『遠い日の記憶』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【遠い日の記憶】
記憶の断片だけ。
駄目だ、どうしても全体が見えない。
遠い昔の話だ、忘れても仕方ない。
ただ、聞かせてって言うから頑張って思い出してるの。
でもね、思い出そうとしてもぼやけて全然見えない。
そこにいるってことは分かるんだけどさ。
―なんだか儚いね。
あの日、私は呑気に散歩でもしてたんだろうけど。
一瞬で消えてしまった。
ただ確かなのは、私はそこにいたこと。
まあ、それだけでいいか。
お題:遠い日の記憶
春の季節
初めての感情だった。
こんなにも…傍に居ないといけない思ったのは…
君のことを考えると胸のあたりがぞくぞくして
苦しかった。まだ君を置いていけない…僕が傍にいなくちゃ…
長い月日が経って
私は何もかも失ったような顔で
大きな桜の木の下でぼーっとしていた。
すると、一片の桜の花びらが私を惹き付けた。
花びらを辿っていくと…そこは…
…昔突如現れた男の子との二人だけの秘密基地だった…
私は昔、両親に捨てられ本当の「愛」を知らないまま
今を生きてきた。
「こんなつまらない世界生きててもなんの意味もない」
私はそう呟いた。
そこには最悪にも同年代くらいの男の子がいた
(絶対聞かれた)
「…君が胸を張って生きていけるように僕が
側にいてあげる」
そう男の子は言った。
最初はなんだこいつと思っていたけれど段々とその男の子に
引力めいた何かを感じた。…私は目が離せなかった…
言われるがまま男の子について行ったら人気(ひとけ)のない
ところに連れてかれそこには、アニメでしか見た事のないくらいの不思議な家があった。
「今日から此処を二人だけの秘密基地にしよう」
そう男の子は言った
混乱した。急に現れた男の子から二人だけの秘密基地なんて
言われても何が何だか分からなかった。
でも、また引力めいた何かを感じた。私は「わかった」と
返事をした。
そこから二人の間には解けない絆が生まれた。
私はある疑問があった。《男の子は絶対に街の方に行こうとしない》ある日私が街に行こうと誘ったら頑なに拒否してきた。
他の日だってそう良くしてもらってるおばあさんを連れてこようとしたら泣きながらやだと言ってきた。男の子には秘密がある。
その時私は知らなかった男の子が本当は…
…私にしか見えないという事を…
〜8年前春のニュース〜
…次のニュースです。15歳の男の子が街から離れた人気のないところで倒れていることがたまたま通りかかった住民が通報をし、
搬送先の病院で死亡したことが分かりました。その男の子の手には一片の桜の花びらを握りしめていたという情報も入ってきました。……
私は大切な事を忘れていた。
あの時男の子が急に居なくなった日
私は当然意識を失った。
目を覚ましたらそこは病室だった
隣のテーブルに置かれていた
一片の桜の花びらに目を向けた
私は男の子との思い出を、記憶を完全に忘れてしまっていた。
私は今二十歳。周りの人に恵まれながら
生きている。
また春の季節がやってきた
毎年この季節になると思い出す
私を変えてくれたあの男の子のことを
絶対に忘れてはいけないあの春の記憶…
私は
『私をこのつまらない世界から救い出してくれた
あの男の子のことを絶対に忘れない』
「『遠くの街へ』、『遠い空へ』、それから『遠い日の記憶』。さすがにもう『遠い』系は来ないよな」
アプリを入れて最初のお題が「遠くの街へ」だった。某所在住物書きは遠い4ヶ月と16日前の日を思い返し、当時の投稿を見返した。
「毎回毎回新ネタなんて書けねぇからって、続き物風
で各お題のハナシを繋げてって、気が付いたら随分遠くまで来たもんよ。早いねぇ」
で、長期間投稿して何が不便ってさ。遠い過去であればあるほどスワイプして辿るのが面倒。
あとガチで買い切りの広告削除プランはよ。
物書きは恒例にため息を吐き、スマホを指でなぞる。
――――――
昨日然り今日然り、なんなら明日も明後日も。
東京は最高気温が30℃超、なんなら明日は酷暑に迫る38℃予想。
つまり灼熱だ。アスファルトの照り返しが地獄だ。
