突然の君の訪問。』の作文集

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突然の君の訪問。』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

8/28/2023, 12:58:02 PM

「突然の君の訪問」

 ピンポーンとチャイムが鳴った。モニターのボタンを押すと、そこには誰もいなかった。いたずらかな?と一瞬思ったけれど、
「こんにちは」と声だけ聞こえた。気味が悪くなったので、玄関の扉は開けなかった。そして、またチャイムが鳴った。今度は、はっきりと
「わたし、ニンニよ!」と名前を言った。私は驚いて
「まさか!」と答えた。玄関の扉を開けると、はたして誰もいなかった。いないはずである。ニンニは透明人間なのだから。ニンニは、ぎゅっと抱きついてきた。何故だか、涙がこぼれてきた。ニンニも泣いていた。透明なニンニの頬に涙のしずくがほろほろこぼれた。
 私はニンニがどうやって、ムーミン谷からやって来たのか不思議に思ったけれど、とにかく家の中へ案内した。何か着せないとどこにいるかわからないので、タンスの中から、白いTシャツを取り出した。ちょうどニンニのワンピースとして、ぴったりだった。赤いリボンをベルトにして、残りはリボンにして髪飾りにした。
「いつまでも、ここにいていいのよ」言うと、
「いいえ、あなたを迎えに来たの」とニンニは答えた。あゝそうだったのかと納得はしたけれど、行けないことも良くわかっていた。おそらくニンニ自身も。

注意⭐︎久しぶりの物語。

8/28/2023, 12:55:23 PM

今日は何もない。だから私は昼寝していた。しかし、インターホンで起きた。よく見ると、彼氏だった。
「宿題教えて」
来る分にはいいけど私は勉強ができないから教えることは無理。だからごめんね。

8/28/2023, 12:53:20 PM

「突然の君の訪問。」


「いってきまーす!」

元気よく母親に挨拶して、私はバイトに行こうと玄関の扉を開いた。そして次の瞬間、私はご近所中に響き渡るような悲鳴をあげる。

「ゆ、雪子、どうしたの!変質者でも出たの!?」

尋常じゃない金切り声に、母親がおたまを持って走り寄ってきた。

「お母さんやばいやついるっ!めっちゃやばい!どうしようやばい!」

あまりの焦りに語彙力がギャルみたいになってしまった。しかしやばいしか言えなくなるのもしょうがなかった。だって、扉と床の隙間の今にも家の中に入りそうなところに、おそらく日本の全家庭で出禁になっている、黒光りした’’ヤツ’’が挟まっていたからだ。
遅れてやってきた母もかわいらしい悲鳴を上げた。

「きゃあっ、こんなところに’’ヤツ’’が!待ってなさいすぐやっつけるからね」

母は驚くほど俊敏に殺虫剤を持ってきて’’ヤツ’’が完全に動きを止めるまで噴射し続けた。ちょっとやりすぎな気もするが、’’ヤツ’’は招かれていない人の家に突然押し入ろうとしてきたのだ。これくらいの報いは受けて当然だろう。
母はさっさと’’ヤツ’’を処理し、やだわぁ怖かったわねぇ、と吐息を漏らした。その見事な手つきに私は感心する。私は突然の’’ヤツ’’の訪問に震える事しかできなかったのに、母は強い。私は改めて母に深い感謝の気持ちを抱いた。それと同時に、最近面倒で片づけていなかった自分の部屋の存在を思い出す。今回’’ヤツ’’は玄関で発見されたが、もし私の部屋にもやってきたら、と考えて血の気が引いた。母が部屋を片付けなさいというのをうるさいなあ、と無視していた私を殴りたい。そして母、ありがとう。

私はバイトが終わったらすぐに部屋を片付けようと決心した。

8/28/2023, 12:53:10 PM

やあ、いらしゃい

やっと気づいてくれた?

