『二人ぼっち』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
二人ぼっちの世界の片隅で
君の白い肌が月明かりに照らされる
暗闇の中で照らされる君の顔が
いつも何処か儚げで
黄昏ている君を僕はただ見つめる事しか出来ず
そんな僕に君は優しく手を握り抱き締める
その優しい微笑みはいつも裏が見え隠れする
本当は傷つき悲しく辛い筈なのに
そんな思いを表に出さずに君は寄り添う
本当は分かっている
君の中の大きな穴は僕が埋める事なんて出来なくて
ただ君の奴隷になる事でしか傍に居れなくて
君がいつも黄昏ているその視線の先には
いつも別の誰かが居ることも
それでもこの暗黙の主従関係は切れなくて
ドロドロに依存していく
この暗く狭い月明かりが照らされる部屋で
僕は君に口付けを交わす
見つめ合ってるこの時だけは
世界の片隅で二人ぼっちになっていた
明日は彼女と二人ボッチのデート。
なにしようかな?
最新の映画が公開しているから映画館に行こうかな?それともモールでショッピングしようかな?
明日が楽しみ過ぎていろいろやりたいことが浮かぶ。
そうだ!!明日は弁当でも作って二人でピックニックでも行こう。明日が楽しみだな。
〜翌日〜
雨がふってしまった。
せっかくのデートだったのに残念だな。
でも、僕の家でアマプラで新しい映画を二人で楽しく見ているからこれで良かったなぁ。
部屋で二人ボッチで樂しく過ごしたとさぁ。
「この問題はね、まずこのグラフから…」
2人きりの教室で、先生との特別授業。
春休みに入って、部活生以外は誰もいない校舎。
ふと窓の外へ視線をやると、
やわらかな絹で覆ったような夕焼けが広がっていた。
多少雲はあるものの、にごりのない色をしている。
春の空はどれも水彩画のような色だ。
水張りした水彩紙に絵の具を置いたときの、
じわりとひろがっていくのとよく似た空。
やはり春はどこか儚さを含んでいるよなあ、
なんて考えていた。
「ねえちょっと、聞いてる?」
話が上の空だったのがバレたのか、
先生が手に持ったペンで私の頬をつつく。
「えー聞いてましたよ、半分くらい。」
そう答えたとき、嗅いだことのある匂いがした。
ほこりと雨の混じった、ぺトリコールだ。
どうでもいいのだけれど、私はこの匂いが結構好きだ。
いいにおい、とは言えないけれど、けして嫌ではない、
癖になるにおい。
先生今雨の匂いしませんでした?と問うよりも先に、
ぱらぱらと雨が降り出す。
あんまり沢山ふらないといいな、なんて考えている
少しの間で雨はしとしとと降るようになっている。
ただでさえ今日は部活生がいなくて静かなのに、
雨でほとんどの音は消えてしまっていて。
気づくと先生はこちらを真っ直ぐと見つめていた。
やけに先生の視線が両の眼の奥へと突き刺さった。
1、2分そうしていたが、ついに耐えられなくなって
私はテキストへと視線をやった。
「なんだか世界に俺たち二人ぼっちみたいだね。
こういうのも悪くないかも。」
二人ぼっち
言葉が通じない異国の街で私はきみを好きになった。お互い留学生だった。きみさえいれば二人ぼっちでもやっていける。ずっとこの先も一緒に歩いていきたいと本気で思っていた。
きみは「時間が経てばあなたはかわってしまう。私のこともすぐに忘れてしまうわ。先のことなんて分からないものよ。」といつもはぐらかした。
僕は不貞腐れた顔をしてきみを責めたけど、今思えばそれがきみのやさしさだったのかもしれない。
二人で過ごしたあの時間はいつまでも僕の心に刻まれている。きみは今、元気ですか?
今日もアイツは壁際に追い詰められる。
いつもとは違って、俺が前に出て事を納めにかかる。
「止めろよ!」
「なんだよ、急に偉そうに!」
俺は男子トイレに連れて行かれて、水をかけられてしまった。
畜生。
なんなんだよーーーーーーーーーーーーーー
アイツは学校で一人だ、いつも。
友達を作ろうとしているようには到底見えない。
どうしてか?
