大地に寝転び雲が流れる・・・目を閉じると浮かんできたのはどんなお話?』の作文集

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大地に寝転び雲が流れる・・・目を閉じると浮かんできたのはどんなお話?』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

5/5/2023, 5:17:23 AM

瞼の裏に残る空が、
懐かしい感情とともに移ろう。

初めて獲物を狩ったときの眩しい空。
収穫を前にした秋晴れの空。
土地を争って怪我を負い見つめた空。
恋人を想って詠んだ茜色の空。
戦に敗れ途方に暮れて見上げた空。
貧困に喘いで救いを求めた空。
ただ戦争を生き抜くために仰ぎ見た空。
つまらない授業を抜け出して眺めた空。
膨らんだ腹部に手を当てて病室から見ていた空。

この空が呼び起こすのは、
僕の中に刻み込まれた先祖たちの物語。
連綿と続く僕らの命は、
今も昔も変わらないこの空を見上げてきた。

空の記憶がないまぜになった僕の心は穏やかだ。
じきに、また忙しくなる。
それでも構わない。
僕はきっと、その先を生きていくだろう。

微睡みに落ちていく。

5/5/2023, 4:50:03 AM

大地に寝転んで空を仰ぐ。
 流れていく雲を指さして、その輪郭を辿るように掲げた指を動かして、そうして僕は様々なことを想像する。

 あの雲はライオン。勇ましい百獣の王。立派な爪と牙に、猛々しい鬣を振り翳し、頂点に君臨し続ける。

 あの雲はゾウ。何事にも動じない巨大な体躯の内側に、熱く滾るものを持つ。きっと暴れたら一番手がかかる。怒らせてはならない静かなるドン。

 あの雲はウサギ。ふわふわで愛らしく、誰もに可愛がられる。けれど、とても強かで、生きるためにがむしゃらに跳びはねる。見た目と中身のギャップが堪らない。

 あの雲はサル。知能に長けて、狡猾でずる賢い。そのくせ、愛嬌も忘れない世渡り上手。僕のちょっとしたお気に入り。いつかこいつに似たもっと知能の高い生命を想像してみてもいいかもしれないと、実は秘かに画策してる。

 そこまで描いて僕は一息つく。掲げていた指を下ろし、寝転んでいた姿勢から起き上がった。

 さあ、今日はここまで。
 僕は今日の仕事ぶりに満足する。
 空には僕が想像した様々な生き物の形をした雲が浮かんでいる。
 空は僕のキャンバス。雲はさしずめ絵の具かな。色はまあ、ついていないけど、それはまた後で考えれば良いよね。
 ここに描いたことをこの大地に実現するまでが僕の役目。本当に大変だけど、空はまだあんなに広いし、雲も充分過ぎるほど足りてるし、何より僕はこの大地が好きで、この仕事に誇りを持ってるから、全然苦ではない。
 さあ、明日は何を創造しようかな。



【大地に寝転び雲が流れる・・・目を閉じると浮かんできたのはどんなお話?】

5/5/2023, 4:02:29 AM

なんにもしたくない
なんで土曜日は仕事なのだろう
親戚との食事に誘われているけれど
出掛けるのも会食も億劫だ
食べたい気持ちだけはあるけれど
ああ、どうしようかな
なんにもしたくない

5/5/2023, 3:35:28 AM

『夢の行き先』

 ぼんやりと雲を眺めていた。世の中は平等に時間が流れているのだろうかと疑問が湧く。

「もう、やめよっかなぁ」

 高校のときから小説を書いて、高校生になって小説家という夢が定まった。だが今年で28歳になる。会社員になってどのくらい経つのか。高校生の頃にあった熱量が今はもうなかった。

 大きな雲が青い空のキャンバスの上を流れていく。ついさっき、この場所でサイトを開いて落選を知った。やりきれない気持ちになっていたが、風は気持ちがいいし天気はいいし、寝転がったら最高だった。
 落ち込んでいた気持ちが全てどうでもよくなる。もういいじゃないかと、そんな気持ちにもなった。

「でも、目指したいんだよな」

 つぶやいてから目を閉じた。光が瞼を透かし、目の前がやんわりと薄桃に染まる。はぁ、と大きくため息をついて起き上がった。

「もう少し、足掻いてみようか」

 この天気がそんな気持ちにさせてくれた。夢はまだ遠いのか、それともすぐ側にあるのに気づかないだけなのか。
 30歳の誕生日まで、と自分の中で目標を立てて縋り付いてみることにする。でも今は、しばらくこの場所で空を見てようと思うのだった。

おわり

5/5/2023, 3:31:39 AM

私の住むこの世界には

大地なぞありはしない

人一人分の

ちょうど棺桶ほどのスペースだけ

そこに仰向けに寝転ぶとみえるのは

棺桶の形をした四角い蒼空

遠くから聞こえてくるのは

生ある世界でいきる雲雀の唄


雲が流れる?