ずっと君を

ここで待っていたよ



“突然の君の訪問。”

8/28/2023, 12:52:05 PM

君はいつも急にくる。
決まって僕が君を必要としている時に。
必要以上に来る訳じゃなく、
ただ会いたいなと思っている時に来る訳でもない。
必要な時に必要な言葉を持って。
そしてまた去っていく
そんな君を追いかけるように僕もまた走り出す。

君の突然の訪問は
僕が走り出すためのエネルギー。

8/28/2023, 12:46:12 PM

8/28 お題「突然の君の訪問。」

「来ちゃった♪」
 窓を叩いたのは、かつてオレを異世界に召喚した巫女。
「いやいやいやいや、何でだよ! そっちの世界すっかり平和になっただろ?! ていうか何でこっち来てんだよ!!」
「うん、まあ、それはそうなんだけど。今度はちょっとまた別の事情があって」
「何だよ」
「今度はこっちの世界がヤバい」
「……………は?」
 目を点にするオレに、巫女は手早く説明する。
「…じゃあ、こっちの世界を救う天使ってのが…」
「そう、私みたい。で、今儀式から逃げてきたんだけど」
「逃げて来んなよ」
「とにかく手伝ってほしいの。お願い、"勇者さま"」
「…ったく」
 オレはあっちの世界で手に入れた装備を身にまとい、魔力を開放した。
「しょうがねえな。行くぜ!」

(所要時間:9分)

8/28/2023, 12:42:32 PM

突然の君の訪問。



ノックされたので、家の扉を開けるとそこには大鎌を持った死神がいた。
ニコニコと笑いながら、私に手を振っている。
私は静かに扉を閉めようとすると、それを阻まれた。
ギリギリと扉が悲鳴を上げる。

「お帰りください」

「いやいや、やっと見つけたんだぜ?帰るわけないだろっ」

お互い力を込める。いい加減、扉が潰れてもおかしくはない。

「セールスはお断りです」

「セールスじゃねぇーよ、バーカ」

とうとう扉が壊れてしまった。壊されたので、請求をせねば。

「扉の修理代、払ってください」

「払わないし、もうこの世から去るからいいじゃん」

私の横をするりと通り抜け、家の中にズカズカと入ってきた。
そして、部屋を見渡し、ベッドの上に座る。
持っていた大鎌を死神自身の隣に立てかけた。

「突然すぎるんですけど」

「よく言われる」

ケラケラと笑う姿は幼い子供みたいだった。

「普通は死に際なのでは?」

「いろいろあるのだよ、キミ」

「何それ、訳わからない」

「わからなくて結構、人間にわかられてたまるかってんだ」

肩をすくめて、やれやれと言う。――ムカつく。
私は、壊れた扉をとりあえずはめてみる。しかし、元に戻るわけがない。
深くため息をついて、そのまま放置した。
そして、死神の前にまで行き、仁王立ち。

「私、まだまだすることが山ほどあるんですけど?」

「あー、そう言うやつ山ほど見てきた」

「だったら――」

「決定事項は変えられない」

大鎌を喉元に突きつけられた。ひんやりと冷たい感触が伝わる。
今にでも、刈り取られそうな感じ。ごくりと唾を飲んだ。

「わがまま言わない、言わない。痛くないし、大丈夫」

にっこりと笑うが、目は笑っていない。私は逃げようとして、背中を向けた。
一瞬だった。走馬灯が巡ってくる。そして、死神の声が聞こえてきた。

「よかったなぁー、クソみたいな世界におさらばできて。何がやることだよ。上司の顔色を伺い、後輩から仕事を押し付けられる、残業の毎日。ヘラヘラ笑って、不満も言わずにただ仕事するのみ。みんなが、お前をただの便利屋だと思っている。別にお前が一人いなくなったところで、誰も困らない。代わりなんていくらでもいる」

