『勿忘草(わすれなぐさ)』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
勿忘草とは、春に咲く花なんですね。初めて知りましたけれども、こちらではまだ雪が降っているのでまだ見れないだろうと感じます。花は嫌いじゃないのではやく溶けてくれないだろうかと思いますが、まあしばらくは溶けなくてもいいかなと、そんなことも思ったりしています。
いつでしたか、私の恋人が裸足で外に出かけたことがありました。それは深夜のことで、なにもかもが寝静まった夜に外へ出ると言うものですから、あなたの気がおさまるのであればと思い見届けた記憶があります。
本当は、夜中になど出掛けてほしくないのですけれどもね。それを止めたところで、私が責任を負えるわけではありませんから、無力だなあと思いながらただ送り出すことしかできないわけです。
距離というのは残酷で、板一枚隔てているだけだというのに相手には手も足も妨害することもできないんですね。
そんなことが、まあ、何ヶ月か前でしたでしょうか。秋前のことのように思えます。本人はまた行きたいと、はやく雪が溶けるのを待っているようですが、私からしてみれば、まだ勿忘草は咲いてほしくないなと、そのように思っています。
「ところで」
「ところで?」
「forget me notまたはforgetmenot 」
「聞き覚えがある。どっちが先だっけ?」
「どっちとは?」
「英語が先か日本語が先か」
「それはわからないけど、イメージとしてはforgot me notだけどね」
「あー、命令形ぽくないから」
「そう。ささやきや願望に近いから」
「たしかに。俺を忘れるな!って感じじゃないもんね」
お題、勿忘草(わすれなぐさ)
わすれなぐさってなんだろうから始まった
七草の一種?
関係はなかった笑
花を見ると自然と花言葉はなんだろうと思う
勿忘草の花言葉には"私を忘れないで"という
意味があるらしい
この言葉を聞いて私が思い浮かんだのは"私を離さないで"というタイトルのドラマだ
いっとき、この作品に魅了された時期もあった
一言では言い表せないけれど、考えさせられる作品だ
「勿忘草」
ブルーや白の小さい花
勿忘草
「私を忘れないで」
花言葉が可愛らしい
花も小さくて
控えめな主張
私は小さな花が大好き
勿忘草も好きな花です
小さな花に宿る思いが
誰かの胸に届くなら
勿忘草も思い出して
忘れないで
人を想う心も
やあ(´・ω・`)
今日も枠だけ確保だよ(´・ω・`)
勿忘草(わすれなぐさ)かぁ(´・ω・`)
「わすれなぐさを~ あなたに~」って思い浮かべるのは誰かなあ、芹洋子か菅原洋一か天地真理か(´・ω・`)
あ、「安心と不安」アップしたから読んでね(´・ω・`)
じゃ(´・ω・`)
(´・ω:;.:...
彼が先日、不慮の事故で亡くなりました。
「あななたち二人は末永くお幸せになりますよ」
そう、彼と行った占い師の言葉を私はふと、思い出した。
ねえ、あなた。
ここで、ひとつ昔の話をしましょうか。
私が高校2年生の時、あなたは私に、綺麗な桃色の勿忘草をプレゼントしてくれましたね。
それから3年後、私たちはお付き合いを始めました。
1年後。当時、21歳の私は精神的に疲れ、記憶喪失になりました。あなたの事も分からなくなりました。
しかし、あなたは根気強く私を支えてくれ、10年という月日を経て私の記憶が戻りました。時に喧嘩をしたり、私は家出もしましたね。私が家出をしたら、あなた、泣きながら必死に探してくれて、私を見つけたら泣きながら抱きしめてくれました。