いいえ、流れているのはこのわたし

雲はじっとそこにいて

流れていくわたしをみているだけ

唄もかわらずそこにいて

私の呼吸をたしかめる

まだいきているのか と


私が呼吸をあきらめたなら

雲雀はやがて憐れむように

私への鎮魂曲をうたいだすだろう

そのうたを聴きたいような

聴きたくないような


棺桶の中から両腕をあげ

青空に向かって 咆哮をあげる

身体中を血液が巡りだす


流れてはいくが

流されてはならない

それがこの世界で いきるということ







お題「大地に寝転び雲が流れる」

5/5/2023, 3:23:51 AM

晴れがいい
雲は私の想像を刺激してくれるから

勇ましい冒険譚
切ない友情
甘い恋愛

連想してソウゾウして…

やめた

こんな日は流れる時にみをまかせ
目を閉じる
お話なんて浮かばない


#大地に寝転び雲が流れる・・・目を閉じると浮かんできたのはどんなお話し?

5/5/2023, 3:08:58 AM

技術進歩したすばらしい保護帽をひどく恨めしく思った。ガツンと来た激しく鋭い衝撃を弾き、それが一矢報いんと脳天を揺さぶる。
 どうせならひと思いにしてくれれば、余計な痛みは感じることなく終われたというのに。

 腰にぶら下げた替えのマガジンが肉に食い込んだ。

 ぐるんと俺の体内で寝転がる目玉がヴァルハラ(俺は絶対に拒否するが)への道筋だと言わんばかりに天地をひっくり返す。
 曰く、抜けるような碧天。曰く清和。曰く、すばらしい。点在する雲が風流とかなんとか。
 ひねくれ者の俺はそう思うことをこころが許さないが、おそらくきっと、そう。

 あれほど煩わしかった撃鉄や空を裂く鉛の音が、スッと消える。天に昇る心地なんかしない。ズルズルと地下へ地下へ引きずり込まれる。
 目玉の表面が青空を、裏側は別のものをぼんやりと映し出した。
 それを閉じ込める。

 ハンカチーフに染み込ませれば絞れるほどの、水気のある空気感。からっぽの戸袋に木製の板をどんどんとしまい込みながら、顔だけ振り向いた。
 い草の上に真綿の山。
 俺はそれに向かって何か叫んでいるのか、呆れているのか。
 するとその掛け布団と敷き布団の間からゆっくりと腕が生える。それは掌で鉛筆を探し当て、捨て置かれた原稿の空白をノロノロと埋めてゆく。
 そいつを気にかけながら俺は甲斐甲斐しい。
 近所から頂いた食材を。
 手帳から予定を読み上げ。
 原稿を推敲してやって。

 飯の匂いにつられたそいつが布団から顔を――――、途端に首根っこを捕まれた。
 ズルズルと身体が引きずられる。
 走馬灯もどきが消え、頭上を鉛玉が飛び交った。

 遮蔽物。
 その陰に。
 保護帽の隙間にガーゼが差し込まれ、きつく帽子の紐が締められた。

 「何やってんだ、あなたは」
 「……」

 薄付きの肉の上。やたら丁寧なわりには徐々に雑になってゆく手つき。
 そいつは肩から滑り落ちたサブマシンガンが俺に当たっているのに、気にする素振りも気遣いの欠片もない。

 「死ぬ気でいましたか」
 「そろそろいいかと」
 「薄情。まだ、砂一粒は他の有象無象の砂と成分を全く同じく成り立っているのかについて、あなたの意見を聞いていません」
 「……同じだろ」

 近くで爆発音。
 砂埃やその辺の自然物が吹き飛んでくる。それを弾いたのはやはり保護帽。さすがの技術だ。
 二発目。
 鉄の塊が吹き飛ぶ。

 「投げやりな言は意見ではない。私はあなたの意見が聞きたいのに」
 「めんどくさい奴」
 「あ。あなた、レーションが残ってる」
 「…支給されただろ」

 ガサリと開けられた。
 せっかく残してた味だったのに。
 切り取られた青空に流れる雲が轟音を吸収して、ゆったりと流れている。そして、やっぱりこいつの膝は硬い。



#大地に寝転び雲が流れる…目を閉じると浮かんできたのはどんな話?