先週ウチの職場の上司2名が熱中症で倒れちゃった影響で、その職場から直々に、「今週は無理せずリモートワークを活用しましょう」ってお達しが届いた。
リモート万歳。だってクソ上司とかカスハラな一部の「お神様」と顔合わせなくていいから。
……でもその他大勢の善良な「お客様」と会えないのはちょっとだけ、ほんのちょっとだけ寂しい。
「先輩?」
夜になっても相変わらず、東京の夜は暑い。
スマホの情報見る限りでは、完全に「超熱帯夜」。
今週食べるためのアイスでも補充しようと、しっかり水持って外に出たら、
涼しげなビオトープのある和風カフェ、窓際の席で、雪国の田舎出身っていう職場の先輩が、テーブルに左手で頬杖ついて、目の前の優しい色合いの何かをぼーっと見てた。
「やっぱり先輩だ」
そこは、私がこの職場に来て、先輩が私の教育係になって、初めて先輩に奢ってもらった和菓子とお茶のお店だった。
「せーんぱい。藤森先輩」
コロナ禍前。遠いっちゃ遠い日の冬だ。
当時の先輩は今よりもっと無機質で、今改めて考えれば、私が就職する前の大失恋、初恋の人に心をズッタズタのボロッボロにされた傷が、そのまま残ってたんだと思う。
対して、当時の私はまだ「大学生」が抜けきってなくて、先輩のことを下の名前の「礼(あき)」で呼んでた時期が数週間あった。
「アッキー、アッキ〜」
懐かしいな。よく先輩、生意気だった私のこと捨てなかったな。
もう4年くらい前だけど、その遠い日の記憶が一気に湧いてきて、すごく懐かしくなって。
「何食べてるの」
折角だから、先輩のテーブルに相席させてもらった。
「随分久しぶりな呼ばれ方だ」
「そういう先輩は?何頼んだの?」
「お前がおまんじゅう桜セットとホットの和紅茶を頼めば、『あの日』の再現の完成だが」
「『あの日』?」
「3、4年前。お前がこの職場に来て2年目の冬。『私に言いたいことがあるなら、美味い和菓子と日本茶の店を知っているからそこで聞こう』」
「私、先輩に『アッキーが無機質過ぎて怖い』とか、『なんでこの職場の人皆ノルマとか根性論とかに反論しないの』とか色々言った」
「私は聞くだけ聞き倒して、一切価値ある助言をしなかった。お前が私を『藤森先輩』だの、単に『先輩』だのと呼び始めたのは、その翌日からだったな。尊敬に足らぬと愛想でも尽かしたのか」
「逆ですー。ザンネンでしたー」
懐かしいね。 そうだな。
ふたりして遠い日にしんみりしてるところに、「あの日」と違って、配膳ロボットの猫くんが、私の注文品を持ってきてくれた。
「今日も奢ってよ」
「そこまで再現するのか?」
和風なお盆の上には、桜の焼印が押されたおまんじゅうの3個セットと、アイスの和紅茶だった。
彼女と行った初めてのお出かけ
店探すのに手間取る自分の隣を
そっと微笑みながら歩いてる君
会計しようと財布を出す僕
また出かけたいからとお金を出す君
約束しないと不安だと
言ってる君が可愛くて
そんな彼女はもういない
全ては遠い過去の思い出
『遠い日の記憶』
写真は、遠い日の記憶を鮮やかに蘇らせてくれます。
近年はスマホで撮影するので、クラウドに保存したまま、思い出までも持ち歩いていることになりますね。
危険な暑さでスマホの爆発が増えているそうなので、気を付けてください。
つい最近、震災でめちゃくちゃになった写真を洗浄して持ち主に返すボランティアをしている方の記事を読みました。思い出の大切さを痛感します。
遠い日の記憶
そうねえ…3つの時代と2つの世紀を生きて来たから…なんて大仰なことを考えてみる。昭和ももう近代扱いなのかな?当時は、そんなことなんて考えていなかったけど…遠い日の記憶は、色々あるけど、自分の中では、今…
あなたと出会ったのはいつだったかしら。
初めてのデートは覚えてる?
張り切ってヒールを履いてきたんだけど、途中で足を痛くしてしまって。
初めての夜は?
綺麗な夜景をプレゼントしてくれたね。
あなたの初めては常に私と一緒だったね。
プロポーズも婚約指輪をもらったのも全部覚えてるわ。
緊張している時は必ずと言っていいほど手が震えるのはあなたの特徴よね。
今は老いのせいで震えてしまっているのかしら。
ねぇ
覚えてる?
どちらか先にいなくなる時は
昔話をして笑いましょう、って。
私は今、笑えているかしら?
