星が溢れる
日中の熱がまだ残って私の体を熱くする。
静かになった花火の燃えかすが月に照らされている。
私の心は迷宮のように絡み合っていた。
あなたは今どんな気持ちで私と夜空を眺めているのだろう。
カラーコンタクトで大きくした黒目は何を映しているのか。
あなたが波へと叫んだ言葉は波には攫われていかなかった。
私の心の中に澱のように沈み、純粋だった心を濁らせた。
私にはこの言葉をどのように吐き出せばいいかわからなかった。
思い出せない言葉のように喉につっかえた一言は、波に攫われるのかな。
あなたの心を砕く言葉にならないかな。
迷宮の出口を探すように何度も考えを巡らせる。
永い沈黙が続いた。
私が顔を上げるとあなたは涙を流していた。
むせ返るほどの生を実感した。
私たちは愛の中に生きている。
あなたは私がいなくても生きていける。それなのに私を必要とする。
私もあなたがいなくても生きていける。だから、あなたを必要としない。
でも、必要になるはずだと思えた。
絡みあった思考が解けた。
私はぽつりと「美しい言葉だね」と言ってみた。
空には溢れたように星だけが光っていた。
3/15/2026, 11:13:43 AM