『雪を待つ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『雪を待つ』
雪が降ることを、私はまだ知らない
ただ、冷たい空気が心に触れて
冬の匂いが遠くからやってくる
空は灰色、けれど優しい色
静けさの中で何かを待つ時間
それは、私の中にだけ降る雪のようで
「降るかな、今日」
そんな風に君の言葉を待つ
どこかで、少しだけ期待して
降らないとしても、
その空を見上げることが好きだから
白く染まる街を想う
それはたぶん、私の心が
君のことで、また真っ白になる瞬間
――雪は、待つ人のところに降るのだと
誰かが言っていた
なら、君はいつ、私の冬に降るのだろう
私の想いを反映しているようで
好きになれなかった
_雪を待つ
随分と時間が経ってしまった。
人は出会って3ヶ月以内に付き合うのがいいだとかなんだとか聞いたことがある。
それで言うと、まぁ、
随分と時間が経ってしまった。
君と出会ってからもう半年以上を数える。僕は君が好きだ。でも、それは言えない。
この関係が変わるのも、終わるのも怖いんだ。
毎日同じ駅で降りて、君の家の近くまで一緒に歩いて帰る以上の幸せに、勇気を持って踏み込めないんだ。
雪のように白くて綺麗な君の横顔を見れることが僕にとっての幸せなんだ。だから、このままでいいと言い聞かせた。
代わりに、僕は雪が降るのを待つことにしたんだ。
雪が降れば、道が凍れば、転ばないようにいつもよりゆっくり歩けるじゃないか。転ばないように手を取り合う瞬間が来るかもしれないじゃないか。
まぁ、そんな淡い期待はさておいて。
このままじゃ君との思い出は何も残せない、でも雪道は一緒に歩いた記念を地面に刻み込めるじゃないか。
それがどれだけ一瞬の出来事でも、たまらなく嬉しい。
──────────
随分と時間が経ってしまった。
君は今、どうしているだろうか。
どんな顔で笑っているだろうか。
どんな人と出会ったのだろうか。
君の思い出の中に僕がいたとしても、きっと思い出すことはないだろう。それでも僕はきっとこれからも君を思い出す。
その時に、未練は決して抱えぬように
君への想いは断って仕舞った。
雪見がしたい時、雪を待つ必要などありません。
雪の降っている地域に、貴女が行くのです。
待てど暮らせど、南国に雪は降りません。
見たい物があるなら、やりたいことがあるなら、それが叶う場所に行けばいい。貴女には健康な身体と、自由な時間とがあるのですから。
貴女が望むなら、貴女は世界中の誰よりも幸福に生きられるのですよ。
雪は待つもんじゃねえ!
自分から迎えに行くものだ!
いざ、北海道へ!
【雪を待つ】
舞い飽きて
紅い手のひら
雪を待つ
-雪を待つ-
マフラーに顔を埋め、息を吐くと
メガネとともに世界が真っ白になる。
世界が真っ白になると、
真っ白だねと笑う貴方が
君が消えてしまわないようにと言いながら
ぎゅっと握りしめる手を思い出す。
二人の手の上に落ちる雪の結晶が一瞬で溶け、
冷たいとも感じず、温かいと感じる手を。
上を向くと降ってきた雪の結晶が溶けて
私を真っ白な世界から、元の世界に戻す。
寒い日は空を見上げ雪を待っている。
雪が私を貴方のいる世界へ連れて行ってくれるから。
雪を待つ
冷たいなんて言っている場合ではなかった
ビル風の中で何かを探していた
人間はみんな旅人らしいから、きっと私も
動きにくいコートを着た旅人なんだろう。
何を探しているんだろう
ぬかるみのような地面がもっと
歩きやすくなって欲しいのに。
こんな泥なんか全部塗りつぶされて
一面がキャンバスのように白ければ
もっと見つけやすくなるはずなのに。
春は遠い昔のようで
しかし惰眠を貪っていれば
そのうち再会するものでもあって。
北風ばかりが吹く冬の入り口に
秋の匂いが混ざっている
惜しいことにみぞれが降り始める。
あともう少し
足跡が見えるように
凍えた心で祈っている
どうか生き先まで
泥濘に埋まりませんように。
雪を待つ
雪が舞い降るこの季節
懐かしみと思い出を感じながらちらほら舞い降る雪を見る
楽しく過ごせた思い出と悲しく過ごした思い出もこの雪を見るとつい思い出してしまう
良かった時も悲しかった時も何十年たった後もずっとずっと思い出してしまう
どんな事を思い出してたのかがいずれ薄れてしまって何か嬉しいやら楽しかったやら悲しかったと記憶が薄れても何かあったと身体や心は思い出を刻んでいる
また薄れた記憶や思い出を思い返す事もこの季節ならではの魅力
気負いせず来る雪を待ってみよう
重い雲が垂れ込めて、いつもより暗く感じる。
あと数時間もすれば雪になるだろう空を恨めしく見上げながら、いつかのように彼と屋上に並んだ。
「·····」
今夜は星が見えない。
あの分厚く重い雲が隠してしまっているのだ。
いつかの夜、彼は星を見ながら「雪を待ってる」と言った。真っ暗な冬の夜、降り積もる真っ白な雪に埋もれたらきっと気持ちいいんじゃないか、などと――。
無邪気な子供の妄想にも、倦み疲れた大人の希死念慮にも聞こえる言葉に私は耳を疑い、以来こうして彼と二人きりになる時間を見つけては話をするようになった。
誰もが羨望と憧れの眼差しで見つめる美しい男。
何の憂いも無いように見える彼の翳りが、ひどく気になったからだった。
彼はいつかの夜のことを、覚えているだろうか?
