アスパラ・マラソン4世

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     風邪

隣の席のアイツはいつも元気で馬鹿で、うるさい。
朝 、 担任の先生から一言 「〇〇〇は風邪で休みだ」

どうやら、俺の隣の席のやつは風邪で休みらしい。
今日1日、静かに過ごせそうだ。
そんな事を考えていたら、1時間目が始まった。

1時間目は国語、朝から眠くなる教科だ。
いつも話しかけてくるアイツはいなくとても退屈だ。
ぼーっと外を眺めてると、アイツの顔が浮かんできた。

それも鬱陶しいほどの大量の笑顔で…

「あぁ、なんだこれ!」と 、立ち上がり叫んでしまった。クラス中からも先生からも、冷たい視線を浴び注意される始末だ。

全部アイツのせいだ 、 と思ったが「すみません」と謝り座った…

こんな調子で、1日が過ぎて行った。

この事を友達に話した。そしたら
「それって恋なんじゃねー!笑」冗談半分で言われた。
だが俺はその言葉を冗談だと思えなかった。

「ごめん!俺先帰るわ!」そう言って、自分の家とは反対方向のコンビニへ向かった。

コンビニでは、ゼリーにスポーツ飲料、アイツの好きなアイスも買った。

そして俺はアイツの家に走った。
アイスが溶けないように、なんて自分に言い聞かせて。

息が切らしながらも、家のインターホンを押した。
出てきたのはアイツだった。

あの時の俺は、心臓がバクバクだった。

それは、走ったからなのかアイツに会ったからなのか

俺には分からなかった。

だが 胸が張り裂けそうな気持ちでいっぱいだった__

12/16/2024, 1:36:39 PM