『寂しさ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『幸せな子供を見ると、とってもラッキーなことが
起きるらしい』とは、最近よく耳にする噂話だ。
それが『子供だけでもそうであれ』という夢物語なのか、『そんなことはありはしない』という皮肉なのかは、果たして定かではない。
氷すら区別出来ない路地裏では関係のない話だと、嘯いた奴はこの間凍りついて消えていた。
そも幸せなんてこの世界に有ったろうか、ソレはどんな形をしているのか。
例えば、そう、表通りを行く、小さな背の。
温かなコートと帽子に埋もれた、小さな影の。
両隣を歩く大人と繋がれた、小さな手の。
子供が。
赤い頬をした子供が。
黒い眼をした子供が。
視線の合った瞬間に笑って、後ろに呼び掛けて。
「……あ、あぁ」
弾かれたように走ってくる大人が二人。
何処かで見たような顔の、
何処かで聞いたような声の、
自分によく見るような色の、
大人が二人、手を伸ばして、
路地にはよく貧民の死体が転がっている
今日も昨日も転がっている
幸せそうに笑った子供が一人
けれど誰にも見返られずに
‹寂しさ›
寂しさから抜ける為に
毒親、過干渉の両親じゃなくて良かった
私の父、死柄木弔、元友人、事件の容疑者たちから学べたこと
やっぱり人生において[愛]が必要だ。
私の考えだと
愛とは、生まれた時から愛を受けて生まれた。
愛は、人生を振るわすものだと思う
愛を知る為に愛知県へ生まれたと、そう思える。
物心ついた時には父はいなかった。
小学生の頃から母は毎日違う男を家に連れてきた。
私のことなど気にもせず毎夜毎夜、嬌声を上げていた。
小学高学年になると殴られるようになった。
蹴られるようになった。
罵倒罵声なんて毎日だった。
それでも愛されようと頑張った。
でも結局は無理だった。
そして今。
自分はビルの屋上にいる。
柵は既に越えていて一歩踏み出せば真っ逆様だ。
これで死んだら母は寂しがってくれるだろうか。悔やんでくれるだろうか。愛してやれば良かったと思ってくれるだろうか。
きっと無理だ。死んだところで喜ぶだけだ。
「…寂しいなぁ」
そう言って自分はビルの屋上から一歩踏み出して空を飛んだ。
ーーーーーー
寂しさ
一人暮らしの時より
ちょっと広い
布団に
寝転がる。
今日は
家に
独りだ。
とにかく
疲れたから
早く
休みたい
けれど―――
家が
静かで
なんだか
変な感じだ。
身体は
疲れてるはずなのに
気持ちが
落ち着かなくて
なかなか
眠れない。
早く
帰ってこないかな。
#寂しさ
同時期に入社した同期の人達が、ヘルプで別の部署に移って行った。仕事中は席が隣でもあまり話す機会がなかったが、仕事前や仕事終わりにたまに話したりして同じ気持ちを共有していた。隣にいないのはやっぱり少し寂しい。
ゴーーーーーーーーー
スルスルスルスルススススス
ピュ〜〜ルルルルル
さらさらさらさらさらさら
すーーはーー すーーはーー
ピコン!
カチッ!
ポチポチポチポチポチポチポチ
ポチポチポチポチポチ
ポチポチポチ
ポチッ
ん〜〜〜〜〜〜〜っ
っはあ〜〜
ぎゅるるるるる
スルスル
とすっとすっとすっとすっ
ガチャ!ガチャ!ガチャン!
ぼふん!
ジューーーーーーーーーー
ジャーーーーーーーーーー
ちりちりちりちり
ほふほふほふほふ
ぱくり
寂しさ
『寂しさ』
寂しさを感じた時ですか…そうですね…
忙しい両親に代わって私の面倒を見てくれた祖母は何でも出来るひとでしてね。そんな祖母の側で過ごす時間は本当に楽しかったのを覚えています。
その大好きな祖母が亡くなったのは私が高校2年生の春。身内の死を経験したのはそれが初めてだったのでそれはもう寂しくて寂しくて、暫くの間は沈んだ気持ちで過ごしておりました。茶の間で祖母が使っていた座布団を見るだけで涙が出る。切ない気持ちを抱えたまま過ぎる日々。
そんな生活も数ヶ月経ち、冬になる頃ようやく落ち着きを取り戻していきました。そしてふと思ったんです。
ああ、今年の冬は祖母の甘酒が飲めないんだなって。
いいえ、今年ばかりか来年も再来年もそのまた先も、もう二度と祖母の作る甘酒は飲めないのだと。
ひとが居なくなるとはこう言うことなのかと悟った時、私にまた新たな寂しさが込み上げてきたんです。
「あれ?いない」
家に帰ると、いつもいるキミが、今日はいない。
合鍵を渡して
「いつ来てもいいよ」
って言っただけで、来る約束もしてないし、来てほしいとも言ってない。
だから、来ていなくても当たり前なんだろうけれど
「何でいないんだろう」
と思えてしまうほど、寂しさを感じた。
「1人は…」
こんなにも寂しいとは思わなかった。
「…会いたいな」
キミがいない寂しさを抱えながら、目を閉じるのだった。
