『雫』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
透明な硝子が長い時間をかけて
曇っていった
磨り硝子のように
硝子を通して見ていた世界は
朧げになっていた
ほんのわずかずつゆっくりと
磨り上げられてゆく硝子は
霞んでいく世界を気づかせることはない
ある日雫が一つ硝子にあたった
じわりと滲んでいく水滴
そこで気づく
この硝子が曇っていることに
雫があたった場所を通して見た
硝子の向こうの世界は
色鮮やかだった
たった一滴の雫が
本当の世界に気づかせてくれた
お題: 雫
両の手から水が溢れている。端正で中性的な顔立ちのあの方は今日も村人ために力を使う。
「しずくさま〜?いい加減休憩してくださいよ」
「ワタシは水神だぞ。休まずとも死なん」
そういう問題ではないといつになったら気づいてくれるのだろう。
「……でもさ、明らかに力減ってません?村人が増えたわけじゃないし、厄災も当分は来ないって司祭サマが言ってましたよ」
「……?村人は増えているだろう」
「え〜どうしちゃったんですか。村長から何も言われてませんけど」
神様にもやっぱり休息が必要なんだな。相変わらずどっから見ても綺麗だし。関係ないか。
今日のお勤めも終わり、家に帰る。途中に村長の家があるけどほとんど会話したことないな。お勤めも村長に無理やり騙されて始めた感じだし。楽しいからいいけどさ。ふと、村長の家に数人いることに気がついた。何か会話をしているのが聞こえた。
「……ええ。あれはあの部屋から出られませんので貴方がたを知ることはないでしょう。」
「だが、はじめよりも水が減っているみたいだな。これは、こちらに気づいているわけでは無いのか」
「そんなはずはありません。いくら神といえどそんな力は聞いたことがありませんから。それで、紹介する代わりにあれはご用意していただけるのですよね」
「ああ。約束通りだったらな」
これは、もしかして、やばいのでは?バレないように家の前を通り過ぎようとする。
パキッ
うん、終わった。
「だ、誰だ?!」
慌てて村長が飛び出してくる。咄嗟に通りがかったふりをしたためか、特に気にされることはなかった。あのときの緊張感は忘れられない。死ぬかと思った。
翌日、雫サマの元へ話しに行こうとした。だが、遅かった。首に趣味の悪い飾りを付けられ膝立ちさせられてる。俯いているためその表情は分からない。
「なに、してんだよアンタら!!雫サマから離れろ」
「残念だな坊主。昨日のうちに俺達を殺しておけばこんなことにはならなかったかもな。テメェに俺達が殺せるとは思えねぇけどな」
アハハハ。賊共が気味悪く笑う。怒りで震えがとまらない。長と思われる奴に殴りかかる。拳が届く前に手下にとめられるが蹴り上げ、殴り、頭突きをし、もがいてもがく。多勢に無勢だっけ。まあ、こんなのに勝てるわけないわな。顔を地面に押し付けられる。それも、雫サマが目にとまるように。
「無様だな。おい、神。テメェを助けようとした人間が死ぬぞ。テメェのせいで犠牲になるんたぜ。可哀想にな」
「そん、なわけないだろ。雫サマ、アンタなら逃げれんだろ。なあ、雫!」
「コイツは逃げられねえ。この装置はな、神すら従わせることができんだよ。」
「そんな、そんなの。おい、雫サマ、返事しろよ。なあってば!!」
あの方は、返事をしてくれない。ずっと俯いたままだ。
