繊細な花』の作文集

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繊細な花』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

6/26/2024, 8:28:08 AM

題 繊細な花

私は登校の時、いつも花を見る。

ふと目に入るんだ。小さなピンクの花。

花弁がたくさんあって、何で目に入るかと言うと、周りに沢山の白い花が囲んでいるから。

同じ花々なのに、真ん中だけ赤いお花で。

それが不思議で、私は登校の慌ただしい朝でも目を留める。

優しい風にそよそよと吹かれて、気持ちよさそうだ。

雨上がりの日は、水浴びをしたような雫をたたえて地面から心なしか元気にぴんと伸びているようにも感じる。

その花を見るのが毎日の日課になっていたんだ。

頑張って一生懸命生きているのが、頑張って学校に行っている私の姿と重なったのかもしれない。

私にとって、学校は試練だと思っているくらい辛いから。

毎日重い足取りで進んでいくけど、そのピンクの花を見ると、涙腺がかすかに緩む感じがする。

じんわり涙が沸くような。

弱っているからなのかな。

梅雨が訪れて、台風の時期になった。

台風が通過していった日の翌日、ピンクのお花は倒れていた。周りを囲む白い花たちも倒れて・・・。

そして枯れていった。

私は・・・その姿を見て泣いてしまった。

私の中の日常が一つ壊れた。
私の中の意識もしていなかった支えが枯れてしまった。

それでも、時間は進む。

次の日も次の日も、私は学校へ行った。

でも心は以前と同じじゃない。

頑張っている存在を見ることが出来なくなったから。

ただ一つでも小さくても繊細でも・・・。

私の心のどこかで希望だったんだ。

あの花は、私だったんだ。

何も無い枯れた草むらを見て涙を流す。

失っても失ってもこれからも生きていかなければならないのだろうか。

こんなに些細なことで泣いている私に、耐えられるんだろうか。

私は拭っても拭っても溢れてくる涙をまた手のひらで拭いながら、空を見上げた。

私の心の支えが出来ますように。
確固たる揺るがない支えがこれから現れてくれますように。

そうして空に祈ったら、少しだけ心が軽くなった気がした。

私はまた手のひらで涙を拭うと、少しだけ軽くなった足取りで歩き出したんだ。

6/26/2024, 8:20:45 AM

繊細な花



綺麗な花は水をあげすぎても枯れてしまう

6/26/2024, 8:19:40 AM

君に花の名を聞かれ
思いつきで決めてみる

名前はそうだな、「繊細な花」

6/26/2024, 8:16:51 AM

例えば性格や人間性、或いは人との接し方や立ち居振る舞いが十人十色あるように、その心の内の状態や程度も様々だ。狡猾な人間も横柄で傲慢な人間もいれば、利他的で慈悲や慈愛の心を持った人間。偽善と方便で繕うも、結果としてそれは人のためとなる言行を重ねる人間と同じく様々。

心の内は誰にも見えない。探れど掴むことの出来ない度し難いものが、人の心である。


執筆中




明日、続きを描きます。
どうかお待ちいただけますと幸いでございます。


そうそう、この一ヶ月は食生活が大きく変わりまして玄米を好んで食べるようにまりました。いつもであればスーバーやお米屋さんで10キロ単位で新米を購入していたのですが、先般の購入の際に玄米三十キロを購入しました。

玄米と言えばボソボソしていて、臭くて美味しくないと苦手意識をお持ちの方もおおいとは思いますが、実は白米や分つき米よりも美味しいんです。モチモチプチブチとしていて食感を楽しむことが出来て、食べ応えも非常に良いのです。そして、白米よりも和食がより美味しく感じられるんです。

確かに手間はかかりますが、その手間も慣れれば当たり前の所作とさえ感じるようになります。お通じも良くなりますし、体躯もスマートになりますの。ぜひ、玄米をまだ頂いたことがない方は是非一度、少量からご賞味くださいませ。

6/26/2024, 8:16:45 AM

昔々、緑豊かな森の奥深くに、小さな村がありました。この村の近くには、秘密の花畑が広がっていました。そこには、夜空に輝く星のように繊細で美しい花々が咲き誇っていました。この花たちは「夢の花」と呼ばれ、村人たちに愛されていました。

