mizuki

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「いつになったら、ここから出られるかな」
雪を見ながら、青白い顔をした彼女はそう言った。
去年の今頃は、一緒に遊んでたのにね。
来年は、一緒に遊べるといいね。
そう、約束したのに。


「あなたの余命は、持ってあと…」
私は、余命宣告を受けた。
原因は、癌。前々から体調の悪さは感じていたけど、大したことないと思っていた。だけど、この前道で倒れて救急車で運ばれた。

「やっほ〜!調子はどう?」
「うん。いまいちかな。」
「なんかあった?元気ないけど。」
そう言うと、彼女は突然泣き出した。そして、彼女から聞いた言葉にショックを受けた。本当は、泣きたかったけど、辛いのは彼女の方だから、我慢した。初雪が降った今日、彼女の死へのカウントダウンがはじまった。

「なんで、私なのかな?私まだ高校生だよ。まだまだやりたいこと沢山あったのに。」
彼女の言葉に、何も返すことができなかった。何か言ったところで、彼女を苦しめるだけだと思ったから。

でも、彼女はやっぱり強かった。
「来年、一緒に雪を見ようよ。」
彼女はそう言った。そんなこと無理な確率の方が高いのに、彼女は言った。
「うん。約束ね。」
それから雪を待つ日々が始まった。

数ヶ月後…
彼女はお空へ行った。
結局、約束は守れなかった。
だけど、彼女は言ってくれた。

「一緒に雪を見ようね。離れた場所にいても、心は繋がっているから。1年後も10年後も。約束だよ。」と。

12/15/2024, 2:51:46 PM