【あの夢の続きを】
あの夢の続きは、突然、駅のホームに立っている私。
目の前には、知らない列車が止まっている。
「これに乗らないか?」と、知らない男の人が微笑んで声をかける。
私はうなずこうとしたけど、足が動かない。
列車のドアが閉まりかけたとき、男の人が一歩踏み出して、
手を差し伸べてくれる。
でも、その手は、すぐに消えてしまった。
列車が走り出す瞬間、私はやっと気づく。
その列車は、もう二度と戻ってこない。
男の人も、消えてしまった。
ただひとり、駅に残された私は、
「乗りたかったな」と、心の中で呟く。
夢の中でも、手に入れられなかったものがある。
切ないほど、手が届かなかった何かが。
「星のかけら」
夜空を見上げて、
君のことを考える。
星が一つ、また一つ消えていく。
でも、願いは叶わない。
たぶん、私の星は君には届かないから。
「クリスマスの過ごし方」
イルミネーションが光る街中、
私の目はケーキの列をロックオン。
「よし、ターゲットは苺ショートだ!」
でも、敵(他のお客さん)は手強い。
ツリーの下のプレゼントも、毎年サプライズだって?
いやいや、去年は靴下の中にインスタントラーメン。
ありがとうサンタ、来年は味噌味で頼むよ。
「メリークリスマス!」なんて言いながら、
友達のプレゼントを開けたら中身はカップラーメン。
被ってるじゃないか、サンタ!何か通じてるのか?
それでも笑い声が溢れる夜、
ケーキの最後のひと切れを巡る熾烈な戦い。
「これが私のクリスマスだ!」と叫びながら、
今年も勝利を信じて戦場を駆け抜ける。
クリスマス、平和でないのがちょっと楽しい。
「プレゼント」
君に渡すつもりだったプレゼント
形にならなかった気持ち
伝えたかった言葉も
胸の中で詰まったままで
選んだのは、君が喜んでくれるもの
でもその瞬間が来る前に
私はその贈り物を
手のひらからこぼしてしまった
本当は、その中にある全てを
君に届けたかったのに
だけど、君には届かない
その想いが、切なくて仕方がない
ゆずの香り
駅のホームでふと香ったゆずの香り。
その香りに導かれるように歩くと、目の前に現れたのは、
昔通っていたカフェのオーナー、リョウさんだった。
「おお、久しぶり!」
リョウさんは笑いながら、手にゆずを持っていた。
「これ、君にちょうどいいと思って。」
「え、なんで急にゆず?」
私は驚きながら聞いた。
リョウさんは少し照れくさそうに言った。
「君が好きだったジャム、覚えてる?それを作ったんだ。」
「あのジャム…」
私は懐かしさに微笑んだ。
「君にもぜひ試してほしいな。」
リョウさんはジャムを手渡してきた。
「ありがとう。」
私はそれを受け取ると、ふと心が温かくなるのを感じた。
その香りが、あの頃の静かな記憶を呼び起こし、
私は少しだけ胸が締め付けられるような気持ちになった。
でも、それでも歩き続ける。
あの頃の私が、今もどこかに残っている気がしたから。