ぺらりとページを捲る音と文字を書く音が聞こえる。

「今終わっていいんだよ、お前は。クソみたいな世界でよく頑張ったと思う。見ていて、こっちは胸糞悪い。よく生きてこれたよな、今まで。まぁ、俺が言うのもなんだけど、来世は幸せになっ」

背中をポンっと押された気がした。
すると、体が軽くなった。まるで、鎖から解き放たれたような。
――突然の死神の訪問。それは、誰にでもあり得ることだということ。

8/28/2023, 12:41:53 PM

射撃場


僕の立つ通路に明かりが灯る

僕はイヤーマフをつけてターゲットを操作する

数々の顔のない写真のターゲット

銃をリロードして、引き金に指を添えて構える

そして引き金を引く。

音速で射出されたホローポイント弾

ターゲットに命中して、顔の部分に穴が空く

そうして再び新しいターゲットを撃つ

撃つ

撃つ

撃つ。

一つはあの娘との苦い思い出。

一つは両親との決別。

一つは僕自身の痛み。

全ての弾を撃ち尽くすまで、僕はやめない。

ああ、でも一発は残しておかなくちゃ。

んん? 最後の一発はどうするかって?

こうするんだよ。

8/28/2023, 12:41:45 PM

風邪引いた…。

両親は海外出張、妹と弟は学校、家に居るのは私一人だけ…。

「さみしい…」

涙がポロポロ流れる。

とりあえず、寝れる時に寝なきゃ…。

ウトウトしてたら、インターホンの音が聴こえた。

「誰…?宅配便…かな…?」

重たい体でゆっくり玄関に向かう。

ガチャ…

「いきなり来てゴメン。体調大丈夫か?」

そこに居たのは、大好きな彼だった。

「…さみしかった…。」

「そうか、それじゃあ家族が帰ってくるまで俺がそばにいるからな。」

「うん…!」

風邪引いて辛かったけど、彼に会えて良かった…!


#突然の君の訪問。
#10



追記

皆様のおかげで、ついにいいね数が100を超えました\( *´ω`* )/
これからも頑張って書いていくので、見てくださると嬉しいです!

8/28/2023, 12:41:12 PM

ガチャ
一人になったマンションの部屋の扉が突然開いた。
そこには誰もいない。

でも、ふわりと懐かしい香りがする。
大好きだった彼の匂い。
香水でもなく、柔軟剤でもなく、
彼そのものの匂い。

そっか。帰ってきてるんだ。
突然来るなんて本当に君らしい。
涙が溢れて止まらない。
傍にいることは分かっているのに、
見ることも触れることも触れられることもできない。

君はいつもそうだった。
告白しようとして何度も言い出せなかったこと、
手を繋ごうとして照れてしまったこと、
キスしようとして恥ずかしくなったこと、
全部知ってるんだからね。
やっと付き合えたのに。
結局君に触れられないままのお別れになった、
私の身にもなってほしいよ。