5/5/2023, 2:50:00 AM

#0005
#大地に寝転び雲を眺める

雲とは、標高が上がったために気温が下がり飽和量を越えた空気中の水分の集まりである。

理科の実験でも擬似的に雲を作り出した経験は多くの人にあるだろう。


言葉の中での雲は、想像を膨らませる、という意味合いもある。

雲隠れ、暗雲が立ち込める、表情が雲っている、など
何かを想像をさせる言葉が多い。

そんなことをぼんやり考えながら連休を振り返る。

仕事、寝る、仕事、仕事、仕事、寝る、仕事、仕事、、、、

川辺の土手や草花はそんな俺とは裏腹に、楽しそうに風と踊っている。


俺は果たして、明日何かをなせるんだろうか。
それともずっと何もなせないまま人生が続くのだろうか。

俺はこれからの人生の様々な想像をしながら、大地に寝転び雲を眺めた。

5/5/2023, 2:17:18 AM

友達に会いたいな

パルコに行きたいな
アニメイトに行ってスラムダンクのコップが欲しいな

5/5/2023, 2:17:07 AM

大地に寝転び雲が流れる…


大地の大きさ、空に抱かれている安心感に目を閉じる。

何も考えなくていいひと時。

大きく深呼吸。

呼吸を意識する事さえ忘れてたな…。



自分に帰ろう。

自分をもっと大切にしよう。

そう思えた瞬間をいただいた。

自分を大切にできたなら、また周りの人も大切に思える気がしたんだ。

しばらくこのまま心と脳を休ませよう。

心も脳もそして身体もそんな時間が大切だ。

5/5/2023, 1:55:54 AM

大地に寝転び雲が流れる・・・目を閉じると浮かんできたのは何も無い真っ白な世界だった君と居る時の自分じゃなくて
だって君には私よりも断然いい人と幸せになって欲しいから
ばいばい

5/5/2023, 1:37:58 AM

目を閉じると浮かんできたのは


まず傲慢な表現だと思った。
エッセイ調のお題が続いているので私もそれに方向性を合わせることにするが、私は目を閉じればお話が浮かぶという表現がそもそもピンと来ない人種である。
何かを想像しようとして目を閉じたとき、そこにあるのは暗闇と、外界からの刺激として表出する光のきらめきが少しだけだ。先天的にこういった状態の人間は人口比で見ても少数ではあるのだが、いわゆる精神を『やった』状態などにおいてもそのような具合になったりもするだろう。
しかしおおよその場合、人間には視覚的な想像力があることが前提となって話が進んで行くわけで、この部分が欠けている生き物がいるだなんてそれこそ想像しない人々も多いのではないか。
流れる雲の想像を瞼の裏で何度かなえたいと思ったのかを、私はもう数えてすらいない。

5/5/2023, 1:37:42 AM

ふわふわ、、、

「ん?寝てた⁈え、ここどこ!」


え、え、ふわふわだけどこれは、、
雲だ!雲の上で寝てた!
すごい!どんな世界なの!

「わぁ!!」ぴょんぴょん跳ねてふわふわを楽しんでる。
勢いよく寝ても痛くない!
すごい!なんでこんな!
よくわからないけど楽しい!

『ちょっと、笑笑』

「え?」声がした方を向いた。

「え、どうして?!」
『どうしてって一緒にいたじゃんか笑』

「そ、うだっけ、、?」
『うん、ピクニックも兼ねてなかなか広めの自然豊かな広場に行ったんだよ、そしたら気持ち良いって君寝転んでそのまま寝ちゃって、』
『全然起きないんだもん笑 僕も横になって一緒に寝たら君とこんなところに笑』

