から覗く星と月の青銀に輝くピアスをした、少し気怠げな少年は答えない。



「ここには、何があるの?」


「俺は何も識らない」

「ここに住んでいながら? もういいわよ、勝手にするから!」


「――識らない方がいい」

10/28/2023, 4:38:03 AM

紅茶の香り

いつも私の友達はみんなに囲まれている。
私もその子と話すけど、私以外の人と話す時その子はいつも笑顔だった。
その子とは部活も一緒だった。
給食時間の時に、その子は食べ終わって読書をしていた。私はいつも通りにその子に話しかけようとした。
私(なんの本読んでるの?)って言った。そしたら
友達(この本)
私(おすすめのページあるー?)
友達(ちょっとまってて。ここ!)
本を見てみると、
しんどい時にはしんどいと言おう。って
私(しんどくないよ!うちは!)
友達(違くて、あなたと話してるとね)って。
そして今さら気づいた。
私この子を傷つけちゃったって。どうしようって思った。知らない間にね。あぁ。ほんとにうちってバカだ。
こんなことにも気づけないって。
もっと早く気づいてあげればよかった。
その子のようにみんなに囲まれて愛されたかったな。
紅茶のように甘い香りで、みんなを惹きつけるように。

10/28/2023, 4:36:26 AM

紅茶の香りが苦手だ。よく体調を崩して保健室で過ごす時間が多くなった時に、先生が紅茶を淹れてくれた。
けれど、いくら紅茶が苦手だからと言って人様の気持ちを無下にする様な真似はするなと、厳しく躾られた事もあり飲まないという事は1度もなかった。でも、やはり匂いがあまり好きでは無いのだ。慣れていないからだと家に帰ってから買った紅茶のティーパックにお湯を注いだが、あの独特な香りは無かった。
次の日、私は学校に着いて真っ先に保健室に向かった。朝早い時間にも関わらず、先生は席に座っており私の姿を確認すると紅茶の準備を始めようとしていた。
だから、私はその紅茶にいつも何を加えているのか聞いた。先生は細長いスティック状の砂糖を紅茶に加えながら、ティースプーンでかき混ぜたものを私に手渡した。飲んで確かめてみるといいと、先生は私を見つめて言った。

先生の紅茶の香りは、私の体調を崩す。

お終い

10/28/2023, 4:32:03 AM

「まぁ座りなよ」
すすめられた席に腰掛けるとふわりといい香りがした。バターが焼ける甘い香り。
「今焼けるから。少し待ってて」
そう言って先輩はキッチンの方へ姿を消した。私と2つしか変わらないのに、土日は実家の喫茶店の手伝いをしている。最近じゃほとんど1人できりもりしているらしい。
「レモンかミルク要るー?」
「大丈夫ですっ」
奥から投げられた質問に私も声を張って答える。何か手伝おうかとそっちへ向かおうとしたけれど、なんにもしなくていいから座っててね、と叫ばれた。やがて先輩が大きめのトレーを持って戻ってきた。いい香りがあたりに充満する。目の前に出されたのは断面の綺麗なスコーンだった。クロテッドクリームまである。これもきっと、先輩の手作りだ。
「わぁ……」
うっとりする私のそばで先輩はティーカップに紅茶を注いでくれた。なんて至福な時間なんだろう。こんな田舎なのに、ここはまるで別世界の感じがした。
「それで?どうだった?」
「いちお、合格しました」
「やったじゃん!おめでと」
「ありがとうございます」
先日のこと。私はとある国家試験を受けたのだが、その合否結果が発表された。結果は見事合格。1年以上かけて勉強しただけあって、結果が分かった瞬間は人目も憚らず大泣きした。
「良かったね、いっぱい頑張った証拠だよ」
「はい。努力が報われて良かったです」
「じゃあ、来年は東京行っちゃうのかー」
寂しいな、と、笑って言いながら先輩はスコーンを頬張る。私は何も言わずにカップに口をつけた。ベルガモットの優しい薫りが鼻腔をくすぐる。いつも思うけど、先輩はお菓子を焼くにしても紅茶を淹れるにしても天才だ。こんな美味しいティータイムを過ごさせてくれるなんて素敵すぎます、と昔言ったら大笑いされたことがあった。そんなに大袈裟に言わないでよ、と。全然、大袈裟なんかじゃなくて私にとっては極上の贅沢時間なのにな。
けどそれも、東京へ行くとなると気軽にはここへ来れなくなってしまう。数十秒前の、先輩の“寂しいな”が今さら心に染みてきた。この街を離れるとは、そういうことだ。
「まぁ、たまには帰って来るんでしょ?」
「もちろんです。ていうか最初のうちは多分しょっちゅう帰省しちゃうと思います。寂しすぎて」
「えーそれじゃ交通費やばいじゃん」
こんな朗らかに話せるのもこの先は貴重になってしまうと思うと胸がつまりそうになる。ずっとこのままでいいのにな、なんて。そんなふうにさえ思ってしまう。でも。
「やれるだけ、頑張ってみようと思います。自分なりに」
「うん。応援してる」
紅茶のおかわりをもらった。2杯目は先輩オススメのリンゴはちみつを垂らす。これが美味しいのよー、と顔を綻ばせる先輩を見てたらこっちまで笑顔になる。
「疲れたら帰っておいで。いつでも」
「……はい」
帰る場所があるって、幸せだな。うっかり涙が出そうになったのを隠すため、私は3つめのスコーンへと手を伸ばした。

