『世界の終わりに君と』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
使い古したスニーカーが、夕日に照らされて薄明るい色をした砂利を蹴っていく。小中学生の通学路にもなっているこの道は、一面田んぼに囲まれている。今は僕しか歩いていない。暑くも寒くもない風が吹き、くしゃくしゃの蛾みたいな葉が道端の段差にひっかかり震えている。なでつけるびゅうびゅうという風の音と、少し先にある用水路からのぴちゃぴちゃという水の音しか耳に入ってこない。その妙な静けさに、何かが終わることを悟った。
春。
そう口にしたはずなのに、どんよりとしため息に聞こえた。君のことを思い出してしまった。春に出会って、春に居なくなった。もう、どうにも、どれぐらいか、考えたくない。君が消えてから、皮肉にも世界の美しさを知った。この世界の全ての美しさを君と肌で感じたかった。きっと、春が終わるのではなく、僕が終わるのだろう。僕が終わる前に、春と一緒に、消えたはずの君が来た。僕が終わっても、君は終わらない。この美しい世界に残って、あらゆる終わりと始まりを眺めるのだろう。もし世界が終わるなら、僕は君を待っている。僕は世界の終わりに君と、
「世界の終わりに君と」が今日の作文テーマだ。
美しい夕陽に照らされた廃墟に、少年と少女がたたずむ。吹きすぎる風が二人の髪を揺らす。二人は小声で何かを語り合い、じっと夕陽を見つめる。
そんなイメージが脳裏に浮かぶ。おそらくポイントは「世界が終わるのだから、もはや彼らを縛るものは何もない」という自由と、「最後のときを、大切な人とともにすることができる」という幸運だと思う。世界が終わるという圧倒的な悲しみを背景として、その自由と幸運がキラキラと輝くのだ。
世界の終わりに君となにができるかな?僕は泣くのかな?最後の時に君は、僕とただ一緒にいるだけでいいの?いきなり最後と言われても実感がわかないけど死ぬんだと思うと涙が込み上げてくる。
君は言った。「必ずまた、どこかで。」世界の終わりは案外あっけなかった。どうしたって終わってしまうんだ。最後に繋いだ手も離れてしまっているだろう?、、 、
機嫌が良いのか、鼻歌が聞こえてくる。
誰もが一度は聞いたことのあるメジャーな曲というチョイスではない辺りがあの人らしいなと思う。
けれど、これはなんの歌だろう。
聞いたことのあるような、ないような。
記憶力はある方だと自負している分、ご機嫌な歌が更に気になってしまう。
声が聞こえる方へ。
水音も聞こえてくる。
浴室のドアの向こうに影。
「ねえ」
シャワーが止まったタイミングでドアを開ける。
泡立つスポンジを手にしたままの彼が驚き跳ねて、目を丸くした。本当に猫のようだ。
「『世界の終わりに君と』なんて、なんの曲?」
「え?……えぇ?」
首を傾げ始めた姿を見るに本当に無意識なのだろう。
お邪魔しました、とその場を後にする。
そうして戻ったリビングでふと思い出す。
あれは彼のオリジナルだと。
世界の終わりに君と、
焼肉を食べに行きたい。
好きな人と行く焼肉は最高である。
この場合の好きな人とは、友人でも思い人でも恋人でもいい。
焼肉はおいしい上にエンタメ性も高いため、とても楽しい。
目の前で自分でジュージュー焼くの超楽しい。
好きな人と行くと更にとても楽しい。
世界が終わる日に好きな人と焼肉食って、死ぬ。
最高か。
締めのデザートを食べ終わるくらいの時間帯に、
ちゃんと頃合い見計らって隕石衝突してほしい。