夢の花は、特別な力を持っていました。夜になると、その花びらが淡い光を放ち、まるで星明かりが地上に降り注いだかのような幻想的な風景を作り出しました。村の子供たちは、この光を頼りに、夜の森でかくれんぼを楽しんでいました。

ある日、村に一人の少女が現れました。彼女の名前はリリィ。リリィは森を探索している途中で夢の花畑を見つけ、その美しさに心を奪われました。彼女は毎晩花畑に通い、その光に包まれながら夢を見ました。

ある夜、リリィは不思議な声を耳にしました。「リリィ、私たちは夢の守護者。あなたが純粋な心でここに来てくれたことに感謝します。」驚いたリリィが目を凝らすと、一輪の夢の花が人の姿を取り、美しい妖精となって現れました。

妖精は言いました。「夢の花は、希望と愛の力で咲くのです。あなたのような純粋な心が、この花たちを守り育ててくれるのです。」リリィはその言葉に感動し、毎晩花畑に通い、妖精たちと共に過ごしました。

そして、リリィの優しさと愛情に包まれた花畑は、ますます輝きを増し、村全体に幸福と希望をもたらしました。リリィと妖精たちの友情は、村の人々にも広がり、みんなが協力して夢の花を守り育てるようになりました。

やがて、夢の花は村のシンボルとなり、その美しさと輝きは遠く離れた国々にも伝わりました。リリィの物語は、村人たちの心に永遠に刻まれ、夢の花は希望と愛の象徴として、今もなお咲き続けているのです。

6/26/2024, 8:01:26 AM

わたしはねこである。なまえはマルゲリータ。どうやらわたしの主がすきな食べ物らしい。(わたしはたべたことはない)

マルゲリータのマルちゃんとよばれている。マルちゃんと呼ぶならマルゲリータではなくマルでよかったのではないかとおもうが、主のこだわりがあるらしい。

きょうもきょうとて主のひざでのんびりしているわたしだが、主がたまにはさんぽに行こうというのでさんぽに行くことになった。よそのねこはさんぽに行くことはないらしい。わたしには考えられない。

主のじゅんびができた頃をみはからって、足にすりよってみる。主はこのしぐさに弱い。一撃必殺、ようするにいちころである。なんかよく分からない巻き物をからだにつけて(これがきゅうくつ)、主がリードをしっかりともってから玄関を開ける(べつに逃げたりしないのに)。

今日の天気は晴れだが、ところどころくもっている。快晴というより、晴れ。わたしはこのくらいの天気がすきだ。

右をみて、左をみて、いざ出発しようと思っていたら隣の家の黄色いもふもふで大きな花を見つけた。近づいてよくみてみたいのでにゃーと可愛く鳴いて、わたしに着いてくるように主をゆうどう(チョロい)。近くで見ることができた。
とても大きい。わたしの顔よりもっと大きい。真ん中は茶色くもふもふしている。花びらは黄色くたくさんある。とても綺麗だ。黄色と茶色の組み合わせもとても綺麗である。
ふんふんと堪能していると、主がこれは「ひまわり」という花だと教えてくれた。あったかくなってくると咲く花だそうだ。咲き終わるとハムスターとやらのご飯がとれるらしい。味は渋いそうだ。
楽しそうだが、寂しげな顔をしてひまわりをみつめる主。

そういえば最近主からかわったにおいがする。香水でも変えたのだろうか。でも主は香水はつけないタイプだから、恋人でも出来たのか?にゃふふ…ニヤリと笑うわたしを、主は切なくみつめる。

この時は、死のにおいなんて知る由もなかった。

6/26/2024, 7:53:04 AM

しょーがねえだろ、守りたいと思ってしまった。
淡いピンクオレンジのバラが大好きな、可愛い彼女。
焼きたてのクッキーみたいな甘い笑顔が愛しいと思ってしまった。
 
「……金持ちのお嬢様なんて、のほほんと楽に暮らしてるんだと思ってたんだけどなー」

俺はため息とともに、光降る庭で安心したように眠る小さな体に寄り添う。
もうすぐ夕方だ。
寒くないように大きな尻尾で包んでやる。
俺にできることなんて、これくらいだ。
もし俺が人間だったら、もっと……。

