風に身をまかせ』の作文集

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風に身をまかせ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

5/15/2024, 11:11:39 AM

〝風に身をまかせ〟

はてさて、一体ここはどこだろうか。
電車で寝過ごしてしまったらしく、
知らない駅の構内を歩いている。
日差しはあるが、風が心地よい。
風に身をまかせ、もう少し探索してみよう。


〝失われた時間〟

誤って保存し忘れた資料、買い忘れて帰った買い物。
失われた時間は、勿論戻らない。


〝子供のままで〟

子供のままでいられたら、仕事もしなくていいのに。
毎日、スーツに着替えながら考える。
自由な時間も、のんびりとした休日も、存在しない。
生きるために仕事をするのか、
仕事をするために生きているのか、
もう分からないんだ。

5/15/2024, 11:07:47 AM

DG01

友人曰くどうやらそれがここの看板メニューらしい
とりあえずで注文された初めてのミラノ風に身をまかせる

外食をほとんどしない家庭で育った自分にとっては
非常にリーズナブルな未知との遭遇で胸が高鳴る

5分程でテーブル上にそれは現れた
確かにこれはまごうことなきミラノ風だ
本家ミラノをまったく知らないがそんな気がする

一旦持った箸をスプーンに握り変え食べ始める
円盤上の冷めきった溶岩のようなものを掬って口に運ぶ

すると口の中にミラノの香ばしい風が吹きすさんだ
そうかこれが これこそがミラノの風なのか
米という日本の大地の上にイタリアの旋風が舞う

高鳴っていた胸が風に押し出されさらに上空へ浮かんだ
もうこの風を知らなかった日常の生活には戻れない
さよなら今までの日々よ 3枚の銀貨と共に散らん

日伊同盟の奇跡に圧倒されていると友人に笑われた
どうやら食べる度にいちいち目を閉じていたらしい
その指摘で一気に意識がすっと地上に引き戻された

5/15/2024, 11:04:26 AM

風に身をまかせ

「ねぇ、私も箒で飛んでみたいなあ」
人間界の下宿先で一緒に暮らす少女は、はしゃぐように呟いた。
今では寝る前の楽しみになっているおしゃべりで、魔法界での学校生活について話していた。もちろん授業では箒を使って飛ぶカリキュラムも存在していた。そんな話を彼女は楽しげに聞いていた。

そして、冒頭の台詞に戻る。
「風に身をまかせて飛べたら気持ちよさそうだなって」
わくわくしながら話す彼女はなんだかかわいい。
「飛ぶのは、こっちにある自転車みたいに練習が必要になるわよ。だから、お試しぐらいなら私の後ろに乗って飛んでみない?」
「え、いいの⁉︎嬉しい」
やったー!とはしゃぐ彼女に
「でも、昼間だと騒がれちゃうから次の満月の夜にね」
ツッコミを入れる私の声も、彼女ほどではなくても弾んでいた。

5/15/2024, 10:49:17 AM

【風に身をまかせ】

 [失われた時間 続編]


「おい、勇者ってのはお前か?」
「はい?」

  ーー5日前に遡るーー

「よーいドン!」
青年たちは一斉に飛び出した。
くそ〜、やっぱりライラが先頭か。
今度こそ、絶対に負けない。
まずい、引き離されている。
スピードではライラにはかなわないか。
でも速い分コーナーでは大回りになる。
次のコーナーでインから抜いてやる。
「フーリン頑張ってー」
「ライラになんか負けるなよ」
みんなが応援してくれている、これで勝たなきゃ女じゃない。
「抜くのは今だ」
フーリンの奴こんなに速かったか?ヤバイ抜かれる。だが、最後の直線で抜き返してやる。
なぜだ、追い付けない、それどころか逆に離されていく。
その時、フーリンの体が輝きだした。
「何だ、あの光は?」
ライラや応援していた友達も、そして、その場に居たみんなが息を呑んでいる。
「ヤッター、初めてライラに勝ったぞ!」フーリンは大喜びで、友達の所へ向かった。
「どうしたの、みんな?そんな狐に摘まれたような顔して、ボクが勝ったからそんなにビックリしたの?」
「フーリン、今光ってなかったか?」
「エッ、何の事?」
「お前、体大丈夫か?」
「ヘッ、どうして?」
その時、後ろから声を掛けられた。「フーリン、長老がお呼びだ。来てくれ」
「エッ!」

