『窓越しに見えるのは』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
窓越しに見えるのは(近くて遠い君)
朝、通学する電車でのわたしの立ち位置はいつも窓際。
ラッシュアワー時で座れないのはともかく、窓際を陣取れるのは嬉しい。
凭れてスマホを片手に時間を潰すのが日課だが、ある場所になるとわたしは窓の向こうに目線を移す。
―――必死に自転車を漕ぐ、名前も知らない男子学生。
この時間毎日見かける、彼を眺めるのが何となく習慣になっていた。
雨の日も風の日も、多分雪の日も、いつも時間ぎりぎりなのか自転車を爆速で漕いでいる。
朝からすごい元気で羨ましいと思う反面、もう少し早く家を出ればそんな体力使わなくて済むのでは………、といらぬお節介を焼いてしまう。
毎日眺めているせいか、妙な情を抱いてその姿を追ってしまっている自分がいた。
ある日、また何気なくその場所に視線を移したが、―――いない。
珍しい、どうしたんだろう。休み?
………あれは確か隣の男子校の制服だから今日は休校ではないはず。
首を傾げていると、駅名を告げるアナウンスと共に電車が止まり、扉が開いた先に―――彼がいた。
遠目でしか目にしたことがなかったが、特徴が確実に自転車の彼と被っている。
あのひとだ、とわたしは内心確信した。
―――窓からいつも見ていた彼と、今目の前で吊り革を握っている彼とでは印象が全く違っていてわたしは動揺する。
なぜかって、彼が余りにも―――かっこよかったから。
自転車はどうしたのだろう。何かあった?
それともたまたま今日だけ?
もしかしてこれから電車通学になるとか?
ドキドキする。心が躍る。
ああどうか、明日もこの時間のこの電車に彼が乗ってきますように。
―――窓越しではなく何の隔たりもない近い距離で、もう少し彼を見ていたい。
恋に落ちる瞬間というのはこういうことなのか、とまるで他人事のように思いながら、
わたしは彼に見惚れていた。
END.
“窓越しに見えるのは”
窓越しに見えるのは、真っ暗な夜空だ。見える範囲に月はなく、遠い遠い宇宙の先にある星たちだけがぼんやりと光っていた。星が瞬くその様子が、宇宙の真ん中で何度も見てきた命が消えていくその瞬間をフラッシュバックさせる。瞬く度に脳裏を過る、帰ってこない仲間たちの顔と、自分が撃った見知らぬ誰かの最後の瞬きを追い出す様に、グラスに残っていたウイスキーを飲み干した。
『考えたって仕方ない。帰ってこないものは帰ってこない』骨も遺品も埋められていない、ただ名前が刻まれただけの墓石の前でウジウジとしゃがみ込んでいた俺に向かって吐き出されたアイツの言葉がふと蘇る。俺は俯いていたからその顔は見ていなかったけれど、しばらくしてアイツが立ち去った後に見た地面には、水滴が染みが残っていた。
そういえばあの時、アイツはどんな顔をして涙を流していたんだろう。今になってなんで突然そんなことを思ったのかはわからないが、急に気になってしまった。激情家のアイツらしく怒りに満ちた顔をしていたのだろうか。淡々とした口調の通り澄ましたよそ行きの顔を取り繕っていたんだろうか。昔、一度だけ見たことのある感情を持て余してどうしたら良いかわからなくなった様な、迷子の様な顔をしていんだろうか。
色々な顔を当てはめていくけれど、どれもしっくりこない気がする。あれ以来、弱気になったアイツを見る機会は一度もなく、あの時にそんな余裕はなかったけれど、一目見ておけば良かったと少しだけ残念な気持ちになりながら席を立った。
空のグラスを片手にキッチンへ向うと、どうやらキッチンに置きっぱなしになっていた端末がピコピコ光っているのが見えた。どうやら今まさに考えていたアイツからのメッセージの様だった。
グラスいっぱいに氷を入れてウイスキーをグラスから溢れそうなほど注いでテーブルに戻る。メッセージにはそろそろ帰るという素っ気ない一言と共に、いったいどこから撮ったのかクソでかい月の写真が添付されている。