「じゃあな、坊主。恨むならこのクズ神を恨むことだな」
剣が首に当てられる。ああ、死ぬのか。ここで。
「相変わらず哀れだな」
一瞬、音が消えた。直後、賊が壁に飛ばされていった。何が起こったかはなんとなくわかった。あの方が、雫サマがやったんだ。
雫サマが長の元へ歩いていく
「人が神に勝てるわけなかろうが」
その後、村長と賊は王国へと連れて行かれた。どうなったかは知らない
相変わらずあの方は美しい。今日も水を両の手から溢れ出させている。今日もこれからもあなたの世話係になれるのがすげえ嬉しいです。雫サマ
天からの おくりもの
数多の大地に 降りそそぐ
恵みとなれば 笑み伝え
刃となれば 頬伝う
胸の哀しみ 空見上げ
望みと共に 天に帰す
―「雫」―
【雫】
窓に雫がつたう
外の音に耳をすませた
君の頬に雫がつたう
抱きしめたいと思った
僕の頬に雫がつたう
何もかもどうでもよかった
灰色の雫が降る
あっという間の出来事だった
赤い水溜まりがある
もう、雫が落ちることはなかった
さようなら
俺の首に、何かが触れる。それが、涙の雫だと気づいたのは、俺に抱きつくキミの腕の力が強まったのを感じたから。
「どうしたの?」
キミを優しく抱きしめ返し、そっと髪を撫でると
「…だってぇ…」
キミは微かに嗚咽を漏らす。そのまま落ち着くまで髪を撫で続けると
「…だってぇ、ホントに嬉しいの」
キミは俺の顔を見つめ笑顔を見せる。
「このままずっと一緒にいられたらいいな。って思ってたタイミングで指輪を渡されたらもう…」
そう言うと、止まったはずの雫がまた、キミの瞳からこぼれ落ちる。
「二人で幸せになろう」
俺はキミの頬に手を添え、優しく涙を拭ったのだった。
髪から
顎から
雫を滴らせて
玄関先に立っていた君に
タオルと湯気の立つお茶を渡して
切なくなった。
昨日、明日告白するんだと
弱々しく笑った君が滴らせた雫の中に
熱い涙が混じっているのを、
私は知っている。
「雫」
ぽたり ぽたりと零れる しずく
ぽたり ぽたりと溢れる しずく
ぴちゃ ぴちゃと地に落ち 乾いていく しずく
もし その しずく が ずっと ずぅっと 落ちた時
足元に大きな水溜まりができている
ぽたり ぽたり ぴちゃ ぴちゃ
あれ 、ぼくの足元にも しずく が落ちている
今日は雨 降ったかなぁ
ぐしゃぐしゃな顔で
痛む胸を叩いてたのは
もう
三季節前
景色は違うけれど
何度も通り過ぎた道に
慣れる事はなくて
それでも
いつしかまた
違う未来見据える
自分に戻るのを
知ってはいるから
かろうじて
息をし続けてる
ぽろぽろと
零れて弾けた
甘くてしょっぱい
沢山の雫の
一つ一つには
いろんな色の
想い出が詰まってた
久しぶりの寒い朝
忘れていた
懐かしい歌が
聞こえてきて
また
手が冷たい
「雫」
雫.
特に思うことはないが、何かの比喩に使えそう.
王道は涙や精液、血などじゃないだろうか。
最近読んだ本かかで風呂の中に金魚がいたという文があるが、あれは生理の時の血だ.
確かに金魚みたい。生々しい。
水の表現は結構使えると思う.この間書いた独歩と一二三の本で、一二三は水の中の生物として書いた.
水は本当に綺麗だ.アクアリウムや海の綺麗さにうっとりとする.けれどその中では生きられない。だって人間だもの.でもそれは魚にとってもそうではないだろうか.水に差し込む陽の光が美しいと思いつつも、陸では息ができないから.