風が私の涙を拭うように顔を撫でた。
少しくすぐったいような、寂しいようなそんな気持ちになる。

「君との恋はほんとにもどかしいね、これまでもこれからも」

8/28/2023, 12:39:42 PM

突然の君の訪問
(ワールドトリガー夢創作)
「おう。今お前の家の前いるから、開けてくれや」
君が突然、訪ねてくるのはちょっと珍しい。驚きはしない。私も君のこと、よく突然に訪ねるし。けど、今は具合が悪い。
「……なんで」
「顔が見たくなった」
なんだそれ。1週間前には顔合わせたじゃん。でも、そう言われたら私も拓磨の顔が見たい気がする。重たい身体を引きずり、玄関を開ける。部屋が散らかっているけど、拓磨相手だし気にしない。拓磨はなんだかたくさん食べ物を買ってきてくれていた。でも、食べる気がしなくてソファに寝そべって、知らんぷり。見兼ねて、拓磨が私の鼻先にマドレーヌを差し出す。渋々受け取って口にする。餌付けだなこれ。マドレーヌが思ったより美味しかったので、身体を起こす。あれこれ買ってきて貰ったものを漁り、食べる。
「ありがとう」
「おう」
「でも、なんで来たの」
もう一度、質問をする。拓磨が私に構う必要なんて、ない。幼馴染だからって、面倒を見なきゃいけないわけじゃない。理由が知りたかった。
「…………心配だったからだよ」
「ふーん……?」
素直に受け取っていいものだろうか。本当に心配なだけで来てくれたんだろうか。君を疑ったりはしないけれど、ちょっと不思議で。
「ぶ」
「心配かけたくなかったら、さっさと元気になれ」
わしゃわしゃと頭を撫でられる。安心する。しばらく笑ってなかったが、少し笑みが溢れた。やっぱり、拓磨いないとダメなんだな、私。
「俺に隠し事とか、すんなよ」
「?してないよ」
「ならいい」
変なこと訊くなぁ。今日の拓磨、少し変だな。頬を撫でられるけど、これ多分誤魔化してるな。でもま、突っ込むほど今元気はないし。拓磨の大きな手を、両手で抱えて眠る。指を絡めたり、揉んだりするのが好き。それが許されるから、安心出来る。お腹が膨れて、また少し眠くなってきた。寝てもいいよね。

8/28/2023, 12:34:46 PM

貴方とは別れた
別れてから何も無かった
何も会わなかった
貴方とは会いたくなかったのだ
何故会いたくないのか
答えは分かる
分かるから会いたくない
でも貴方は現れた
また私の前に
「まだ好きだから会いに来た」なんて
もう通じないのに
でも
また期待して仕舞う私が居る

8/28/2023, 12:31:47 PM

お題『突然の君の訪問』

 主様の16歳のお誕生日の翌日。
 俺は約16年間にわたる担当執事生活の幕を閉じた——はずだった。

 今日から主様の担当執事はハウレスだ。完璧主義のハウレスになら主様を任せても安心だと思う。
 それにしても、俺は主様をお育てしてずいぶん変わったと思う。どうしようもなく卑怯で臆病者で泣き虫だった俺を救ってくれたのは、紛れもなく主様の存在だ。
 主様が生まれてからというもの、泣いてる暇なんてほとんどなかった。主様がいるから卑怯な姿はお見せできないと思ったし、主様をお守りするために臆病でいることなどできなかった。
 350年近くの人生の中で、たったひとときの親子ごっこだったかもしれない。無償の愛を捧げてきたつもりだったけれど、だけど実は逆で、俺が主様から無償の愛を受け取ってきたのだ。【親はなくとも子は育つ】というけれど、【子供がいるから親は育つ】ということがよく分かった。
 俺は書庫の整理をしながら、後で育児生活の総括を日記にしたためるべく日々感じたことを反芻していた。

 午後3時がきた。主様のお茶の用意をしなくては……そう思って日記から顔を上げて、担当執事ではなくなったことに気がついた。少し寂しくはある。
 うーん、なんだかスッキリしない。
「こういうときは、ランニングかな」
 近くの湖までひとっ走りすれば気分が晴れるかも。
 しかし主様とお散歩した記憶が邪魔をして、胸のモヤモヤは解消されない。それならば筋トレだ。
 けれども、これも主様を背中に乗せて腕立て伏せをした記憶と結びついて、ついに寂しくなってしまった。
 これが空の巣症候群……? いや、でもまだ1日目だし、環境の変化に慣れていないだけかもしれないし。

 夜、主様が寝付くはずの時間が過ぎた。
 そろそろハウレスが仕事を終えて執事室に戻ってくるだろう。主様が1日どう過ごされたのか聞きたくて、このあと一杯付き合ってもらうことに決めた。
 琥珀色の液体で満たされた瓶と、ロックグラスをふたつ。
 ——しかし、いくら待ってもハウレスは戻って来なかった。

