S & S

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しょーがねえだろ、守りたいと思ってしまった。
淡いピンクオレンジのバラが大好きな、可愛い彼女。
焼きたてのクッキーみたいな甘い笑顔が愛しいと思ってしまった。
 
「……金持ちのお嬢様なんて、のほほんと楽に暮らしてるんだと思ってたんだけどなー」

俺はため息とともに、光降る庭で安心したように眠る小さな体に寄り添う。
もうすぐ夕方だ。
寒くないように大きな尻尾で包んでやる。
俺にできることなんて、これくらいだ。
もし俺が人間だったら、もっと……。

彼女に出逢ってから、考えてもしょうがないことばかり心に浮かぶようになってしまった。
らしくねえなあ。

6/26/2024, 7:53:04 AM