雫には美しい世界の色を映し出しながら、自分は決して交わらないまっすぐな気質が感じられる.やがて一緒になっていくのも感動的だと思う.漫画でこういうことを伝えるのってどうしたらいいんだろう.セリフにしたらいいのか?ただ、リアルでこういうこと言えるキャラクターは限られてくると思う.そこの肉付けが難しい。あんまり回想みたいなので入れるのは好きじゃない。うざったいから.こういうふうにキーボードで隠れるくらいまでに書こう.そしたら欲が満たされるような気がする。
雫がポタポタ。
あと少しで雨が降ってくる。
走れば間に合うが雨を待とうかな。
このまま濡れてお風呂に入ってお絵描きでもしようかな。
( 雨はまだかな。 )
【雫】
花びら、木の枝、じゃぐち、大空、水筒、瞳。
様々な所から、あふれでる綺麗な一滴。
それは光を反射して、どこまでも滑り落ち、留まる。
消えても、まだ筋が残り、存在していたことが分かる。
ポチャリ、と音を鳴らす。
「しずく」
とても美しい響き。
One Two Three
You are falling down from sky
You are falling down with beautiful shape
It’s only a moment wonder less than two seconds
Don’t miss out
I will catch you as possible as gently by my hands
Because, you are like a water drop which couldn’t escape from gravity
My angel has not come from heaven
My angel has come from deep blue
You take big breaths after breaking water’s surface
Streaming down your long hair
Streaming down your neck
Streaming down your cheek
Shining on your eyelashes
Every waterdrops is just only a factor that making up you
One heart has falling down towards you smiling by narrowing your big eyes and tucking up dripping hair
My heart has falling down towards ripples made by drop of dew you dropped
Nobody can take and save a drop that most beautiful in the world
Except for me
「−雫−」
昼下り、雨上がり、私は虹を見ようと中庭に出ていった。ぱっと目に付いたのは、彼女だった。
彼女は何か覚悟を決めているように見えた。
「怖くはないのですか?」と私は尋ねた。
「いいえ、嬉しいです。ここから落ちることで私は彼になれるのですから。それに、私が1番輝くときですから。」
「そうですか。」
そうやって雫は葉から垂れた。
モンブラコン*
~~~~~~~~~~~~~『雫』
……ツタンッ…タタン…。
「古い家だからねぇ…」
我が家の雨漏りの音です。
オレ達、怪物姉弟の住む村の家は、9割が
古民家で、雨漏りは珍しくはない事だ。
滴る場所にバケツを置き、濡れた床を一緒に
拭いていたテイちゃん(兄)が、染みた天井を見上げて、考え事をしている。もしや、
「建て替え…とか考えてる?」
テイちゃんは胸の辺りを両手でポンポンとしたりして、『思い入れがあるからなぁ』という
ジェスチャーをした。
「オレも~」
そう応えたら、テイちゃんはニ~っと笑った。
何て事ない日常が好き。
それを共感し合える人と過ごせる日常が。
「オラも~」
はいはい、姉さんもね。
水だけど何かが違う
一粒一粒に意味があるように感じる
その透けた肌に滴る水は酷く冷たかった
もう二度と温まってはくれない気がして怖かった
いや温まってくれないかもしれない
僕の水は温かい でも君は冷たい
この差はきっと埋まらない
それが悲しくて君の水を拭き取った
"雫"
雫って名前の女の子がいた
彼女は小学二年生で
周りと比べて随分と大人びていて
いつも静かに座ってた。
大きな瞳が何かを見ていた。