私の記憶が戻り、10年越しの結婚式の後、あなたは私に白色の勿忘草をプレゼントしてくれました。
ねえ、あなた。
私から、あなたへプレゼントがあるの。
それはね、青色の勿忘草。
この花はね、あなたへ贈るプレゼントでもあり、結婚34年の記念のお花なのよ。
私も、栞にして持っておくから、私たち、必ず再会しましょうね。
__勿忘草
綴 白_
勿忘草は見つめる
たくさんの
群衆の
目
口
勿忘草は語る
笑う
歌う
空は遠くて
風もまばらで
勿忘草を愛でるように
そうっと眠る
「勿忘草(わすれなぐさ)」
花言葉は「私を忘れないで」だったと記憶しておるワスレナグサです。
そのわりにワスレナグサ自身は、
「昔々、我々はヨーロッパで民間療法のシロップや鎮咳去痰薬に加工されておったのじゃ」
というのを忘れ去られておる模様。
なんでもカラダに良くない作用をする成分が入っておったそうです。
肝障害・発がん性の可能性が一応アリだそうです。
と、いうトリビアは置いといて、今回のおはなしのはじまり、はじまり。
前回投稿分からの続き物です。
最近最近の都内某所、某深めの森の中に、
本物の稲荷狐の家族が住む稲荷神社がありまして、
庭に上部で大きくて、太い幹と枝を持つ柿の木の、
下に青いあおい、ブルーシートがその日限定で、大きく、敷かれておりました。
柿の木に吊っておったブランコを新調したのです。
新しい板木に、新しくひとまずワスレナグサ色でもって、ペンキ塗装をしたのです。
「ブランコ!ブランコ!」
その日の朝っぱらから作業が始まって、
新しく座面となる奥多摩ヒノキの板材の下に、これまで子狐や参拝客の子供を乗せておった先代木、
すなわち、ボロボロになったケヤキ板を打ち付け、
ヤスリがけしてペンキして、二度塗りして、
しっかり乾いたのがだいたい夕暮れの頃。
防水防腐ペンキでお化粧したヒノキとケヤキの疑似合板(くっつけただけ)は、
とっても頑丈なロープを付けて、いちばん太くて上部な枝にかけられて、
プルージック・ノットによって、しっかり、そして解くのもカンタンなように、固定されたのでした。
「ブランコ!ブランコ!」
子狐の尻尾はぶんぶん、ぶんぶん!
ブランコよろしく左右に高速挙動しています。
猛ダッシュで突撃して、座面にジャンプ!
ヘッドスライディングよろしく、ポンポンおなかを板木に乗せて、試運転!試運転!
ブランコを新調してくれた人間に、アイコンタクトで起動要請を出すと、
ほどなくして、軋む音も無く、静かにゆっくり、
ワスレナグサ色で塗られたヒノキの板と、同じくワスレナグサ色のロープが、振り子運動開始です。
子狐はお星さまのカタチをしたお花が大好き!
(なによりお題がそもそもワスレナグサ!)
暮れなずむカラーバランスの稲荷神社で、淡く清いワスレナグサ色が、ゆっくり揺れました。
ロープは簡単に解けるから、これからはお父さんにでも頼んで、模様替えを楽しむと良い。
板木も模様替えできるように、別カラーのカバーを後日、用意しておくから。
人間は子狐のおしりを押して、おして、ブランコを揺らしながら何か言っておりますが、
コンコン子狐、知ったこっちゃありません。
ワスレナグサ色のブランコで、満足しておるのです
——今のところは(お察しください)
「もっと!もっと!」
「はいはい」
「もっと!もっと!」
「これ以上は危ないですよ」
ゆらり、ゆらり。 ゆらり、ゆらり。
子狐を乗せたワスレナグサ色のブランコです。
コンコン子狐は大満足!
