紅茶の香り
私は紅茶の香りが苦手で、母が淹れている紅茶の香りでいつも目が覚める。
いつも「紅茶はやめて。」と言うけれど、やっぱり母は
「紅茶の味も香りも大好きでやめられない!」
って。そう発言した母が少し面白くて、笑ってしまった。
母と話をして私は
「行ってきます!」
と言い、学校へ向かった。
母は家のドアから私の登校姿を見て、キラキラとした笑顔で
「行ってらっしゃい!」
と言ってくれた。私まで笑顔になった。
今は亡き父も紅茶が大好きだったな、と思い出しながら電車に乗る。
学校へ着くと、友達が
「ハッピーバスデー!」
と言ってくれた。ああ、そうだ、今日は私の誕生日だ。
「覚えててくれたんだ。ありがとう」
そう言い席に着く。
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授業が終わり、放課後。友達とたわいもない話をしていると、電話があった。
私が小さい頃からよく通っている病院からだった。
「お母様が交通事故に遭いました。すぐに来てください。」
私はすぐに病院に向かった。
でも私が向かった時にはもう遅かった。私の誕生日ケーキを買いに行った帰り、大型トラックに轢かれて亡くなった、とお医者様から聞いた。
家に帰ってからは一晩中泣いた。そして一睡も出来ないまま朝を迎えた。
母が朝、いつも淹れていた紅茶を飲んでみる。
やっぱり、私の口には紅茶は合わない。
けれどこの日から私は──────
紅茶の香りが大好きになった。
───────フィクション───────
追記(10/29)
みなさんこんにちは。10/28にこのアプリを入れました。
しょうもないものしか書けないですが…
あ、自己紹介が遅れました。
"匿名。"という名で活動させてもらっております。
これからもこの匿名。をどうぞよろしくお願い致します。
10/28/2023, 5:19:48 AM