「いらないんだ。」アイツはそう言っていた。
アイツと周りの人間との間には透明な壁があるんだ。
それは小学校の頃からそうだった。そして中学でも…
俺はアイツの事をずっと見ていた。
そもそもアイツが友達が出来ない性格なのもわかった。
なんだかそれが惨めに見えた。
だから俺はずっとアイツを気にかけていたんだ。
水をかけてきたヤツらはどっかに行って、
俺のクラスの委員長が男子トイレに入って来た。
「君、止めろよなんて言えるんだね」
「俺だってやられっぱなしは嫌だもん」俺は少し胸を張る。
「僕も、彼らの仕打ちには思う所があるんだよ。ね、協力して彼らを先生達に告訴しよう!どう?」
アイツは少し考えた後、
「う、うん。賛成」と答える。
「んじゃ、僕と君は友達。よろしく!」
アイツが少し嬉しそうだった。
もう、俺が表に出る必要は無いみたいだ。
アイツにはいい友達が出来たみたいだしな。
「ふたりぼっち」
「大人になってもずっと遊ぼうね」。確かにそんな言葉を交わしたけどさ。
陽気すぎる声がそこかしこから響いて雑音へと変わる。アルコールの臭いは、実は酒というより消毒用のそれだし、何なら料理のほうが美味そうな匂いを運んでくるのだ。学生の頃にぼんやり思った居酒屋のイメージは、なんかちょっとだけ現実より敷居が高かったらしい、なんて気づいたのは、最近のようで十年も前。足繫く通えばそんな目新しい発見もありはしない。
はじめは予定を全員で合わせて。誰かの誕生日、行事の記念日。いつの間にか、ただ愚痴りたいときに、今から来れるやつ、なんて雑に呼びつけて。それでも大体来てくれる彼らを、やっぱりそれなりに好いていて。
「結婚したんだ」
心の底からおめでとうと言えた。お前も早くしろよ、茶化されてもうるせえと笑えた。
知ってるか? そのネタはこすられなくなったほうが辛いんだ。今も気のいい奴らのままで。電話一本で駆けつけてくれる。ありがたいよ、本当に。
それでも、話の中心はいつも、子供のことだ。ふられすらしない話題でみんな盛り上がって、共感をぶちまける……いや、わからないんだって、だから。そうして今日も、ぬるいビールを端の席でちびちびすする。
カラン、と隣にグラスを置かれる音がした。反射で会釈をすれば、その中では一番付き合いのない彼女。ああ、そうか、あなたもね。それでも同士のような苦笑いを浮かべて、二人苦い酒をあおるのだ。
【二人ぼっち】
夢の中は不思議なもので
どんな奇妙な状況にでも納得してしまうが
現実へ帰れば、それはひとつも理にかなってない
なんて気づくこともしょっちゅうだ
しかし、現実世界だってそれは同じで
夢の世界と理が違うだけで
夢には夢の理がある
その二つの世界を行き来する
果たしてどちらが僕の世界か
そうして夢と現実は混ざり合い
その境目を渡る時、意識は混濁する
夢から醒めて、夢を見る
現実から覚めて、現実を見る
それでも、あちらの世界のことは
こちらの世界に持ち込めぬから
覚める前に、どうかこの花の名前を
幸せな日々というものは
限りなく薄く延ばされている
それは無限に続くんじゃないかって
思うほど
だから気づけないだろう
絵になる
唄にできる
詩を書かずには居られない
そんな「幸せな日々」をしていただけなのに
世界に僕たちしか居なかったあの日
そう思っていたのは僕ひとりだったようで
君はうつむいて
「ごめんなさい」とだけ言った
夏目漱石が
「月がきれいですね」と訳した言葉を
咲人が「ごめんなさい」と訳したのは
その風景に抱きしめられているから
その言葉が僕を殴るから
無限に続くものはない
そう、信じているだけだ。
ただ、信じている間だけは
確かに僕らは無敵だった。
【二人ぼっち】
テーマ“二人ぼっち”
夜の帳が下りる頃
僕達は、教室で二人ぼっち。
さっきまで、賑やかに
部活に勤しんでいた生徒たちももう居ない。
いつから待っていたのか
スヤスヤと寝息を立てるキミ。
『おーい、起きろー』
って声を掛ければ起きるのだろうけれど
キミの寝顔があまりにも、美しく、
このまま見つめていたいと思う。
もう、外は暗くなりつつあるのに、
キミだけが輝いて見える。
気のせいだけれど。
いつもは、バカみたいなことを言って
笑いあっているのに
この寝顔を見てしまったら…
今まで感じなかった想いを胸に感じながら
もう少しだけ……
見つめていても良いだろうか。
伝えられない想いを胸に、キミに見惚れる。
アマゾンの奥地に住む隔絶された原住民の事をイゾラドと言う。
先日テレビを見ていたらそう言っていた。
原住民は独自の言語を使って生きているが最近は数が減っている。
その中の一つの民族が最後、二人ぼっちになっていた。
その二人は、男で二人にしか分からない言葉を使って話す。
最近、その内の一人が亡くなったらしい。
残った一人は、話し好きだか誰にも伝わらない。
だから、一人で喋っていた。
たまに、悲しい目をしながら。