お母さん狐とおばあちゃん狐が晩ご飯で呼びに来るまで、幸福に、遊んでおったとさ。
勿忘草
名前だけは有名だけどこれといったエピソードとか知らない。そんな草だ。
この名前は知ってるんだけどなにで知ったのかわからない感じ。多分漫画とか小説だと思うんだけど。
まあどれだけ考えてもわからないものはわからない。しかしまだまだ寒いね。最近ずっと暖房つけっぱだよ。
もう寒さも一段落するだろ。そう考えてしばらくたつけど寒さはおさまらない。結局暖房つけなきゃ寒くて耐えられない。
でも外出する時の上着は今までよりちょっと薄いのに替えた。まだ寒いけどそこまでガチの装備をしなくても大丈夫にはなったかな。
川沿いの小さな道に、彼女は毎年同じ花を植えた。
勿忘草。青くて、目立たなくて、名前だけが少し切実な花。
理由を聞かれると、彼女は曖昧に笑った。
「好きだから」
それ以上は、誰にも話さなかった。
昔、約束を交わした人がいた。
大げさな未来の話も、永遠の言葉もなかった。ただ、春になったらこの道を一緒に歩こう、それだけだった。
けれど彼は来なかった。連絡も、言い訳も、何も残さずに。
最初の年、彼女は待った。
二年目は、待つことをやめた。
三年目、彼の顔を思い出そうとして、思い出せないことに気づいた。
それでも春になると、彼女は種をまいた。
忘れられていく記憶の代わりに、忘れないという意志を土に埋めるように。
ある日、足を止めた見知らぬ誰かが言った。
「可愛い花ですね。名前は?」
彼女は少し考えてから答えた。
「勿忘草です。……私を忘れないで、って意味」
その人は頷き、歩き去った。
彼女はもう、誰に向けて言った言葉なのか分からなかった。
それでいい、と彼女は思った。
誰かの記憶に残らなくても、
この花が今年も咲いたことだけは、
彼女自身が覚えていれば。
川面に映る青が、静かに揺れていた。
忘れられても、消えないものがあると、
花は何も言わずに、そこに咲いていた。
同じ時を歩み続けることは出来ないと分かってから、悔いが残らないようにやりたいことも、やってあげたいことも沢山した。
だが、いざ別れになった時には、受け入れることなどできなかった。
彼は泣きながら逝かないでほしいと縋る私の頭を、力のほとんど入らなくなった手でやさしく撫でなでる。
「君とこれまでたくさんの思い出を残すことができた。
とても幸せだったよ、ありがとう」
そういった彼の顔は酷く穏やかで、もう居なくなってしまう事をよりいっそう感じさせる。
悲しくて、どうしたらいいのかも分からず涙で濡れた顔をさらに歪ませてしまう。
「そんなに泣かないでくれ。君にはまだたくさんの時間がある。
一緒に歩めないのは残念だが、君をずっと見守っているよ」
少しずつ撫でる力が弱くなっていく彼の手をそっと手に取り、願うように握りしめる。
涙で歪んでしまう視界にどうにか彼を写す。
昔から優しい顔で笑う人だったが、今が一番柔らかく優しいように見えた。
「あなたがくれた沢山の思い出を、優しさを絶対に忘れない。
だから……」
大丈夫、心配しないで、そう言いたかった。
喉が詰まってしまってその先を言えない私に彼は
「……うん、君なら大丈夫だ」
そう言って目を閉じた。
彼の葬儀はささやかなものにした。
彼はあまり仰々しいものを好まなかったから。
墓は生前彼が気に入っていた見晴らしのいい場所に。
彼が穏やかにいられるよう、彼の好きだった花を植えた。
彼が残してくれた優しい思い出を忘れないように、そう祈りを込めて。
暖かな日差しの中、青と白の可愛らしいい花がゆらゆらと風に揺られている。
辺りを埋め尽くすように咲いている様はまるで小さな湖のようだった。
◼️勿忘草(わすれなぐさ)
「勿忘草」これで「わすれなぐさ」と読むらしい。
なんとなく知っていた名前だけど、なんとなくその姿はぼんやりとしていた。
気になって調べてみると、とてもかわいらしい青の花を咲かせる小さな花がそこにはいた。
ああ、この子が勿忘草。
いかにもお花で。
いかにも優等生で。
それでいて嫌味がない。
すごい子だ。
花言葉も「誠実な愛」「真実の愛」「私を忘れないで」
ああ、笑ってしまうくらいにはとても清楚だ。