笑いながら言ってるけどこれすごいことじゃない?
「え、でもなんでこんな自然な会話できるもんなの、ぇ、ワープ?現実なの?」

そしたら
『夢に決まってるでしょ!笑そもそも雲の上に寝れないわ笑君は本当に面白いね笑』

やはり夢なのか、、そうか。
不思議だ意識というかなんか、、だって私だし。

そこでパッと私は目覚めた。
するとやっぱ草の上で寝てただけで、隣に彼がいた。
よくわからないけどなんかよかった生きてる。

『よく寝てたね笑笑』
「ご、ごめんなんか笑そんな寝ちゃってた?笑」

『うん、でも楽しそうだった笑』
「まぁ、、楽しかったかも?」ふわふわしてたし、。

彼が立ち上がって
『雲の上で君跳ねてたもんね笑』

「、、え、」
「え!!!!?」
かなり驚いてる私を見て
彼は笑いながらもう行こうかって私の手をとった。

5/5/2023, 1:05:08 AM

大地に寝転び雲が流れる

寝転んで感じる
大地の鼓動
ようやくここへ来た
独りじゃない感覚
受け入れられて
共に奏でる
鼓動の一音

雲の流れで分かる
風の吹く先
行くところも
その強弱も
奏を教える
音符のように
メロディが流れる
変化の一音

全てが離れてて
ほんとはつながってて
知るか知らぬか
影響し合って
助けあって

いつもは気づけなくて
ほんとは気づきたくて
知るか知らぬか
寝転んでから
真実が見える

目を閉じて
大地を感じ
目を開いて
雲が流れる

たった1つの
人でなく
みんなで1つの
生き物という話

5/5/2023, 1:03:39 AM

#大地に寝転び雲が流れる……目を閉じて浮かんでくる話は


ちーちゃんはかくれんぼが得意だった
小学校の帰り道、公園で仲のいい8人集まり、かくれんぼをしていた
いつも一人だけ見つけられない、小柄のちーちゃん

ちーちゃんは大人しくてあまり喋らない、探す時は決まって見つけるのが得意な私

その日は特に見つけられなくて困っていた
先に帰ったと思い、私達7人は諦めて帰ることになった

それからも、ちーちゃんは見つからなかった

ちーちゃんはどこにもいなくなった
警察の人来てちーちゃんを探した
4日経ってもちーちゃんは見つからなかった

私が再び公園に来た時だ、ちーちゃんの声がしたのだ

「ちーちゃん!」
私は声のする方に走った

声は次第に大きくなり、私は公園の大きな滑り台の隅を覗き込んだ

「ちーちゃん見つけた」
ちーちゃんはまた一段と小さくなってた


豆粒ほどのちーちゃんを大事に抱えて私はちーちゃんと帰った。

5/5/2023, 12:40:33 AM

ドラえもんの雲の王国だっけか、そんなタイトルの映画を思い出した。てか昨日からだけどお題長いっつーかなんか変わったな。

 今までは単語とかキーワードだったのが笑点のお題みたいになった。こっちのほうがお題感はあるけど長いのがちょっとな。

 このアプリ本文書くとお題が消えるから長いとお題を忘れちゃうんだよな。そりゃなんとなくは覚えてるけど正確に全部は覚えてられない。

 ちょっと書いてあれお題なんだっけってなることがあるからこんなに長いと困るかも。前から思ってたけどお題は本文書いても消えないように上の方にでも別に表示しといてほしいな。

 まぁ無料のアプリになんもかんも求めるのもあれだけどね。これで十分助かってるから問題ないな。

 んじゃここまで書いてお題がなんだったか思い出してみるか。

 たしか地面に寝そべって青空を見上げた。どんな物語を思い浮かべた? こんな感じだったかな。

 ここまでの文章をコピーして消せば合っているか確認できるけどめんどくさいからいいや。

5/5/2023, 12:22:18 AM

「イイね!こういうお題こそ、抜け穴探しが楽しい」
前回に引き続き、長文の出題である。
曲解別解、揚げ足取りを大好物とする某所在住物書きは、新たな獲物に舌舐めずり。
今回はいかなる「違う、そうじゃない」を錬成し得るか、捕らぬ狸の皮算用的薄笑いを浮かべる。

「まぁ、まぁ。こういうのはまず、お題を丹念に確認して、強烈な第一印象を崩していくのが大事だ」
画面をスワイプ。通知画面の文章を再度確認する。
「何が未指定か。どれが曲解可能か。どの順序を逆にできるか。どこに別の文章を差し込めるか」
ただ、スラスラ書けるかっていうと、別なワケよ。
物書きは思考し、何も浮かばず、小さく息を吐いた。