「長老様、ボク何か悪いことしましたか?」
「フーリンよ、先程光輪(こうりん)した様じゃな。
「光輪て何ですか?」
「フーリンよ、よく聞くのじゃ、良いか」
「はい」
「遠い昔より、この地に伝え継がれた話しがある。」
『この世に災い降りかかる時、勇者現る。光輪すべき者勇者の元に集いこの災い討ち果たさん』
「フーリンよ、其方は選ばれし者じゃ、これより勇者の元へ赴き共に災いを討ち果たす使命を得た。今宵はゆっくり休み、来る日に備えよ」
「はい」とは言ったものの、何をどうすればいいのかサッパリわからない。考えててもしょうがないから寝よ。

 ーーそして運命の朝ーー
「これは、どうした事か、もう夜が明けていい時間なのに辺りはまだ真っ暗じゃないか」
里の人々が騒ぎはじめた。
「どうして、夜が明けないんだ」
「何か良くない事が起きたんじゃないのか」
「大変じゃ長老に相談しよう」
人々は長老の家に集まった。
「長老、これはどうした事でしょうか?」
「やはり、言い伝えは本当じゃったのか」長老は事の次第を皆に話した。
「フーリンを呼んで参れ」
慌ただしい中フーリンが呼ばれた。
「長老様、これはいったい?」
「既に災いは始まってしまったようじゃ、もはや一刻の猶予もない、すぐに勇者の元へ赴くのじゃ」
「でも、ボクに出来るんでしょうか?それに勇者がどこにいるか、わかりません」
「フーリンよ、其方は選ばれし者じゃ自信を持ちなさい。其方にこれを授けよう。これは“風の鈴”行くべき場所へ導いてくれる。さあ、行くが良い」
外に出ると皆が集まっていた。
「行くべき所を強く念じ、“風の鈴”を鳴らすのじゃ」
フーリンは言われた通りにした。すると、フッと、体が宙に浮いた
「そのまま、風に身をまかせて進が良い。さぁ行くのじゃ風の民の戦士よ」

「おい、勇者ってのはお前か?」

           つづく

5/15/2024, 10:14:10 AM

「風に身をまかせ」

今日は天気がいい。だが風が強い。

あまりにも風が強く吹くから洗濯物を部屋干しに切り替えた。
風が強いと時々交通機関が止まったり物が飛ばされたりで少々面倒だな。今日は大人しく家でのんびりしよう。

……と思ったが押し入れの方からガチャガチャ音が聞こえる。
また何か企んでいる、そう思って音のする方へと向かった。

「やあ!!!何か用かい?!!今ちょっと忙しいんだが!!!よければ手伝いたまえよ!!!」
何も分からないまま紐やら布やらを渡される。

……何してるんだ?
「ああ、これかい?!!これはね!!!ハンググライダーだよ!!!キミの分もあるよ!!!」

「今日は風が強いから!!!風に身をまかせてどこかに行けるかもしれないと思ってね!!!一緒に飛ぼうよ!!!」

危ないから駄目だ!いくら風が強くても高度が足りていないし、着地場所が広くて平らだとは限らないだろ?!