なんだか嫉妬しちゃうな。
こんな小さなお花にも嫉妬してしまう私は、とても心が狭いのだろうな。
ここでふと思い出す。
学校でいつも可憐なあの子のことを。
誰からも慕われて。 高嶺の花のように扱われているあの子。
性格が悪ければ溜飲も下がるというものだけど、あの子、性格までいいんだもんなぁ。
でも私は知っている。
あの子は、
もっとみんなと同じような目線で話して、
もっとみんなと同じような話題で笑って、
もっとみんなと同じように恋がしたかったのだって。
清楚 可憐 純情
外見や所作から勝手にそれらをラベリングされたあの子は、
美しく可愛く そして、ちょっぴり孤立していた。
勿忘草ちゃんも、きっとその可憐さから、
勝手にみんなが意味を見出し、そして、
勝手に私みたいな小さな人間に嫉妬されるたんだろうな。
ごめんね勿忘草ちゃん。
その順序がへんな読み方といっしょに、君のことをずっと覚えておくね。
『お兄ちゃんも忘れないでね』
「…ん?なんだこれ」
いつもの机の上に見慣れない花が置いてあった。
「あぁ、それ?お客さんの女の子がお礼にって言ってくれたの。ど?かわいーでしょ?」
社長がそう言ってニカッと笑う。その青い花はシンプルな花瓶に活けられていた。この部屋はカラフルな内装になっているため、逆にこのシンプルさがいいかもしれない。
…それにしても、この花を見てると胸がざわつく。なんだ…俺は何かを……
開けていた窓から風が舞い込んで、青い花が小さく揺れる。その時、俺の頭にとある映像が流れてきた。
ーー
小さい女の子が花畑を走っている。きゃらきゃらと小さい子特有の笑う声が耳に届いた。
「お兄ちゃん!これあげる!」
目の前に青い花の花束が差し出される。それを受け取ると嬉しそうに笑い、また駆け出していった。
ーー
「あぁ…!あ"ぁ"ぁ"ぁ"……!!」
「ど、どうした!?」
「大丈夫!?」
蹲る俺に、社長と、今帰ってきた従業員が駆け寄ってくる。
なんで、なんで俺は忘れてたんだ…。こんな大事な妹のことを……。
「ごめん…ごめんな……」
縋るように青い花に手を伸ばす。その青い花は変わらず凛と咲いていた。
「ごめんな。こんなところしか連れて来れなくて」
「ううん!すっごい楽しいよ!わたし、今日のことぜったいに忘れない!
だからね、」
【勿忘草(わすれなぐさ)】
『勿忘草(わすれなぐさ)』
白い勿忘草の花を見つけた。
白色の勿忘草の花言葉は、「私を忘れないで」。
それを思い出した瞬間、
今までで1番好きだと思えた人の事を思い出した。
何か特別いい思い出があるわけじゃないけど、
私という人間がいたということを
忘れないで欲しいなと思った。
『勿忘草(わすれなぐさ)』
Forget me not.
(わたしを忘れないでください)
○○○
勿忘草は、青紫の小さな花だ。
僕の最愛である彼女の大好きな花だ、愛した花だ。
彼女が勿忘草を手に笑うことは、もうない。
僕は無言で、勿忘草の花束を墓石に捧げた。
「天国に、勿忘草は生えているのかな」
ポツリと僕はそう呟く。
旅行好きの僕がまだ行ったことのない場所。
いつか僕も行くことになる場所。
天国に思いを馳せつつ、僕は彼女の冥福を祈った。
今日は青天だ。
まるで勿忘草の花畑のような、雲一つない青空。
僕は真冬の冷たい空気をものともせず、ひと呼吸した。
冷たい澄んだ空気が肺に溜まる。
生きている、そう実感した。
もう動かない、感じない彼女と違って。
彼女は笑顔が似合う女性だった。
よく人助けをしている人だった。
僕がなんで、自分の利益にもならないのにそんな事をするのかと聞いたとき、彼女は笑ってこう言った。
『わたし、忘れられるのが怖いの。だけど人に優しくしていたら、死んだときに覚えている可能性が増えるじゃない?』
と。
真夏の太陽のような笑顔が眩しくて、僕は目を細めたのを覚えている。
「僕は、忘れないよ——忘れられるものか」
僕は無言で取り出したエンゲージリングを取り出した。
「あともう少し早ければ、君は奥さんになってくれていたのかな……なんて」
片方のエンゲージリングを花束の横に置く。
あぁ、今日は本当に空が青いな。
きっと天国では勿忘草の花がたくさん咲いているのだろう。
