『星が溢れる』
夜の静寂が、冷たい風とともに頬を撫でていく。見上げた空は淀んだ雲に覆われ、期待していた流星群はおろか、瞬く光一つ見つけることはできなかった。
握りしめた手のひらには、もう戻らない時間だけがひっそりと残っている。言葉にできなかった後悔や、手放してしまったものの重さが、胸の奥で静かに、けれど確かに渦を巻いていた。いくら空を見つめても、そこに答えも慰めもないことはわかっていたはずだった。
ふと、視界がゆらりと歪んだ。
暗闇に沈んでいたはずの景色に、無数の小さな光が灯り始める。それは瞬きをするたびに輪郭をぼやけさせながらも数を増し、冷たい夜を優しく照らすようにきらきらと輝いた。
見えなかったはずの光景が、今、私の目の前に広がっている。
頬を伝い落ちる熱い雫が、街灯の微かな光を反射して煌めいていた。
溢れる涙が星に見えた。
3/15/2026, 10:46:18 AM