「遠い日の記憶」
#61 遠い日の記憶
過去には、
いくら手をのばしても届かない。
だから、
どれも遠い日ということにはなる。
小さい頃のことは、
良い思い出ほど自分では覚えていない。
あっても思い出すまで少し時間がかかる。
パッと出てくるのは根に持つようなことばかり。
それも忘れてしまえれば良かったのに。
子どもという生き物は、なかなか厄介なものだ。
大人社会の当たり前を知らず、
自分の道理を見つけ、
これが当然とばかりに出してくる。
しかし、しかし。
子どもにとっては
それが本当に当然のことなのだ。
効率より、未来の不利益より、
今この瞬間を楽しむ為に生きている。
生き急いでいると言ってもいい。
その勢いを完全に止めてしまっては、
理不尽に思う気持ちともに記憶に残るだろう。
私のように。
ならば、勢いを殺さず上手く流れていくように、
双方の道理を擦り合わせていくことが、
大人の本来の役目なんだろう。
自分の過去には手が届かないが、
目の前にいる子どもには手が伸ばせるのだから。
子どもが大きくなったとき。
彼らは遠い日に、何を覚えているだろう。
私には、お母さんがいない。
いや、正確には、いなくなった。
ずっと昔には、いた気がする。
でも、それもとても曖昧なくらい遠い日の記憶。
お父さんに聞こうにも、いざ聞こうとすると、言葉が喉につっかかって聞けず終い。
一緒に手を繋いでお散歩をしたり、一緒にお布団に入ってねむってくれたり、一緒にフードコートで昼食をとったり。
そんな他愛のない親子をやっていた記憶は、薄れつつあるが、ある。
どうしていなくなったのか、いつからいなくなったのか、それは私にはわからない。
聞かなければ、永遠と謎のままである。
今日は、私の誕生日。18歳になった。
父がショートケーキに1と8のろうそくをさしてご馳走してくれる。
私はゆらぐろうそくの日を眺める。
そうだ、こんな記憶も断片的にある。
「今日で成人だね、おめでとう」
「ありがとう……あのさ、お父さん……」
遠い日の記憶を胸に、意を決して私は口を開いた。
【遠い日の記憶】
#4 遠い日の記憶
気持ちが離れてないから、君はすぐに思い出せるんだ
「…あ」
また。なんだか最近急なフラッシュバックが起きるようになった。
記憶にはないはずの記憶。
私がタバコを吸うという記憶だ。
夢なのか現実なのか未来なのか。
私はよくわかってない。
少なくとも現実ではない。私は未成年だ。
未来はよく分からない。吸ってるかも。
夢。一番有り得る。
まあ、正夢とかあるし。
遠い記憶。それは未来のものかも。
もしくは過去。
それか前世とかね。信じないけど別に。
何はともあれ、私はヘビースモーカーな気がするけどな。遠い記憶でも二箱は開いてたし。
吸う仕草をする。悪くはないと思ってしまう自分が笑える。
遠い記憶。それは自分が知らない自分。
『物心』
物心がついた瞬間は衝撃的だった。それは誕生日の翌日だった。何か天啓でも受けたかのように、いきなり意識が覚醒したのだ。前日のことはうっすらと思い出せるような気がして、ぼやけたようになっている。それよりさらに数日前はまったく思い出せない。それが物心がついた日の境目だった。
今でもその記憶はなんとなく愛おしい。だって私が私になった瞬間だから。
テーマ:遠い日の記憶
『遠い日の記憶』
友達と恋バナをしてると貴方のことを思い出す。
初めてこんな人を好きになって
夢中になってずっと追いかけて
結局叶わないで終わった恋。
でも最高に楽しくて沢山悩んで最高の思い出なの。
忘れたくても忘れられない遠い日の記憶、
遠い日の記憶
どこまでいこう
いけばいくほど
幼い記憶へもどっていく
幼い心はそこに残されている
あなたはなぜそこで泣いてるの
あなたが来るのを待っていたわ
もういいよ
もういいの
もういいよ
もういいのね
来てくれてありがとう
待っててくれてありがとう
もう大丈夫
もう大丈夫
遠い日の記憶
無償の愛を教えてくれたのは、リリーだった。
あの日学校から帰ると、リビングの真ん中にリリーは横たわっていた。新聞紙と毛布の上で。父と母はそばに座り黙っていた。私は恐る恐る手を伸ばした。暖かい。私を見たリリーは、震えながら立ち上がり私の足に手を乗せて穏やかな顔で見つめてきた。
「わかってる。私も大好きだよ。ありがとうね。」
苦しそうな体をそっと抱えて、寝かせた。それでもリリーは立ち上がり、父、母、そしてまた私に寄り添うことを繰り返した。
遠い日の記憶は
チョコレートアイス
夜の病院、大き過ぎるスリッパ
寒い冬の夜
