『光と闇の狭間で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【光と闇の狭間で】
…もうどれぐらい経ったのだろうか。
僕は今日も光と闇の狭間で漂っていた。
ある日突然、この『光』と『闇』だけが続く不思議な空間に放り出された。
本当に何もなく、海の中のような浮遊感を味わえるだけ。
最初こそ脱出を試みたりもしたが全て無駄に終わり、いつしか自分がなんなのかすら分からなくなってプカプカと海月のように光と闇の海を漂うだけの存在へと成り下がった。
時折、何処か懐かしい声が聞こえてくる。
しかし、それが誰のモノなのか、どうして泣いているような声で「帰ってきて」と言ってるのか全く理解ができない。
…いや、理解しようとすらしなくなったってのが正しいか。
どちらにせよ、この声が僕の動く理由にはなっていないし、今は関係ない。
僕には大事な目的があった筈だけど、思い出すまではこの快適な海で漂っていたい。
だから僕は「邪魔しないでよ」と今日も声を振り払う。
全てから目を背け続け、プカプカと海を漂う海月はもう、現し世に戻ることはない。
#59 光と闇の狭間で
言葉を大切にしているのに
声にならなかったものを愛している
誰にも伝わらないものが
言葉以外の何かに書き換わっていて
冷えきった体を誤魔化すための掠れた鼻歌になったり
プラットホームに立つ人の背中を押したりしている
誰もいない、ただわたしのためだけにある家にも
ブレーカーを落としたような夜が来る
何もない部屋の窓際に横たわっていると
この国は希望とは程遠い光であふれていることに気がつく
こちらにいても
そちらにいても
何も変わりはしないんだ
見せかけの明暗
きっと真実は
生真面目で融通のきかない月日がただ
照らしたり沈んだりしているだけ
繋いだ手が離れた
愛しい人は自由な旅人になった
まだ生産者のわたしは
チカチカと目まぐるしい点滅を浴びながら
前へと押し流されていく
ここは狭間だ
「……。」
暗がりで拾う、遺された音
そこに言葉はなくて
輝く想いはあった
そこで光った
確かにあった
ここにいなければ
確かめられないこと
ここにいなければ
確かめられない音
光も闇も、どちらも同じのような気がする、どちらも持っているのが人間で、その狭間で立っているのが私自身で。光の中にも、闇の中にも私はいない、いるのは真ん中にいる、無色の私。
光と闇の狭間で
私は光と闇の狭間で、
ただ、揺蕩っていた。
光の射す場所を目指す気概も無く、
闇の深淵に沈みゆく勇気も無く、
その狭間に、
ただ、存在していた。
光と闇の狭間で、
私は見た。
闇の底に囚われた、
哀しみに染まった、蒼き瞳を。
この美しき瞳に、
光の温もりを教えたい。
私は、彼の手を取った。
光と闇の狭間で、
私は必死に、藻掻いた。
彼を救いたい。
ただ、その想いで。
彼を光の元へ。
その生命を引き上げる。
代償として、私の身体は、
深い闇へと引き摺り込まれてゆく。
それでも、構わない。
闇が私を喰らおうとも、
彼の蒼き瞳が、
光を知る事が、出来るのならば。
闇に沈む、その刹那。
私は――光を見た。
それは、永遠にも似た瞬間。
そして、私は、
深淵へと消えていく。
光と闇の狭間で
どちらにも染まらないようにバランスを取る
引っ張られないように踏ん張って
足はもう傷だらけなのに進む事を止めてくれない
私は宙ぶらりんな存在であった。
笑顔が苦手だった。人に合わせることが苦手だった。興味がなかった。言い訳は色々思い浮かぶ。
しかしひとえになぜと聞かれれば私はこう言うだろう。
「私に人は向いていなかった。」
