高校を卒業して、夢など一つもなかった俺は大学進学するはずもなくコンビニバイトに明け暮れていた。しかし高卒コンビニバイトの給料は取るに足らず、お金はすぐに底を尽きた。お金欲しさからついに俺は闇バイトに手をだしてしまった。闇バイト初日、与えられた仕事は昼休憩中のえんま大王に代わって地獄行きの死者の罪を数えることだった。そこで俺は重大なミスに気づいてしまった。俺が応募したのは"闇"バイトだったのだ。最初こそ戸惑ったが、金がもらえるならなんでもいい。それからというもの昼はコンビニバイトで愛想よく、夜は薄暗い部屋で淡々と罪を数える、というような対称的な日々が続いた。
ある日、見覚えのある顔が地獄へやってきた。コンビニ店の元同僚だった。たしか仕事をやめて数ヶ月後事故で亡くなったとかだったかな。さて、礼儀正しく、親しみやすい性格だった彼がどうしてここへやって来てしまったのか。俺の生活の"光"の部分と"闇"の部分が交差するこの瞬間、俺は地獄を見ることになる。
12/2/2024, 3:57:23 PM