――――――

雲が流れる空の下で、大地に寝転がり目を閉じる。
素直に読めばこの光景、少し捻くれてもこの設定。
そのことごとくを崩して捻って、逆にしたかっただけのおはなしです。

最近最近の都内某所。某アパートの一室へ、汗しっとり、意識朦朧一歩手前な部屋の主が、小さめの保冷バッグを片手に、命からがら帰ってきました。
「……あつい」
雪国の田舎出身、人間嫌いと寂しがり屋を併発したその捻くれ者は、帰ってきて早々、バッグの中身を、小さな冷蔵庫の冷凍室へ。
ガサガサガサ。それはサイダー味の氷菓子であり、バニラ味のミニカップアイスであり、小さめの棒アイスをチョコレートでコーティングした6本入りでした。
令和5年5月5日。東京は最高気温が27℃予報。
それは捻くれ者の故郷の、7〜8月相当です。
「向こうは明日17℃か……」
スマホで天気予報を見れば、上は10℃、下も8℃低い5月の故郷。きっと今頃、ようやく公園でアケビの花が、林道でぽつぽつガマズミの仲間が、道端ではオダマキの紫色が、咲き始めている頃でしょう。

目を閉じて、捻くれ者は思い浮かべます。
花と山野草溢れる街。コロナ禍前、最後に帰省したのは2019年。職場の隣部署の友人が「観光したい」と強引にゴネたので、実家に連れて行きました。
そうだ。あれは風だけ強い、冬の晴れた夜のこと。
最大瞬間風速30mで視界を奪う地吹雪と、地上の惨事も意に介さぬ満月の、対比を珍しがった友人が、
外に出て、
寒さと風の強さと夜空の美しさに叫び、
庭に広がる雪積もる大地にダイブして寝転がって、
その間雲は月光に照らされ、風に流れてゆきました。
結果友人は寒さで歯も指も震え、即座に捻くれ者が沸かしておいた、ちょっとぬるま湯なお風呂の中へ。
『さむいな』
『当たり前だ!今外気温何度だと思ってる、マイナス5℃だぞ、マイナス5℃!』
『ぱうだーすのーだった』
『だろうな!昨日の最低が最低だったから!』
それらすべてを、明るい月と流れる雲が、空から見守っておりました。

「……」
そういえば同部署の後輩が先日「先輩の故郷に行ってみたい」と言っていた。

「春にしよう。冬は駄目だ」
首を横に振る捻くれ者。きっとあの後輩も、氷点下の雪原にダイブする人種です。
帰省への同行は断固お断りで、最悪強引にゴネられても、冬の観光は絶対に阻止しよう。4年前の積雪の大地の記憶に、捻くれ者は固く、かたく誓うのでした。

5/5/2023, 12:19:54 AM

【悲報】
リアルで繁忙期なのでGW明けまで作品はありません。
いつも閲覧、♡ありがとうございます。
7日でGW終わりますが、いかがお過ごしでしょうか。
同じく仕事組の方、お疲れ様です。お休みの人、ゆっくり過ごせましたか?
いつもお疲れ様です。体に気をつけてお過ごしください。

