桜散る
桜舞う季節に君は生まれた。
さまざまな命が芽吹く中に小さな希望ができた。
君はいろんなものに目を惹かれ、どこまでも駆けてゆく。
手を離したら帰ってこなくなってしまうくらいにね。
大切に君の手を握って、いろんなものを見たね。
咲き乱れる季節の花たち。
君の体よりも大きな動物。
手を伸ばせば届きそうな星々。
桜が八回咲いたとき、君は嬉しそうに緊張しながらも学校に行った。
僕たちが学校へ行くと頑張って手を挙げて答えてカッコいいところを見せてくれたね。
かけっこで転んで泣きそうになりながらもゴールまで走り抜けた君に僕は泣いていたよ。
ぐんぐん背が伸びていつの間にか僕の身長へ届きそうになって、ついに僕より大きくなったね。
これからの君の未来は今よりも楽しいことに満ち溢れているから。
もし、つらいことがあっても僕たちは君のそばにいるよ。
何度も桜は咲くし、季節が過ぎていけば桜は散る。
散ることは悲しいことじゃないよ。
だって、それは君が成長した、生きてきた証だからね。
夢見る心
街に高くそびえるコンクリートの塔。
夢見る私の心を見透かしているようだった。
いつしか、街は迷宮のごとく入り組み私の進む道を隠しているようだった。
私はこの世で明日を見つけられるのかいつも不安になっていた。
遠くへ叫んでみても返事はない。
目を凝らして見ても光が差すことはない。
耳を研ぎ澄ましたら何かが聞こえてきそう。
目では見えない。声はしない。でも確かにあるもの。
それは過去の足音だった。
届かぬ想い
「サヨナラ」
案外別れってさっぱりしてるんだなと思った。
出会った時は思い出すだけで胸焼けするほど求めあっていたのに。
時の流れは偉大で強大だった。
僕の愛が少しずつ磨り減っていくのをあなたはどんな顔で見ていたのか今じゃもう思い出せない。
灯りのようにすぐに気持ちを切り替えることができたなら、
もっと長くあなたを愛せていたのだろうか。
僕のせいであなたの傷つく顔は見たくはなかった。
ずっと抱えた届かぬ想いは来世へと羽ばたく。
二人で過ごしたアパートが西日に燃える様子が脳裏に残る。
神様へ
わたしは神様なんか信じない。
神様がいるならもっと世界は良くできているはずだから。
努力しても報われない人もいる。
努力しなくてもなぜか上に立つ奴がいる。
人を傷つけて平気な人もいるのに。
気を回し過ぎてくたびれてしまう人もいる。
でも皆自分の望みばかりを願い、余裕があれば他者を祈る。
ろくにやることやってないくせに他人に一丁前にでけぇ面して語ってる奴はなんで他者に好かれるんだろう。
あの子はバカ正直に生きて足掻いているのになぜ救われないんだ。
あなたは中身がないくせに何でも知ってる風に喋んな。
学が無ぇのに人に教えるな。
誠実に奮闘している人を笑える立場にいねぇのに指差して、嘲笑ってるんじゃねぇ。
自分の理解に及ばないことを冷笑して上に立つ振りするんじゃねぇ。
たまたまできただけでイキってんなよ。
こうやって忠告したって、あなたには品性も価値観も美学も矜持もないもんな。そんなあなたに理解できるハズ無いさ。
あなたとわたしは良くも悪くもレベルが違う。
レベルだけじゃない。持ってるものも経験も考えの及ぶ範囲も全てが違うのよ。
私はあなたが嫌いなの。
その笑顔も服装も態度も考え方もわたしには不愉快。
わたしの生き方は恥が多いかも知れないけどあなたよりは
だいぶマシに生きてるさ。
わたしは神様なんか信じないし創造することもしない。
好きな人を好きと言い、嫌いな奴を腹の中で毒吐くだけ。
神様なんか引き摺り堕として、わたしと同じ目線で世界を見れるようにしてあげよう。
世界を救える神様なら文句ないでしょ?
何処かの誰かの信じる神様へこの願いが届きますように。
快晴
万人を焼き尽くすような太陽が見えた。
私は一人街中に溶け込むように歩いていた。
蜃気楼のように誰にも見えないように生きていたいと何度も
願っていた。
でも寂しさが何処からともなく生まれてしまう。
孤独と寂しさは似ているようで違うものだった。
一人で生きていられる程の必要なものは揃っている。
なのに、私は金にも腹を満たすことにも繋がらないものに
飢えている。
太陽は日蔭を望む私すら知らん顔で照らしてくる。
だから、一人で生きることすら儘ならない。