『繊細な花』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
繊細な花
今は繊細な花ではない
人生を充実している
些細なことを言われても
好きな趣味があるから、私は大丈夫
今、ららぽーとに居るけれど、
3階のスタバは、ヒロアカうちわ配布がなかった。
先着順だから遅かったのかな?
だけど、2階のスタバで、私が1番欲しかった
ヴィラン敵連合うちわが一発で当たった。
自分は幸せな人だ。
直感で来て良かった。
大丈夫
ららぽーと限定のフォトスポットもあるから
自分はとても充実しているんだ
そして、1人でららぽーとに出掛けた。
とても楽しい
人生は充実している
【繊細な花】
僕は一目惚れをした。
鋼の心を持つ自分とは真逆な、硝子でできた繊細な花のような心を持った年下の子に強く惹かれた。
僕は彼女を傷つけぬようにと1つ1つ丁寧に立ち回った。
彼女好みの「良い人」を演じ、少しずつ彼女の心を開かせた。
彼女の「嫌なこと」は僕が進んで引き受け、逆に「良いこと」は全て渡した。
要求が段々ヒートアップしても僕は何も言わず叶えた。
僕が守る。傷つかせない。壊させない。
そう決めた筈なのに、良かれと思ってした行動の全てが「繊細な花」を少しずつ壊していたことに愚かな僕は気づかなかった。
僕の惹かれた硝子のように透き通った美しい花はいつの間にかドス黒く濁りきった醜い花に変わり果てていた。
僕は「繊細な花だったモノ」から逃げ出した。
怖かったのだ。
別人かってぐらいヒトは変わってしまうことに。
すっかりトラウマになってしまった僕は「繊細な花」と関われなくなった。
最初から「ドス黒く濁りきった醜い花」と関わる方が気が楽だった。
「繊細な花」と違って何をしても壊れないし、適当な立ち回りでも何とかなる。
そんなことばかりしていた僕は他人を思いやれないクズになっていた。
「繊細な花」なんかと関わらなきゃ良かった。
そればかり考えた。
僕はあの時…繊細な花に惹かれた時、どうするのが正解だったのだろうか。
#繊細な花(2024/06/25/Tue)
せいかいは 多分無い
んー そう どれ程考えても
さかだちしても出てきそうにない
いい加減に諦めた頃に 笑顔の君が
なにをしているの? と現れた
はずかしそうに 服をさして
なれない晴着に照れてる
こんな子と何処でご飯食べたらいい
窮屈なレストランでは緊張しかしない
ファストフードじゃあ晴着に申しわけない
***意味不明になってしまった( ̄▽ ̄;)
繊細な花だぁ?
世話しなきゃ育たないような花を造り出して
育てるのタイヘ~ンっていう愚痴か?
それでもこんなに見事に育てましたよっていう自慢か?
花はただ生きてるだけだ。
人間に見た目重視で改良された生殖器回りで
人間の目を楽しませる為に生きてるんじゃないっての。
人間が売るために、人間が楽しむために。
やれるもんなら原種に返して
元の環境に戻しとけって。
…あれ、なにイライラしてんだろ?
あー暑い!くそっ!!