「それを承知でやりたかったのだが!!!まあ仕方がないね!!!これはまたの機会にとっておくことにするよ!!!」
マッドサイエンティストを自称するヤツはやっぱり違うな……。

「それじゃあさ!!!ちょっと散歩に出かけようよ!!!いつもとちょっと違う日に出掛けるのって、ちょっとワクワクするだろう?!!さあ、行こうよ!!!」

……たしかに気持ちはわからなくもないが、怪我をしても知らないぞ?……ちょうど買いたいものもあったから出掛けるか。
「やったー!!!」

こうして風の強い中自分たちは外に出た。

強風もあってか、やはり人が少ない。
「あ!!!いっぱい葉っぱが散っているようだよ!!!植物は屋内に移動できないから大変だねぇ!!!」

「でも葉っぱっていいよね!!!風にのってどこかにとんでいけるんだもん!!!ボクも飛びたかった!!!」
そう言いながら飛んでいく若葉を目で追う。

高く飛び上がったと思ったが、次第に落ちてきて用水路へと流れて行った。

……もし飛んでたら今頃ああなってたかもしれないんだぞ?
「む〜!!!いいじゃないか!!!夢を見させてくれたまえよ〜!!!」

マッドサイエンティストのくせに夢を見たい、のか……。

「夢がなけりゃ科学の意味がなかろう?!!誰かの希望が、夢が科学技術となるんだぞ!!!ボクが夢を見ずにどうしろと?!!」

夢がなければ、か。

「そうだよ!!!キミにも何か、夢のひとつやふたつくらいあるだろう?!!……あると言いたまえ!!!ちょっと!!!言ってよ!!!ねえ!!!」

……そうだな、当たり障りもなく、平穏に、金に困らずに生きていけたらそれでいい。
こいつは絶句しているが、生憎これ以上の望みはない。

「で、でもまあ!!!生きているうちに!!!ちょっと便利になったらいいな〜とか思うことが出てくるだろう!!!いや、出てくるに違いない!!!」

「ボクからのアドバイスだ!!!キミはもっと欲深くなってもいいよ!!!いや、なりたまえ!!!もっと楽しく暮らそう!!!」

そうだな……。
それじゃ。

今日はコロッケが食べたい。
「そうそう!!!その調子だ!!!」

それから。

柚子の香りのする入浴剤を入れた風呂に入りたい。
「いいねぇ!!!」

あとは。
「うん???」

星を眺めながら眠りたい。
「お!!!ちょうどベランピング用のテントを買ったからそれを使おう!!!」

「それじゃあ!!!コロッケと入浴剤を買いに行こうか!!!」
ああ、行こうか。

たまにはこういうのもいいよな、なんて思いながら自分たちは風に吹かれて歩いた。

5/15/2024, 10:10:19 AM

美容室で髪を整えてきた。今後こんなふうに自分にお金をかけることはそうそうできるものじゃない、となかなかに奮発したメニューだった。おろしたてのコスメを使っておしゃれをし、ご機嫌な気持ちで鏡の前に座った。
居合わせたお客さんはどうやら妊婦さんだった。出産や育児に関する話を楽しそうに美容師さんとしている。嫌だなぁ、いつまでこんなに気持ちが歪むんだろう。手元の雑誌に目を落としながら、綺麗に微笑む女の人たちに、この人はいくつだろうか、結婚は、もう子どもは、なんてことを考えはじめる。時間の経過とともによれるメイクを見て気持ちも沈む。

「風に身をまかせ」。思い出したのは、職場の、7つ年下の後輩から「流されやすい人」と評価されたことだ。誰とも争いたくない、誰の悪口も言いたくなかっただけだった。その実、みんなを薄っぺらく肯定するような浅はかさがあったことは否めない。
仕事で少し達成できたことと肯定的なフィードバック。ちょっとした運動やサウナやカフェでの読書。前向きになれることや好きなことをして、自分を、世界のすべてを肯定できるような気持ちになっても、こういうちょっとしたことで、すぐに真逆な心持ちになる。吹けば飛ぶような自尊心と決意。私という人間の面白み、重量なんて、紙のように軽い。
そう、私はとっても軽い人間だ。だから、また好きなことを目一杯して、自分の機嫌取りをして帰ろうと思う。気持ちが裏返るように。
今日は晴れていたから、今週頭からずっとそうしたいと思っていたこと、観葉植物にたっぷり水をあげて外に出すことができた。元気でいてくれると嬉しくなる。こんなに小さいのに、ぎっしりとした土と根っこのおかげで吹き飛ぶことはない。
ここ数年、避けていたヒールのある靴を最近履いて出かけるようにしていてる。これもきっと、今後そうそうできることじゃないから。バランスをとるために猫背の背すじが伸びるのが嬉しい。髪を切ってますます軽くなった自分で、一歩一歩確実に歩いていく。

