『星が溢れる』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あふれんばかりの星を、両手にすくって、キラキラした目で見つめている。小さな、ふくふくした両手。まだ幼いおかっぱの頭。僕の妹。
妹の手には色鮮やかな星々。金平糖。大粒のものから、小さなものまで、たっぷりと揃っている。
「貰っちゃっていいの? おじちゃん!」
妹に、馴染みの近所のおばさんが、ニコニコしながら良いよと微笑んでくれる。そのままがっつくのかなと見ていたら、妹は器用に片手に金平糖を寄せて、一粒ずつつまんで口に運び出した。
「にいやもいる? どうじょ!」
思わず笑みが溢れる。僕は小さな、青い星を選んだ。
【星が溢れる】
『星が溢れる』
嫌なことがあった寒い日の夜には
綺麗な夜空を見上げます
自分にも見返りなく光を注ぐ星々を見ていると
やがて星はぼやけて分裂して
視界が沢山の星と光で埋め尽くされる
目には光に満ちた雫が溜まって
その雫は頬に星々の軌跡を残して
やがて地面に落ちるのです
「星が溢れる」 #307
意外にもロマンチストなあなたは
そんな表現をするのだろうか
たかが星でさえ私には
あなたを思い出す要素になってしまうのね
世界には
そっと
音量をミュートにしたような想いが
犇めいている。
例えば、
星座の話をする人の
瞳の光を見て
ああ
このままでいてくれたらいいと
胸の奥で想うだけ。
近づこうとはしない。
掴もうともしない。
ただ
同じ空気のなかに
ほんの少し
立っている。
その人が笑う。
それだけで
体温が
少し上がる。
例えば、
知性に惹かれる想いは、
ときどき
一枚の鏡を差し出してくる。
その人の見ている景色に
自分は
届くのだろうか。
その問いが
胸の奥で
小さく鳴る。
想いは、
告げられない。
ミュートのまま
世界に置かれていく。
踏み出せば
水面に波紋が立つことを
知っているからだ。
静かな想いは
世界を乱さない。
代わりに
世界を少しだけ
あたたかくする。
誰にも知られないまま
誰にも奪われないまま
誰かの幸福を
遠くから願っている。
本当は世界は
こういう想いで
できている。
きっと
あなたの知らない場所でも
誰かが
そんなふうに
あなたを
静かに想っている。
声はない。
でも
確かに
そこにある。
題 星が溢れる
星が溢れる
日中の熱がまだ残って私の体を熱くする。
静かになった花火の燃えかすが月に照らされている。
私の心は迷宮のように絡み合っていた。
あなたは今どんな気持ちで私と夜空を眺めているのだろう。
カラーコンタクトで大きくした黒目は何を映しているのか。
あなたが波へと叫んだ言葉は波には攫われていかなかった。
私の心の中に澱のように沈み、純粋だった心を濁らせた。
私にはこの言葉をどのように吐き出せばいいかわからなかった。
思い出せない言葉のように喉につっかえた一言は、波に攫われるのかな。
あなたの心を砕く言葉にならないかな。
迷宮の出口を探すように何度も考えを巡らせる。
永い沈黙が続いた。
私が顔を上げるとあなたは涙を流していた。
むせ返るほどの生を実感した。
私たちは愛の中に生きている。
あなたは私がいなくても生きていける。それなのに私を必要とする。
私もあなたがいなくても生きていける。だから、あなたを必要としない。
でも、必要になるはずだと思えた。
絡みあった思考が解けた。
私はぽつりと「美しい言葉だね」と言ってみた。
空には溢れたように星だけが光っていた。
君の頬にキスを落とした。
くすぐったそうに君は笑った。
その笑顔のまま死んで欲しかった。
その幸せが途切れること無く死んで欲しかった。
愛しているよ。
離してほしくない。
柔らかくしなやかな身体は簡単に飛びそうで。
苦しいよなんて困ったように笑って。
星を散らして息をする。
苦しげな瞳にさえ愛を灯していた。
もっと、もっと生き汚くてよかったのに。
人間らしくない人間だった。
海へ行こう、遠い遠い所へ。