ウイスキーを啜る口元がムズムズして仕方がない。誰かが昔、アイツのことを月の様に冷たい奴だとそう言っていたが、俺にとってもきっとアイツは月の様な存在だった。暗くて前が見えなくなりそうな夜道を真っ直ぐ向かう場所へと導く月の光の様だ。
窓越しに見える夜空にはいつの間にか月が顔を見せていて、いつにもまして煌々と夜空を照らしている様に見えた。
いつもと変わらない、街の風景
車と色々な人達
色とりどりの鳥
いつもと変わらない
心が落ち着きます
『窓越しに見えるのは』 2024.7.2
窓越しに見えるのは、鉛色の雲と大粒の雨。
窓にボツボツと当たって砕けて、スーッと落ちていく。それを見ていたのは朝の6時頃だった。オールしていた私からしたら最悪な朝だ。夜な夜な私を悩ませていた謎の頭痛の正体はこの低気圧と大雨。
薬を飲んで、薬が効くまでどうにか頭痛を紛らわせようと朝の8時頃まで知らない誰かと通話して、笑いあっていた。それまで何時間も悩んでいた事なんてどうでも良くなる程に楽しい時間を過ごした。
通話相手は大学に行かなければ、とそう言って通話を切った。それまで考えなかった前日までの悩みを全部思い出し、また鬱になる。
「私を悲しませる男なんかこっちから願い下げ」だとそう思いたかったけど「次こそはちゃんと続くかもしれない」と、希望を持っている私がいて、天国と地獄の様な、そんな感じの気持ちの浮き沈みだ。
今日は何にもすることがない。何度も晴れたり、雨が降ったり、曇ったり、そんな忙しない空模様が、何となく私の心を写しているような、そんな気がした。梅雨の時期だしよくある事だが、そう思うくらいは良いだろうと自分に言い聞かせる。
#窓越しに見えるのは
学校が終わり家に帰って、部屋で勉強をしていた時。
ふと隣の家に住んでいる好きな人は今何をしているのだろう。
そう考えてカーテンを開けた。
すると目に入ったのは、窓越しに見える驚く君の顔。
お互い考える事は一緒だったらしい。
思わず笑みがこぼれた。
お昼後の授業、眠気と戦っているとグラウンドから元気な声が聞こえる。外を見るとサッカーをしているクラスがある。
お昼の後にあんな動ける男子達は凄いなと感心しているとその中に色素の薄い髪色の彼を見つけた。
“夜久のクラスか”
一見小柄だが私よりは背が高いしバレーとなればその存在感はほかの誰よりもある気がする。ボールを追い掛けるその姿はサッカーでも変わらず楽しそうで、眩しい。
休憩になったのか人が散り散りになったと思っていたら不意にバチっと目が合ってしまった。この距離から目が合うわけがないと思っていたのに向こうも少し驚いている様子。
そのまま目を逸らすのも気まずいので周りにバレないよう小さく手を振ると向こうも少し照れくさそうに手を上げて合図を送ってくれた。
その後は、お互い授業に戻ったけれど目が合った瞬間の胸高鳴りが暫く治らなかった。
-窓越しに見えるのは-
窓越しに見えるのは
端っこにある窓からは、私の物理的現実のありようと履歴が見える。時代的空気の変遷も、舞台装置のように見える。昭和の温度や湿っぽさ、大ぶりな活力や乱暴さ。平成の乾きゆくヤサグレ、異常な経済テンションの急速な落下と全体に浸透していく無力感から派生した「お客さん根性」、そして度々の災害。令和、かつて直線的だったものはどんどん非直線的な顕れになってきて、誰もが各々、「集団的空気」をジャイロにできなくなった。流行りらしい言葉は「自分軸」。それらの中の私はいつもうろうろしていたが、もはやそのなかに「属して」いない。属していないが、そのなかに居る。
その隣の窓からは、物理的現実と相互作用しながら存在する、「波動が一つ違う領域」が見える。「いつもの現実」で流布されるハナシに、隠れてしまった物理的事実があることもシレッと明らかにある。そこには、この現実にアクションされるジャッジは無い。ここにも、人はいっぱい居る。物理的現実領域と同様に、「闇」も多くある。
そのまた隣の窓からは、この惑星の、人間以外のかたちで在るたくさんの命の整然が見える。直接に「根源」とつながり、それ自身であることを以て他の生命形態のものたちを支え、照らし、自らも拡大してゆく。この窓は私の心にも元気を吹き込んでくれる。