(繊細な花)
『迷走中です。(^_^;)』
アイコンを変えた。なるべく、無難で可愛くて尚更に目立たないのを(^_^;)
この文章を読んだだけでもあんずさん、迷走されていますネ~(^_^;)と、思われるだろうなぁ~。アハハハ( ´Д`)=3
高橋悟君にも、陽蒼ちゃんにも、夏音ちゃんにもムリしないように、あんずちゃんはあんずちゃんで背伸びしないでイイじゃん♫と言われた(^_^;)
また、みんなに心配かけているなぁ~(TT)
蒼さんが、大好きだった分、ぽっかりと穴が空いてしまった。ーー決めたのは、私自身何んだ。
おこがましいが友達のような近くのお兄さんのようなそんな感覚で、私は、想っていたの🎶
歌は、上手いョ(≧▽≦)♫、みんなに届くように歌われいます(*^^*)🎶超、優しくて素敵なお兄さん🎶
でも、大好きだけどもちょっとだけ離れようと想った私……。
凛先生に、お手紙を書いた。📮凛先生のお子さん、もうすぐしたら夏休みですネ🌻
私も、もうすぐ夏だから、明るい川柳や創作活動_φ(・_・を心がけますネ〜(*^^*)🎶と手紙に書いたんだ🎶
そうなりますようにに期待を込めて🎋⭐✨
私は、ついでに、凛先生と私のイラストも、お姉さんに描いてもらったの🎶うふふふ🌸🌸🌸
お姉さんは、私は、私に似ているイラストを注文通りに描いて下さいました~🎶でも、凛先生は、確かにソース顔だけども、(^_^;)これでは外国の方じゃん(。>﹏<。)♫
ジョンレノ、キアヌ・リーブス、トム・クルーズかな🤔違うョ〜(^_^;)お姉さん(^_^;)凛先生、ごめんなさい(_ _;)🙏
想先生も、長いことお会いしてないけれどもお元気ですか??私の心中にこだました……(。>﹏<。)
想先生は、しょうゆ系のお顔です🎶何時も涼しいお顔されていたなぁ〜🎶私とは、住む世界が違うヒト何んだネ……。
おウチの玄関のドアがスライドをした、『ただぃま。』と父が帰ってきた。私がレモネード🍋が好きなのを知っていて、牛丼屋さんから新発売されたのをお土産で買ってきてくれた🎶
『お父さん、ありがとう🎶』と、私は、受け取った。色々と複雑に考え🤔過ぎた私のを全部レモネード🍋が消してくれた○o。.
大きめのストローで、レモネード🍋を飲んだ🎶(≧▽≦)✨○o。.炭酸とレモン🍋の酸っぱさ良き(≧▽≦)♫
ユーチューブで天月さんが歌ってみたで、『ライラック』🎶を歌われていた🎤🎶
天月さんの歌声とライラック似合っていて嬉しいなぁ~✨♫ーーラストに、『愛してせてる?!or愛せている?!』と、問いかけがあった。
ドキツとした❤レモネード🍋に、可児区が入っていた🍋ーー。いとをかし💛
終わり
「あなたは花のような人ね」
と言われて気分を害する人は多くはないだろう
花のような可憐さ、優しさ、軽やかさ、華やかさ、繊細さ、そして儚さ…を連想させるからだろう
ただ、一見表面上には見えないような面も、花はその美しい姿の下に隠し持っている
目に鮮やかな色合いや、芳しい香りはもちろん我々人間を楽しませる為のものではない
自らの種の保存を目的とした子孫を増やすための花たちの『武器』だ
赤や黄色といった原色のみを判別できる虫でも寄って来させるために色付き、芳しい香りで彼らを誘い込み
、甘い蜜を吸わせ、そして彼らの体中に自らの花粉をなすり付けてもらい、あちこちへと飛び立ってもらうのだ
自らは一歩もそこを動くことなく、遠くへ遠くへと虫たちが自分のDNAを運び届けてくれるという訳だ
何と賢く、したたかなのだろう
一方、何十年に一度しか開花しないような希少性の高い花などは、とても近くへ寄れないような悪臭を放つことで
他を寄せ付けずに、独りで孤独に気高く咲き誇って朽ちていく
これもまた見事としか言えない生き様だ
『繊細さ』かつ『聡明さ』を持つような、一見『繊細な花』のように見える表面的な美しさだけではない深みのある人でありたいと今回のお題でつくづく思った
『繊細な花』
さっき街へ行く途中で
紫陽花が折れて
地面に横たわっているのを見た
目立つ場所に一つだけポツンといるのが
とても寂しそうだった
すぐ近くに紫陽花の花壇があったから
多分そこから来たのだろう
この子は自然に折れたのではなく
誰かが意図的に折ったような折れ方をしていた
僕は急ぎの用事があったこともあって
その場をすぐに離れてしまった
考えてみると
何故花を折る必要があるのだろうか
花屋という素敵な場所があるんだから
そこで綺麗に手入れされた花を買えばいい
でも、自然に咲いている花の方が綺麗だという人もいるだろう
シロツメクサで作る花冠、パンジーなどで作る押し花、
色々花の遊びがあるけど綺麗に使ってもらえる分には
花にとっても、損はないだろう
ただ雑に、乱暴に扱われた花はどうなる?
