Yushiki

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7/21/2024, 6:51:15 AM

『私の名前』


 私に名前をつけてください。
 これが私が貴方からもらう一番最初の形ある愛情です。

 だから、どうか。
 適当になんてことはやめてくださいね。

 愛されていたことを。
 生まれてからいつまでも。
 噛みしめていたいので。
 

6/17/2024, 10:17:17 PM

『未来』


眼前に伸びる果てしなく続く道のりが、あまりにも遠すぎて座り込んでしまった。

もう歩けない。もう立てない。

進む目的もよく分からないのに、歩き続ける意味なんてあるんだろうか。

もう休みたい。蹲ってしまいたい。

どのくらいそのままぼうっとしていただろうか。
いつの間にか涙が頬を伝っている。

視界の先が滲んでも、道は変わらずそこにある。

道の果てが見えなくて、何度も打ちのめされるばかりだけれど。

決してこの道は僕の前からは消えない。
僕が歩き続ける限り、僕を見放さない唯一のもの。

僕は再び立ち上がり、歩き出していた。



6/7/2024, 1:00:31 PM

『世界の終わりに君と』


世界の終わりに君と見た景色を
僕は覚えていられるかな

世界の終わりに君と居たことを
僕は覚えていたいのだけれど

5/28/2024, 8:04:32 AM

『天国と地獄』


バイバイ、さよなら。
いってらっしゃいな。
気が向いたらまたおいで。

天国にもなれば地獄にもなる。

ここはそういうとこだから。

もう来たくなければ、来なくてもいいけれど。
もしも懲りずにまた、ここを訪れたいと思うなら。
その時は再び歓迎するよ。


『人生』という名の元で。

貴方が生まれ変わるのを待ってるね。

5/19/2024, 9:29:10 AM


『恋物語』


「やはり恋なんてくだらないな。この世でいちばん馬鹿げた物語だ」

 あなたに一冊の本を薦めた。
 私のお気に入りの恋物語。

 リアリストのあなたには、少々非現実に甘過ぎてお気に召さなかったみたいだけれど。

「早いですね。もう読み終わったんですか?」
「君が僕に薦めてくれた本を、いちばんに読むのは当然だろ」

 そう言って彼は私に本を返却する。

「僕は君と同じ景色を見たくて、こうして一緒にいるんだから」
 
 甘過ぎてくだらない恋物語も、君とだから読めるんだよ。

 嬉しいことを言ってくれた彼に思わず顔が綻ぶ。

 次はどんな恋物語を、彼と読もうかしら。

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