ただ呆然と生きる日々に飽き飽きとする。それを17年も続けてきた。
「 」
「.......」
「き...いるのか。」
「.......」
「聞いているか?」
そう大声を出す教師。少し色褪せたスーツに、所々剃り残された髭。中肉中背なこの男性になんと返そうかと、僅少の間考え込む。
「聞いていますよ。」
「お前だけだぞ、こんな時期にまで進路調査を出していないのは」
「そうですね。」
またお説教が始まりそうだ。そんな予感に辟易しながら窓の外へと目を向ける。降雪と灰色の街並みが織り成すコントラストは私の心のようだ。
「はぁ......いいかよく聞けよ。」
そう改めて言葉を発した。
「君にはどうやらお説教は必要ないらしい。」
「はぁ。」
「だから一つ聞きたいことがあるんだ。それでこの無駄な時間は終わり。」
「なるほど。」
「......」
淡白な返事に眉をひそめた教師の目に色は無い。ただこの惨状に飽き飽きとしていた。
「君は陰キャと陽キャについて君はどう思う。」
「別にどうでもいい、くだらない言葉だと思う。」
突飛な質問に戸惑いを覚えつつも質問に答えた。
「そうだね、実にくだらない事だ。そしてそんなくだらないものにもなれないのが君。」
さらに突飛な返答に顔を顰めた。まるで理解ができない。一体何に付き合わされているのだろうか。そんな困惑の表情を浮かべる私に教師はまたもや口を開く。
「陽キャと陰キャに区分されたとしても、さしたる意味は無い。例え区分されたとしても確たる査定も出来ないんだ、こんなものいくらでもひっくり返される。だがねこの行動には意味があるんだ。」
「はぁ?」
「所謂キャラ付けってやつさ。これにより人のプロフィールていうのが見えてくるんだよ。通常プロフィールって言うのは用意されているものだ。」
「......」
「日々の生活の中その人の色というのは必ず出てくるからね。でもね、君にはそれがないんだ。」
次から次へと何を言いたいのかさっぱり分からない。
「それがどうしたと言うんですか。」
「君はいつも無表情だ。まるで何も感じようとしていない。」
「仕方ないでしょう。」
「違う、それは違うよ。」
「......それだけですか」
私は席を立ちカバンに手をかける。こんなにイラッときたのは初めてだ。私の何がわかると言うんだ。仮定を断定して話すところも気持ち悪い。
「逃げるのかい?」
明らかな挑発だ。教師の言葉を無視しそそくさと教室を出ようとする。
「別に君を責めている訳では無いよ。」
そのドアに掛けた手を少し緩めてしまったのはなぜなのだろうか。
「君の苦悩は本物だよ。そこにとやかく言うつもりは無い。」
「なんなんですか本当に。」
怒りの表情を顕にした私をよそに飄々と話を続けた。
「やっとこちらを見たね。」
したり顔の教師にもはや怒りを通り越して呆れのため息が込上げる。
「当たり前のことだがね、感情というのは良くも悪くも人に影響を及ぼすんだ。光にも闇にもなれる万物だと思ってる。」
「そうですかそうですか、新手の厨二病かなんかですか?」
「まぁまぁそうカッカしないでくれよ。君は今ようやく人生の節目に立ったんだ。無からの脱却だよ、喜びたまえ。」
いちいち鼻につく言い方だ。私はいつかこいつをぶん殴るそう心に決めて学校を出る。雪は止んでいた。
【光と闇の狭間】
光と闇の狭間で何を思うか。
光と言えば、「希望」だとか、なにか目標に向かっているだろう。
闇といえば、「残酷」だとか、未知なものがたくさんあるだろう。
つまり、狭間なんて存在しないようなもの。
中立的な思考なんて存在しない。
光を見るか、闇を見るか、そんなの分かりません。
分からないから、今を生きる。
自分が楽しくても、悲しくても。