人間に踏まれて泥まみれになり
最期には跡形もなくバラバラになるだろう
………
まぁ、単純な話だ
花を大事にしようと言いたいんだ
花は綺麗で美しいけど
それだけ繊細なんだ。
帰りにもう一度あの道を通る
それまでに踏まれたりしてないといいな
もし、まだあの子が一人でいたら
仲間の側に置いてあげよう
お題『繊細な花』
繊細な花
どんな色?
それは私の中にある
温かで緩やかな心
見えなくても
そこにある
『繊細な花』
繊細な花のような
消えてしまいそうで儚い女の子に憧れていた。
花びらが散るたびに
大切に拾ってもらえるような女の子に。
そんな女の子にはなれなかったけど
あなたが私を見てくれればそれでよかった。
それだけでよかったのに
あなたは私の前からいなくなった。
さようなら。
やらなきゃと必死に
全力で突き進む
どんなことがあっても
無理して頑張る
1度折れてしまうと
もう戻れないよ
繊細な花のように
【繊細な花】#30
繊細な花と喩えられている君を踏み躙ってしまいと思ってしまった時点で俺の負けは確定してたらしいよ
線が交互に分かれて
さらにその隙間に
薄い線が分かれていく
葉脈も花弁も萼も
顕微鏡はないけど細胞を感じ
この世はなんて美しいものを
生み出すのだろうと息を呑む
繊細な花
『繊細な花』
雪の結晶を初めて見たのは幼い頃のとても寒い日のこと。手袋の上にそっと落ちた雪の華はこれまでに見た何よりも精巧で美しい芸術品で、それが自然に存在していることに幼いながらも強い感動を覚えた。
その日からお絵かき帳やスケッチブックは雪の華だらけになり、冬が来るのを今か今かと待ちわびるこどもになった。雪がモチーフのアクセサリーを集めるうちに自分で作ればいいのかと思い立ち、細工キットや細かいナイフなどを揃えて試行錯誤を繰り返した。今ではネットショップでちょっとは知られているハンドメイドの人となったけれど、自分の作ったものがあの日に見た雪の結晶に並び立てているとはまだまだ思えない。
「冬が早く来ないかな~」
夏の蒸し暑い日をどうにか過ごしながら今日も手元から雪の華を造り出していく。胸に残る繊細な花をいつか完璧に再現できる日が来るまで。
「去年は、茎が細い花のハナシ書いたわ」
どの部分が繊細な花か、どう扱う条件下で繊細になる花なのか、いっそ「花」が何かの比喩表現であるか。
某所在住物書きは超難題を前に途方に暮れた。
花だってよ。今月は「あじさい」のお題で、はやぶさのハナシ書いたけど、次は「繊細な」花か。
「繊細って、水のやり方で根腐れとか、日光のあたり具合で土の温度上がっちゃうとか?ギンラン系は土の中の菌に依存してて、菌がいない別の場所に植え替えると死んじまうから、その点は『繊細』よな」
もうコレは、「繊細な花」の「花」が「別の何か・誰か」っていうトリックに助けてもらうしかねぇわい。物書きは両手を挙げ、降参の意を示した。
去年も去年、今年も今年。さて、どうしよう。
――――――
最近最近の都内某所、某アパートの一室、夜。
防音防振対策の整ったそこで、部屋の主の友人たる付烏月、ツウキがキッチンに立ち、
日常の彼からは想像のつかぬ真剣さと集中力でもって、菓子製作の作業をしている。
これから飴細工でユリの花を組み立てるのだ。
「よし」
静かに深く、長く息を吐く付烏月を、
リビングから部屋の主の藤森が、
