『雪を待つ』
雪が降ることを、私はまだ知らない
ただ、冷たい空気が心に触れて
冬の匂いが遠くからやってくる
空は灰色、けれど優しい色
静けさの中で何かを待つ時間
それは、私の中にだけ降る雪のようで
「降るかな、今日」
そんな風に君の言葉を待つ
どこかで、少しだけ期待して
降らないとしても、
その空を見上げることが好きだから
白く染まる街を想う
それはたぶん、私の心が
君のことで、また真っ白になる瞬間
――雪は、待つ人のところに降るのだと
誰かが言っていた
なら、君はいつ、私の冬に降るのだろう
12/15/2024, 4:19:59 PM