自分の光と闇がある。
もし仮に光と闇の狭間にいるとするならば「重体」だろう。
あくまで個人的な意見ではあるが、人は必ずどっちかを隠し、どっちかを出している。
光を表に出して、突き進むのか
闇を表に出して、突き進むのか
一番ゆっくりできる場所がここなんだと思って
何度も安堵して息をするうちに
いつの間にか闇が背筋に触れている
光に居続けるのが困難だから
一歩手前で留まっていたのに
それさえ努力の元なんて
なんて分かりきっていた理不尽
《光と闇の狭間で》
深いプールに飛び込んだことがある。下はどこまでも暗く、水がとても冷たかった。息が苦しくなって、上を見ると日の光が水の中で輝いていた。光と闇の狭間で私は身動きも取れぬまま、ぷかぷかと浮かび上がっていた。
9
『裏表のない』とよく云われる。
確かに我ながら性格は捻くれてはいないと思う。何故なら常に己の肉体を鍛えてきたからだ。肉体の強さは内面の強さ、やはり筋肉こそが総てを支配し凌駕するのである。
ただ、裏表がないというのとは少し違う。
確かに俺は大概の事に対して寛容である。
だが―――
こいつの事となるとそうもいかない。
好きな事をして自由に生きて欲しいと思う反面、嫉妬もするし、独占したくもなる。
否、そんな生易しいものではなく、もっと汚く暗い感情を持つことさえある。
俺以外の奴の事を考えないで欲しい。
どうかその声を、目線を、他のやつに与えないで欲しい。どうか俺以外の事で悩まないでくれ。もしもお前でも泣くことが有るのならば、その涙の理由は俺だけであってほしい。
こいつの総てを俺だけにしてしまいたい。
けれど其れは望みであって望みでは無い。そんな風に俺だけに染まったあいつは俺の愛するこいつではない。
―――悩ましいぜ、全く。
俺はその細身ながら筋肉の程よくついた背中をそっとなぞった。
寝息が乱れ、少しぴくりと痙攣する。
罪悪感と優越感に心が満たされてゆく。
―――俺はこの先もずっとこうして生きていくのだ。
二つの相反する感情。
光と闇の狭間で。
【光と闇の狭間で】
目を閉じて闇を見よう
きっと過去が見えてくる
目を開けて光を見よう
横には人が 前には道がある
誰もがそうでみんな一緒
だからどっちかだけで生きようなんて思わないで
みんな狭間で生きてるんだ 君と一緒でね
光と闇の狭間で、貴女はまどろみます。
さぁ、今日はもうゆっくり寝る時間ですよ。
そんなまどろみからは醒めて、寝る支度をして、よくよく暗くした中でぐっすり寝てくださいね。
光と闇の狭間で。
光が見えるのは風が吹くおかげ。闇が増えるのは嵐を望むせい。なら狭間と信じ込むこの場所は、そんなに都合のいい実家なのだろうか。
僕は思っていた。狼はひとりで寂しくて、豚さんにちょっかいを掛けたのかなって。生存競争とか本能とか、今日日騒がれる欲求の善し悪しを知らなかったあの日の僕は、ただ単純に自分と重ねた。
私は涙を流した。ヘラヘラ笑って躱して、足元を見ないようにしている日々では無く、感動モノとか言って括られる映画のワンシーンでも無い。テレビで流れてきたオリンピックの映像で、一発だった。
都合のいいモノは大切なものになり、悪いものは排除の対象になる。一度認められなくなった価値観とか種別を、全て悪と決めつけてしまう。
そこには会話も、対話も無い。
曇り空は嫌いだ。晴れやかに綺麗にして、全ての人と共有したい。共有出来ないモノ達は、もはや死んでも構わない。
光を望むこと、闇を選ぶこと。
天候を操る事ができない様に、これを求め、憂うのはやめた方が良い。
どちらを超えても愛せる者が居る所。そこがきっと狭間で、最後の崖なのだ。
光と闇の狭間で
約束を守ろうと指を動かしたあの本性を信じようと思う