父親の運転する車から
ぼんやり、外を眺めれば
街の明かりが流れていく。
3歳になったばかりの私の
記憶は、断片的で
ただ、あの日は私が
お姉ちゃんになった日だったのだ。
久々の、お母さん。
初めて出会う小さな赤ちゃん。
父親の大きな手が私の頭を撫でて
帰り道に、チョコレートアイスを
食べたのだ。
口の中で、じんわり溶けてゆく
チョコレートの味と、微睡んでゆく
帰り道の景色。
それが、私の遠い日の愛おしい記憶だ。
【お題:遠い日の記憶】
夕暮れは間もなく濃い藍色へと染まっていく。教科書をとん、と机に置くと大きな窓を開け放った。白く透けたカーテンは空の色を纏ってふわりと中へと風を運ぶ。パンにあうミルクの芳ばしい香り。向かいの雨戸から溢れた光から賑やかな声が聞こえた。ご近所さんはシチューなのかもしれない。そう思うと少しお腹が切なくなった。
/ 遠い日の記憶
遠い日の記憶
"ショウくん"の事を思い出してから、2日が経った。
暇だったし、私は地元へ帰って、あの神社に向かった。
河原の砂利を新しく買ったサンダルで弾いて歩く。
この時期とは思えない冷たい風が、ふんわりと
私の髪と首筋を撫でた。
中を軽くしたセミロングの髪は軽々とはねていき、
毛先が踊っていた。
空気を吸うと、水と雑草と少し木の匂い。
木漏れ日が眩しくって目が歪んだけれど、
雰囲気はとても優しくて、故郷に帰ってきた。
と言う感じがして、少し涙が出た。
十数年前までは綺麗にされていた神社は、
雑草が生い茂って、とても綺麗とは言えない状態だった。
話に聞けば、数年前からこの神社周辺は地元の不良達の
溜まり場になっており、色々と好き放題荒らされていた
らしい。
そう言えば昔、近所の中学生にいじめられていたっけ。
私は昔から"変な子"だった。
今は自覚済みだけど、昔は特に。
虚空に話しかけるなんてしょっちゅうで、
支離滅裂な話を突然し始めたり、
何も無い所で立ち止まっては逃げる様に走り出したり。
祖母や母から聞くこの手の話には飽きるほどあった。
それ故か、友達が少なかった。
それのせいかは知らないが、私はよく絡まれた。
あの人生しょーもなそうな奴らに。
当時の私は純真無垢で可憐な少女だったので、
普通に傷ついた。普通に泣いた。
確かそう。そんな時いつも助けてくれたのは
ショウくんだった。
ショウくんはその度私の手を引いて神社の前まで連れて来て
「もう大丈夫だよ。」
って、言ってくれてたっけ。
そんな事考えながら空き缶や吸い殻が散乱した境内付近を
見て、どうにも釈然としない気持ちが湧き上がった。
私の大切な場所を穢された。
私の大好きな場所を、勝手に。
所有者は私じゃ無いけれど、
村を出てしまった私が言える事じゃ無いけれど、
悲しくて悲しくて。むかついて。
私は近所のおばさん家からデカいゴミ袋を貰って、
片っ端から神社の掃除をした。
確かに誰も使ってない神社だったとしても、
私にとってこの神社は大切な場所だったから。
掃除が終わったのは夜の7時半くらい。
ゴム手袋は5回はち切れて、途中で軍手に変えた。
団子にまとめていた髪を下ろして、
タンクトップの上から上着を着た。
風がとても涼しかった。
陽が傾いていて、ゆっくりと夜が林を飲み込んでいった。
夜になると真っ暗になる神社は、月明かりと星だけの世界
懐かしい。
この景色を見るのは何年振りだろう。
私の記憶の中で飽和される前に、
此処に来れて良かった。
ショウくん。
私を呼んでくれてありがとう。
遠い日の記憶
あ、知っている。
なぜかそう思うことがあった。でも、知っているはずがないんだ。
だって、行ったこともないし、実際に見たこともない。それなのに、どこかで見たような気がして。
それを憶えていたのは、きっと今の自分ではない。
きっとそれは、自分がまだ他の誰かだったときの、遠い日の記憶のことだ。
「申し訳ございません、私は主に支える身でありますし、貴女様とは釣り合う身分ではございません。どうか他の方をお選びくださいませ」
いつの記憶かわからない。しかし、どうやら自分の口から出た発言のようだ。ある方と縁談の話が来たらしいが、年下ということもあり幼子に見え、そして高貴な身分だったので断ったらしい。
でも、その方は、彼女は貴女が!どうしても貴女が!とずっと言ってそして
「私のものに、どうしてもなってくれないのね?くださらないのね?貴女は
なら…!」
と、身包みを剥がされた上に拘束されそして
眼の前には龍がいた
私は 湖に 浅瀬だけど
溺れた その人(龍) に
捕まって
遠い日の 記憶