 まさか、主様と何かトラブル? いや、あのハウレスが何かするとかあり得ない。でももしも何かあったら俺はどうすれば……?
 あまりにも気になり過ぎて、とうとう俺は主様のお部屋へと足を運んでしまった。

 中からクスクスと笑う主様の声が漏れ聞こえてきた。それから「参りました」とハウレスが何やら降参している声。
「フェネスを呼んできます」
 コツコツと革靴が床を叩く音が聞こえてきて、まずい! と思った時には扉が開かれていた。
「……フェネス、どうしてここに?」
「や、やぁ、ハウレス……戻ってこないから、どうしたのかな、って」
 まさかハウレスを疑っていたとか、おくびにも出せない! しかしそんな俺の心中を知らないハウレスは「ちょうどよかった」と言って俺を室内に押し込んだ。
「俺の睡眠サポートだと安眠できないと言われてしまった……後は頼んだぞ」
 そしてそのままハウレスは出ていってしまった。
「あ、主様?」
 なんで? どうして? そんな言葉が頭の中をぐるぐると駆け巡った。
「ずっとフェネスに寝かしつけられてきたから、なんだか落ち着かなくて。ハウレスに悪いことしちゃった」
 そう言って、まったく申し訳なくなさそうな顔をしていらっしゃるのは……
「フフッ」
 思わず笑ってしまった。
「あー! 私のこと、子供っぽいって思ってる!」
「すみません、そうではなくて」
 むくれる主様に、ほんのわずかしかない前の主様のお話をすることにした。
「前の主様が『フェネスが手を焼くような親子になる』って、俺におっしゃったのです。そのときの話し方と寸分違わぬ表情をされていたので、つい」
 そのついでにいろいろ話し込んでしまった。
 気がつけば主様は夢の戸口に立っていらっしゃったので、その背中を押して俺も自分の部屋へと引き返した。

