アスパラ・マラソン4世

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     雪を待つ

午後16時、街の灯りはポツポツと点いてくる時間。
私はそんな中いつもの集合場所で1人ぽつんと、 彼を待っている。
彼が来ても分からないほどに人が込み合っている。なぜなら今日はクリスマス。たかがクリスマス なんて心のどこかで思っている自分も居るが彼とのディナーが楽しみだ。
街には、とても幸せそうな顔をしてる小さな子・仕事終わりの疲れきったサラリーマン・お揃いの服を着たバカップル。そんな人たちで溢れかえってる。
「ピコンッ」
そんな時スマホが鳴った気がした、彼からだろうとスマホを取り出したがそんな通知は来てなかった。
そんな通知来るわけがない。

彼は ○○ になってしまったのだから。

もう一度彼に会いたい。会って話がしたい。
そんな感情がフツフツと湧き始め、いつもの場所で彼を待っていた。
その時 「お待たせ!」 彼の声だと思い周りを見渡した。でも彼の姿はない。
あるのは、空から降り注ぐ雪。

そう、彼は3日ほど前に ゆき になったのだから。

ここは彼との"いつもの集合場所"

この場所で 、 彼(雪)が降るのを待っていた。

12/15/2024, 3:09:40 PM