10/28/2023, 4:29:43 AM

揺らぐ面を眺めているような、ことができるような、隙間が胸にあればいいのに。豊かなのに。そうして涙を零すように、俯いた誰かの頬をぬくもりが撫でればいいのに。乾いた葉の切れ端を花束みたいに抱えている。一息分を求めている。幸せを一匙加えていく。今はどうかよく息を吸って吐いていいんだよ。笑っていられるだろうか。
 ずっと、手を伸ばしていいって思えない日々を、時代を、誰もが送っているんだって思うけれど。
 やさしさに輪郭があるんだとしたら、それを抜けるために爪の先を丸める。丸めたい。この手の伸ばし方を知りたい。かつて栄光だった未来から、シャッターチャンスを逃した過去になる。そうしているこの一瞬間を、過ごすための意味が要る。

10/28/2023, 4:24:12 AM

「紅茶の香り」


お母さんは何飲むのー?

休日のお昼時に聞こえてきたのは親子の何気ない会話
ドリンクバーのコーナーの前で悩む母親をよそに、
何種類もあるティーパックを見て、子供はこれは?これは?と質問責めにしていた。
そんな光景を見てふと自分の幼き日を思い出す。

学校が休みの日は家で母と2人お菓子を作ってはお茶会ごっこをしていた。
クッキーやスコーン、たまに和菓子と色々作った物だ。
そして、必ずセットで紅茶が出てきたのだ。
裕福とは言えなかったけど、手作りお菓子と紅茶のお茶会がとても楽しみだった。
そんなある日、母はティーパックじゃない、いつもとは違う紅茶を出してきたことがあった。
私は興味津々で紅茶が入るまでの過程を眺めていた。
コポコポとティーポットにお湯を注ぎ、茶葉を蒸らす。
カップに入れる時にほのかに香るオレンジの香り
初めて安物ではない紅茶の香りを嗅ぎ、期待を膨らませ、いざ一口ごくんと飲んだ。

あれ?あまくない
口いっぱいに広がる香りと味は別物であり、私は明らかにしょんぼりとした様子だったのだろう。
その様子を見ていた母は微笑み、私に、にんじんのパウンドケーキを差し出し、一緒に食べたら美味しいよと笑った。
それに釣られ私も笑い、いつもより少しだけ特別なお茶会になったような気がした。