「いってらっしゃい」
貴方の背中にそう声をかけても、貴方は首をわずかに動かして「うん」と言うだけで、出かけていってしまう。
私がどんな思いで『いってらっしゃい』を言っているのか、貴方はきっと分かってない。
『最近、休日出勤多いよね』とか『この前一緒に観ようって言った映画、もう終わっちゃうよ』とか『たまには一緒に夕食食べたいな』とか、言いたい言葉はたくさんあるのに、喉の奥に引っかかって言葉にはならない。
この寂しさを抱えたままじゃ、きっと駄目になる。いつか必ず向き合わなくちゃいけない。
そう感じながら、私は今日も何も言えず、貴方が出ていった玄関でひとり、佇んでいる。
わたしは、ちいさな石ころだ。
いつぞやか、世界のどこかにひょっこり現れる穴に落ちた。
薄暗い穴のなかで何回も体をぶつけるうちに、次第に体の角がとれ、丸く硬くなって最後は石ころのようになってしまった。
石ころなので、動くことはできない。しゃべることも、何かを表現することもできない。
人から見れば、そこらに落ちている石ころと変わりはない。ただそこに存在しているだけだが、「私」として存在していることを誰も知らなかった。
人から認知されなくなってから次第にわたしは「私」ではなく「石ころ」として存在するようになった。
わたしが「私」でなくなるのは不思議な感覚だった。
世界と私の境界線が曖昧になり、私は伸びたり縮んだりした。
世界はわたしになり、わたしは世界になった。
そんなある日、小さな手がわたしに触れた。
あたたかくて少し湿った感触が、曖昧になった「私」を、ふたたび石ころの中に戻らせた。
小さな手の持ち主は、わたしをポケットにいれて家に持って帰ってきたようだ。わたしはゆらゆら揺られながら、少し楽しい心持ちになった。
男の子はわたしを自分の机の上にのせて、毎日話しをした。
学校や塾での楽しかったこと、嬉しかったこと、ときに悲しかったことも。
わたしは毎日それを聞いていた。
ある日、男の子は自分の母親が死んだときの話しをしはじめた。
目を赤く腫らして、ときに怒りや悔しさも滲ませながら。
石ころのわたしは、石ころのままじっと動かずにいるだけだった。
わたしは石ころの存在をかけて、そこにいた。とても小さな存在でしかないかもしれないけれど。
母親とはなんだろうと思う。
わたしは母親になりたかったのかもしれない。
やがて男の子は涙をふいて、わたしをじっと見て口の端で少し笑った。
それは自嘲していたのかもしれないが、わたしには安堵したようにも見えた。
男の子はしばらくの間わたしに話しをしたが、ある日海辺に捨てられた。
わたしはまた、ただの「石ころ」にもどった。
どんな時でも笑顔で
そう心がけて生きてきた
笑顔でいられない時もある
怒りが抑えられない時もある
それでもなるべく
楽しくいられるように
笑顔でいたつもり
でも本当は
心から笑えてはいない
何処か虚しく遠い所から
笑っている自分を見下ろしていた
本当の私を知っている人は
何処にもいない
いつかそんな私に気づいて
笑いかけてくれる人は
現れるかな…
「寂しさ」
お題『冬は一緒に』(今回に限り2つのお題を投稿します)
大神から誘われた夏のイルミネーション日の前日の夜。
船星(ふなぼし)「あの子も来るんだ」
とベット中でポツリと呟き、目を閉じてあの子の顔を思い出していた。あの子とは萌香のことである。
しかし船星は一つ疑問に思う、一体どうやって誘ったのだろう。休みの間に会った?それとも誰かに連絡を聞いた?頭の中で自問自答を繰り返していたら目が冴えてしまい眠れなくなった。時間は刻々と進みとうとう当日の朝を迎えてしまった。待ち合わせは夜だ。昼まで寝れば大丈夫と思い、一度ベットから降りようとしたが、体に力が入らない。僕は知恵熱を出してしまったらしい。動かない体に無理やり力を込めて携帯を手にした僕は大神にドタキャン連絡をメールで送った。メールの最後にこんな文章をつけた。
『この夏のイルミネーションが中止になった場合の話だけど冬は一緒に見れるといいな……なーんてね(笑)』
End【冬は一緒に】
お題『寂しい』
数年前から、両親は僕の事など気にせず、外国に行ったまま一度も帰ってこないのである。
生活費等は銀行にお金を入れてくれているので、不便は無い。
だけど、この広い家に一人でいるのは……寂しい。
特に、体調を崩した日なんてもっと寂しさを感じてしまう。
いっそ犬や猫のペットを飼って寂しさを紛らわすことができるんじゃ無いだろうかとふと思った。
End【寂しい】
寂しさを飲み込んだら
息が詰まって苦しくなった
だから苦しさも飲み込んで
平気だよと嘘を吐いた
自分自身に嘘を重ねる
それが唯一、自分を守る為の方法だった
#寂しさ
「寂しさとは嬉しさだよ。」
笑ってそう言った彼の顔はどこか少し切なげに見えた。