彼女に出逢ってから、考えてもしょうがないことばかり心に浮かぶようになってしまった。
らしくねえなあ。

6/26/2024, 7:45:34 AM

『 繊細な花 』

花瓶に そっと 触れる 。

バランスを崩した 花瓶が 、 

がしゃん 、 と 大きな音を立てて

割れて 足元に 転がる 。


真っ赤な 花が 、 繊細な花が

花びらが 、 茎が 、 バラバラに 壊れてしまっている 。


そんな 姿を見て 、 息が詰まる 。 

干渉されて 、 重力に 逆らえずに 割れる 。 

他人 が 私の心に触れて 、 

私の心が 、 繊細な心が 大きく割れる みたいに ____ 。

6/26/2024, 7:41:39 AM

繊細な花

その花はアグレッシブネス満々で咲いてくる。程度のものさしなんて無いから、「どのくらい」なんて表現のしようもないけど、もし「お花って儚い」と思い込んでいる人なら、開いた口が塞がらない程度には「アグレッシブなやる気満々、ドヤ顔準備OK」で咲くのだ。

その花は「最近見てないけど、元気に存続してるのかな…」などと気にすると、「呼んだ?」と言わんばかりに唐突に顕れて咲く。小さな花、清々しい見た目、図太く頼もしい生命力とフレンドリーさ。

その花は、悲しみや寂しさにあってなお前を向く心を励ましに顕れる。印象的な深い色を纏って、すぐ近くで存在感に満ち満ちて咲いてくれる。

私の目から見える花達は、「弟子にしてください」と言いたくなるくらい、完全に生きている。そして間違いなく繊細だ。人間と花とはよく似ている。

私は生えている草花を引っこ抜けない。枯れたものならできるのだが、現役で生きているのは、相当の理由が無いとむしれない…たぶん、ローリングサンダーと似たような「できなさ」なのだ、トホホ…

6/26/2024, 7:23:43 AM

喜怒哀楽がはっきりとしている君。

見ていて飽きない、コロコロと変わる表情に見惚れるようになったのはいつの頃からだろうか。

見ているだけじゃ物足りず、自分の手で、言葉で変わる表情を見つめたいと思ったのはもう随分前のことだ。

長い月日を共に過ごして、いろんな表情を見てきた。
どんな君にも目を奪われてきたけど、今日の君は特別。

六月の花嫁。華奢な君によく映える純白の衣装。
まるで花が綻んだかのような純真無垢な笑みを浮かべているのは、世界で一番綺麗で、可憐で、繊細な君。

その笑顔を見るだけで、僕の心にも色とりどりの花が綻んだような心地になる。
君からもらったこれまでの花束を胸に抱えていくから、これからも君の笑顔を僕に守らせてね。


『繊細な花』
#17

6/26/2024, 7:20:44 AM

生命力がとても強く、人に依存する必要がない。掘り起こせない地下深く、こちらの届かない場所までその根は伸びる。水がなくなれば枯れる前に首を落とし、違う根の先で枝葉をつけてまた花を咲かせる。彼が自分の傍にいるのは、特別に手を掛け仕向けた結果でしかなかった。一度、どこにも行かないように頼んだことがある。いつまで続くと知らぬ関係、時々は不安になるのだ。しばらく目を白黒させたあと「どこかに行きそうに見えるのか」と不思議そうに首を傾げていた。素知らぬ顔で今日も隣で美しく咲き誇り、温い風にふわふわと揺れる。あの言葉を額面通りに受け取るには、自分はこの花に入れ込みすぎてしまっていた。


(題:繊細な花)