これらの窓は、私のなかにある「認識の間口」なんだろう。私という概念の本体がどこに居るかは、人間の自分という輪郭を崩壊させるところへ「入る」以外に方法を知らないし思いつかない。やってみた。結果、「何処にでも居る」。
“あのこが郡司ちゃんのこと「怖い」って言ってたよ”
…と聞き及んだので、何を怖く感じるのかきいてみた。自分では、さっぱりわからないから。伝える子が言うに、“わかんない。「怖い」しか言わないから。アレじゃないかな、得体の知れない感じがするとこじゃないかなー”と。…君は若干13歳だよな? 生まれて半世紀経つ者は皆「得体が知れない」のでは? “そうかなー、とにかく、得体の知れない感じはあるよね” …フツーなおばちゃんじゃろが。ちょっとよく見ればわかるろう。
こちらの窓がオープンでも、問答無用で閉ざされることもある「他の窓」。他の窓の向こうから、私はどんなふうに見えているんだろう。…ナゾだ…。
私の部屋の窓は、隣の家のどこかの部屋の窓と面している。
今は誰も住んでいない家らしく、カーテンも何もない、真っ暗でシンとした部屋が見えるだ。
誰か引っ越してこないかなぁと、小さい頃から思っていた。
長年の想いが届いたのか、中学生2年生になる春休み、その家の前に大きなトラックが止まっていて、人が出入りしているのが見えた。
お母さんに聞くと
「誰か越してくるみたいよ。きっと落ち着いたら挨拶に来るんじゃないかしら」
と言っていた。
どんな人が来るんだろう。歳の近い子だといいな。
私の部屋から見えるあの部屋は、誰の部屋になるんだろう。
初めての臨時にワクワクしていると、少しして、見知らぬ家族が挨拶に来た。
うちの両親と同じ年頃の夫婦と、元気いっぱいの小学生の女の子。
「隣に越してきました、高田です。こちら、よければご家族で召し上がってください」
「あら!ご丁寧にありがとうございます〜。ほら、あなたも挨拶しなさい」
「こ、こんにちは」
母に促され、恐る恐る頭を下げる。
「こんにちは。ふふっ、可愛らしい娘さんですね。家にも娘さんと同じくらいの上の子がいるのですが、人見知りで着いて来るのを嫌がってしまって……。また学校が始まったら、よければ仲良くしてやってください」
(歳の近い人見知りな子かぁ、仲良くなれるかな)
シャイな女の子を想像して、なんだか可愛らしいなぁと思った。
その日の夕方、部屋から向かいの部屋を覗いてみると、ピンク色のカーテンが取り付けられていた。
窓辺に可愛いうさぎのぬいぐるみの背も見える。
きっと妹さんか、例の人見知りの子の部屋だろう。
どうやって仲良くなったものかと頭を捻った末に、私も窓辺にぬいぐるみを置いてみることにした。
可愛いくまのぬいぐるみを、相手の部屋の方に向けて。
(気づいてくれるかな……)
と、ワクワクしていると、「夕食ができた」とお母さんに呼ばれ、慌ててリビングに駆け降りた。
***
「ふぅ、いいお湯だった〜」
夕食とお風呂を済ませ部屋に戻る。
そういえばと、窓の外を覗いてみと……。
「あっ……!」
窓越しに見えるのは、こちらに微笑む可愛いうさぎのぬいぐるみ。
「さっきは後ろを向いていたのに!」
隣の部屋の子が気づいてくれたのだと嬉しくなった。
まだあんまりよく知らないけど、あの部屋の主とはきっと仲良くだろう。
そう強く確信した日だった。
お題『窓越しに見えるのは』
窓越しに見えるのは、夏の訪れを教えてくれる入道雲
そんな窓越しの世界を青春から見たのは、
もう4年も前のこと
窓越しに見えるのは
見渡す限り
碧青とした
草の海
そよ風に靡き
雨に打たれ
日を浴びて
益々碧く煌めく
窓越しに見えるのは…
青い空、白い雲
悪阻でほぼ寝たきりになって、スマホもいじれなくて、ひたすら窓の外を眺めてた。
こんな事でもなかったら、ずーっと窓の外を流れていく雲を眺めてることなんて、まず無いもんね。
この窓から青空が消えたら…その時は入院だ。
お願い、青空よ消えないで…!
