雪を待つ
冷たいなんて言っている場合ではなかった
ビル風の中で何かを探していた
人間はみんな旅人らしいから、きっと私も
動きにくいコートを着た旅人なんだろう。
何を探しているんだろう
ぬかるみのような地面がもっと
歩きやすくなって欲しいのに。
こんな泥なんか全部塗りつぶされて
一面がキャンバスのように白ければ
もっと見つけやすくなるはずなのに。
春は遠い昔のようで
しかし惰眠を貪っていれば
そのうち再会するものでもあって。
北風ばかりが吹く冬の入り口に
秋の匂いが混ざっている
惜しいことにみぞれが降り始める。
あともう少し
足跡が見えるように
凍えた心で祈っている
どうか生き先まで
泥濘に埋まりませんように。
12/15/2024, 3:25:04 PM