付烏月の目の前で何故か近所の稲荷神社の子狐が、
それぞれ、見守っている。
まんまるおめめをキラキラさせて付烏月の技巧をロックオンする子狐は、読者諸君のご想像通り、完全にオチ要員。所業については後述する。
「花びらは、おっけ、割れてない」
モールドから丁寧に剥がし取ったのは、青いユリの花びら、小さいものだけ3セット、計18枚。
大中小合計3個を作る予定で、そのうち大と中が既に完成。「諸事情」により小サイズだけ難航。
バタフライピーの性質を利用しており、花の奥の奥が紫色のグラデーションを呈している。
「おしべと、めしべも、折れてない」
花粉は飴の味に合うように、レモンピールパウダーで再現。慎重にまとめ上げて、ひとつのパーツへ。
花びらの1枚と接着して、もう1枚花びらを重ね、次の1枚、また1枚、更に1枚。
美しい作品になりますように。
受け取った人がまず驚いて、よく観察して、なによりこの繊細な花を楽しんでくれますように。
ひとつひとつの作業に美しい願いを込めて、付烏月は青飴の小さなユリを、とうとう組み終えた。
薄く透き通ったそれは、付烏月の丁寧な仕事と善良な心魂の証明。飴の芸術は照明を反射して輝k
カリカリポリポリこんこん!
カリリ、カリリ、コリコリこやん!
パキ、パキ、パキン……ぺろり。 こやこや。
「附子山ぁぁぁぁー!!」
「私は藤森だ。付烏月さん」
「また小さい飴ちゃんだけ食われたんだけど!コンちゃんケージか何かに入れといて!」
「当方、そのようなものはございません」
「てか、なんで毎度、完成してから食べるの!?」
「完成したのを食べたいからだろう」
伏線回収。これぞ「諸事情」。
付烏月の目の前に陣取っていた稲荷の子狐、付烏月が飴細工を完成させるや否や、カリカリポリポリ。
それはそれは幸福そうに、それはそれは容赦無しに、少し鋭い牙と小さな舌でもって、作品を噛み砕き、散らかった粒を舐め取り、一欠一片も残さず完食。
付烏月がわざわざ花のパーツを3セット作っておいたのはこれが理由。食われるのだ。
一番最初の小さな飴のユリは、まさしく付烏月の美しい願いのとおりに食われた。
すなわちこの、不思議な不思議な子狐は、
丸いおめめをキラキラさせて飴の透過性を驚き、
鼻と目でもって丹念に匂いと性質とを観察し、
最終的に、カリリ。繊細な花を楽しんだのだ。
そこで味をしめたらしい。
キラリ、キラリ。
何故か藤森の部屋に遊びに来ている稲荷の子狐。
付烏月をまっすぐ見つめて、瞳を輝かせた。
「子狐に食われたくないなら、あなたの家で作れば良いだろう、付烏月さん」
「お前の部屋の方が俺の支店に近いんだもん。なるべく湿気とか高温とかに当てたくないもん」
「あなたのところの新卒の、誕生日だったか」
「そうそう。これ、新卒ちゃんの明日の誕プレ。
誕プレなのにさ。コンちゃん、食べちゃうの」
「お礼に稲荷のご利益でも、あるんじゃないか」
「コンちゃんから?『あのとき飴ちゃん食べさせてもらった狐です』って?昔話じゃないんだからさ」
子狐を抱き上げて、ひとまず寝室のふかふかベッドに放り込み、しっかり扉を閉めた付烏月。
これで今度こそ邪魔を食らわず作業ができる。
「さて。今度こそ――」
よくよく手を石鹸と流水で洗い直し、拭く。
作業台をしっかり消毒すべく視線を向けると、
「……コンちゃん?」
