「あなたは花のような人ね」
と言われて気分を害する人は多くはないだろう
花のような可憐さ、優しさ、軽やかさ、華やかさ、繊細さ、そして儚さ…を連想させるからだろう
ただ、一見表面上には見えないような面も、花はその美しい姿の下に隠し持っている
目に鮮やかな色合いや、芳しい香りはもちろん我々人間を楽しませる為のものではない
自らの種の保存を目的とした子孫を増やすための花たちの『武器』だ
赤や黄色といった原色のみを判別できる虫でも寄って来させるために色付き、芳しい香りで彼らを誘い込み
、甘い蜜を吸わせ、そして彼らの体中に自らの花粉をなすり付けてもらい、あちこちへと飛び立ってもらうのだ
自らは一歩もそこを動くことなく、遠くへ遠くへと虫たちが自分のDNAを運び届けてくれるという訳だ
何と賢く、したたかなのだろう
一方、何十年に一度しか開花しないような希少性の高い花などは、とても近くへ寄れないような悪臭を放つことで
他を寄せ付けずに、独りで孤独に気高く咲き誇って朽ちていく
これもまた見事としか言えない生き様だ
『繊細さ』かつ『聡明さ』を持つような、一見『繊細な花』のように見える表面的な美しさだけではない深みのある人でありたいと今回のお題でつくづく思った
『繊細な花』
6/26/2024, 5:34:41 AM