ちなみに私は焼肉後のデザートはアイスよりプリン派だ。
わがままを言うと杏仁豆腐派である。
いや待てよ、しゃぶしゃぶでもいいな。
『世界の終わりに君と』
世界の終わり、
それはいつ来るんだろうか。
今を生きる僕には、
到底、そんな予想はできない。
落ちる、堕ちる、落ちる、堕ちる。
世界で一番愛した君と、
世界の終わり、
どんな終わり方かは分からないけれど。
──例えば、この世界が爆発したとする。
もう、もとには戻れない。
僕が愛した
この空はもう二度となく、
堕ちる。堕ちる。
世界の終わりに、君と。
ああ、世界の終わりだ。
ずっと隠していた気持ちがなぜかあの子にバレていることを知ってしまった。言ったやつ誰だ。まじで。
もう楽しくおしゃべりすることも見つめられて心が満たされることもないのかと思うと、今まで綺麗に色づいていた世界が50年台の映画みたいに白黒に変わっていく。
遠巻きにあの子を見ていると、目が合った。やべ。どうしようとしどろもどろしていると近づいてくる。
彼女は内緒話をするように僕の耳に囁いた。
「私のこと好きなんだって?」
えっ。制服のネクタイをそんなにキツく閉めた記憶はないのに、息ができない。ええい、ままよ。と、昔読んだ漫画のキャラクターがヤケクソになった時に吐いていたセリフを心で唱え、彼女の顔を見て息を吸う。
「そうだよ!!」
彼女はなんでもお見通しみたいな顔をして、「私も」と答えた。えっ。さっきまで白黒だった世界は、色を取り戻し以前より確実に彩度を上げる。まるでインスタの加工みたいに。
世界の終わりに君とちゃんと向き合ったら、新しい世界が始まった。
君に名前をつけた
世の中が明るくなるように
人々の願いをこめてつけた名前
空は大声で泣き叫ぶ
地は静かに朱に染める
空と地の間に
酸素が動く隙間はない
希望なき未来への贈り物
歩く道が途絶えようと
世界の終わりに君と歩く
わたしの中には小4のわたしがいる
その子は純粋で、世間を知らず、今も父の帰りを待っている
しかしその子は達観していてどうも今のわたしを憐れんでくれているようだ
小4のわたしが可哀想だと叫べば、彼女が耳元で囁く
「だいじょうぶだよ」
「もういいんだよ」と
苦しい辞めたいと叫べば、彼女が耳元で囁く
「だいじょうぶ?」
「どうしたの?」と
世界の終わりまでキミと共にいれば、心からの笑みを浮かべてくれますか?
作品No.68【2024/06/07 テーマ:世界の終わりに君と】
世界の終わりにきみといられるとして、僕は何を望むだろうか。
何か特別なことをして過ごすのか。それとも、いつもどおりの他愛もない時間を過ごすのか。
わからない。どれが正解だとか、そんなことは。
ただ、どの道を選んだところで、こうすればよかったと後悔する僕が見える気がする。
いっそ、知らない間に世界が終わってしまえばいい。例えば、寝ている間とか。例えば、一瞬で何もかも消えてしまうとか。
こう過ごしたかったとか、こうすればよかったとか、そんな後悔を抱いて死にたくはない。
世界の終わりにきみといたかったという、その後悔だけで人生を終える方が、はるかに楽じゃないかと、僕は思うから。
世界がおわるときにはキスをしよう
世界がおわるときのそらは何色だろう
「もし明日世界が終わっちゃうとしたら、そのときに何をしていたい?」
「なんだそりゃ」
「えっと……読んだ小説で。そういうのがあって」
タラレバにしたって、こんなポカポカ陽気のなかでする話か?