キラリ、キラリ。
台の上では子狐が行儀よくお座りしており、輝く瞳で付烏月をまっすぐ、見つめ返している。
「レノ見て。エアリスからお花貰った!」
「対象と仲良くなってんじゃないぞ、と」
「別にいいじゃない。私は今日休みだもの」
手に抱えてるのは教会に咲いている花だろう。
花を見ながら嬉しそうにしている姿は年相応にみえる。
「それなら文句もいねぇな」
プライベートは仕事と分けているのは俺もこいつも同じだ。
「教会で花が咲いている所に日の光がさしてるの本当に綺麗。神秘的だなって思う。」
勝手にオフィスに花を飾りながらそんなことを言う。
「でも床がボロボロだぞ、と」
女ならもっと綺麗なところが好きそうだけどな。
「でも周りが静かでね。鳥の囀りとかも聞こえてさ。時間がゆっくりに感じるの。あそこ、結構好きなんだ。今度の休みレノも行こうよ」
そういって笑いかけてくる姿がどこの花より綺麗だと思う俺はもう手遅れなのかもしれない。
-繊細な花-
今の季節は紫陽花が綺麗に咲いている。梅雨はジメジメして好きじゃないけど、傘を差しながら見る紫陽花はなんか好き。
繊細な花(A Queen of the Night)
「月下美人?」
………まぁたお嬢様が妙な趣味に走り出した。
下っ端執事の俺はあからさまに眉を顰める。
「そうよ知ってる?」
―――広大な庭に巨大なパラソルを広げ、日光浴に勤しむ彼女の脇で俺は知るかと内心毒づいた。
「存じ上げませんねえ」
「勉強不足」
即座に言い返されてケッと表情を歪める。
もちろん、バレるような失態は曝さない。
「中米の花なんだけどとっても繊細でね、夜にしか咲かないの。白くて美しいのよ、わたしみたいに」
「はあ」
白くて美しいまではわかる。わたしみたいにって何だ。
そりゃあんたは美人だけど自分で言うかね?普通。
整った横顔をちら見して、俺はすぐに視線を逸らした。………そんな顔かよとは到底突っ込めないほどに、彼女の容姿は整いすぎていた。
「でね、その月下美人を用意してもらいたいの」
「左様ですか。いくつほど?」
「そうね。500もあればいいかしら」
「はあっ!?500!?」
―――このお嬢様は花を用意する時、人様用以外は基本鉢植えを所望する。
………鉢植えで500だと? しかも中米の花って言いやがったな。日本じゃ500揃えんのはムリだろ………。海外発注しろって?
手続きが面倒でややこしいんだよ、花は特に!
つうかそもそも何に使うんだそんなに。
「庭に並べて、夜に花が咲く瞬間の観賞会をするの。月下美人はその名の通り月夜の下に花を咲かす傾向にあるのだけど、上手い具合に夜に花開くかはわからなくてね。その誤差を差し引いて、500」
………誤差差し引いて、ケタ一つ減らしても充分な気がするが。
「なーに、出来ないの?」
「いいえ。仰せのままに」
俺は恭しく頭を垂れる。
―――執事駆け出し初っ端の頃に、このお嬢様に楯突いて大喧嘩した挙げ句上から大目玉を食らったことは一生忘れない。
それでクビになるどころかなぜか気に入られて、お嬢様専用の執事に抜擢されるのだから―――人生、何があるかわからないと思う。
「月下美人は新月や満月の夜を好むの。次の満月がそろそろ近いから、それまでに用意して」
「承知しました」
「満月までって、あんの鬼畜お嬢様め………!」
調べたらあと半月しかねーじゃねえか!