暗闇から光を浴びると、とても眩しくて
明るい光の側から暗闇を見てしまうと、暗くて怖い
闇からは光が目立ち、光からは闇が目立つなら
どちらも目立たない所を探そう
そこが丁度良い
光と闇の狭間は
光も闇も見えるところ
いつか、狭間が見つかるといいな
酸素が音を立てて流れていく
誰か 連れ出して 光の中へ
誰か 飲み込んで 暗闇に
わたしに決定権なんてない
思考放棄が心地よい
揺れる水音の中で 眠るだけ
光と闇の狭間で
高校を卒業して、夢など一つもなかった俺は大学進学するはずもなくコンビニバイトに明け暮れていた。しかし高卒コンビニバイトの給料は取るに足らず、お金はすぐに底を尽きた。お金欲しさからついに俺は闇バイトに手をだしてしまった。闇バイト初日、与えられた仕事は昼休憩中のえんま大王に代わって地獄行きの死者の罪を数えることだった。そこで俺は重大なミスに気づいてしまった。俺が応募したのは"闇"バイトだったのだ。最初こそ戸惑ったが、金がもらえるならなんでもいい。それからというもの昼はコンビニバイトで愛想よく、夜は薄暗い部屋で淡々と罪を数える、というような対称的な日々が続いた。
ある日、見覚えのある顔が地獄へやってきた。コンビニ店の元同僚だった。たしか仕事をやめて数ヶ月後事故で亡くなったとかだったかな。さて、礼儀正しく、親しみやすい性格だった彼がどうしてここへやって来てしまったのか。俺の生活の"光"の部分と"闇"の部分が交差するこの瞬間、俺は地獄を見ることになる。
「光と闇の狭間で」
なんとなく月と太陽を思い浮かべた。宇宙空間でお互いに決まった速度で動く惑星。どの惑星よりも近い距離にいる月。地球に、我々にはいなくてはならない尊い存在。月がいなければ地球はあっという間に枯れ果てるだろう。
光と闇の"狭間"。それはなんだろう。黒と白で言うとグレー。コーヒーとミルクで言うとカフェラテ?
はて、光と闇の狭間には何があるのだろうか。
光と闇の狭間で
(※ヒロアカキャラ多め。ヒロアカ個性無しです。幕末期みたいな時代。人間関係も変わっています。私の夢で見たことが光と闇の狭間の夢だと思ったので夢小説化しました)
ザーーーー……………………………
はっ!
ハ!
真っ暗で雷が鳴り響く中
日本刀で刀を振り回す若い男。
首、腰、身体を狙って次々と侍たちを殺害する
返り血が飛び散る。そして血の海ができる
侍たちの死体がバラバラになって複数人が倒れている。
ザッザッザッザッ…………
その人影は土砂降りの雨の中へと消えた。
[僕は奪われた………全部]
[俺は全部やっていない]
少年と大人の声が交互に混じる
『俺は、全部やっていない!!!!』
幕府によって拘束無しで、初めて牢獄へ入れられた死柄木
ガチャン(鍵を閉める音)
相澤消太
『明日、外に出ろよ。死柄木』
死柄木『は?』
俺は、相澤の護衛を行ったことがある。暗殺者が
相澤を狙いに襲ってきて1人を切り捨て一喝すると
他の奴らは俺の顔を怯えて見ながら逃走した。
なんで相澤が俺を牢獄に?
相澤は俺のことを………
『君は、人を殺すことを、たしなんでははいけない。先月のような挙動は改めたがよかろう』
俺は全部知らなかった。
絶望も恐怖も……全部知らなかった
俺は、オールフォーワンから逃げ出したことがある。
そして〇〇、彼女に出会った。
7歳の死柄木弔
彼は前を向いておらず、前から歩いてくる少女にぶつかり、尻もちをついた。
『いてて…』
私は彼に
『痛い気持ちにしちゃってごめんね。尻、痛い?』
と、彼に質問して彼は唖然として
『あぁ、痛くない』
男の子は、焦っている顔だ。私は、
『慌てた様子の顔だけど、、誰かに追われているの?』
