アスパラ・マラソン4世

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12/28/2024, 2:47:20 PM

     冬休み

冬休みが始まって間もない頃。
やることがないのでとりあえず課題を済ませているとそれは突然やってきた。

「こんにちはっ!」 と 元気そうな声が聞こえた。
だが姿はない、 気のせいかと思い視線をノートに移した。
その時 、 ノートの上を歩く3cmほどの女の子が居た。
「え、?」と戸惑いを隠しきれない声を出しその場から少し離れた。

なにかの見間違いだろうと思い目を擦った。
「貴方が○○くんよね!」と 、 声をかけてきた。
「そ、そうだよ」なにかの夢だろうと思い、返答をした。
「あ!今夢だと思ってるでしょ〜!夢じゃないからね!」
「え、じゃあ君は、?」
「ん〜、私はいわゆる妖精ってやつ!」
「よ、妖精…妖精がなんの用ですか…」
「私さ〜!君に惚れちゃったんだよね!」
「え、私に…?」
「そう!街で見かけた時に一目惚れ?ってやつ〜!」
「でも、私女だよ?」
「え!?嘘!?」
「本当です…」
「ガーン!!!」
「そ、そんな落ち込まなくても、」

それがこの子との出会いでした。

12/18/2024, 2:46:09 PM

     冬は一緒に

「今日もさみ〜、」そんな言葉から始まる君との1日。

この辺りは、豪雪地帯。
毎年冬になると雪が積もり、多い時は100cmにも達してしまう。
それに比例し、ものすごく寒くなる。

だが!今年はひと味違う。

今年は、彼と一緒に過ごして寒い冬も乗り切る!

今日私は帰り道、彼に告白をする。
長年の片思いに終止符を打ってやる。

どんな結果になっても悔いは無い。

ー帰り道ー

「今年はどんぐらい積もるんだろうなぁ」
「また一緒にかまくら生活しようね笑」
「もう懲り懲りだわ笑」
いつも通り、何気ない会話をしていた。
「あのさ、」
「ん?」
「今年の冬は一緒に過ごしたい」
「毎年過ごしてるだろ笑」
「そーだけど、そうじゃない、」
「どーゆうことだよ笑」
「んーと、だから、私と付き合ってください、!」
思いっきり頭を下げた。この時、彼の顔は全く見れなかった。
10秒ぐらい無言が続き、彼が一言。
「な、なんの冗談ですか、」
彼の顔を見ると 、 真っ赤でまるで真夏の運動後みたいな顔をしてた。吹き出しそうになったが堪えた。
「冗談じゃないよ」
「え、え、えぇ、?」
すごい戸惑いようだ。
「やっぱ無理だよねー忘れて笑」
「待って、俺無理っとは言ってないんだけど、」
「俺も、ずっと好きだった。だから俺でよければお願いします。」
「これからもよろしく!笑」
そう言って、抱きついてみた。

今年の冬は一緒に過ごします。

12/16/2024, 1:36:39 PM

     風邪

隣の席のアイツはいつも元気で馬鹿で、うるさい。
朝 、 担任の先生から一言 「〇〇〇は風邪で休みだ」

どうやら、俺の隣の席のやつは風邪で休みらしい。
今日1日、静かに過ごせそうだ。
そんな事を考えていたら、1時間目が始まった。

1時間目は国語、朝から眠くなる教科だ。
いつも話しかけてくるアイツはいなくとても退屈だ。
ぼーっと外を眺めてると、アイツの顔が浮かんできた。

それも鬱陶しいほどの大量の笑顔で…

「あぁ、なんだこれ!」と 、立ち上がり叫んでしまった。クラス中からも先生からも、冷たい視線を浴び注意される始末だ。

全部アイツのせいだ 、 と思ったが「すみません」と謝り座った…

こんな調子で、1日が過ぎて行った。

この事を友達に話した。そしたら
「それって恋なんじゃねー!笑」冗談半分で言われた。
だが俺はその言葉を冗談だと思えなかった。

「ごめん!俺先帰るわ!」そう言って、自分の家とは反対方向のコンビニへ向かった。

コンビニでは、ゼリーにスポーツ飲料、アイツの好きなアイスも買った。

そして俺はアイツの家に走った。
アイスが溶けないように、なんて自分に言い聞かせて。

息が切らしながらも、家のインターホンを押した。
出てきたのはアイツだった。

あの時の俺は、心臓がバクバクだった。

それは、走ったからなのかアイツに会ったからなのか

俺には分からなかった。

だが 胸が張り裂けそうな気持ちでいっぱいだった__

12/15/2024, 3:09:40 PM

     雪を待つ

午後16時、街の灯りはポツポツと点いてくる時間。
私はそんな中いつもの集合場所で1人ぽつんと、 彼を待っている。
彼が来ても分からないほどに人が込み合っている。なぜなら今日はクリスマス。たかがクリスマス なんて心のどこかで思っている自分も居るが彼とのディナーが楽しみだ。
街には、とても幸せそうな顔をしてる小さな子・仕事終わりの疲れきったサラリーマン・お揃いの服を着たバカップル。そんな人たちで溢れかえってる。
「ピコンッ」
そんな時スマホが鳴った気がした、彼からだろうとスマホを取り出したがそんな通知は来てなかった。
そんな通知来るわけがない。

彼は ○○ になってしまったのだから。

もう一度彼に会いたい。会って話がしたい。
そんな感情がフツフツと湧き始め、いつもの場所で彼を待っていた。
その時 「お待たせ!」 彼の声だと思い周りを見渡した。でも彼の姿はない。
あるのは、空から降り注ぐ雪。

そう、彼は3日ほど前に ゆき になったのだから。

ここは彼との"いつもの集合場所"

この場所で 、 彼(雪)が降るのを待っていた。