その願いも虚しく青空は白い雲によって埋め尽くされた。
そして結果、一週間の入院。
あのときの子は、もう一歳半になりました(^^)
太陽がちょうど真上に到達して、ジリジリ焼けつく日差しの中。
だだっ広い校庭の真ん中で、友達と対人レシーブで遊ぶサッカー部の君。
楽しそうに笑う姿を少しでも目に焼き付けたくて、クーラーの効いた教室の窓に食らいつく私。
あっ。
君と目が合って、こっちに向かって手を振ってくれた。
かろうじて振り返したけど、私は両手で顔を覆ってしゃがみ込んだ。こっちを見てほしいと心の中で唱えていたのが、叶ってしまった。嬉しくて堪らない気持ちが全身に広がった。
やっぱり私の気持ち、君にバレているのだろうか。
『窓越しに見えるのは』
赤い糸(番外編)②の続き
窓越しに見えるのは(番外編)③
●雪
ハイネは、毛布をたくし上げ窓の外を見る
寒いと思って起き上がったら
窓越しに見えるのは一面の雪景色だった。
欠伸をして、二度寝を決め込むハイネ
(今日は、もう何もしたく無い....)と
バインダー局のソファーですやすやと
寝息を立てて眠ってしまったハイネ
一方 暖かい焼き芋を買って来て皆に配る
シズク皆 喜んでくれて嬉しくなった
シズクは、ハイネにもあげなきゃと一人
ハイネの部屋に向かう
しかし寝息をたてて眠っているハイネを
発見 寝顔を覗きこんだら完全に眠っており 起こすのが可哀想になったシズクは
焼きたてを食べて欲しい思いは、あったが
そのまま踵を返そうとする。
そして無意識に暖かい物を求めて寝ぼけて
いたハイネは、美味しそうな匂いと暖かい
湯気に反応して腕を伸ばす。
踵を返そうとしていたシズクだがハイネに
後ろから抱きしめられ気づけば自分の隣に
ハイネの顔があった。
目を丸くして驚くシズクだがハイネに抱き枕状態にされたシズクは、動け無かった
気づけば焼き芋を抱えたままハイネの寝息を耳元で聞いて居た。
「? ? ....ハイネ....」とシズクは、呼び掛けて見るが ハイネは「あったかい...」と寝言を言っていた。
(....ハイネ....寒いのかなあ....)それなら
もっと暖かくしなくちゃとシズクはハイネに寄り添う様にハイネの胸にすっぽりと
自分の体が入る様に自分の体をハイネ側に
寄せる。
ハイネの顔が自分の近くにあってシズクは
優しくハイネの髪を撫でた。
何だかハイネにはいつも意地悪ばかりされているのでこんな風に抱きしめられるのが
シズクには、嬉しく感じ 寒い季節なのに
体の中がぽかぽかと暖かくなって来る。
そうしてその暖かさに包まれながらシズクもいつの間にかハイネと一緒に寝ていた。
ハイネが先に起きだし自分の顔の間近に
シズクの顔がある事にびっくりして
飛び起きる事になるのだが....
(なっ 何だこれ!!何が起きた!....
っ....て言うかこいつ何で焼き芋抱えながら
寝てんだろう.... って俺 今の今までこの
状態で寝てたのか...)
自分の状況を鑑みて顔に熱が上がって来た
ハイネは、シズクが起きる前に急いで
起き上がりその部屋から逃げだしたのだった。
これまでのことは全部夢だった、とでも言うように。
君は出会った時と変わらない速度で歩いていた。
テーマ 窓越しに見えるのは
窓越しに見えるのはどんよりとした景色
電車は今日も一本道で日常へと向かう
毎日頑張っているのに
きのうもきょうもあしたもあさっても
雨がやまない
ときどき叫びたくなるんです
いつか雨はやみますか
あのどんよりとした空に
虹はかかりますか
二次創作 あくねこ
窓越しに見えるのは模擬戦を行っている執事達の様子だった。ハウレスの掛け声と共に金属のぶつかり合う音が換気をするデビルズパレス内に流れ込んでくる。
今日はロノとバスティンが対戦をしているようだ。窓を開けた時には既に激戦を繰り広げている最中だった。喧嘩のようにも見えたがお互い何処と無く楽しそうに武器を振り回している。
上の階から応援が聞こえ始めた。それにつられて自分も外に向かって声を上げた。
窓越しでいろんな風景見てきたけど一番心に残ってるのは窓からみた海の風景。
断崖絶壁の岩があって荒れた波が岩にあたってカッコいい水しぶきが上がる。
東映の波のシーンによく似てた。
なんか海賊とかが暴れてそうな男の海って感じだった。
窓越しに見えるのは
私は物心ついた頃から一室の部屋に閉じ込められている
この部屋の中でなら何をしてもいいのだが、外の世界は窓から見える景色と絵本や小説といった物語の世界しか知らない
ぬいぐるみ達も大切な友達で、大切な話相手
ただ、今日はいつもと違った
窓越しに見えたのは、おそらく私よりも年上だろうか…綺麗な瞳の男性がいた
「窓越しに見えるのは」
今回も完全に番外編なのだが、一応あらすじを載せておくことにするよ!!!もしよければ参考にしてくれたまえ!!!