『あぁ、追われているさ』
と、私の手を引っ張った死柄木少年
相澤消太が俺を牢獄から外へと呼び出した
『何のようだ?』
相澤が俺の手首を後ろに、後ろ手拘束されたのだ。
『おい!何をする!』
『見てのお楽しみだ』
最初は、後ろ手拘束されたまま鞭打ちされたのだ。
相澤『おい、はけ!』
死柄木は、痛みに耐えながら苦痛の表情を浮かべて
無言で相澤を睨んで終わった。後日は、石抱という拷問を受けた。後ろ手拘束されては、ギザギザの板をひかれて座らされる。
『…ッ!』
7歳の死柄木は、私と仲良くなり
やがては、恋愛するようになった。
『転孤でいい。転孤でいいから』
私と志村転孤という死柄木弔は2歳差
相澤は20歳の死柄木逮捕の為に、彼の近くまで迫って いたが、ちょうど〇〇が来たので、盗み聴きをしたのだ。
(キスしやがって………)
〇〇は、相澤消太の従兄弟だったのだ。
相澤は、死柄木弔逮捕の為に、私に近づいてきた。
『死柄木って、ホントはどんな人だ?』
『彼はね、実は、優しい人なの。私が転んでも彼が私の手当をしてくれたり』
と、私と相澤は死柄木弔がいない部屋で2人きり。
暗殺を続ける死柄木弔は、暗殺の仕事をしている間に私と、すごく会っていたから彼も笑顔を取り戻しては、時には彼が号泣していることもあったのだ。
『弔くん、君は、この人を倒したら、褒美に
お金をあげよう。』
オールフォーワンからの指令が入れば入るほど
俺は、一寸の迷いもなく人を殺害して
〜可哀想に汚れ仕事ばかりされて〜
オールフォーワンに恩を返す為、褒美の為に
自らの手で俺は、敵を斬って斬って斬りまくった。
しかし人を殺害する度に、俺に恨みを持つ人が増えてゆくばかり。
幼少期から仲が良かった佐野万次郎が
『おっ!転孤じゃーん!!あっ!人斬りじゃなくて護衛してみない?』
と、誘われて
また相澤消太の護衛担当になった。
19歳の死柄木弔[志村転孤]
『俺、もう………地獄行きだ…人を殺めてしまった』
私は、彼の小さな怯えた声を聞いて優しく彼の親指に私が所持する小さな刀で彼の指に切り傷をつけて彼の血を出した。
『私も弔と一緒で地獄行きだね…弔の身体を傷つけた』
と、地獄に行っても彼と会う約束をしたのだ。
俺にとって彼女は、小さな光に見えた。
だが、オールフォーワンの策略によって死柄木弔
[志村転孤]と会う機会が減ってゆき、滅多に会わなくなった。
その頃、物間寧人と緋村剣心が路地裏にいた死柄木弔を見つけ出し、死柄木が慌てて走り出したら2人も
走り出した。
相澤消太と佐野万次郎が言っていた通り
俺は人生の道を踏み間違えた。悪の人生の道を踏み出していた。
物間寧人
『計算通り!死柄木!…志村転孤を捕縛しろ!!』
緋村剣心
『逃げるなよ!』
死柄木(志村転孤)
『あーーーーー!!!!!』
後日、私は相澤消太だと気づかずに
死柄木弔メイクをした相澤に近づいて
『転孤、会いたかったよ』
と、小さく泣きながら死柄木弔に化けた相澤は
私をハグしたままコクンと頷き、私が知らぬ間に
刀が私の首元に近づけた。そして私は、彼の瞳をよく見ると相澤消太だと気づいた途端に、私は相澤によって首を素早く、かきとられて斬首されたのだ。
私は相澤に伝えたかった言葉があったが
素早く斬首された為、伝えられずに涙を流して最期を
迎えた。
私の生首が地面に落ちたときに
ソッと
『〇〇………死柄木と、一緒に地獄へ行ってくれないか?彼も、きっと喜ぶから……………………………』
と、相澤消太も号泣し始めて人を殺害した罪の重さを
知り、私の生首の頭をソッと優しく撫ぜて
死柄木弔には、〇〇を殺害したことを避けたのだ。
物間寧人、緋村剣心、その他の複数人によって捕縛、