「どうしてだよ!…どうしてそんなつよがるんだよ!」
言わずにはいられなかった。
俺が…くやしかったから。
なんで、悲しい顔なのに、笑うんだ。
いっつもいつも…
「おこってくれてるの?」
…。
「ありがとう。」
彼が溢れるような顔で笑いかける。
…今度は楽しそうな笑顔だ。
俺の心を読んだかの様に、彼は一人でに口を開いた。
「…でもね、本当にそう思ってるんだよ。
まあ…寂しいは嬉しいだなんてのは、少しかっこいい感じに言ってしまったけれどね?」
「それでも………。
「こんな姿だからこそ、僕たちは出会えたんじゃないか…って思うと本当に僕は嬉しいんだよ。」
寂しさを感じる時。
それは、仲の良い友人が思い出話に花を咲かせている時。
話についていけないのだ。
写真には確かに若かりし頃の私が写っている。
「一緒に行ったじゃない」と言われれば、確かに行ったような気もする。
こんな話してさ…とか言われるとよくわからない。
その時どんな気持ちだったか…全くわからない。
楽しかったのか、嬉しかったのか、はたまた悲しかったのか。
「昔の事はよく覚えているんだけどね…」という症状ではない。昨日の晩ごはんも明確に覚えているし、仕事を忘れる事もほとんどない。たまにはあるが人並み程度だと思っている。
記憶の容量が少ないのか、記憶の保存期間が短いのか。
なかなかこれという理由が見出せない。
なぜだろう。写真に写る私は本当に私なんだろうか。
どこかで中身が入れ替わってしまったのか。
いつか何かのタイミングで全てを思い出すかもしれない。
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お題:寂しさ
『寂しさ』
冬の夜の空気を、めいいっぱい吸ってやった。鼻がつんと痛くなる。そういえば耳も痛い。もういっそのこと、全部凍りついてしまった方が、幸せだと思う。空を見上げてみる。星が瞬いている。冬は空が綺麗だ。それゆえ、心がこんなにも痛い。私、もうこんな綺麗なひとにはなれないんだろうな。星が消えた。私は俯く。ポタ、と何かが落ちる音がした。馬鹿だな、泣いているらしい。
ねえ、誰か。誰かいないの。
誰もいない冬の夜。凍える空の下で、小さく呟いて、ついに座り込んで泣いた。ここで初めて、私はちゃんと泣いているんだとわかった。涙まで流したら、私にはもう本当に、汚い不純物しか残らない。涙は辛うじて、光に当てれば宝石みたいだって形容してもらえるけど、それ以外は何もない。私のこの、吐き出したくなるような寂しさ、虚しさ、つらさ、そういった類のものは、誰もが気持ち悪いと、助けてほしいアピールだと一蹴するものだ。もう、このまま消えてしまいたい。誰からも気づかれないように、そっと、記憶から抜け落ちるように。
「あれ、なにしてんの」
やけに暖かい声だった。私は振り向く勇気がなかった。だって、その声は大好きなあなたの声だったから。
寂しさを紛らわすために
文字を眺めて
言葉を打つ
夜を歩いて
音を仰ぐ
人に会うとか
なにか食べるとか
たくさん寝るとか
どこかへ行くとか
正直全部めんどくさいから、
寂しい時は 音楽と文学で。
_ ₂₀₁
寂しさ
あの人が遠くにいるのは寂しいけれどあの人に似た人がいるからその人を眺めて寂しさを紛らわせる
寂しさ
私はずっと一人で、
この世に存在していた。
例え、寒さに震える冬でも。
寂しさを感じた事など、
一度も無かった。
孤独は、ただ背中に、
冬の冷たさを纏わせるだけ。
それが私にとって、
当たり前のことだったから。
でも、貴方と出会った。
隣に誰かが居るという事、
肩を寄せ合う喜びを知り、
冷たい手を包む温もりを覚えた。
しかし、貴方は去っていった。
その時、心にぽっかりと穴が空いた。
それは、木枯らしが吹き抜ける様な、
酷く冷たい、空虚な感覚。
それが、私が初めて知った、
「寂しさ」だった。
貴方の居ない冬は、冷たくて。
薪を焚べても、毛布に包まっても、
他の人に温もりを求めても、
私の心は、凍り付いたまま動かない。
まるで、氷の彫像の様に。
もしかしたら、この寂しさは、
正論ばかり振り翳して、
言葉の刃で、貴方を傷つけた事の、
罰なのかも、知れない。
それでも、私は私を抱き締める。
嘗て、貴方が私にくれた、
温もりを思い出しながら。
そっと、胸の中の想い出に、
暖かな明かりを灯すんだ。
今はただ、静かな冬の夜に一人。
この凍て付く寂しさを、
私はそっと包み込む。
頬を撫でる風に包まれて
そばにあった温もりを思い出す
息を吐くたびに
白く染まる瞬間を
時と共に眺めていた
真っ白な銀世界に
覆い尽くされた視界から
色とりどりの淡い光
チラリと映り
凍えるように震えている
寂しさは雪と共に溶けて
感じる体温だけが
この世界を照らしていく