匿名。

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9/13/2024, 4:11:59 PM

「……夜、か」

私は決まって夜に突然涙が止まらなくなって、この世から消えたくなる。
早く寝れば良いじゃないか、って思われると思う。けれど寝てしまえば一瞬で朝が来る。
それが嫌で、私はこうして夜更かしをしている。


ゲームをして、お菓子を食べて、スマホを触って。そんな事で気を紛らわそうとするけれど。

「あ……泣きそう」

ただ、泣きたくなって泣くだけ。無表情。苦しい顔もしない。いや……できないんだと、思う。

消えたいなあ、最初からいなかった事にしたい。

こんな世界嫌だ、って。終わりにしたい、って。
そんな事何度も考えるけれど、行動に移せなきゃ意味がなくって。……痛いのは、生まれた時から嫌だから。




夜明け前。今日は少し海にでも行こうと思って、
寝巻きのまま適当に靴を履いて家を出る。
信号も合わせて……5分もすれば着く。

まだ日も出ていないのに輝いている海は、私に
「おはよう」なんて喋りかけているようで何だか
面白くて、笑ってしまう。

「っふふ……うん、おはよう」

そう言うと、海から日が出てきて。まるで人間みたい。おはよう、って言われて、布団から少しだけ
顔を出す。そんな感じ。

「貴方は、今起きたのよね。おはよう」

日に向かって声を掛けると、また顔を出す。

「何だか貴方達を見てると疲れも吹っ飛んじゃう。ありがとう。また明日も来るわ」

──ザァァ。

「返事……してくれたの?」

と、少し笑ってしまう。
嗚呼、今日は何だか頑張れそう。




それから私は、夜明け前に海へ行く事を習慣化させた。海と日の出に、ちょっとした元気を貰いに。




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題名:夜明け前




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6/24/2024, 4:26:38 AM

ふと思う。子供の頃は、幸せだったなと。












❆❆❆












子供の頃は、ちょっとした事で笑うし、泣くし。
今は如何だ?人の顔色ばかり気にして、自分の本音を話せなくて。ただ汚い笑顔を貼り付けるしか───












「ママ?」












娘に声を掛けられて、我に返る。













「あ、ごめんね。如何したの?」






「なんでもないの。ただね、ママ、くるしそうなかおしてたから」






「え〜?ママそんな顔してたかなあ?」






「うん…こんなかんじでね。むすーって」












腰に手を当てて、私の真似をしてくれる。












「ごめんね、怖かったよね」






「ううん、ママのあたらしいかおみれて、███うれしいよ!」












そうやって歯を見せて笑う娘は、何処か昔の私に似ていて。












「今、幸せ?」






「しあわせだよ!ママのこどもにうまれてよかった!」






「そっ、かあ…」






「…ママ、ないてるの?」






「嬉し泣き!大丈夫だから」






「ふふ、そっかあ!」












…子供の頃はただ、笑う事と泣く事が多かっただけ。今も、十分幸せだ。












❆❆❆

題名:子供の頃は

5/27/2024, 12:25:28 PM

これは、天使と悪魔の、ちょっとしたお話。












───















「あ、あの人お婆さんを助けてる。」



私は、天国から人間界の様子を見ている天使でね。
毎日毎日、人間の笑い声や笑顔を見ているわ。此方も楽しくなる位、笑うの。


天使の役目(しごと)は、善い事をしている人を此方(天国)から見て、閻魔様に報告する事。
でも私は、逆の事をしているわ。報告は、上手くやっているわよ。



「あ───ふふ、悪さしてる人みいっけ。」












***












「人間たちは悪さをするのが好きだな。」



私は、地獄から人間界の様子を見ている悪魔でな。
毎日毎日、人間の悲鳴や怯えた顔を見ている。此方も苦しくなる位、叫ぶんだ。


悪魔の役目(しごと)は、悪い事をしている人を此方(地獄)から見て、閻魔様に報告する事。
でも私は、逆の事をしている。───報告か?上手くやっているぞ。



「あ───善い事してる人がいる。」












***












「閻魔様。今日善良な行いをしていた人間はこの███さんでしたよ。───あの、閻魔様?」



「お前は、嘘を吐いているな。」



「そんな事は…!!」



「此奴は今日、万引きをした筈だ。…仕事中、何をしている?」



「其れは、あの」



「お前は、地獄で悪魔として働け。善いな?」



「…はい」












***












「閻魔様。本日悪行を働いたのはこの███です。───あの?」



「お前も、嘘を吐いているな。」



「えっと、はい?」



「此奴は今日、道で老人を助け、道に迷っている子供も助けていた。…天使と立場を変えろ。彼奴だ」



「…承りました。」



天使と悪魔はそれぞれ閻魔様の前に立ち、天使は悪魔に、悪魔は天使に、と立場を交換した。












***












「ふふ、今日もあの人は善い行いをしているな」



天使となった今、天国では毎日人間達の笑顔を見ることが出来て、私は幸せ者だ。












***












「あはは、あの人はまた悪さしてるのね。嗚呼、あの相手の顔も───」



悪魔となった今、地獄では毎日人間達の怯えた顔を見ることが出来て、私は幸せ者よ。












───












おしまい。

嗚呼、御免なさいね。最初の文に言葉が足りなかったわ。













これは、元天使と元悪魔の、ちょっとしたお話。











───



題名:天国と地獄

4/6/2024, 3:07:06 AM

「あのね、██ちゃん」


「何、何でそんな深刻そうな顔してんの」


「もし、私が死んじゃったら、どうする?」


「アンタが死ぬ?また変な事言って…全く想像付かないっての」



そう笑う貴方は、昨日、不慮の事故で死んだ。



「昨日は、星が綺麗だったね。近くにある川が流れる音と、星空。最高じゃない?」



そう喋りかけても返事は来ない。でも、喋り続ける。



「私が昨日あんな話をしたからかな。ごめん。」


「いいよ、そんぐらい。」



後ろからそう聞こえた気がした。喋れるなら一寸くらい、姿を現してくれても良いじゃない。



「生まれ変わっても、また仲良くしてくれる?」


「生まれ変わるって…はは、生まれ変わるには平均で4、5年はかかるんだよ。」


「猫になれば良いじゃない」


「ああー、確かに」


「私、あそこでずっと待ってるから。猫になったら、来てちょうだい」


「勿論」


「有難う」



そこから、彼女の返事は無くなった。



また、あの星空の下で出会えますように。




題名:星空の下で










    ───────フィクション───────

3/1/2024, 2:18:36 AM

「お母さん、お父さん。ただいま!」

「「おかえり、待ってたよ」」



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私は上京して、所謂、都会に住んでいる。
両親は上京したいと言った私の荷造りを手伝ってくれたり、応援してくれた。

そんな私は月一度は必ず実家に帰り、泊まることにしている。予定が合えば何度でも会いに行った。


私の住んでいる県と両親が住んでいる県はだいぶ遠く、会う手段は列車に乗って行くしかなかった。それプラス何度も乗り換えをする。
でも時間や大変さなんて気にした事がなかった。両親に、1秒でも早く会いたかったから。





「お母さん、お父さん。ただいま!」

「「おかえり、待ってたよ」」









    ───────フィクション───────








3/1

この物語はフィクションですが、現在ド田舎に住んでいる匿名も何れこうなります。

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