護送されて釣責の拷問を受ける死柄木弔
相澤は涙目で、
(もう、自白してくれ。〇〇が待っている)
と、言葉に出さずに、ただ思い続けている一方で
死柄木弔は、釣責の痛さで耐え切れずに自白したのだ
『オールフォーワン………』
涙目の相澤は、こう質問した
『そいつは、今、何処にいる?』と。
死柄木は、
『堺にいるはずだ』と。
だが、5分後にオールフォーワンが堺の船から
逃げ出した。という報告が物間寧人の情報でわかった。
死柄木は、苦痛の表情をして釣責の拷問が終わり
後ろ手拘束のまま、違う部屋へと連行された
そして
『死柄木弔………志村転孤を斬首と処する』
と、判決を受けた彼は少し悲しい笑みを浮かべて
ホッとしたような安心したままの顔で、相澤たちに
よって牢獄の前で拘束を解かれた後に木でできた手錠を両手を前に出して掛けられた。
最後の夜の1日
幼少期の彼が蘇ってきた。
父から暴力されては彼の母が病死している。父親により
毎日が暴力をされては子鹿のように震える
同時にオールフォーワンも。
(罠に掛けられた…先生…俺を罠に掛けるな。と、言っただろ………先生………オールフォーワン…)
処刑当日
牢獄に入って来た相澤とステインによって強引に牢獄の外へと出される。死柄木は、相澤消太、物間寧人、ステイン、緋村剣心を見て子供のように怯えて見る。
相澤とステインによって手錠を外された死柄木だが
まともに食事を与えれなく、相澤が死柄木の手首を掴んで自由に動かすことができなかった。
『ン!?』
後ろ手拘束、猿轡を嵌められて彼は悟ったように俯いて
幼少期頃の思い出が蘇った。
オールフォーワン
『おぉ、こんな所に小さな少年がいる…
寂しかったね…もう大丈夫…僕がいる』
『うぅ………』
ザッザッザッ
緊縛された俺は、緋村剣心と物間寧人の手が俺の肩に
触り、俺が逃げないように前には相澤消太が冷酷な瞳で振り向いて俺を確認している。背後には斧を構えるステインがいた。そして、硬い土の階段を登り外へと出た。
いつの間にか市中引き回しする為に
馬に乗せられる。
そして物間寧人によって脚に重い靴を履かされた。
ザッザッザッザッ………
市中引き回しされる死柄木
『(ずっと俯きながら)………………』
物間寧人が持つ罪状を書いた捨札には
[連続殺人鬼シリアルキラー。城にて斬首に処す]
人がワイワイと俺のところに集まって来た。
民衆たち
『人斬り死柄木!』
『早く殺してしまえ!』
(馬の足音)パカパカパカ………
俺に小さな小石を投げる市民たち
(黒幕は、オールフォーワンだ。俺じゃない)
俺は、素早く俯いている顔を前に見上げて横で小石を
投げている少年、民衆たちに悲しい笑顔で見た。
(先生………お前のことは、幻滅したよ………)
市民たち
『死が待っているんですって〜』
『白髪の男を見たら逃げなさい』
『怖ーい』
カッカッカッカ………
市民から幕府から
死柄木弔と呼ばれる志村転孤は、
黒幕であるオールフォーワンに裏切られて
下駄を履いて走り回り幕府たちに
追われていた。
オールフォーワン
『罪は、弔に擦りつける………弔がやりましたってね』
死柄木
『あーーーーーーー!!!!!』
オールフォーワン
『日本全国に知れ渡っているよ。弔。もう
逃げ場は無いんだから………諦めたほうがいい』
死柄木
『黒幕は、アンタだったんだな…先生………』
処刑される城へと到着
相澤と物間が俺を馬から降りる手伝いをしてくれた。
俺の首が入る大きな穴があるところに歩いて移動して
いたが………
(〇〇!?)
俺の目の前に彼女の生首が置いてあった。
頭が真っ白になり、悔し涙になり瞳が、さらに真っ赤になった。
(俺の彼女に何をした!)
バキッ!!
