『雪を待つ』
私が生まれた日は初雪が降った日だったと母から聞いたことがある。それ以来、私の誕生日には必ず初雪が降った。最初は偶然だと思っていたが、それが十年以上も続くうちに私は雪に愛される運命だと思うようになった。それから月日は流れ、私も結婚する時が来た。結婚式の日、私は一つ年上の夫と一つの約束をした。一緒に百歳まで生きよう。そんな約束を。
それから何十年も経ち、私が九十九歳になった日、私の体にガンが見つかった。医者からはもう半年も持たないだろうと言われてしまった。冗談じゃない。まだ死ぬわけにはいかない。私はそう思って必死に病気と戦った。そうしているうちにガンが見つかってから十一ヶ月と数十日が経った。
夫との約束を果たすまであと数日。
私は雪を待つ。
12/15/2024, 3:21:32 PM