おわり
ねぇ、二つお願いがあるの
貴方はこれから
わたしじゃない誰かを好きになって
わたしじゃない誰かと愛を誓って
わたしじゃない誰かと人生を共に歩んでいくことでしょう
まず、幸せになってね
貴方の笑顔が大好きだったの
だから笑っていてほしい
次に、わたしを忘れないで
もう関わることはないと思うけど
夢に出るくらいわたしは貴方を特別に思ってるよ
一緒にいた毎日が嘘にならないように
どうか二つだけ約束して
#5「勿忘草」
ドイツ語で Vergissmeinnicht(フェルギス-マイン-ニヒト)と呼び、「私を忘れないで」を意味します。(AI)
中世ドイツ
騎士がドナウ川でこの花を摘もうと溺れた
その際恋人に残した言葉が由来だとか
フェルギスマインニヒト
忘れそー
「勿忘草」
勿忘草
勿忘草って文章の中でたまに見かける言葉だけど、私の人生の中では縁がない植物だった。
勿忘草って見かけても、どんな葉っぱでどんなお花なのか思い浮かばない。
これだけ見かけるということは、人々にとってはそれなりに触れる機会があり、思い出なんかもそこにあって、何かを想起させる存在なんでしょう。
そういう、多数の人々は知っていそうだけど自分はわからないものに触れる時、「同じ文化圏で育ったか」ということを思う。
今までの職場で、違う方々から何度か「帰国子女なんでしょ?」と言われたことがある。
先方はもちろん悪気のかけらもなく、むしろ褒めていますという気配を漂わせておっしゃっていたように思う。
残念ながら私は東京生まれヒップホップ育ち(ヒップホップ育ちではない)悪そうな奴らは大体友達(友達ではない)(ややこしいが時代の力に抗えない)というフレーズがすっと出るぐらい、どっぷり国産です。
帰国子女なんでしょ、の発生元としては、あーこの人同じ文化圏で育ってないんだな、だからああいう振る舞いになるんだろうなって、いいなーもあったかもしれないし、だから仕方ないんだなーもあったかもしれない。
言われた私は、ちょっとだけ切り離されたような気持ちになったわけだけど。
勿忘草も知らないし仕方ないか。
—名のない記憶—
外の景色をぼんやり眺めていると、誰かがノックした。白い戸を引いて、女性が入ってきた。
色白の肌に、体の線が細い人だ。今日は珍しく、長い黒髪を後ろで一つに束ねている。
「こんにちは」と女性は言った。
「こんにちは」と俺も返した。
彼女は、ほぼ毎日この病室にやってくる。だが、この女性が何者なのかはほとんど知らない。
彼女は、ベッドの隣にある、丸椅子に腰を下ろした。
「今日は、学校はないんですか?」
毎回色々と話していくうちに、彼女は近くの高校に通っているということを知った。
「今日からテスト期間に入ったから、早く学校が終わるんだ」
彼女は穏やかに微笑んだ。
「それなら、ここにいる場合じゃないんじゃないですか」
「別にいいの。——そうだ。今日はりんごを持ってきたんだ。剥いてあげる」
そう言って立ち上がると、長い髪が舞った。
俺は、髪を留めているゴムに目がいった。
「その花……」
「え?」
青い花弁に、黄色い瞳がこちらを見ているような花。
「昔、家の近くにその花がたくさん咲いている場所があったんです」
「……」
「友達と一緒に何回も、その花を摘みに行ったのを思い出しました」
「……仲が良い友達だったのね」
「さぁ……。もしかしたら、そうだったかもしれません」
「それも、思い出せると良いね」
彼女は最後にそう言うと、包丁で黙々とリンゴを剥き始めた。
あの花の名前は何だったっけ——。
思い出そうとしても、それすらも、俺は思い出せなかった。
お題:勿忘草(わすれなぐさ)
朝、靴ひもを結ぶ
考えずとも
指先は先に、交わりを覚えている
結び目は
今日も同じ高さで止まり
理由はもう、残らない
丘へ向かう道の端
踏まれずに残る
名も呼ばれぬ青
それを見たかどうか
確かめる間もなく
足は自然に進んでいく
誰に教わったのか
もう思い出せない
それでも
立ち止まらなかったことだけは
確かに、ここにある
それは頭で覚えている記憶ではなく、
身体と感覚に刻まれた
忘れないものの場所。
題 勿忘草(わすれなぐさ)