6/26/2024, 7:19:29 AM

桜ほど繊細な花もないと思う。この上もなく鮮やかに咲きほこり、色褪せる前に散っていく。
 老いを、良しとしない華。

6/26/2024, 7:10:21 AM

少年少女達は旅をしていた。当所も無い旅だ。
 今日は一先ず隣町を目指して歩いていたところ、一面開けた花畑に出た。
 花畑には、細い茎に色とりどりの小さな花弁がいくつもついた、可憐で繊細そうな花が所狭しと並んでいた。
「うわぁー!」
「綺麗……」
 その美しい光景に立ち止まる。しかし、次の瞬間には、みんな解き放たれたように花畑の中へと駆け出していった。
「眺めすごー」
 カラフルに染まった視界、気候も暖かで、幸せな気持ちになってきた。
 このままここで少し休憩することに決め、各々好き勝手に過ごし始めた。
 花畑の真ん中にシートを引き寝転ぶ者、本を読む者、花畑を駆け回る者、花を摘んで冠にしようとする者……それぞれだ。
 一人の少女は、みんなのそんな様子を穏やかな表情で見つめていた。
「何見てんだ?」
 視線に気付いた少年が振り返り、近付いてくる。
「え? いやー……平和だなと思って」
 少女は笑った。
 少し前まで、この世界は恐ろしい魔王や魔物に支配されていた。
 いつ死んでもおかしくなかった。実際に、死にかけたこともあった。人と魔族の戦争の前に、命なんてものは軽かった。
 それが今や、魔王は討ち倒され、こんなに平和だ。まるで嘘のように幸せな日々を過ごしている。
「こんな綺麗な花畑も残ってて、本当に良かった」
 花を一輪摘もうと手を伸ばした。しかし、思ったよりも茎は硬く、なかなか折ることができない。
「……かったぁ!」
「頑丈だよな。見た目はこんな弱そうなのに」
「繊細とか可憐とか言わない?」
「向こうはナイフ使って切ってたぞ。花冠作るのに」
「私は冠は作れないけど、指輪くらいなら作れるんだけど……ね……」
 必死に茎を折ろうとする。しかし、どれだけ粘っても茎は折れなかった。
「硬すぎる~」
「しょーがねーな」
 少年が力ずくで茎を折った。その花を、少女に渡す。
「ほら」
「あ、ありがと……」
 受け取った花の茎をくるくると巻いて結ぶ。
「見て、指輪できた!」
「おー」
「お礼にこの指輪をあげよう~」
 出来上がった指輪を、ふざけて少年の指にはめる。
「これでよし、と……」
 サイズ的にはまったのは、丁度左手の薬指だった。
「あ…………」
 深く考えていなかった。
 指輪を贈る意味。そして、左手の薬指にはめる意味を。
 ふと気付いてしまい、お互い真っ赤になって顔を見合わせる。
「は、外すぞ!」
「そ、そうだよね! 邪魔だもんね! ごめんね!」
 焦って指輪を外す少年。少女も顔を逸らし慌てて謝る。
「でも、まぁ……せっかく作ってもらったし、貰っとくわ」
 そう言うと、少年は貰った花の指輪をポケットにしまった。
「う、うん……」
 気まずくなりつつも、二人はそのままそっと隣に並んでいた。
 顔を上げると、楽しそうなみんなの姿がある。
「それにしても、この花、本当に頑丈だったね」
 気まずさを払拭する為、一番話題にしやすかった、目の前に広がっている花の話を持ち出した。
「本当だな」
「見た目以上に強いんだね」
「そうだな……」
 自分達も、傍から見たら弱そうな少年少女に違いない。でも、戦争を生き延びてきた。見た目よりも、ずっと強い。
 きっと一緒にいればもっと強くいられる。ずっとこの光景は続いていく。
(幸せだな……)
 そんな未来に、自然と笑みが零れた。


『繊細な花』

6/26/2024, 7:02:38 AM

『繊細な花』
地球にたった1輪しかない幻の花がある。
それを目にする人は誰もいない。
なぜなら、その花はとても「繊細」だからだ。
ちょっとでも刺激を加えると枯れてしまう、扱いの難しい花だ。
それなのに、彼はその幻の花をプレゼントしてくれたのだ。
私は驚きのあまり何も口に出せなかった。
彼は「この花を君に送りたくて、頑張ったよ」とだけしか言わない。
そして私は彼に聞いた。
「どうやってその花を手に入れたの?人が触れてしまったら当たり前のように枯れてしまう。それをなぜ、あなたが持ってるの?」
「それは…正直分からないんだ。何故か持てるんだよ」
「そうなの…でも、それは私には送れない。私が持ってしまうと枯れてしまうから」
「そうだよね…じゃ、じゃあ!気持ちだけでも受け取ってくれない?」
「気持ちなら…喜んで受け取るわ」
「本当に!?」
「えぇ、本当よ。ただし」
「ただし?」
「その花ぐらいに人間の心も繊細だから気をつけてね」
「もちろんだよ【その花よりも丁寧に君を愛し続けるよ】」
「楽しみにしてるね。」