まあ話題がなんであれ、目の前のクッキーもコーラも芝生の匂いも、美味いことには変わんねえけど。
「そうだなあ」
空を見上げて直ぐシンプルに浮かんだ願いは、口にするにはあまりにも照れくさいものだった。
俺は暫く考えるフリをしてから、出来るだけ素っ気なく言い放つ。
「美味い肉食いてえ」
「……それだけ?」
「わりーかよ」
「わ、悪くはないけど。ホントにホントに、それだけ?」
何だよ。何で急に拗ねてんだよ。
っていうか、拗ねてても可愛いよなコイツ。
微かに染まった頬とへの字に曲がった唇が柔らかそうで、思わず伸ばしそうになった手をすんでのところで引っ込める。あぶね。
「お嬢こそ何してたいんだよ。世界メツボーとやらの瞬間」
「私? 私は……」
言葉を途切れさせ暫く空を見上げた後、お嬢の綺麗な青灰色の瞳が俺に向かって細められる。
はにかむ愛らしい表情に釘付けになってしまっただけでもヤバいってのに。
「……私は貴方と、手を繋いでいたいな。そうしたら、きっとなんにも怖くないよ」
頭をぶん殴られたみたいに、世界がぐるぐるまわりだす。顔があっちい。
「……。……ふーん。お嬢って、ホント俺のこと好きだよな」
「うん。大好きよ」
「まあ別に、知ってるし。何百回も聞かされてっし」
「……尻尾、揺れてるよ?」
「うるせ」
うるせーうるせー。
勝手に動く尻尾を無理やり掴んで押さえつけて、誤魔化すみたいにコーラを一気飲みした。
──俺だって同じだって。
言えたらどんなに良いか。
#世界の終わりに君と
生まれ行く時も
生涯を終える時も
皆が一人
日本のこの地で
家族や沢山の人との出会えたことにただただ感謝。
これらが私にとってのかけがえのない君
ショコラ
世界が終わる時、僕は誰に逢いに行くだろう。
ふと思い浮かんだ彼女に逢いに行くだろう。
この世界が終わる時も、一緒にいたいと思えるのは
大好きなあの人だけだから。
だんだんと意識が朦朧としてくる。
ぼやける視界、とうに言うことを聞かなくなった手足、上手く回らない呂律、少しずつ速度を落とす心拍。
それら全てが私の終わりを告げている。
ここまで長かったようで、あっという間だった気もする。
私の身体が「私」でなくなったあの日から、悪化していくのは風のように早かった。
怖かった。毎日少しずつ私という人間の欠片を取られている気分だった。
そこからここまで、終わるまでの闘病生活は長かった。誰も来ない真っ白な部屋で、ただただ動かない己の手足を見つめるだけの日々。
はやく消えてしまいたかった。
…消えたかったはずなのに。
いざ終わってしまうとなると、ものすごく悲しい。
まだ終わりたくない。生きたい。
やりたいことが沢山あるのに。
なのに、もう目を開けていられないの。
いつかに話した出掛ける約束。
守れなくてごめんね。
一緒に退院するって話したのにね。ごめんね。
貴方がこの先健康に、幸せに、満ち足りた人生を送れることをずっと願ってる。
全部、話せなくてごめんね。
本当の限界、身体が離れていく。
ものすごく怖いから、どうか手を握って。
その温度も数分後には分からなくなってしまうけど。
私の世界に貴方がいてくれて良かった。
見送ってくれるのも貴方で良かった。
…なんて言ってるの?
ああ、もう、分からない、わからない。
みみだけはさいごまできこえるって、
だれかがいったのに、
嘘つき、嘘つき、嘘つき、
嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき
「〇時〇〇分、永眠」
『世界の終わりに君と』
世界の終わりに君とやりたいこと、
たくさん思いつくなぁ。
いつもみたいにゲームして、
パッキンアイスの別々の味同士を交換して、
風呂上がりに髪乾かすの面倒だって駄弁って、
そうして布団に入るんだ。
最後に「おやすみ」って言いたいのに、
視界が滲んでいくばかりで、
どうしようもない現実から
いよいよ目を逸らせなくなって。
それでも、もうすぐ終わるこの世界を
甘んじて受け入れるしかなくって。
もう人生やめてしまいたいなって
思ったこともあるけど、
結局こうして生きていること。
君が僕にくれた数え切れないほどの笑顔と、
暖かな思い出。
記憶と一緒に溢れ出る涙が止まらないんだ。
最後の言葉はどうしたっけな。
「世界、救ってみない?」
そう君が言っていた気がするけれど、
夢だったのかもしれない。
でもまだ「おやすみ」って、言ってないはずなんだ。