8/28/2023, 12:30:03 PM

明日からまた平日だぁ……
仕事とかクッソだ~~るい。もうおうち引きこもる。
それができるなら苦労しないんだよなぁ……。

ピンポーンと、突然インターホンが鳴る。

「誰だよ……」

友達はいないし、家族がこっちにくるとは聞いていない。
イライラしながら玄関の扉を開けると、

「誰ですかぁ~?」
『N○Kの集金です。』
「うちテレビないですよ。」


『突然の君の訪問。』

8/28/2023, 12:28:38 PM

『突然の君の訪問。』

 日が暮れて、夏の夜特有の涼しげな空気が辺りを包む。俺はいつも通り、公園という愛しの我が家で眠りに就く準備をしていた。すると、住宅街の隙間から一筋のライトが静かに走ってくる。こんな時間に原付で帰ってくるサラリーマンがいるとは思えない。公園の木々の間からその原付を注視していると原付は公園の入り口で止まり、ライトがパッと消えた。原付から降りてこちらに歩いてきたのはまだ高校生くらいの青年だ。時間も、場所も、年齢も、全てが常識から外れているのに、青年は当たり前のように俺に話し掛けてきた。
「おじさん、今日だけ僕も此処に泊まっていってもいい?」
 青年の口から出たその言葉で幾つもの可能性が浮かぶ。ただの家出少年か、ちょっとしたワルに目覚め始めた不良高校生か、それとも…。
「いきなりで驚いたよね、僕はハル。旅人なんだ」
 俺の沈黙をどう受け取ったのかは知らないが、青年はそのまま自己紹介を始めた。「旅人」というワードが普段一般人の間でどれほどの頻度で使われているのか知らないが、生憎俺は一般的な生活を送っているとは言い難い。なにせ、公園に住み着くホームレスだ。旅人という人達がいることもホームレス仲間から聞いたことがある。確か、旅人は「旅人協会」というものに属する者の総称で、俺達と同様に定住する家を持たないが、代わりに日本全国を旅して廻るほどの財力を持つという究極のホームレスのはずだ。
「俺は金も無いただのホームレスだ。この公園だって別に俺のもんじゃないし、好きにしな」と、金持ちな旅人に対して少し嫌味な言い方をしてみたが、ハルには全く響かず、「ありがと!」と元気な返事で返される。
 ハルは背負っていたバックパックをベンチに置くと、いそいそと滑り台に登り始めた。何度かごそごそと位置を変え、寝るのに丁度良いポジションを見付けたのか、満足げにひとつ頷いて「おやすみおじさん」と言うと、ハルはそのまま眠り始めた。嵐のように訪れてきたかと思えば、彼はすぐに深い眠りに就いて、住宅街はまた元の静けさを取り戻した。
 俺はというと、どうしても眠る気にはなれなかった。旅人が今、目の前でバックパックを手離している。その中にあるお金を盗めば、俺の今後の生活は一変するだろう。その事実を頭では分かっているが、思ったより心は冷静だった。もう少し葛藤とかするかなと思ったが、そこで人としての一線を越えないあたりが俺らしくて良いだろう、と一人で勝手に満足し、俺も眠りに就いた。
 朝目覚めると、ハルはもう顔を洗って荷物の整理をしていた。俺が起きたのを見ると、ハルは嬉しそうに話し掛けてきた。
「おじさんのこと疑ってた訳じゃないけど、僕のバッグ全く触らなかったんだね。おじさんがいい人でよかった」と笑う青年は爽やかそのものだ。
「いや、次からはもっと用心しろよ阿呆」とツッコムが、何故だか俺の心も爽やかな気持ちになっていた。
 ハルはヘルメットを被り、水色のカブに跨がると、こちらを向いて「じゃ!」と言って旅に出てしまった。恐らくもう会うこともないだろうが、彼の一夜限りの訪問は、少しだけ俺とこの公園を明るい空気で包み込んでくれた。

