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12/6/2025, 9:36:41 AM

きらめく街並み

イルミネーションがきらめく街並みを、キミと2人で歩く。
「思ったより、寒くなくて良かった」
バーで飲み、酔いざましに歩くか。と店を出たが、お酒を飲んでいることもあり、吐く息は少し白くても、寒くはなかった。
「そうだね」
のんびりと駅に向かって歩いていると、一段とキラキラした光が見えてくる。
「あ、ツリーだ」
クリスマスツリーに気付いたキミは、小走りに駆けていく。
「走ると危ないぞ」
昨日まではなかったツリー。まばゆい光が闇夜を照らしている。
「そっか。クリスマスまでもうすぐか」
ゆっくりとキミの後を追いながら、同僚であるキミとの関係を、一歩進めるためのプレゼントを考えるのだった。

12/5/2025, 9:25:36 AM

秘密の手紙

「ん?」
リビングで本を読んでいると、何かの音が聞こえる。
「何だろう?」
音がする部屋に行ってみると、キミが引き出しをガチャガチャ動かしていた。
「どうかしたの?」
声をかけると
「この引き出し、開かなくて。何かつっかえてるのかな」
キミは困った顔をする。
「あー…そうなんだ。俺が見てみるよ。引き出しの中に、何かあるの?」
「今年届いた年賀状。それを見て、年賀状を書こうと思ったの」
「そっか。そろそろ書かないとだよね」
じゃあ、お願いね。そう言って、キミが部屋を出るのを見届けると、俺は、別の引き出しに隠してある鍵を取り出した。
「鍵かけといて良かった」
鍵穴が、正面ではなく、側面にある珍しいデスク。開けようとした引き出しの中には、クリスマス用のプレゼントが入っていた。
「別の場所に移すか」
プレゼントを取り出すと、キミに書いた手紙がひらりと落ちる。
「おっと」
落ちた手紙を拾うと、プレゼントと一緒にしまう。
普段言わないキミへの想い。俺の想いが詰まった秘密の手紙。その手紙をキミが読むのを、今から楽しみにしているのだった。

12/4/2025, 7:41:04 AM

落ち葉の道 時を紡ぐ糸 心の深呼吸 霜降る朝 失われた響き 君と紡ぐ物語 凍てつく星空 贈り物の中身 冬の足音 です。


落ち葉の道

天気の良い休日。運動不足解消も兼ねて、キミと歩いて近くの店に買い物に行くことにした。
「歩いてるから寒さは感じないけど、風が少し冷たいね」
「そうだね。冬が近づいてるんだね」
店までの道を、のんびり歩いていると
「見てみて。落ち葉の道ができてる」
キミが指差す方向に目を向けると、落ち葉が歩道に敷き詰められていた。
「せっかくだし、落ち葉の道歩こうよ。落ち葉の音、今の時期しか聞けないし」
「わかった。じゃあ、そっちから行こう」
今歩いている道から落ち葉の道に移動し、落ち葉の道を歩き始める。
「ガサガサの大合唱だね」
落ち葉の音を聞きながら、楽しい気持ちで店に向かうのだった。


時を繋ぐ糸

いつも乗る電車にいるキミ。
乗るのは僕の方が後だけど、同じ車両に乗り、降りるのは同じ駅。
「気になってはいるんだけど、声をかけたら、変な人だと思われるかな」
他の乗客とは違い、立っていても座っていても本を読んでいるキミ。キミ自身にも、何を読んでいるのかも気になっていた。
「よし、声をかけてみよう」
毎日、声をかけるかやめるかを自問自答してきた。ずっと悩んでいるくらいなら、声をかけよう。そう思い
「何の本を読んでいるんですか?」
思い切って声をかけると
「推理小説です。この作家さん、大好きで」
と、ブックカバーを外し表紙を見せてくれる。
「そうなんですね。どんなところが好きなんですか?」
声をかけたことで話が盛り上がり、電車を降りるまで楽しく会話できた。
「突然声をかけてすみませんでした。前から気になっていて」
電車を降り、改札まで歩きながらそう言うと
「いえ。大好きな作家さんを他の人にも知ってほしくて、聞かれたら答えることにしてるんです」
ニコニコ笑う。
「今度読んでみたいので、おすすめのタイトルを教えていただけますか?」
「もちろんです」
時を繋ぐ糸に導かれ、出会ったキミとの縁。大切に育めれば。と思うのだった。


心の深呼吸

「なんで、うまくいかないんだ」
何度も、書いては消し、書いては消しを繰り返す。
上司に任された仕事。書いた企画書をチェックしてもらうけど、良い返事がもらえない。
「どうしたら…」
考えても答えが出ず頭を抱えていると、ポンと肩を叩かれる、
「ん?」
振り向くと、企画をチェックしてくれている上司が立っていた。
「す、すみません。良い案が浮かばなくて」
姿勢を正し、上司に頭を下げると
「そんなに思い詰めないで、心の深呼吸をしてごらん」
企画書をチェックしているときとは違い、優しい声で言われる。
「心の深呼吸…ですか?」
「そう。肩肘張らずに心の深呼吸してリラックスしてから考えてごらん。大丈夫、君ならできる。できるとわかっているから、君に頼んだんだから」
にこっと笑われ
「ありがとうございます」
肩の力が抜けたのを感じる。
それからの僕は、仕事に行き詰まるとこのときの上司の言葉を思い出し、リラックスして仕事に臨むことができるようになったのでした。


