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4/9/2025, 9:14:50 AM

「あの、どこに行くんですか?」
仕事で久しぶりにミスをしてしまい、デスクで落ち込んでいると
「何ボケっとしてんだ?ほら、行くぞ」
部長が来たかと思ったら強制的に連れ出され、なぜか今、部長の運転する車の助手席に乗せられていた。
「どこって、わかんねえのか?」
赤信号で私の方を向き言われたけれど、訳がわからない。
「着けばわかるだろ」
首を傾げる私に部長はフッと笑うと、再び前を向き、アクセルを踏んだ。

「着いたぞ」
部長が車を停めたのは、星がきらめく海。
「わっ、キレイ」
車を降り空を見上げると、無数の星が輝き、夜空だけでなく、海も照らしていた。
「ありがとうございます、部長。けど、どうして海に?」
まだ理由がわからず、隣に立つ部長に問いかけると
「…覚えてねえのか?」
部長は驚いた表情をしたけれど
「ま、結構前のことだしな。覚えてなくても仕方ねえか」
ハハッと笑う。
「え?私、何を忘れてるんですか?」
覚えていないことが何なのか気になり、思わず部長の腕を掴み見上げると
「気になるならヒントをやるよ。お前が新人の頃。んで、今と同じような状況」
私を見つめ、クスッと笑いながらヒントをくれる。
「私が新人の頃。同じような状況?」
同じような状況って、ミスして落ち込んでた。ってこと?
「……あっ」
「思い出したか?」
「はい。でも、あんな、遠い約束を覚えててくれたんですか?」
「まあな」
新人の頃、ミスをして落ち込んでいた私に、当時課長だった部長が
「そんなに落ち込むなよ、ミスは誰だってするんだから」
「でも、いろいろな方に迷惑をかけてしまって…」
「気にすんな。何とかなったんだし」
「けど…」
「悪いが今は落ち込んでる場合じゃねえんだ、やる事があるし。だから今はこれで、気持ちを切り替えろ」
缶ジュースをくれ
「今度もし落ち込むことがあったら、どこか連れてってやるよ、今はムリだから代わりに。なあ、どこがいい?」
「…星が見たいです」
「わかった。約束な」
頭を撫でながら、そう言ってくれたんだった。
「ま、本当なら、落ち込むことがない方がいいんだけどな」
微笑む部長を見たら泣きそうになり
「…ありがとう、ございます」
俯くと、部長はそっと抱きしめてくれたのでした。


4/8/2025, 8:18:19 AM

「結婚してください」
ドラマでよく見るシーンのように、片膝をつき、キミに指輪を見せながらプロポーズすると
「…ありがとう。よろしくお願いします」
キミは指輪を受け取り、涙を耐えるように、口元に手を当てる。
「ありがとう。その指輪に込めた想い、必ず叶えるね」
プロポーズを受けてくれたキミを抱きしめ、そう言うと
「…指輪?」
キミは手の中にある指輪をじっと見つめた。
「…これ、フラワーモチーフなんだね。無知でごめんなんだけど、何の花か聞いてもいい?」
僕の腕の中で顔を上げたキミに
「それは、デルフィニウムって言うんだ」
「デルフィニウム?」
「うん。花言葉が、キミへの想いと同じだったからそれにしたんだ」
選んだ理由を教えると
「そうなんだ。花言葉、あとで調べてみるね。ステキな想いを込めてくれてありがとう」
キミは微笑む。
僕が渡した指輪は、青のデルフィニウムをモチーフとしたもの。花言葉は、あなたを幸せにします。
「今以上に、2人で幸せになろうね」
渡した指輪に誓うように、僕は抱きしめた腕に力を込めたのだった。

4/7/2025, 8:26:32 AM

「愛してるよ」
僕の想いを、親しい人たちが見守る中、キミは笑顔で受け止めてくれる。
今日は僕とキミの結婚式。僕が歩き、描いてきた地図に、キミが歩いてきた地図が加わり、1枚の新しい地図となって2人で描き始める。
「幸せだね」
「ああ」
今の僕たちの地図は、幸せにあふれているバラ色。このまま、キミとバラ色の地図をずっと描けるようにと、僕はキミの手をそっと握った。

4/6/2025, 9:02:53 AM

「好きだよ」
何度キミに伝えても、言い足りない。
キミが、もう十分だよ。と言っても
僕は満足できない。
どうしてこんなに足りないんだろう?
それだけキミが好きだからかな。
僕が、伝え足りない。そう思う分、キミを抱きしめさせて。
キミを抱きしめて、好きって想いを全身で伝えるから、全身で僕の愛を感じてほしい。
キミが好きだよ。誰よりも好きだよ。
重い。って言われてしまいそうだけど
どうかこれからも、キミに好きだよって伝えさせてください。そして、できるなら僕の想いを、笑顔で受け止めてほしいです。
僕が、好きだよ。って伝えたいのは
キミだけだから。

4/5/2025, 8:19:18 AM

君と と 桜 です

君と

目が覚めて、隣で寝ている君を眺める。
君が起きるまで、寝顔を見つめる時間も僕の幸せ。
愛する君が隣にいて、一緒に食事して、会話して、何をするのも、君と一緒だから、僕は幸せで満たされる。
それは、君とじゃないと感じられない。
愛する君と、これからも幸せに過ごせるように、僕は君に全力で愛を伝えるね。
そう誓うように、僕は寝ている君の頬にキスをしたのだった。




ゆらゆらと、風に揺れる桜。
枝を揺らし、花びらを舞い踊らせる。
短期間しか愛でられない美しさ。
けれど、毎年毎年繰り返し、その美しい姿を見せてくれる。
厳しい暑さ、寒さに耐え、温かい春をピンクに彩る桜のように、辛いときも、負けてたまるか。と、前を向けたらいいなと思う。

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