Frieden

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「窓越しに見えるのは」

今回も完全に番外編なのだが、一応あらすじを載せておくことにするよ!!!もしよければ参考にしてくれたまえ!!!

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「前回までのあらすじ」─────────────

ボクこと公認宇宙管理士:コードネーム「マッドサイエンティスト」はある日、自分の管轄下の宇宙が不自然に縮小している事を発見する!!!

そこで、急遽助手であるニンゲンくんの協力を得て、原因を探ることにした!!!お菓子を食べたりお花を見たりしながら、楽しく研究していたワケだ!!!

調査の結果、本来であればアーカイブとして専用の部署内に格納されているはずの旧型宇宙管理士が、その身に宇宙を吸収していることが判明した!!!

聞けば、宇宙管理に便利だと思って作った特殊空間内に何故かいた、構造色の髪を持つ少年に会いたくて宇宙ごと自分のものにしたくてそんな事をしたというじゃないか!!!

それを受けて、直感的に少年を保護・隔離した上で旧型管理士を「眠らせる」ことにした!!!悪気の有無はともかく、これ以上の被害を出さないためにもそうせざるを得なかったワケだ!!!

……と、一旦この事件が落ち着いたから、ボクはアーカイブを管理する部署に行って状況を確認することにした!!!

すると、驚くべきことに!!!ボクが旧型管理士を盗み出したことになっていることが発覚!!!さらに!!!アーカイブ化されたボクのきょうだいまでいなくなっていることがわかった!!!

ボクも色々と探しはしたものの、きょうだいはなかなか見つからない!!!そんなある日、ボクのきょうだいが発見されたと事件を捜査している部署から連絡が入った!!!

というわけで、ボク達一行はその場所へと向かうが……。
(続きはお楽しみにね!!!)

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自称マッドサイエンティストは、よく窓の外を見ている。
昨日も今日も、多分明日も。
しかし、外なんか見て何が楽しいんだか。

「おや、ニンゲンくん!!!どうかしたかい???」
いや、別に。

「ここから見る景色はいいものだねえ!!!」
「ニンゲンたちの談笑、車が走り去るときのライト、季節の花々、それからただ一つとして同じ形をとらない雲!!!」

「窓越しに見えるのは、生命と星の生き様なのだよ!!!」
「こんな貴重なものがいとも簡単に見られるのだから!!!とても素晴らしいではないか!!!」

「キミにとってはこれが当たり前だから、このありがたみがわからないかもしれないが!!!ボクからみたらとても興味深い!!!」

なるほど。「当たり前」にあるもののありがたさ、か。
考えたこともなかったな。

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いいなぁ、ニンゲンくんは。
ボクは「生まれて」からずーっと研究室にいたから、窓の向こう側を見ることなんてほとんどなかった。

研究所はあまりにも味気ないから、誰かが宇宙のどこかが見られる窓風のパネルを至る所につけていた。
それはそれは美しかったよ。

だが、まるで生命体の営みがない。
美しいが、雨は降らないし、花も咲かない。
何も生まれず、何も死なない。

ボクにとっては、かえって味気ないものだった。

でも、ここから見られるものは、てっぺんから地面まで生き生きとしている。みんな生きているのがよくわかるんだよ。

だからこそ、彼らが、キミが生きているこの星を、この宇宙を守りたい。誰にも傷つけさせはしない。

そう思って、ボクは今日も窓の外を見る。

7/2/2024, 4:36:20 AM