Yushiki

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 ぽたり。
     ぽたり。
         ぽたり。
             ぽたり。


 小さな雫が水面に落ちる。
 
             ぽたり。
         ぽたり。
     ぽたり。
 ぽたり。


 私はそのゆっくりと落下していく様をじいっと眺めながら。
 いいなぁと、羨ましく思う。

 最初は小さな小さな水滴でしかなかったはずの雫が、今は寄り集まって大きな大きな水溜まりを形作っている。

 私もこんなふうに。
 自分の一部を切り離してでもいいから。
 何か大きなものの一部になりたかった。

 だってそうであったなら。
 こんなに寂しくて虚しい気持ちに捕らわれて。
 泣くことなんて、なかったはずだもの。



【雫】

4/22/2023, 7:27:20 AM