8/28/2023, 12:27:45 PM

【突然の君の訪問。】



深夜0時

インターホンに映る君

急いでドアノブを回す

そして一言

「ハッピーバースデー、おめでとう」

君はにっこり微笑んだ

8/28/2023, 12:27:30 PM

題:突然の君の訪問。

私が悲しむ度に
君は私のドアを開けに来るんだ。

君を見ると何故か涙が出てきて、
帰らないで欲しいと願ってしまっている。

この前突然、
私は悲しんでいる訳でもないのに、
私のドアを開けに来た。

「僕はね、君が大好きなんだ。だから君が辛い時、僕は助けに行くよ。ドアを開けに来るよ。」

そう言って帰って行った。

何日かすると、急に心がズキンッと痛くなった。
悲しい訳でもじゃない。
すると、勝手に体が動いた。

気付くと私は君のドアの前に立っていた。

私はドアをコンコンと叩いた。

ドアが開いた先で、
君はうずくまり目には光がなかった。

私はそばに居き君が私にしてくれた事と同じように
隣に座り、背中をさすり、ギュッと抱きしめた。

君の目からは大きな涙がこぼれ落ちた。

8/28/2023, 12:20:53 PM

突然の君の訪問。
僕はインターホンの音と彼女の声でウキウキと満面の笑顔で玄関に走った。
「久しぶりだね!!」

「そうだね。私も会いたかった」

彼女とは一年越しに会う。一年前に彼女の乗る駅のホームで「もう一度会おう」と約束したきりだった。

「今日は暑いね、部屋ん中クーラー効いてるから入って入って」

「ありがとう。…だけど、私ね、もういいの。あなた、もう三十歳手前でしょ?
仕事も見つかったんだ、って嬉しそうに言ってたし。だから私じゃない人見つけて、」

「なんで」

「僕になんの遠慮もいらないよ。仕事が見つかったのは確かに嬉しかったけど、何より嬉しかったのは一緒に喜んでくれた君だよ。君以外には考えられない」

「私はいつか消えるのに」
「は…」
「会うのはお盆の時期だけよ。あなた、本当は分かってたでしょ。

私も勿論悲しいよ。でも私じゃない誰かと幸せになって?ね?お願い」

僕は、拭えない彼女の涙を拭った。

_2023.8.28「突然の君の訪問」

8/28/2023, 12:20:11 PM

ある日曜日の平和な午後の出来事。
謎の腹痛によりトイレに篭っていた。

この謎の腹痛はいつも突然やってくるのだか、オレは慣れていた。
というのも、一日の中で何度もこの腹痛は起こるので次第に自分のケツの穴がどれぐらいの時間耐えられるのか、耐久性も理解出来る様になった。
よく漏らしてしまった話を聞くが、
オレは日々の鍛錬によりコントロールできる様になっていたのだ。
オレは絶対に失敗はしない。
誰よりも自信があった。

おっと今日は長丁場だとトイレに向かう。
うーん…今日はなかなか…出が悪いな。

ーピンポーン

訪問者だ。邪魔されたくないな。

ーピンポーン

うーん…しつこいな。

ードンドン、ドンドンドンドン!

えっなんだ?なんだ?
急いでパンツをあげる。
クッソ!戦いを中断された気分だ。

はい?
あれ隣の部屋の吉田さん。

ー青木さん!早く、兎に角来て!出て!


???
アレよアレよという間に部屋の外に出される。

吉田さんはオレの隣り部屋の60過ぎのおじさんで奥さんが3年前に出て行ってしまった。
所謂、熟年離婚だ。
まぁ、1人で全部やんなきゃいけないから大変だけどさーもう子供も大きいし、気ままにやってるよー
青木君も独身なんでしょ? まぁ、何か困ったことあったら言ってよー あっ彼女とかさ、夜の方も気にしなくていいからね!オレは女はもういいや〜ガハハハ。

ーこのスケベジジイ。

そうは言っても吉田さんも寂しいのかしょっちゅうゴミ捨て場で他の若奥様達に混じって雑談をしているのを見かけた。

その吉田さんが血相を変え、慌てた様子でオレを部屋から引っ張り出した。

どうしたんすか?

ーこれ見て!!!


目をやると
サボテンだ。サボテンが花を咲かせていた。

ーあいつ(出て行った奥さん)が置いて行ったサボテンが咲いたんだよ!なんかさ、嬉しくなっちゃってさ、誰かに伝えたくてさ!!!どう!!?
いいよね!!

はぁ、いいっすね。

オレは漏らした。

8/28/2023, 12:18:10 PM

突然の君の訪問。
君と「俺ら、だいぶ長いし、そろそろ同棲しよ」と話していたとある日。私が家でゆっくりしていると、急にインターホンが鳴った。「はーい」と出ると、そこには、慌てた表情の君がいた。「急にどうしたのー?」と言うと、君は、「良いから早く開けてくれ」と言うので、家にあげると…君は、突然変な事を言い始めた。「なぁ。明日から同棲しないか?」と君は、問う。「え?急にどうしたの?」と聞くと、君は、「毎日毎日君に何かあったらどうしようって考えながら寝るのが怖いんだ。俺と一緒に住めば、何かあった時、俺が君を守れる。だから、明日から俺と一緒に住んで欲しい。」私は、君のその急な言葉に少し焦りながらも嬉しくて、気付いたら思わず泣いていた。君は、慌てて、なだめてくれた。こうして、私達の同棲生活は、突如始まった…
なーんてね。貴方との恋が、まるで、漫画とかの世界でしか有り得ないと思ってたのに、叶ったから、未だにこれからもまだ、漫画とかの世界でしか有り得ない事が起きる気がして、毎日、貴方との妄想ばかりしている21歳の私です。これからもずーっとあなたのそばにいます。

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