霜降る朝

「はー、寒い」
目が覚め、リビングに行くと、凍えるような寒さが待っていた。
「すっごい冷え込んでる」
急いで暖房のスイッチを入れ、温風が出てくるのを待つ。
「こんなとき、1人じゃなかったら、もう少し温かい気持ちになるのかな」
心まで凍えそうな霜降る朝。早く彼女がほしいなぁ。とため息を吐いたのだった。


失われた響き

「ガシャーン」
部屋中に、大きな音が響き渡る。
「何だ、何の音だ?」
急いで音がした方に向かうと
「あ…」
戸棚に置いていたオルゴールが床に落ち、破片がちらばっていた。
「あぁー」
落としたと思われる猫は、素知らぬ顔で顔を洗っている。
「あーあ」
ため息を吐きながら、壊れたオルゴールを片付けると猫を抱き上げる。
「ケガしなかった?」
足を丹念に調べるも、破片は刺さっていない。
「ま、あんなとこに置いた自分も悪いしね」
オルゴールが壊れたことで失われた響き。愛する猫のかわいい響きまで失わなくて良かった。と思うのだった。


君と紡ぐ物語

「おめでとう」
親しい人たちに囲まれ、笑顔があふれる結婚式。
「幸せになろうね」
「うん」
もちろん、主役である僕たちも、幸せで満たされ、笑顔の花が咲いている。
ここから始まる、君と紡ぐ物語。幸せで楽しいことばかりじゃないだろう。けど、先のことを心配するより、今は、2人きりの生活を全力で楽しもうと思うのだった。


凍てつく星空

キミと一緒に、凍てつく星空を眺める。
「寒いねー」
「吐く息が真っ白だよ」
厚着をしていても寒さが身に沁みる。それでも星空を見上げるのは、流星群が見れると聞いたから。
「楽しみだね」
「だねー」
流星が流れ始めるまで、少しでも寒さを凌げるよう、キミの手を握ったのだった。


贈り物の中身

単身赴任している僕のところに、キミから届いた贈り物。
「何だろう?」
紙袋を開けると、入っていたのはマフラーと手袋。それと、手紙で。
「手紙?」
手紙を開くと
「こっちと違って、あなたがいるところは、これから寒くなるでしょ?風邪を引かないように使ってください」
そう書いてあった。
「…有り難いな」
キミから届いた贈り物の中身。
それは、僕を気遣う優しさで溢れていたのでした。


冬の足音

12月に近づくにつれ、聞こえてくる冬の足音。
吹いてくる風が冷たくなったり、木々の葉がキレイに色づいたり、いろいろと感じられる。
「寒いのはイヤだな」
冬の楽しみが、ないことはないけれど、でも、やっぱり寒いのは…。
「…春、早く来ないかな」
冬の足音を感じながら、春の訪れを首を長くして待つのだった。

11/25/2025, 8:38:31 AM

手放した時間 君が隠した鍵 です。

手放した時間

「キミに、いろんな物をプレゼントしたい」
初めて彼女ができた。
キミに喜んでほしくて、残業して仕事を頑張って、キミに似合いそうなアクセサリー、お花、豪華なディナー。いろいろプレゼントした。
でも
「プレゼントありがとう。けど私は、ステキなプレゼントより、あなたと少しでも長く過ごす時間がほしいな」
キミにそう言われ、ハッとする。
それからの僕は、仕事量を減らし、キミと過ごす時間を大切にした。
僕が手放した時間。
その時間は、僕とキミの笑顔を増やしたのでした。


君が隠した鍵

「あははは」
毎日恒例。と言っても過言じゃないほど、君はクラスの友だちと、楽しそうに笑っている。
けど、1人でいる、ふとした瞬間、君が暗い顔をしていたのを僕は見た。
いつも笑顔でいる。という、君の印象が揺らいだから、その時の顔を、僕は強く覚えている。
「あんなに楽しそうに笑顔でいるのに、誰にも話せないような思いを心の奥に閉じ込めて、気づかれないように、鍵をかけて隠しているのかな」
誰にもわからない君が隠した鍵。
その鍵で君の心を解放できたら、君は心から笑ってくれるのだろうか。
心に残った君の暗い顔。
いつか僕が、心から笑顔にできたら。と思うのだった。

11/23/2025, 7:42:42 AM

紅の記憶…も書いてみましたが、こんな感じでいいのかどうか…。


紅の記憶

「いい天気」
冬に向かって、だんだんと寒くなっていくなか、日頃の運動不足を少しでも解消しようと、近くの公園にやって来た。
「いきなり走るのは、運動不足の体にはキツイかな」
そう思い、まずは公園内を散歩してみよう。と歩き出した。すると
「すごーい。赤い絨毯が広がってるみたい」
現れたのは彼岸花。視界いっぱいに、彼岸花が咲き誇っている。
「迫力あるなあ。目を閉じても情景が浮かんでくるよ」
燃える炎のようなその赤色は、紅の記憶として、私の心に焼きついたのだった。

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