目を閉じると浮かんできたのは
まず傲慢な表現だと思った。
エッセイ調のお題が続いているので私もそれに方向性を合わせることにするが、私は目を閉じればお話が浮かぶという表現がそもそもピンと来ない人種である。
何かを想像しようとして目を閉じたとき、そこにあるのは暗闇と、外界からの刺激として表出する光のきらめきが少しだけだ。先天的にこういった状態の人間は人口比で見ても少数ではあるのだが、いわゆる精神を『やった』状態などにおいてもそのような具合になったりもするだろう。
しかしおおよその場合、人間には視覚的な想像力があることが前提となって話が進んで行くわけで、この部分が欠けている生き物がいるだなんてそれこそ想像しない人々も多いのではないか。
流れる雲の想像を瞼の裏で何度かなえたいと思ったのかを、私はもう数えてすらいない。
5/5/2023, 1:37:58 AM