「雪になりそうですね」
煙草はやめたと言っていた。
あの日、暗い空に抜け出た魂のように見えていた煙も今は無い。
「·····うん。だから、待ってる」
煙草はやめたと言っていたのに、零れ落ちた小さな声は抜け落ちた魂のようで――。
右腕を伸ばし、柵に寄りかかる彼の手を掴む。
「貴方は·····」
続く言葉は、彼の唇によって塞がれた。
「君の指·····やっぱり冷たくて気持ちいいいな」
楽しそうに笑った彼の手こそ、冷たくてまるで死人のようだと、私は思った。
END
「雪を待つ」
『雪を待つ』
私が生まれた日は初雪が降った日だったと母から聞いたことがある。それ以来、私の誕生日には必ず初雪が降った。最初は偶然だと思っていたが、それが十年以上も続くうちに私は雪に愛される運命だと思うようになった。それから月日は流れ、私も結婚する時が来た。結婚式の日、私は一つ年上の夫と一つの約束をした。一緒に百歳まで生きよう。そんな約束を。
それから何十年も経ち、私が九十九歳になった日、私の体にガンが見つかった。医者からはもう半年も持たないだろうと言われてしまった。冗談じゃない。まだ死ぬわけにはいかない。私はそう思って必死に病気と戦った。そうしているうちにガンが見つかってから十一ヶ月と数十日が経った。
夫との約束を果たすまであと数日。
私は雪を待つ。
雪が降るとこの街に人が溢れる。
普段より活気づく街に、1年ぶり顔馴染み達。
新しいウェアや新しい板を持って今年も待ち望んでいたとやってくる。
雪が連れてくるのは寒さや綺麗な景色だけではない。
雪が降り積もるのを、暖かい家の中で、窓枠に頬杖をついて待つ子供。
雪を待つ
午後16時、街の灯りはポツポツと点いてくる時間。
私はそんな中いつもの集合場所で1人ぽつんと、 彼を待っている。
彼が来ても分からないほどに人が込み合っている。なぜなら今日はクリスマス。たかがクリスマス なんて心のどこかで思っている自分も居るが彼とのディナーが楽しみだ。
街には、とても幸せそうな顔をしてる小さな子・仕事終わりの疲れきったサラリーマン・お揃いの服を着たバカップル。そんな人たちで溢れかえってる。
「ピコンッ」
そんな時スマホが鳴った気がした、彼からだろうとスマホを取り出したがそんな通知は来てなかった。
そんな通知来るわけがない。
彼は ○○ になってしまったのだから。
もう一度彼に会いたい。会って話がしたい。
そんな感情がフツフツと湧き始め、いつもの場所で彼を待っていた。
その時 「お待たせ!」 彼の声だと思い周りを見渡した。でも彼の姿はない。
あるのは、空から降り注ぐ雪。
そう、彼は3日ほど前に ゆき になったのだから。
ここは彼との"いつもの集合場所"
この場所で 、 彼(雪)が降るのを待っていた。
『雪を待つ』というテーマについて…
冬といえば…雪だね…今は降ってないけど、降るのかな??ただ待つだけだね…
最近、寒くなってきたから絶対降るに決まってるね…
雪が降ると楽しいけど、その反対で大変だね…
雪かきしなくちゃいけないからね…
降った雪の状況で変わるもんね…
子供は雪合戦したり、雪だるま作ったりで楽しめるけど、大人は大変だね…
重たい雪を運ばなくちゃいけないからね…降った雪の片付けをしなくてはならないからね…
雪が降ると、歩くのに不便だね…歩道と道路がわからなくなるね…
もうそんな時期になったのか…雪が降るような時期に…
でも降った時に対応を考えればいいのかな…
雪の後は凍るね…車も歩行も危ないね…
気をつけなくちゃね…ケガするね…
ちなみに私は今から24年前の大雪の日に生まれたよ…
自分が思う『雪を待つ』っていうテーマになっていたかもね。
高校生ってなんでこんな大変なの
テスト前にプレゼンとか、準備終わんないよ
テスト勉強もままならないし
部活だって再開するし
でも全部将来のためになると信じてる。
結果が着いてくると信じてるから。
たったこの3年間ぐらい、、歴史で言う一瞬を我慢しようか、
