「夏の匂い」
雨に濡れたアスファルト。
若草の大人の姿。
いつもより早いシャンプー。
ふとした匂いで、夏が感じられる今日この頃。
あなたはいかがお過ごしですか?
「青く深く」「カーテン」(6/29、30)
゚*。*⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒*゚*。
かき氷のブルーハワイよりも。
思い出の紫陽花よりも。
神秘のラピスラズリよりも。
ドビュッシーの月の光よりも。
まだ見ぬ深海よりも。
ユングフラウヨッホの空よりも。
青く深く、永遠に続くのは───。
あなたの美しい心そのもの。
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「カーテン」
朝起きた時、そっと開ける。
誰かが来た時、そっと開ける。
レース模様の影がひらひらと、風と一緒にうごいて、部屋に涼しさを運ぶ。
あなたの声で、ゆったり揺れる。
部屋のカーテンを開いて。
心のカーテンを開いて。
今日もいちにちがはじまる。
「小さな愛」
今日もおちびと朝から散歩。今日はいつもの公園じゃないところに行きたいらしい。
「おちび、どこか行きたいところある?」「んー!」「どこがいいの?」「いぱーいいちあるとこ!」
そう。最近この子は石拾いにはまっている。気に入ったものを見つけては大事そうに持って帰っている。正直言うとあんまり違いがわからない。けど、楽しそうだからいいか。
「いっぱい石があるところか……。河原とかどうかな?」「かぁら?」「そう、河原。川のそばだから、丸っこい石がたくさん落ちてると思うよ。」「まるいいち!いぱーいひろうの!」
川まで少し距離があるから、散歩も十分できる。さらに石まで拾えるときた。この子にとったら一石二鳥だろう。「かーら、いく!」「れっちゅごー!なの!」
河原までの道をゆっくり歩く。「おはな、きれいねー!」
アジサイやタンポポ、いろんな花が咲いている。夏の蒸し暑さでただただぼーっと歩いていたら、気が付かなかったかもしれない。
「そろそろ河原に着くよ。」「かーら!かーら!」ただの河原なのに、すごく楽しそうだ。「ほら、着いた。」「わー!」
「とげとげのおはな、いぱーい!」……そっちかよ。
「その花は、アザミっていうんだ。とげに触ると痛いから、あんまり近寄らない方がいいよ?」「えー!でも、きれいよー?」「きれいだけどね。」「むー。」
「でも、枯れるころにはふわふわの綿毛が出てくるんだ。」「ふわふわ!かわいいの!」「おちびの髪の毛みたいにふわふわだよ。」「へー!」
「ところで、石はいいの?」「あ!かぁいいの、ひろう!」
そう言って河原をよちよち歩く。「あんまり川に近づいちゃだめだぞー。」「はーい!」
おちびを見張っているだけでは少々物足りないので、よさそうな石を探してみる。
う~ん……。確かに青っぽいのや白っぽいの、丸いのや半透明みたいなのまでいろいろあるけど、これといってよさそうなのはない気がする……。
「ニンゲンしゃん!」「ん?」「みてー!」「かわいいでちょ?」小さな手のひらには大きく見える、赤い石を握りしめていた。
「赤いね。」「んー!」「これ、ニンゲンしゃんにあげるー!」「え、くれるの?ありがとう。」「んー!」
「あのね、あか はね、あいのいろ なんだってー!」「愛?」「ん!」「だいしゅきなひとに、あかいおはなをあげるんでちょ?」「バラとか、確かにそうだね。」「んー!」
「ボク、ニンゲンしゃんだいしゅきだからね、あかのいちあの!」
「……ありがとう。うれしいよ。」「えへー!」
「いい石が見つかったから、そろそろ帰るか。」「やだー!」「まだ、かーらいるの!」
「え?」
……その後、まさか夕方まで河原にいることになるとは思わなかった。帰るころには、空が小さな愛の形を模した赤い石と同じ色をしていた。……綺麗だなあ。
「空はこんなにも」
壊れた。こわれた。
今日も壊された。
僕の作った家具。妹のぬいぐるみ。母からもらったお守り。
壊された。
父が育てたオリーブの木。白い鳩の巣。
全部全部、壊された。
なのに、空はこんなにも。
大きく笑っている。
「子供の頃の夢」
子供の頃は、早く出家して尼さんになって、山籠りをしたいと思っていました。(別に仏教徒じゃないのに……。)
今でも基本的に根っこの部分は変わっていないのですが、大人になった現在の将来の夢(?)は、変な鳴き声の犬か猫になって、人々を笑わせることです。そのために今、功徳を積んでいるつもり……です!