6/26/2024, 6:52:56 AM

こころには、みなそれぞれ美しい花が咲いております。
ことばはその花へ降り注ぐ水となり、えがおはあたたかな太陽となって、花を元気にするのです。
自分の花にも、大切なひとの花にも、たくさん与えてあげてください。もちろんやさしく、丁寧に。花はとっても繊細で、こわれやすいものですから。
そうして大きく育った花を、あなたは誰に、渡すのでしょう。たくさんの愛で育った花を、あなたは誰から、貰うのでしょう。
いつかくるその日まで、大切に、たいせつに。

6/26/2024, 6:47:26 AM

いつか友人に贈った花は
半永久的に枯れないという花だった
小さな箱に詰め込まれた
小さなピンク色の薔薇
捨て去る側になって気付いた
生花を贈れば良かった
処分する言い訳と一緒に

6/26/2024, 6:42:46 AM

寂しがり屋な君
泣き虫な君
強がりな君
その全てが愛おしくて
永遠を願ってみる
か細い君はまるで
繊細な花のようだから
壊さぬ様にそっと包んであげよう

6/26/2024, 6:39:35 AM

花みたいに繊細で、可愛らしい女の子。
それが、彼女への第一印象だった。

実際、出会って間もない頃の彼女は本当にそんな感じで

普段は落ち着いているけど、時々花が咲いたようにぱっと笑うところとか
理不尽にもグッと堪えてたけど、実は隠れて泣いてる繊細なところとか

多分、そういうところに惹かれたんだと思う。

でも、それは彼女の本当一部に過ぎなかったのだと、後で知ることになる。

「私は、こんなことで折れませんよ」

八方塞がりでどうしようもなくなって、みんな諦めそうだった時、彼女はそう言った。

自分からそんなこと言うような子じゃなかったのに、いつも不安に揺れている瞳が、その時は熱く強く燃えているように見えて、目を奪われた。

普段は繊細で花みたいな彼女。
だけど、それと同じくらい強くなれる優しさを持った、俺の自慢の恋人だ。


お題『繊細な花』

6/26/2024, 6:33:17 AM

「繊細な花」

 私は娘に「優花」と名前をつけた。気持ちとしては、つけたというより、与えたというほうがしっくりくるのだが。
 夫は、その責任の重さからか、女の子だし決めて欲しいと言うので、幾つかの候補をだして夫も気にいったのが「優花」だった。静かに眠る可愛らしい娘にぴったりだと思った。

 優花はすくすく成長したが、私にとって初めての育児は心配だらけだった。
 優花はとてもよく寝る子で、泣いてもすぐに泣き止んだ。3、4時間寝ているので、何度も顔を覗き込むことがよくあった。1歳半になっても言葉が出なかったし、呼んでも反応がなかった。

 健康診断で、自閉症の疑いがあると言われた。
 そのうち、同じ年齢の子達とは明らかに発達の遅れが目立つようになった。
 幸い夫の協力もあり、私は育休中に仕事を辞め、小児科の言語外来や発達障害の子と親のためのサークルに通い始めた。
 
 もうすぐ特別支援学校に入学するという頃の優花は、少しずつ言葉を話すようになってきたが、話しかけても的はずれな言葉が返ってきたり、目を合わせることもなく、優花なりの世界の中にいるように思えた。

 入学式の日、学校にも入学式会場の体育館にも、パンジー、ビオラ、デイジー、桜草などの花のプランターがたくさん置かれていた。学校の中学部の生徒達が職業実習で育てたとのことだった。
 優花は玄関前でも、体育館でもプランターの前にしゃがみこみ、何か歌を歌いながら、しばらく花を見ていた。
 式が始まったが、娘は時々立ち上がり、プランターの花を見に行った。そして大声で叫んでいる子もいれば、手を叩いている子も、やはりじっと座っていられず歩きまわる子もいる。
 先生達は特に声をかけることはしなかった。さすがにこの子達は緊張しやすく繊細であることを知っているし、皆の障害の特性を受け入れてくれているのだ。

 私は子ども達も、その親も皆が否定されずにいることを感謝した。
そして心の中で呟いた。
「大丈夫、大丈夫」と。
 それぞれの色で咲くプランターの花が、とてもきれいに思えた。