絶対乗り越えたあとの軌跡は素晴らしいものだから。
No.3
雪をまつ
ベランダの若干積もった雪を手でなぞってみる。
冷たい
きんと全身がこわばるような衝撃。
たまらず私は指をはなした。
第一間接まで埋まった人差し指は、その部分まで赤くなっている。
しもやけかも
そんなわたしを横でみていた彼は、呆れたように両手を私の人差し指に包み込んだ。
あほか
先程までポケットに手をいれていたからか彼の手は温かかった。いや、それもあるだろうが。雪があったからより貴方を感じられたのかも知れない。
あたたかいね
おまえが冷たすぎるんだよ
不器用なあなた。そんな貴方のやさしさがこんなにも愛おしい。
もっと雪が積もったら雪だるまつくろうね。
おい。また手が冷えたらどうするんだ。
大丈夫。何度だって私を温めてくれるでしょ。
それだけで、十分よ。
作品No.259【2024/12/15 テーマ:雪を待つ】
※半角丸括弧内はルビです。
雪が降るのを待っている。雪が降るのは、あの方がここへ来る合図だから。
あの方と逢えるのは年に一度、季節が変わるそのときだけ。決まって、あの方はここへ来る側、私はそれをお迎えする側——それが毎年繰り返されて、この国の季節は巡っていく。
風が急に冷たさを増した。凍えるような風が、次第に強さを増していく。赤や黄に色づいた葉が吹き飛ばされ、裸になった枝に花のように雪が咲いた。
「ああ、ついにいらしたのですね」
あたたかく穏やかな季節——秋はもうお仕舞い。私の役目はここまでだ。
吹雪(ふぶ)く雪はやがて、寒く静かな季節——冬を連れてくる。それを司(つかさど)る、あの方も一緒に。
お題『雪を待つ』
『ごめん、10分遅れる』
そんな文言と、ごめん!という絵文字。もう、と頬をふくらませて、待つこととした。
いつもあいつは遅れてくる。今回はいいほうだ。最悪、1時間遅れてくることもある。その事態を想像しただけで辟易する。
考えるのをやめた。
寒い。上を向いて、曇った空を見つめた。
これからもっと寒くなることを想像して、頬を擦る。 これから先、ここは粉砂糖がまぶされたような世界へ変貌する。
早く来ないかな。と思いながら、きゅっと目を閉じた。
寒くなってきちゃった。
鼻の上に、ヒヤリと何かが落ちた。
「わ」
上を見上げると、ふわふわした雪が降ってきていた。ああ、降ってきた…と首を横に振る。
「ごめーん」
たたた、と向こうから走ってきた、見知った顔を見つけた。
「雪の方が早いんだけど。」
「いつになったら、ここから出られるかな」
雪を見ながら、青白い顔をした彼女はそう言った。
去年の今頃は、一緒に遊んでたのにね。
来年は、一緒に遊べるといいね。
そう、約束したのに。
「あなたの余命は、持ってあと…」
私は、余命宣告を受けた。
原因は、癌。前々から体調の悪さは感じていたけど、大したことないと思っていた。だけど、この前道で倒れて救急車で運ばれた。
「やっほ〜!調子はどう?」
「うん。いまいちかな。」
「なんかあった?元気ないけど。」
そう言うと、彼女は突然泣き出した。そして、彼女から聞いた言葉にショックを受けた。本当は、泣きたかったけど、辛いのは彼女の方だから、我慢した。初雪が降った今日、彼女の死へのカウントダウンがはじまった。
「なんで、私なのかな?私まだ高校生だよ。まだまだやりたいこと沢山あったのに。」
彼女の言葉に、何も返すことができなかった。何か言ったところで、彼女を苦しめるだけだと思ったから。
でも、彼女はやっぱり強かった。
「来年、一緒に雪を見ようよ。」
彼女はそう言った。そんなこと無理な確率の方が高いのに、彼女は言った。
「うん。約束ね。」
それから雪を待つ日々が始まった。
数ヶ月後…
彼女はお空へ行った。
結局、約束は守れなかった。
だけど、彼女は言ってくれた。
「一緒に雪を見ようね。離れた場所にいても、心は繋がっているから。1年後も10年後も。約束だよ。」と。