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「前回までのあらすじ」─────────────
ボクこと公認宇宙管理士:コードネーム「マッドサイエンティスト」はある日、自分の管轄下の宇宙が不自然に縮小している事を発見する!!!
そこで、急遽助手であるニンゲンくんの協力を得て、原因を探ることにした!!!お菓子を食べたりお花を見たりしながら、楽しく研究していたワケだ!!!
調査の結果、本来であればアーカイブとして専用の部署内に格納されているはずの旧型宇宙管理士が、その身に宇宙を吸収していることが判明した!!!
聞けば、宇宙管理に便利だと思って作った特殊空間内に何故かいた、構造色の髪を持つ少年に会いたくて宇宙ごと自分のものにしたくてそんな事をしたというじゃないか!!!
それを受けて、直感的に少年を保護・隔離した上で旧型管理士を「眠らせる」ことにした!!!悪気の有無はともかく、これ以上の被害を出さないためにもそうせざるを得なかったワケだ!!!
……と、一旦この事件が落ち着いたから、ボクはアーカイブを管理する部署に行って状況を確認することにした!!!
すると、驚くべきことに!!!ボクが旧型管理士を盗み出したことになっていることが発覚!!!さらに!!!アーカイブ化されたボクのきょうだいまでいなくなっていることがわかった!!!
ボクも色々と探しはしたものの、きょうだいはなかなか見つからない!!!そんなある日、ボクのきょうだいが発見されたと事件を捜査している部署から連絡が入った!!!
というわけで、ボク達一行はその場所へと向かうが……。
(続きはお楽しみにね!!!)
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自称マッドサイエンティストは、よく窓の外を見ている。
昨日も今日も、多分明日も。
しかし、外なんか見て何が楽しいんだか。
「おや、ニンゲンくん!!!どうかしたかい???」
いや、別に。
「ここから見る景色はいいものだねえ!!!」
「ニンゲンたちの談笑、車が走り去るときのライト、季節の花々、それからただ一つとして同じ形をとらない雲!!!」
「窓越しに見えるのは、生命と星の生き様なのだよ!!!」
「こんな貴重なものがいとも簡単に見られるのだから!!!とても素晴らしいではないか!!!」
「キミにとってはこれが当たり前だから、このありがたみがわからないかもしれないが!!!ボクからみたらとても興味深い!!!」
なるほど。「当たり前」にあるもののありがたさ、か。
考えたこともなかったな。
01100101 01101110 01110110 01101001 01100001 01100010 01101100 01100101
いいなぁ、ニンゲンくんは。
ボクは「生まれて」からずーっと研究室にいたから、窓の向こう側を見ることなんてほとんどなかった。
研究所はあまりにも味気ないから、誰かが宇宙のどこかが見られる窓風のパネルを至る所につけていた。
それはそれは美しかったよ。
だが、まるで生命体の営みがない。
美しいが、雨は降らないし、花も咲かない。
何も生まれず、何も死なない。
ボクにとっては、かえって味気ないものだった。
でも、ここから見られるものは、てっぺんから地面まで生き生きとしている。みんな生きているのがよくわかるんだよ。
だからこそ、彼らが、キミが生きているこの星を、この宇宙を守りたい。誰にも傷つけさせはしない。
そう思って、ボクは今日も窓の外を見る。
「時刻は午後四時を回りました……」
適当につけていたラジオからそう言われた。休日の時の流れとはまるで特急電車のように速く過ぎてしまうものだ。いつも1日48時間を願うのもこのせいだ。
2人分の夕食の準備をワンオペで行うのもだいぶ慣れてきたが、時間はかかる。今日の夕食は肉じゃがだ。不器用ながらも自分なりに丁寧に切った材料は鍋の中で光っているように見えた。
ふと、顔を上げ、正面の窓を見た。空はオレンジの絵の具がこぼれたような綺麗な夕焼け空だった。
(ボスももうすぐ帰ってくるかな)
そう思い、エリオは鍋の火を止めた。