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5/20/2025, 9:31:33 AM

遅れましたが、光輝け、暗闇で 手放す勇気 まだ知らない世界 まって どうしても… です

光輝け、暗闇で

「どうかしましたか?暗い顔、してますけど」
よく行くカフェでコーヒーを飲んでいると、仲良くなった店員さんに声をかけられる。
「暗い顔、してますか?」
確かに悩み事はあるけれど、暗い顔をしているとは、自分では思わなかった。
「ええ。それに、ため息吐いてましたから」
「え?」
思いもよらぬ言葉にハッとすると
「コーヒーを飲んでホッと一息。ではなく、ハァってしてましたからね」
苦笑いされ唖然とする。
「大丈夫ですか?良ければ話、聞きますよ」
店員さんの優しい声に促され
「…仕事のことで悩んでて」
僕は口を開いた。
「なるほど、そうなんですね」
一通り話し終えると、店員さんは顎に手を当て何やら考えているような素振りを見せる。そして、ニコッと笑い
「光輝け、暗闇で」
呪文のような言葉を発する。
「は?」
わけが分からずポカンとしていると
「どうしていいかわからず、暗闇の中にいる。って言ってましたよね。けど、そんな暗闇の中にいても、何とかしたい。という光は灯っている。光は暗闇の中ほど、光輝きます。もっともっと光を輝かせてください。きっと、暗闇は光に包まれ、見えなくなりますよ」
そう言って目を細める。
「そう…そうですね」
店員さんの言葉に、沈んでいた気持ちが軽くなる。
「ありがとうございます。やる気が出てきました。コーヒー、おかわりお願いします」
「はい。お待ちください」
店員さんの言葉に励まされ、頑張ろうと思うのだった。


手放す勇気

「いつまでも取っておいてはダメだ。…ダメなんだ」
俺は今、ある本を片手に苦悩していた。
「これがあると、つい頼ってしまうのは目に見えているんだから」
その本があると楽ではあるが、自分で考えることを放棄してしまう。
「今度は、自分の力でクリアするんだ」
その本は、とあるゲームの攻略本。昔、攻略本を見てクリアしたゲームが再販売されることになり、内容を忘れているし、もう一度遊んでみようと購入することにした。そして今度は、攻略本を見ずにクリアを目指そうと決めたんだ。
「手放す勇気を持たないと」
何度も何度もお世話になり、ボロボロになった本。何となく捨てられずにいた本を、俺はそっとゴミ箱に入れたのだった。


まだ知らない世界


「なあ、何がいいと思う?」
親友に
「相談がある」
と居酒屋に呼び出され、相談内容を聞いたのだけれど…。
「それ、何で俺に聞くんだ?」
俺はテーブルに肘をつき、ため息を漏らす。
「ん?オマエなら答えてくれそうかな。って思って」
「あのなぁ…」
彼女への誕生日プレゼント。何がいいか?なんて相談されても、彼女がいたことがない俺に聞くなんて、見当違いもいいとこで…。
「彼女いない歴=年齢の俺には、まだ知らない世界だぞ?聞く相手間違えんなよ」
そう言うと、親友は
「ごめん」
と苦笑したのだった。


まって

「まって、本当にまって。これって夢じゃないよね」
友達と一緒に出かけたショッピングモール。みんな行きたい店がバラバラなので、お昼まで別行動にしよう。ということになり、好きなお店を見ているとき、片思い中の彼を見つけたのだ。
「こ、こんにちは」
「あ、こんにちは。こんなとこで会うなんて偶然だね」
勇気を出して声をかけると、彼はニコッと笑ってくれる。
「1人?」
「うううん。友達と来てるんだけど、お昼まで別行動なの」
「そうなんだ。買い物楽しんでね」
そう言うと、軽く手を挙げ歩き出す。
「…夢みたい」
普段、なかなか話せない彼。今度からは、恥ずかしがらずに話しかけよう。と思うのだった。


どうしても…

「どうしても…。どうしても聞いてほしいことがある」
「…えっと…何?」
俺は今、好きな子を目の前に、想いを伝えようとしていた。
「急に呼び出してごめん。けど、これだけは言わせてください」
目の前にいる彼女は、少しイヤそうに目を伏せている。
「俺は、あなたが好きです」
「え?」
俺の告白に、彼女は伏せていた目をこちらに向ける。
「え?うそ?でも…」
戸惑う彼女に、俺はもう一度
「あの噂はうそで、俺はあなたが好きです」
素直な気持ちを告げる。
「どうして、俺に彼女がいる。なんて噂が広まったのかわからない。けど、あの噂はうそです。そのうそのせいで、本当に好きなあなたに誤解されるのはイヤなんです。あなたが俺を、何とも思っていなくても」
彼女に笑顔を向けると
「話してくれてありがとう。私、諦めなくていいんだ」
彼女はうれしそうに笑ってくれる。
「…それってもしかして」
「はい。私もあなたが好きです」
彼女に迷惑かも。そう思いながら伝えた言葉。言って良かったな。とホッとしたのだった。