『ンッ!』
俺の両肩を持つ人を身体で振り払い、彼女の生首が
置いてある所へと小走りで駆け寄った。そして、猿轡と
後ろ手拘束されている。正座した高さにある彼女の生首を触れたいが為、正座をして俺の頭と彼女の頭を
ソッと触った。
『ンンンンッ〜〜〜!!!!』
彼女に話しかけたいが話せれない
(俺の怒りを買ったな……)
そして俺は、相澤たちに強引に彼女の首から引き離されて、大きな穴がある近くに移動して、筵(むしろ)が 置いてあるところに正座した。
相澤により、強引に猿轡を外されて絶世の句を読んだ。
『オールフォーワンに裏切られた。だが
君が為尽くす心は水の泡消えにし後は澄み渡る空』
(君主の為に尽くしてきた私は、こうして処刑され、消えてしまいますが、そのあとも私の澄み切った心は残るでしょう)
彼女の首を見て
死柄木弔(志村転孤)の思い
[やっと〇〇と、また会える…]
と、どこかの俺の心が軽くなり、光り輝く。
首と頸を出して大きな穴を見て小さく泣いて微笑む
乾いた風の音が
シュ!
グハァ!!………
死んだ死柄木弔[志村転孤]は、
暗闇の中で言う
『俺の心を支えてくれたのは〇〇だけだった』
日が暮れるのがすっかり早くなった。まだ退校時刻までは間があるのに、古めかしいレンガ造りの部室棟も、木立に囲まれた中庭も、姿形を濃い闇に溶かしている。
本当なら人気のないこんな闇の中を歩きたくはないのだけど、今はむしろ誰かに見られては困る。闇に紛れてこっそりと動かなくてはならないから、怖さは二の次になっていた。
もっとも、1人じゃないという心強さもある。私の半歩前を歩く葛城は、大所帯の男子バレー部のレギュラーメンバーだ。何かあったらきっとどうにかしてくれるだろうという、勝手な信頼感がある。背の高さだけではなく、たぶん葛城はそういう人だという勝手な思い込みによる信頼感だ。
「……こっち」
葛城が少し身を屈めて振り向いた。囁き声が降ってきた方を見上げたけれど、葛城の顔も闇に溶けている。私は表情を読み取ることを諦め、小さく頷いた。
「ここのロッカー、……ほら、やっぱり」
校舎裏から回り込むと、体育教官室に直結する裏口がある。葛城は軒下に並ぶ下駄箱のようなロッカーの1つを開け、中から紐付きの鍵を取り出した。
「……開いた」
葛城の声は少し高揚しているように聞こえる。偶然、ここに鍵をしまうところを見たことがあるらしいが、こうして実践に役立てたことはなかったんだろう。
「すごい。ありがとう」
私は素直に感動を言葉にすると、誰もいないことがわかっている室内に潜り込んだ。今日は体育科の研修があるらしく、昼から体育教官室が留守になるから、それまでに課題を机上に提出するようにと念を押されていた。体育当番だった私がクラス分を揃えて昼前に出しておいたのだけど、帰ろうとしたら机の中から葛城の課題が出てきたのだ。課題を集めた時、「机の上に出して」と声をかけたら隣の席の葛城が真っ先に出してきて、それを受け取ったのは覚えているから、……つまりどうも自分の荷物と混ぜてしまったということになる。これは成績に占める比重が大きい提出物だということもあり、私に謝られた葛城は困っていた。もちろん体育教官室にも言ってみたけれど既に閉まっていたし、明日、私と葛城が連れ立って説明したところで、おそらく信じてもらえそうにない。どうしたものか……。罪悪感に駆られる私に、葛城は少し考えて、この計画を伝えてきたのだった。
目立たないよう、暗くなりきるのを待ち、部活を少し早く抜けてきた葛城と、図書室で勉強していた私は玄関で合流した。そして、今に至る。
課題を出した時、研修直前の先生は急いでいて、受け取ったノートの束をドンと棚の上に乗せただけだった。きっとチェックは明日に回したはず。だから、葛城の課題を静かに混ぜておけば、……。
「わっ!」
非常灯しかない室内の暗さに目が追いつかず、何かにつまずいた私は膝をついて転んだ。