くそぅ、と愚痴を吐きつつも手配の手は休めない。
………受けた以上、無理でしたでは通用しないのだ。
それが彼女の逆鱗に触れると身に沁みてわかっていたし、―――それに。
『………ごめんなさい』
………あの大喧嘩の後。
今にも泣きそうな表情で、戒めだと上から打たれて赤く腫れた俺の頬を―――ハンカチで冷やしてくれた彼女。
そう。根の優しさも、嫌という程わかってる。
ちっ、と短く舌を打つ。
―――俺はそれから発注に没頭した。
半月後。
空には綺麗な満月。庭には500揃えられた、白い可憐な月下美人。
「うん、素敵。綺麗ね」
………どうやら満足してくれたようだ。
違法ぎりぎりの手回しで期日に間に合わせた甲斐があった。報われてよかった。
「―――ですが大半が蕾か、もう開花済みのものも多く見受けられます」
申し訳ありません、と頭を下げると彼女は首を振って笑った。
「わたしが無理を言ったのよ。………それより、月下美人の花言葉を知ってる?」
「花言葉? ………いえ」
「勉強不足」
………またもびしりと言い返されて、俺は内心ケッと悪態をついた。
「花言葉は“儚い恋”“ただ一度会いたくて”よ」
「随分としおらしい花言葉ですね」
俺を我儘にこき使うお嬢様には不釣り合いでしかなくないか?
「あと、“強い意志”“秘めた情熱”とかもあるわね」
―――ああ。それは何か納得。
「………満月の夜に願い事をすると叶うって言うじゃない? もしこの中のひとつでも今花開いたら、願いが叶うかもって思ったの」
願い………ねえ。
そう上手くいくかねえ、と思ったがその内のひとつに目が止まった。
今にも咲きそうな気配がある。
「お嬢様、あれがもう今にも咲きますよ」
「―――どうか神様」
彼女が俺の袖を掴み、月下美人の開花を見守る。
「今隣にいるこの人が、わたしを好きになりますように」
うんうん、お嬢様が俺を………
―――ん?
「す、好きに?」
「そう。好きに」
は!? どういうこと!?!?
思わず俺が一歩身を引こうとすると、彼女はすかさず身を乗り出し俺の袖を離すまいとさらに強く握り締めた。
「わたしに無理です、とは言わないわよね?」
―――我儘で。鬼畜で。
それでいて繊細で。見目麗く。
狙った獲物は逃さない、ひと。
………驚きのあまり俺が動けないのを知ってか知らずか、彼女はにこりと笑ってその両腕を俺の首へと回すのだから始末に負えない。
俺は顔を引き攣らせたまま、さらにその場に固まった。
―――満月の下、月下美人が咲き誇る。
“儚い恋も強い意志で突き貫く”、と。
白く清いその身を堂々と、夜の闇に映し出していた。
END.
繊細な花は、春に蕾をつける。
けれど繊細な花だから、昨年も、今年も、花びらを開くことはなかった。
繊細な花と長年暮らしている者は
「今年は昨年より、蕾が大きくなったね」
朗らかに笑った。
繊細な花の蕾は、雨に風に朽ちてゆく。
また来年、繊細な花の蕾は芽を出すのだろう。
また来年、花びらは開かないかもしれないけれど、
また来年。
お題『繊細な花』
部屋にきれいな花を飾っている。白いバラとこれまた白いレースフラワーだ。だが、この状態を保つために花屋に言われたのは、「部屋の温度を一定に保つこと」だった。
この花束は特殊な加工をしているようで、なんと一月くらいは枯れずに咲き続けるらしい。
だが、私は一人で暮らしていない。
仕事で出ている間に同居している母に空調を消されてしまった。だから、帰ってきて花がしおれかけてることに慌てて、水を替えて再び空調をつけた。
「電気代の無駄じゃない」
母がためいきをつきながらやってくる。私は頭の血管が切れそうになるのを感じながら
「そうしないと、花が枯れるでしょ!」
「そんなの当たり前じゃない。枯れたらまた新しいの買えばいいでしょ」
そう言って母は部屋を出る。花がすこし元気になり始めたことにほっとしながら、私は繊細さのかけらもない母にためいきをついた。
柔らかな花弁は、ほんの少しの刺激で散ってしまう。
儚い花だ。
だがその儚さも美しい。
花はただ、生きているだけなのに。
地球の神秘だ。