儚くて綺麗で美しい君を連れて。
波の光がヴェールのように覆う。
生きて、生きて、生きて欲しかった。
[星が溢れる]
星が溢れる
別れよう
たしかそう言った
どうしてなんて言われて
泣かせて
また泣かせたって
そう思う反面
もっと見たいって
汚い感情が出てきて
俺ってこんな歪んでたっけって
もっと昔は純愛だったはずなのにって
思っても止められなくて
いつも泣かす
思ってもないことばっかり君に言う
でも君は純粋だから
全部信じちゃう
可愛そうで
可愛い
この言葉がこれほど似合う人は他にいない
まるで君のための言葉
でもこの歪んだ関係のせいで
君も壊れちゃったね
病んじゃって
目の光も消えちゃって
どこ見てるのか分からくて
俺の返事にだって応えてくれなくて
無気力になっちゃって
動くことも無くなっちゃった
もう戻れないのかな
なんて
どの口が言うんだって話なんだけど
でも本当に
あの頃はただ純粋に愛していた
ごめんね
こんな人間で
ごめんね
君を好きになっちゃって
でもね
初めて君の泣き顔を見た時
君のその
満月のような綺麗な瞳から
星が溢れるって
たしかにそう思って
綺麗だって
ずっと見てたいって
瞬きも忘れて
目を逸らせなくて
全身が沸騰するくらい熱くなって
呼吸するのも忘れちゃって
胸が苦しくなった
その時思ったんだ
あぁ
これが本当の愛なんだって
だから
ごめんね
ー屋上にー(星が溢れる)
屋上。
初めて入った屋上に、自分しかいないと気がついた。
胸が躍った。
風が優しく自分を撫でる。
その日は一点の曇りもなく、溢れんばかりの星が顔を出していた。
空を見上げれば視界に入る星々。
なんて綺麗なんだろう。
ありきたりの言葉しか浮かんでこない。
もともと、あってないような語彙力が、景色に全て取り上げられてしまったようだ。
冷たい夜の空気が、寂しさと同時に入り込んでくる。
なんてことだ。
泣きそうになり、口の中をギュッと噛んだ。
最後に見るのがこれで良かった。
冷たくなった、転落防止用の柵を掴む。
それを飛び越えた時、
強い風が、髪や服を大袈裟に揺らした。
寂しさが恐怖へと変わる。
浅くしか吸えない空気を、必死に吸った。
全身が震える。
下に走る車。
駄目だ、無理なんだ。
情けない自分。
慎重に柵を掴んで、体勢を変え、車たちに背を向ける。
気が抜けた。
ふっと、安堵の息をついた。
これからはこんな馬鹿なことを、考えないようにしよう。
戻ろうと、柵に足をかけた。
その時だった。
横から突風が吹いた。
一瞬、音が聞こえなくなった。
体が不安定な時だったせいで、容易に体勢が崩れた。
ひんやりしたなにかが、体の中を駆け抜けた。
汗が出る。
体勢を立て直そうと、柵に手をかけた。
が、手汗のせいで、柵が手から逃げるように離れた。
これ、駄目なやつだ。
瞬間、浮遊感が身体を包んだ。
星が嘲笑うように、自分を取り囲んだ気がした。
――――――――――――――――――
🙂おやすみなさい。20:00
(星が溢れる)
君が。。いるから、、
想いが溢れたことにも。。気づけない、ままで。。
それは1:02を過ぎたあたり。
つまり夜だ。爽やかだった。
私はアスファルトの感触を靴の裏で感じながら、
1歩、また1歩と歩みを進める。
私の横で私と同じ歩幅で歩いている女性。
それは彼女だ。
赤信号の光はアスファルトと建物のガラスに反射するが、それはこの夜の静寂と暗さよりかは遥かに弱い。
この街はそこまで栄えていないのもあってか、
星空が綺麗に見えている。
今日は新月だ。より一層綺麗だ。
彼女が私に微笑みかけると同時に星空が溢れ出す。
それは銀河系をも超える明るさで、
私の虹彩を輝かせた。
『星が溢れる』
オーロラも臨める国で
僕は絵手紙を描いている
君は南十字星の見える国で
今頃眠っているのだろうか
オーロラを描いて
君に贈ろう
きっとそこでは見れないから
よければ君も
夜空に光る南十字星を
僕に贈ってくれないか
いつか
いつか会えたなら