5/14/2025, 11:24:56 PM

目に見えない。けれど、いつもそばにいて、必要不可欠な存在。酸素。
僕たちが生きるために必要で、意識しなくても消えることなく支えてくれている。
僕は、キミにとっての酸素のような存在に、なりたい。

5/14/2025, 9:12:47 AM

ただ君だけ 記憶の海 です


ただ君だけ

こんなにも、なくしたくない大きな存在ができるとは、思っていなかった。
「こんにちは」
君との出会いは友人の紹介。運命的な…などではなく、ごく普通の出会いだった。それでも
「オマエに紹介したい子がいるんだ」
と、友人が言うくらい、君とは気が合ったし、一緒にいて楽しい。君とこのまま歩いて行きたい。と思うのに、時間は掛からなかった。
「結婚してください。僕は、ただ君だけを愛しています」
記憶に残るようなステキな言葉は言えなかったけど、君は嬉しそうに頷き、僕に抱きつく。
幸せな未来への第一歩。これからは、君の笑顔がもっともっと見られるように、幸せにしようと思うのだった。


記憶の海

歩いてきた距離が長いほど、深くなる記憶の海。
昔の記憶ほど海の底に沈み、新しい記憶は鮮明に覚えている。
楽しい記憶は写真が記憶し、辛い記憶はイヤなほど昨日のことのように思い出す。
記憶は積み重なるにつれ、忘れていくものだけれど、愛するキミとの記憶は、どんなことでも忘れたくない。
忘れないように、僕は日記を書こうと思うのだった。

5/12/2025, 8:06:16 AM

静かなる森へ 未来への船 です。

静かなる森へ

静かなる森へ足を踏み入れると、そこは幻想的で、現実ではないような空間が広がっていた。
そよぐ風に吹かれて木の枝が揺れ、色とりどりの花が咲き、鳥が歌うように鳴く。まるで、絵本の中に入ってしまったよう。
「この世にいるような気がしない。別世界に迷い込んだみたいだ」
精一杯腕を広げ深呼吸をすると、気持ちが穏やかになる。
「疲れたら、また来よう。それで…」
大切な人ができたら2人で来よう。その日が来るのを楽しみに、森を後にしたのだった。


未来への船

「未来への船があったら、どこに行きたい?」
キミと話していると、唐突にそう聞かれる。
「1年後?5年後?10年後?それとも、もっと先?」
未来への船か。望めばきっと、どの未来でも連れて行ってくれるんだろうけど…。
「僕は、未来がどうなっているのか、知りたいけど知るのは怖いし、わかってしまったら、つまらないな。とも思う。だから、未来への船があっても乗らないと思う。けど」
キミの手をそっと取り
「どの未来に行ったとしても、僕の隣にはキミがいる。それだけはわかるよ」
そう言うと、キミは嬉しそうに微笑むのだった。

5/10/2025, 9:58:38 AM

届かない…… 夢を描け です

届かない……

「あと、少し…」
空に向かって手を伸ばす。
「もうちょっと、もうちょっと」
つま先立ちになり、うーんと手を伸ばすけれど
「届かない……」
はぁ。とため息を吐いて、伸ばした体を元に戻す。
「どうしよう…」
空を見上げると、風に飛ばされた帽子が木の枝に引っかかり、ひらひらと揺れている。
「どこかから、棒でも拾ってこようかな」
どうかしましたか?と声をかけてくれる人もいないし。
「早くしないと、また飛んで行っちゃうよね」
はぁ。ともう一度ため息を吐いて、私は棒を探しに向かうのだった。


夢を描け

「これからみんなは別々の道を歩んで行く。その中で、辛いことや困難な出来事もあるだろう。それでも、下を向かず、前だけ向いて夢を描け」
卒業式で、担任が僕たちに言った言葉。
「夢を描け…か」
今の僕は、描いた夢通りに歩めているのかな。道を歩く途中、ふと立ち止まってはそんなことを考える。そのたびに、描いた夢はこうじゃない。と思うことが多い。けれど、担任の言葉を思い出し、自身を奮い立たせて前を向いている。
「よし、頑張ろう」
これからもきっと、道に迷うことはあるだろう。そんなときに思い出す担任の言葉が、僕の心の支えになっている。

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