まかろん

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「時刻は午後四時を回りました……」

 適当につけていたラジオからそう言われた。休日の時の流れとはまるで特急電車のように速く過ぎてしまうものだ。いつも1日48時間を願うのもこのせいだ。

 2人分の夕食の準備をワンオペで行うのもだいぶ慣れてきたが、時間はかかる。今日の夕食は肉じゃがだ。不器用ながらも自分なりに丁寧に切った材料は鍋の中で光っているように見えた。

 ふと、顔を上げ、正面の窓を見た。空はオレンジの絵の具がこぼれたような綺麗な夕焼け空だった。

(ボスももうすぐ帰ってくるかな)

そう思い、エリオは鍋の火を止めた。

7/2/2024, 4:24:26 AM