もうすぐ、世界から一つの言語が無くなる。
民族の歴史も何があって二人になったのかもわからないまま。
僕は、これを知ったとき何の言葉も浮かばなかった。
なんで続いてるのかよくわからない友人を思い出す。
5年くらい会ってないかもしれない。
1年くらい連絡をとっていない時期もあった。
でも何故か続いてる。
よくわからないけど。
彼女も私も気分屋で寂しい時と一人でいたい期が激しい。
特に私なんか酷い。
人と一緒にいたくない時は縁を切る。
全部断つ。
それなのに続いてる彼女を巻き込んで私は2人ぼっちになろうと思う。
勝手に巻き込まれて迷惑だと彼女は思うかもしれないけど。
私は彼女と2人ぼっちになりたい。
大変お久しぶりです。
二人ぼっちの、愛の話をどうぞ。
『よし、でーきた』
「今日も作ってくれてありがとうね」
木のトレイに皿を並べて、リビングへ運んでくれる。ぺたぺたと地面を歩く音にいつまでも愛しさが溢れてしまう。ガタガタと椅子を引く振動が、鼓膜と壁を震わせた。
『いただきます』
その声に合わせて、自分も手を合わせる。
『美味っ』
「うんうん、美味しいね」
ニコニコ、と満面の笑みを浮かべて頬張る君。
「あぁもう、ほっぺにソース着いちゃってるよ?」
『うわ、やばっ』
慌てて拭うその姿は、外見に似合わず幼げがあって、仕事に疲れて荒んだ心を和やかにしてくれる。
「『ごちそうさまでした』」
今日は同時に言えた。嬉しいな。
『あー…やっぱ慣れねぇなぁ』
「なにが?」
汚れた食器をそのままに、近くにあるソファへと飛び込んで、唸る。
『別れなきゃよかった…寂しすぎる…』
「私は別れて正解だったと思うけどな」
『一人ぼっちの飯ほど虚しいものは無いな』
「二人ぼっちの美味しいご飯時間じゃない」
彼はそのまま、スマホでなにかし始めてしまった。私はそれをのぞき込むほど趣味は悪くないので、目を逸らしてすっかり静かになった壁を見やる。
「この広い世界の中でずっと、二人ぼっちの生活を続けるって、約束したじゃない。」
『二人ぼっち』
クラスの眼鏡男子と2人ぼっちになってしまった。
その時間は夢のようで今にも覚めてしまいそうだった。
二人ぼっち
世界に君と僕しか居なかったとして
僕は君を今ほど愛せるだろうか
「自分」は世界に一人しかいないのに
それほど愛せているとは言えない
そんな僕が
世界に一人しか居なくなった「他人」の
君を、愛せるのかな
僕らは結局
何かと比べることでしか
大きさを計れない
大きさがわからないから
その強さに自信がもてない
それを知ったとして、
どうしようもないことだけど
今この世界で
君と僕が存在していることに
感謝を。 恐怖とともに。
相対評価のふもとから、
君へ
獏夢無
二人ぼっち
実家の亡くなった母がよく話していたお話です。
母には三歳年下の弟がいて、わたしが学校に上がる前はよく泊まりに行ってました。仲良かったみたい。
本当は、母の上に5.6人兄弟がいたそう。みんな子供の頃に病気で亡くなったとか。母は、二人っきりになったんだ、と話してました。
そう、二人ぼっち。
医療が発達した今では考えられないお話です。悲しい思いした親がたくさんいた時代だったのですね。
二人でいるのは好きだった。
二人きりになるのは嫌だった。
重ならないわたしたちの、孤独と孤独を知っていた。
互いしかいない場所で、それが響き合う冷たい音。
触れ合うたびに凛と鳴る、一人と、一人。
一人ぼっちは寂しいけれど、二人ぼっちは悲しいね。
同じにはなれないことを確かめ合うのは、切ないね。
#二人ぼっち
二人ぼっち
いっそ、
この世界に2人きりだったら
こんなに悲しまなくて良かったのかな
あなた
わたし
あなたとわたし
どっちがぼっち
どっちもぼっち
二人ぼっち
携帯の画面に「ちょっと聞いてよ」と連絡が来る。その時によって言葉は違うがこれは集合の合図だ。僕は自然と口角が上がるのを止められなかった。
いつものお店に入ればカウンターに呼び出した本人が不機嫌そうな顔をしてグラスを煽っている。
マスターに笑顔を向けて挨拶をすれば、彼女の前にあるワインボトルを持ち上げ3本指を立てている。これはだいぶ荒れそうだなと思いながら隣に座りると、置いてあった新しいグラスに丁寧にワインが注いでくれた。彼女はマスターの滑らかな動きを無言で見ながら僕がグラスに口をつけるのを待っている。
このグラスを置いたら日々ストレスと戦いながらがんばる彼女の愚痴が始まるのだ。
マスターがスッと離れていくのを横目に見ながら彼女の顔を覗き込む。
「どうしたの?」
これが二人だけの時間の始まりの合図。
@二人ぼっち
二人ぼっち
この世界から、私を取り巻くすべてから
逃げ出したい、君とふたりで
全てを捨てて、誰もいない場所へ
誰にも邪魔されない、何も言われない
そんな場所へ
きっとふたりなら無敵でなんだってできる
君とふたりで逃げ出したい
ふたりきりの、ふたりぼっちの
逃避行を叶えたい