「大丈夫?待って、ライトつける」
葛城が背後からスマホのライトを照らしてくれた。その光を頼りに、乱雑な室内を進んでいく。あった、あの棚だ。やっぱりチェックした形跡はない。私は心臓を高く鳴らしながら、葛城の課題を滑り込ませた。
「……ありがとう。ごめんね、こんなことになっちゃって」
「いや、俺も適当に渡しちゃったから」
やっぱり闇に溶けたままの葛城の顔。教室で言葉を交わす時の顔を思い浮かべた。特別カッコいいわけじゃないけど、溌剌とした雰囲気のある顔をしている。それでいて、物腰が柔らかく、どちらかと言うとゆったりした口調で話すのが心地よい。以前から好感は抱いていた。ただ、住む世界が違う感覚はあって、私の抱く感情も純粋な憧れに近い認識だった。こんな特別な接点があったことは、きっと思い足す度にくすぐったい、一生の思い出になるだろう。そんな関係性。
「わっ!」
余計なことを考えていたせいだろうか。戻る足がまた何かに引っかかり、咄嗟につかまろうとした手が派手に机の上のペン立てをひっくり返してしまった。バラバラと散らばったペンの上に、体幹が堪えきれず腰から転がる私。何これ、恥ずかしい……。
「ちょ、大丈夫?」
葛城は靴を脱ぎ捨てて私に駆け寄ると、膝をついて腕を差し出してきた。
「あー、うん……いたぁ……」
後ろ手をついて体を起こすのを葛城は手伝ってくれ、それからライトで私をぐるりと照らしてから、ふっと安心したように吐息を漏らした。ライトの明かりが溢れ、微かに葛城の顔が浮かび上がる。優しそうな笑顔。……。
「あ、……あーあ、片付けないと」
急に別の恥ずかしさで顔が熱くなるのを感じ、私は散らばったペンを拾い始めた。黙って手伝ってくれる葛城の腕が揺れる度、光と闇の境界線も揺れ動く。不規則に光の世界と闇の世界を行ったり来たりしながら、私は葛城の膝下に転がった最後の1本に手を伸ばしかけ、……躊躇うように引っ込めた。まさか、そんなはず。
闇に下がった私の手の代わりに、葛城の長い指が光の中に入り込む。そしてペンの上を通り過ぎ、闇の中の私の手を掴んだ。
「え……」
反射的な呟きのほかは何も言えず、ただ葛城の指の温かさを感じていた。
「……いや?」
葛城の声は優しかったけれど、少しばかりの苦しさを帯びていた。光が、また揺らぐ。徐々に闇が広がり、やがてコトリと小さく硬質な音が響くと、私達の姿はほぼ闇の中に溶けた。
「好き、だった。ずっと」
「え……」
「……春、体育で、女子の誰かが倒れた時、真っ先に近寄って看病してただろ?」
……あったっけ、そんなこと。記憶を辿り、やっと思い出す。そんな小さなことで?
「困ってる人がいると、いつもすぐ助けに行く。誰にでも同じ。だから、すごいなって思ってて。隣の席になったら、話してて、なんか落ち着くっていうか。俺、こう見えて、激しい会話の感じがあんまり好きじゃないんだけど、そういうの、ないから。言葉もきれいだし、話す内容も和むって言うか……いいなって……」
葛城の告白。不思議と凪いでいく心。闇のせい、だろうか。住む世界が違うとわかっているのに、なぜかそんなことは小さなことに思えてくる。
「……俺じゃ、だめ?」
葛城は闇の中で動かない。手の力を強めることさえしない。眩しくないこの世界で、私は葛城と重なる鼓動のほかに、同じように揺れる波長を感じ取っていた。和む。確かにそう。ゆっくりと口を開く。
「……だめじゃ、ない。ありがとう」
私はそっと指先に力をかけた。
「でも、もう少し……」
その先をどう繋げていいか迷うと、葛城はぎゅっと私の指を握った。
「もちろん。待つから」
葛城はスマホを拾い上げ、ペン立てを戻した。やっと光が2人の姿を浮かび上がらせた。照れくさい笑みを交わしてから、私達は手を取り合って立ち上がった。光と闇の狭間で、穏やかに揺れ動く思いを抱えながら。
《光と闇の狭間で》