俺の首に、何かが触れる。それが、涙の雫だと気づいたのは、俺に抱きつくキミの腕の力が強まったのを感じたから。
「どうしたの?」
キミを優しく抱きしめ返し、そっと髪を撫でると
「…だってぇ…」
キミは微かに嗚咽を漏らす。そのまま落ち着くまで髪を撫で続けると
「…だってぇ、ホントに嬉しいの」
キミは俺の顔を見つめ笑顔を見せる。
「このままずっと一緒にいられたらいいな。って思ってたタイミングで指輪を渡されたらもう…」
そう言うと、止まったはずの雫がまた、キミの瞳からこぼれ落ちる。
「二人で幸せになろう」
俺はキミの頬に手を添え、優しく涙を拭ったのだった。
4/22/2023, 9:45:16 AM