そんなことを思い出しながら母にメールを送りスマホを置き、先ほどの親子に視線を戻した。
するとすぐに返信が来て、週末は久々にお茶会をすることになりそうだ。

10/28/2023, 4:15:08 AM

少し背伸びしたかった
あの日、あの頃

茶葉の揺れる
小さなポットと砂時計が
テーブルの上に置かれて
少しソワソワした。

同い年の、友人と2人
歩き疲れた身体を休める為に
入ったカフェは
いつも行く場所とは違って
穏やかな雰囲気が、ゆるゆると
流れている。

友人は、ミルクティー
私は、レモンティーを選んだ。

砂時計の砂が落ち切って
カップに注ぐと ふわぁっと
紅茶の良い香りが漂って

ふわふわとした、紅茶とレモンの
香りと……
なんと、そこに紅茶初心者の私は
友人のミルクまで
注いでしまったのだ。

もちろん、ミルクは分離して
先ほどまでの雰囲気は、どこへやら。
なんじゃこりゃな、マヌケな紅茶。

今でも、紅茶を飲むと
あの日の気恥ずかしさが
思い出されたりするのだけれど

それも、また良い思い出。

「お題:紅茶の香り」

10/28/2023, 4:10:34 AM

紅茶の香り


ついに捕まってしまった

全部並べたら体育館1つじゃ足りないとベテラン刑事は言った

ここらが潮時か

ベテラン刑事は言った

「腹減っただろう?」

ここで「はい」と答えれば観念したと見なされる

「…体育館に綺麗に並べると約束してくれますか?」

「もちろん、写真も送るよ」

私は今日、下着泥棒を引退する

「私がやりました」

ベテラン刑事は優しくうなずいた

ドアが開く

紅茶の香りが広がっていく

…冗談だろう?

テーブルにはシフォンケーキとダージリン

下着泥棒だぞ…こんな甘ったるいモノ…

………!?

天使のくちどけ!

女の敵はこの時はじめて女の気持ちがわかった気がした

10/28/2023, 3:57:19 AM

背後霊のオリバーは生前執事だったらしい。私より一回り年下のお嬢様に仕えていたのだという。
「あ~今日で夏休み終わっちゃう…」
「休暇が終わるのは名残惜しいでしょうが、あの少年に会うことを楽しみにされているのでは?」
図星。こういうところだ。いつも後ろにいるから、知らなくていいことばかり知っている。それに一言多い。まあ当たってるんだけどね。
 
 始業式のあと、佐久間くんが私に緑色の紅茶缶をくれた。夏休みに鹿児島のおばあちゃんの家に行ってきたんだそうだ。
「そこに描いてあるウサギ、かわいいでしょ? 中原さんそういうの好きそうだと思ったんだ」
「ありがとう。私動物の中でウサギが一番好き」
みんなに配っている小さいクッキーとは違う。旅先で私のこと思い出してくれたんだ。
 
 「紅茶、あまりお好きではありませんでしたよね。どうされるんです?」「うん…」
佐久間くんとは最初は同じ中学のよしみだったけど、一学期の席替えで隣になって以来仲良くなった。私は彼のことが男の子として好きだし、佐久間くんも私を好きだと思う。カフェオレのほうがおいしい。本当はパンダが一番。でも大事なのは佐久間くんがくれたってことだ。ウサギを見たら私の顔が浮かんだのか、私へのお土産を探していたらウサギと目が合ったのか。どっちなんだろう。どっちでも良いけど、早く味見してお礼と感想を言いたい。
 
 オリバーに教わりながら淹れた紅茶を、来客用の透明なティーカップに注ぐ。ママはこういうモダンなデザインが好きみたい。とりあえず一口。意外とおいしい。ていうか私、紅茶の味知ってたっけ。知らない。飲まず嫌いだったんだ。
「おいしい」
「当然でございます」
なんか、オリバーって基本的にうざいけど、お嬢様の前では良き執事だったのかも。

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