6/26/2024, 6:28:33 AM

日常の続き

繊細な花

彼女を初めて見たのは、姉さんと義兄さんの家に遊びに行った時だった。

姉さんと姿形は、そっくりなのに
姉さんとは、まるで違う 僕の姪
凛とたおやかに堂々と咲く花が姉さんなら
姪は、儚げで繊細な花の様だった。

弱々しく脆弱で何をするにも挙動不審で
人の顔色ばかり窺うような目線をこちらに
向ける。

「どうだルーク君 家の娘は、世界一
可愛いだろう!」娘を自慢する様に
義兄さんが自分の娘を僕の前に出させる。
「こ....こんに....ちは....」姪が
聞き取りづらい小さな声で僕に挨拶する。
しかし義兄さんと姉さんはそんな娘の
弱々しい喋り方も気にならない様だった。

姉さんが「この子凄いのよルーク
私の怪我もあの人の怪我もまるで最初から
無かったみたいに治してくれるの」
姉さんがそう言って姪の頭を撫でると
姪は、嬉しそうに笑っていた。

そんな姉さんと義兄さんの言葉も僕は
唯 聞いているだけで何の感想も湧かなかった。

確かに顔立ちは、姉さんに似て可愛いかった でもそれだけだ 姉さんみたいな
清らかな誇らしさも無ければ
義兄さんみたいに姉さんを守れる強さも
無い 姪は誰かを守る強さが無かった。
誰かに守られるだけの臆病な人間だった。

そう だから姉さんと義兄さんは
死んだ この子を守る為に....

姪の治癒術は姪の性質と同じく弱々しく
脆弱だった。
何故この姪に治癒術が備わっているん
だろう....
「家の家系で治癒術を持ってる子が産まれるなんて初めてよ だから私とっても
嬉しいの!」そう姉さんは嬉しそうに
はにかんだ笑顔を僕に向けていたのに

僕に治癒術があれば良かった そうしたら
姉さんも義兄さんもきっと助けられた
そうしたらきっと二人はまだ生きて
いたのに....

二人のお葬式の日 姪は途方にくれた様に
周囲に視線をやっていた これから自分は
どうやって生きて行けば良いのか分からないと言う風に周囲に縋る様な目を向けて
自分の両親が死んだと言うのに涙一つも
見せずに ショックで頭の中が真っ白に
なって泣けないと言うならまだ僕にも
分かった。

しかし姪は、人々の顔色を窺うだけで
自分が見捨てられない様に精一杯の
良い子になって人々の機嫌を損なわない
様にしているとしか僕には思え無かった
まだ子供だから仕方無いのかもしれない

だけど僕は何だかそれがとても許せなかった。
だから僕は気付けば姪に言葉を吐いていた。

『君は人を不幸にする 誰かの好意を
台無しにする だから君は誰も好きになってはいけないよ 特別を作ってはいけないよ』そう 思うがままの黒い感情を
姪にぶつけた。
しかし姪は、僕の言葉に泣くでも無く
怒るでも無く 僕を責めるでも無い
唯 申し訳なさそうに俯くだけだった。

姪のそんな態度に僕は、失望した。
反抗する力も無いとは なんて弱いんだ
姉さんも義兄さんもこんな脆弱な
人間を守る為に命を落としたのか....

自分の子供だから命を懸けて守ったって
言うのか.....

馬鹿馬鹿しい.... 結局弱々しいまま
姪は何も成長して居ない
治癒術を見込まれてバインダーと言う仕事をしていたと言っていたけどそれだって
他の人の陰に隠れて自分は助けて貰うのを
待って居るだけじゃ無いか

僕は、そんな姪に我慢ならなかった。
姪さえ居なければ姉さん達は生きていられた。
僕はまだ姉さんと一緒に居られたのに....

役立たずのままなら 僕が姪を役立たせて
あげよう そうすれば少しはあの子も
自分の役どころが分かるってものだろう

そうして彼は動き始める
しかし彼は知らなかった。気付かなかった。
自分の心がもうとっくの昔に壊れて居る事に 

そうして 自分のその壊れた心を憎しみ
ごと受け入れて包み込んでくれる存在が
居るから自分はまともに立って歩けて
居ると言う事に....
そうしてその自分を包み込んでくれる存在が自分が理不尽に憎んで居る姪だと言う事に 彼は気付いていなかった。

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