5/4/2023, 11:52:26 PM

【大地に寝転び雲が流れる・・・目を閉じると浮かんできたのはどんなお話?】


 見上げた青空には、真白い雲が悠々自適に流れている。その自由さが羨ましくて、僕は小さく溜息を吐いた。
「何か困り事? 私で良ければ話くらいは聞くよ?」
「勝手にひとの神域に入り込むなよ」
 僕の隣に社を構える文字通りの隣人が、地面に寝転がった僕を見下ろしていた。横髪をそっと指先で耳にかける、たったそれだけの仕草がやけにたおやかで美しい少女の姿を象った一柱へと、半ば反射的に文句を返す。
「良いじゃない。お隣さんかつご利益の近い神同士、仲良くしましょうよ」
「僕が結ぶのはこの世のありとあらゆる縁であって、何も色恋沙汰に特化してるわけじゃないんだけど」
 それなのに近年僕の元へと持ち込まれる願いは、恋愛相談ばっかりだ。友達との縁、仕事との縁、願ってさえくれれば何だって切って結んであげるのに。
 昨日の一件と今日の三件、持ち込まれた泥沼の四角関係を思い出すと頭が痛くて仕方がない。視界に映り続ける四本の赤い糸が、せっかくの晴れ渡る空の紺碧を無粋に彩っていた。
「またどの糸を結ぶかで悩んでるの? もういっそ、目でも瞑って適当に結んでみたら? 運を天に任せるってやつ」
「それ、人間が神頼みする時に言う台詞だろ。僕らが言ってどうするの」
「だっていくら考えても決められないんでしょう? だったらもう、勢いで決めちゃいなよ。案外なんとかなるって」
 はたしてそんな雑で良いのだろうか。だけど確かに、全く決められないのも事実だ。躊躇いながらも目を瞑った。太陽の光が網膜に透けて世界が赤くなり、どこに糸があるのかなんて判別できない。半ばやけくそ気味に手を動かし、感覚だけで糸と糸を2セット繋ぎ合わせた。
「あ、待って。面白すぎ。私の仕事減ったんだけど」
「え? 何それ、どういうこと?」
 鼓膜を震わせた忍び笑いに、慌てて目を開いた。……縁はちゃんと結ばれている。でも確かにこれだと、彼女の出番はなさそうだ。
「うわ、どうしよう。切って繋ぎ直したほうが良いかな……」
「別にこのままで良いんじゃない? 君の仕事は縁を結ぶこと。結ばれた縁がどんな関係性のものなのか、どういう感情に育つのかは、君の管轄外でしょう」
 何も恋愛だけが、縁の全てじゃないんだから。――恋愛の末に結ばれた夫婦へと子供を授けることを生業とするはずの彼女は、けれどそう涼やかな声で付け足した。
「友情で終わるならそれでも良し、恋情に発展するならそれもまた良し。どうしても子供が欲しいって祈りにきたら、私がどうにかしてあげるわ」
 堂々と胸を張る彼女が頼もしい。うっかり男性同士と女性同士で結んでしまった糸を眺め、僕はもう一度瞳を閉じた。
 赤く染まった焼けるような世界。晴天の日に寝転がって目を瞑ると、視界に映り込む糸が全く見えなくなる。ほんのひとときだけ自分の役目を忘れられるようで、この瞬間がたまらなく好きだった。
 僕が縁を結んだ彼らは、どんな物語をこの先紡いでいくのだろう。普段だと胃が痛くて仕方がないのだけれど、彼女の言葉が気を軽くしてくれたのか、今日だけは妙に穏やかな気持ちでこれからの彼らの未来を夢想できた。……それは彼らが紡ぐ人生、何が起きても僕の責任ではないのだと開き直って。
 ふと額に優しい温度が触れた。彼女の手のひらが僕の頭をそっと撫でている。
「おやすみなさい、良い夢を」
 とびきり甘い、まるで彼女の神域に漂う生まれる前の子供たちの魂へと向けられるのと同じような柔らかな声が、僕を眠りの国へと誘っていった。

5/4/2023, 11:42:11 PM

大地に寝転び、空を見たげると雲が流れている。
目を閉じてふと頭に浮かぶのは姉と過ごした日々。
1番鮮明なのは…

―春が過ぎ、夏に差し掛かった日。
僕は姉と2人で両親の墓参りに来ていた。
両親の墓は丘の上にあった。2人の出会いの地らしい。
墓参りを終えた僕と姉は2人で寝転がって空を見ていた。
色々な形の雲が流れていた。
綿飴のような雲、飛行機雲、猫の形の雲…色々あった。
見つけては報告、それの繰り返し。
お互いに見つけた雲を言い合っては笑っていた。
楽しかった、本当に。

僕には両親との記憶がほぼない。
僕が小さい時に交通事故でこの世を去ったから。
だから僕の中にあるのは姉との記憶だけ。
寂しくなかったと言えば嘘になる。
友達の家族との思い出を耳にする度、
近所の子供とその親の楽しそうな声を聞く度、
すごく苦しかった、寂しかった、なんでだろうって、
なんで僕にはその暖かい思い出がないんだろうって。
でも、そんな僕にいつも姉は寄り添ってくれた。
僕にとっての光だった。大好きだった。
だから--もっと一緒に居たかった。


気づくと辺りはオレンジ色に染まっていた。
どれくらいの時間こうやっていたのか、分からない。
ふと、顔に触れてみると涙で僕の頬は濡れていた。
『優しい思い出をありがとう』
届くかも分からない言葉を姉さん達が眠る墓に
置いていく。
-これでもう少し頑張れる、息ができる。
だから進もう。父さんや母さん、姉さんの分まで。

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