不思議な眼差しをもっと知りたかった。
たった一文字でいつも思い出す。
#雫
雫。それは水道から流れ落ちた水ではなく、空からこぼれ落ちた雨でもない。たった1人。今まで一緒にいた彼との日々を惜しんだ私から溢れた大粒の涙だった。
彼はもうこの場所にはいなかった。先輩の下駄箱には他の誰かの靴が。先輩が使っていた机には他の誰かが。先輩との楽しい日々は…時と記憶が塗りつぶしていく。もうこの苦痛に耐えられやしない。先輩の匂いに先輩の笑顔。全てが懐かしい。全てが切なく儚い。今でもきっと先輩の心の片隅にいたいと願ってしまう私と先輩のことを諦めたくないけど諦めたい私がいる。それは矛盾してしまうのだろうか。今でもなお先輩のことを考えてしまうというのに、先輩は私の事なんか忘れたに決まっている。
先輩の名前をつけたぬいぐるみ。先輩の生き生きとしている綺麗な目にそっくりで明日への予行練習を毎日毎日繰り返していた。
「先輩。忘れないでよぉ」
雫。私の涙はそんなに綺麗なものじゃないのに、ぬいぐるみを伝った涙はキラキラと輝いていた。
ぽたり。
ぽたり。
ぽたり。
ぽたり。
小さな雫が水面に落ちる。
ぽたり。
ぽたり。
ぽたり。
ぽたり。
私はそのゆっくりと落下していく様をじいっと眺めながら。
いいなぁと、羨ましく思う。
最初は小さな小さな水滴でしかなかったはずの雫が、今は寄り集まって大きな大きな水溜まりを形作っている。
私もこんなふうに。
自分の一部を切り離してでもいいから。
何か大きなものの一部になりたかった。
だってそうであったなら。
こんなに寂しくて虚しい気持ちに捕らわれて。
泣くことなんて、なかったはずだもの。
【雫】
#雫
ぽつぽつと髪に何かが当たる感覚があって、そこで慌てて視線を持ち上げた。更に何度か額に、頬に、と濡れたことで降り始めたことに気付かされた。
傘忘れちゃったな。
先ほどまで降りそうで降らなかった空が堪えきれずに大粒の雫を溢れ落とし始めたらしい。一気に雨が降り注ぎ始めて、傘を忘れた僕はずぶ濡れになることを覚悟した。走って帰ることも考えたけれど、この降り方ではちょっとやそっと急いでも結果は変わらなさそうだと言う判断に至ったからだ。だからと言ってのんびりとずぶ濡れにもなりたくない。これでも体調には気を付けているのだから。
眼鏡まで濡れてしまい視界は良くない。それこそ、掛けていても掛けていなくても変わらないくらいには。恐らく掛けている方が視界が悪いような気もしてくる。
眼鏡も外し、ぼやけた世界を歩いていく。早く帰ってとっととシャワーを浴びたい。そう思いながら、走って通り過ぎていくサラリーマンを横目に見送り、背後から追い越していく学生さんを目で追った。何人目かの足音が近付いてきたと思えば立ち止まった。それと同時に髪に雨粒が当たるのも止まる。
「やっぱり遊木さんでしたね……」
「え、あれ? よくわかったね」
振り返ると良く見知った顔が呆れたと言わんばかりの表情を浮かべていた。
「オレ視力良いっすからね。直ぐわかりましたよぉ」
「僕は全然わからなかったよ」
「……そりゃあんたの方が前を歩いてんですから当たり前じゃないですか」
呆れ顔が隣に並んで、更に僕に歩くことを促してくる。僕はそれに倣って歩き始めると、漣くんは大きな溜息を吐いた。
「あんたずぶ濡れじゃないですか……風邪ひきますよぉ?」
「でもこの雨足だと走ってもずぶ濡れなのは変わんないなと思っちゃって」
「だけどちょっとでも早ければ、体が冷える時間も短くて済むわけですし。さっさと走りゃ良いのに」
「うん、まあそうだね」
体力がないわけじゃないけど、走る気がしなかっただけ。そこまで言うほどの理由なんてないから、敢えて説明する気も起きなかった。
「……まあ、これ以上濡れなければまだマシっすかね」
漣くんの持っている傘を差し掛けてくれている。おかげでありがたいことにこれ以上濡れることもなさそうだった。
「漣くんは濡れてない? 大丈夫?」
「この傘デカいですから大丈夫ですよぉ」
笑みを浮かべつつも早く歩けと言わんばかりに僕の背に手を添えて押されている。冷えていた背中にじわりと温かみを感じてしまう。ただそれだけで一人じゃないと思えてくるのだから我ながら現金なものだ。
「帰ったら直ぐ着替えて暖まってくださいよぉ」
「うん。そうするよ」
じっとりと濡れた髪からぽたりと雫が垂れる。さっきまで足取りが重たかったのに今は軽くなった気がした。濡れた髪を掻き上げて改めて眼鏡を掛け直した。間近にはっきりと見えるその顔はいつものように穏やかに見えた。