かたいなか

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花言葉は「私を忘れないで」だったと記憶しておるワスレナグサです。
そのわりにワスレナグサ自身は、
「昔々、我々はヨーロッパで民間療法のシロップや鎮咳去痰薬に加工されておったのじゃ」
というのを忘れ去られておる模様。

なんでもカラダに良くない作用をする成分が入っておったそうです。
肝障害・発がん性の可能性が一応アリだそうです。
と、いうトリビアは置いといて、今回のおはなしのはじまり、はじまり。

前回投稿分からの続き物です。
最近最近の都内某所、某深めの森の中に、
本物の稲荷狐の家族が住む稲荷神社がありまして、
庭に上部で大きくて、太い幹と枝を持つ柿の木の、
下に青いあおい、ブルーシートがその日限定で、大きく、敷かれておりました。

柿の木に吊っておったブランコを新調したのです。
新しい板木に、新しくひとまずワスレナグサ色でもって、ペンキ塗装をしたのです。
「ブランコ!ブランコ!」

その日の朝っぱらから作業が始まって、
新しく座面となる奥多摩ヒノキの板材の下に、これまで子狐や参拝客の子供を乗せておった先代木、
すなわち、ボロボロになったケヤキ板を打ち付け、
ヤスリがけしてペンキして、二度塗りして、
しっかり乾いたのがだいたい夕暮れの頃。

防水防腐ペンキでお化粧したヒノキとケヤキの疑似合板(くっつけただけ)は、
とっても頑丈なロープを付けて、いちばん太くて上部な枝にかけられて、
プルージック・ノットによって、しっかり、そして解くのもカンタンなように、固定されたのでした。

「ブランコ!ブランコ!」
子狐の尻尾はぶんぶん、ぶんぶん!
ブランコよろしく左右に高速挙動しています。

猛ダッシュで突撃して、座面にジャンプ!
ヘッドスライディングよろしく、ポンポンおなかを板木に乗せて、試運転!試運転!
ブランコを新調してくれた人間に、アイコンタクトで起動要請を出すと、
ほどなくして、軋む音も無く、静かにゆっくり、
ワスレナグサ色で塗られたヒノキの板と、同じくワスレナグサ色のロープが、振り子運動開始です。

子狐はお星さまのカタチをしたお花が大好き!
(なによりお題がそもそもワスレナグサ!)
暮れなずむカラーバランスの稲荷神社で、淡く清いワスレナグサ色が、ゆっくり揺れました。

ロープは簡単に解けるから、これからはお父さんにでも頼んで、模様替えを楽しむと良い。
板木も模様替えできるように、別カラーのカバーを後日、用意しておくから。
人間は子狐のおしりを押して、おして、ブランコを揺らしながら何か言っておりますが、
コンコン子狐、知ったこっちゃありません。
ワスレナグサ色のブランコで、満足しておるのです
——今のところは(お察しください)

「もっと!もっと!」
「はいはい」
「もっと!もっと!」
「これ以上は危ないですよ」

ゆらり、ゆらり。 ゆらり、ゆらり。
子狐を乗せたワスレナグサ色のブランコです。
コンコン子狐は大満足!
お母さん狐とおばあちゃん狐が晩ご飯で呼びに来るまで、幸福に、遊んでおったとさ。

2/3/2026, 3:10:33 AM