手に触れる君の体温が消えていかないのは、
きっとそういうことなんだと思う。
「うん」
きっと、そう返せていたんだ。
【世界の終わりに君と】
「世界の終わりに柴犬と」のご主人のマインド好きだ
「『世界が終わる五分前』って知ってる?」
「え、何それ知らない」
「知らないならちょうどいいや。いいこと思いついたし」
「え、何」
「今からお前と『もしあと五分で世界が終わるなら』どうするかという議題について話し合いたいと思う」
「はい」
「どうぞ」
「家族に会いに行く」
「五分で?無理そ〜」
「るせー。気合いだよこういうのは」
「気合いで乗り切るのかよ」
「そういうお前は?」
「とりあえず状況確認する。急にそういう話出たらなんでそうなったの?って話だし」
「まあ五分前なんてわかる奴、いねぇよな」
「そもそも今までこういう『世界が終わる』って予想して来た人たちは大抵外れてる」
「じゃあなんで議題にしたんだ」
「お前なららっきょにお別れするとか言ってくれそうだったから」
「俺そこまでらっきょ属???」
「らっきょ属ってからっきょ族だろ」
「…俺やっぱ最後はお前と一緒がいいわ」
「は?なんで?」
「この会話が一番た
#2024.6.7.「世界の終わりに君と」
HQくにみ少年の事件簿。
テストちかい。泣く。がんばる。
「夢を見たんだ、」
そっと僕は語りかける。
荒れた大地の上に立って、粛々と世界の終焉を待ち侘びるだけの時間。植物や動物なんかの生き物の気配はなくて、おそらくあの雰囲気だと食べる物も高が知れているだろう。
ちっぽけな人間にはどうしようもできないと肌で感じるほど荒廃した空間だったのに、今思えば、夢の中とはいえどうしてか僕は恐怖を抱いていなかったんだ。
……思い返してみれば、あの荒廃した世界でも、変わらずに君が僕の隣で手を握ってくれていたんだよ。それが当然だとでも言うかのように。
深夜二時。静かに語りかける僕の隣には、穏やかな寝息を立てる君がいる。起きる気配のない様子に、思わず笑みがこぼれる。柔らかな頬をなで、そして額に唇を寄せる。
もしもこの先、夢と同じような運命を辿ることがあれば、世界の終わりに君と手を繋いでいたいけれど。
今はまだ、君との穏やかな幸せを噛み締めていたい。
『世界の終わりに君と』
#.4
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『世界の終わりに君と』
別ver.
眠れない夜に繰り返し考えることがある。よくある連想ゲーム。もしも世界が終わる時、誰と一緒にいたいか。
この答えは、何度考えても脳裏に思い浮かぶあの人ただ一人だ。大好きな家族でも大事な友人でもなく、ずっと想い続けてきたあの人。
そして、何度考えても、叶わない願いだと思い知るのだ。
あの人の隣には、もうずっと変わらずに大切な人がいる。
いつ見ても穏やかな雰囲気で、それでいて甘い空気を漂わせている仲睦まじい二人。あの二人なら、世界が終わるその時まで、いつものように手を繋いで寄り添っているんだろうな。
そこまで考えて、ため息をひとつ。
どうも自分には、たかが空想の中でさえも、世界の終わりに君と過ごす権利はないらしい。
「世界の終わりに君と」
SNSやテレビなどで「世界が終わる。そして世界が終わる時には世界中に鐘の音が鳴り響く」という情報が流れた。
「嘘だろ?」
僕は、冗談だと思った。
家の廊下を急いで走っている音がする。
ドアが開いて、君が部屋の中に入った。
「ねぇ!君も見た?世界が終わるっていう情報!」
君が言った。
「うん。見たけど。冗談だろ?」
「それが、冗談じゃないみたいで」
「まじで?」
「うん」
「じゃあ、世界の終わりに君は何をしたい?」
「私は、君と世界一綺麗な景色を見たい!」
「じゃあ行こうか」
僕がそう言うと、君は嬉しそうに頷いた。
世界の終わりに君と世界一綺麗な景色を観に来た。
「きれいだね」
「うん」
僕たちは、綺麗な景色をただ見ていた。
「僕は、世界の終わりに君と、綺麗な景色を見れて良かった」
「うん。私も良かったよ」
僕たちは帰宅し、美味しいものを食べたり、二人でゆったりと過ごした。
僕たちは、最後まで一緒にいた。
「僕は、最後の時まで君と一緒にいれて良かった」
僕が呟いた。
「私も君と一緒にいれて良かった」
二人、笑い合っていた。
世界が終わる時を知らせる鐘が世界に鳴り響いた。
僕たちは、手を繋いで、目を閉じた。
そして、何もかも無くなった。