二人で流れる星を見よう
北でも南でも構わない
星座盤を二人で掲げ
煌めく夜を見上げよう
『星が溢れる』
空を見あげた先にあるのは
キラキラ輝く星たち。
溢れんばかりの光が僕の目に飛び込んできた。
この星たちの光が僕の目に映っているのは何億光年も前の物で、現在進行形で見ているかのように思われる星たちは今この瞬間には消えているかもしれないと
当たり前に見ている星々はとても儚く、美しく、趣があると、黄昏れる僕であった。
星が溢れてる。
君の手から。
こぼれる星が、
床に落ちて、
僕はそれを
拾って食べた。
『星が溢れる』
夜の静寂が、冷たい風とともに頬を撫でていく。見上げた空は淀んだ雲に覆われ、期待していた流星群はおろか、瞬く光一つ見つけることはできなかった。
握りしめた手のひらには、もう戻らない時間だけがひっそりと残っている。言葉にできなかった後悔や、手放してしまったものの重さが、胸の奥で静かに、けれど確かに渦を巻いていた。いくら空を見つめても、そこに答えも慰めもないことはわかっていたはずだった。
ふと、視界がゆらりと歪んだ。
暗闇に沈んでいたはずの景色に、無数の小さな光が灯り始める。それは瞬きをするたびに輪郭をぼやけさせながらも数を増し、冷たい夜を優しく照らすようにきらきらと輝いた。
見えなかったはずの光景が、今、私の目の前に広がっている。
頬を伝い落ちる熱い雫が、街灯の微かな光を反射して煌めいていた。
溢れる涙が星に見えた。
夜空に浮かぶ黒いお椀。
お椀に入れた星は、勢いよく溢れてこぼれていく。
こぼれた星たちは、滝となり、地上に降り注ぐ。
「‥で?続きは?」
さわがしい大衆酒場のカウンター。
灰色スーツの男が白シャツの男に聞いた。
白シャツの男は、ビールグラスをぐいっと飲みほし、長いため息をついた。
「‥続き?続きはない!さっき、オチがないことに気づいてさ、色々と考えたよ〜地上にいる人たちは口をあけて降ってくる星を食べてさ、食べ過ぎで病院に運ばれる〜とか、無限に落ちてくる星に埋めつくされて人類滅亡‥とか」
「なんだそれ」
「そうなんだよーなんだそれって自分でもなって、俺が書いたのって『起承転結』でいう『起』じゃない?!『起』だけ書いて満足してたんだよ!!あぁ、恥ずかしい」
白シャツの男は顔を両手で隠し、体をグネグネよじってもだえた。
「‥まぁ、頑張れよ」
灰色スーツの男は、ビール片手に慰めた。
‥そう、これも『起』しかない。
【星が溢れる】
身の回りに落ちている光を書き留める
いつか繋がって何かを描くはずだから
『星が溢れる』#3
今夜は、流星群が見られる。
だから僕は、屋上にいって星を観察していた。
・・・・。
今夜の星空は、僕が予想と遥かに超えていた。
これこそが『星の溢れる』空、、、。
【星が溢れる】
夢を見ていた。長くて繊細な夢、だった気がする。何もかも覚えているわけではないが、彼が出てきたのは覚えている。僕の憧れの彼が。夢に現れた大好きな彼は、なぜかただただ悲しそうだった。真っ暗な空の下、彼だけがわずかに光っているのだ。黒で縁取られた大きな瞳に宿る星が、行く場所を失ったようにあふれていた。いつも見ている彼からは、どこか妖艶さをも感じるのに、夢の彼は違って見えた。脆く、切なく、どこかに危うさをはらんでいるような。でも相変わらずとても綺麗だった。
なぜ泣いているのか尋ねると、彼は帰れないからだ、と言った。泣いているのにいつもと同じ声だった。
「帰りたい。僕が僕だった場所に」
空にいるには、眩しすぎる。彼は空からこぼれ落ちてきた星だった。
星が溢れる
小さな頃に親に連れられて映画館へ行った。
大きなスクリーンに大画面で映し出され次から次へと目まぐるしく流れていくストーリー。
両親の隣で幼い僕は夢中になって、息をするのも忘れて無意識に涙を流していた。
まるで、僕の瞳の中で爛々と輝いていた無数の星が溢れてこぼれ落ちるように。
キラキラと両目から、たくさんこぼれ落ちた。
星が溢れる
春の闇 星が溢れる 夜明け前
春咲 小梅