5/15/2024, 9:56:30 AM

なんとなくダラダラと流れてきた
何者かになりたいと思いながら何もできずに生きてた
鏡を覗き込めばそこには疲れたおばさんがいた
テレビだ雑誌だ成功者たちは言うよ
「遅いことなんかない」と
でもそれはきっと神様に選ばれた天性の才能
門の叩き方も知らない得ようともしないものには
誰も道案内なんかしてくれないし
こんな捩じくれた考えしかできない自分だから
あと一歩がいつも踏み出せなくて
誰かに見つけてもらおうだなんて烏滸がましいよな
ああ これだってただの愚痴 ただの日記 それだけ

5/15/2024, 9:52:28 AM

「そうね」
気のない返事を隣にいた友達に返す。
いつまで経っても、心はどこかに置き忘れたままだ。
過去に置いてきた心をとりに戻るまで、一体何年かかるのだろう。
「聞いてないな。まだ、あの時のまま?」
私は返事をする代わりに空を見上げた。
雲は風に身をまかせていれば、未来へ連れて行ってもらえるのに、人は心を置いてきたら未来へは進めない。
なんて不公平なんだろう。

私の未来は、あの人のそばに止まったまま。

お題『風に身をまかせ』

5/15/2024, 9:50:48 AM

風に身をまかせ
ふわりふわりと
どこまでも
飛んで行けるとしたら
私はどこに
たどり着くんだろうね。
そこは私の望む場所であってほしい。
どうか私を連れて行ってほしい。


「風に身をまかせ」

5/15/2024, 9:50:11 AM

風に身をまかせて

嫌なことも、心配なことも、煩わしいことも、すべて忘れて、何も考えずに
風に乗ってどこかに飛んで行きたい…

今日はそんな事ばかりある一日だった(´;ω;`)

5/15/2024, 9:49:49 AM

自転車のハンドルを握りしめ、山の天辺から下界へと降りる。自転車と身体が宙を舞い、風にのる。

5/15/2024, 9:49:24 AM

風に身を任せて生きたい。
何も選択しないで、言われたことだけをやっていたい。
責任なんて感じたくない。
人間やめてぇなあ

5/15/2024, 9:41:07 AM

「出掛けるぞ。」
少し遅めの朝食を食べ終わるなりこんなことを言われたものだから思わず「俺も?」と答えてしまった。
「当たり前だろ。さっさと支度しろ。」
何から目線だ全く。まあ天気も良いし特別用事も無いから素直に乗ることにした。

こいつは普段自分の身なりや部屋の散らかりようにはてんで無関心なくせに自分の愛車は常にきれいにしている。今日も太陽の光を反射して輝いていて少し気持ちが上がった。
「どこ行くんだよ。」
「あー。さあな。決めてねえ。」
「はあ。てっきり目的があるのかと思っていた。」
「いいじゃねえか別に。行く先は風まかせってな。」
よくわからないが上機嫌なこいつの顔を見るのは嫌いじゃない。だからまあノープランな一日も良いだろう。

「風まかせって、結局あんたの匙加減だろ。」
「はっ。不満か?」
「…いや。別に。」
「おとなしく俺に身を任せてりゃいい。嫌いじゃねえだろ。こういうの。」
そう言ってお留守になっていた俺の手に自身のそれをそっと乗せ優しく握った。
じわりと手の中で汗が滲む。妙な気分になってしまい話をそらした。
「…暑いな今日。エアコンつけろよ。」
「窓を開けておけ。走れば風が入る。」
虫が入るから嫌だが。今日はそれでいいか。
心地の良いこの風に身をまかせてもいい。
この風は、嫌いじゃないから。


風に身をまかせ

5/15/2024, 9:40:41 AM

一人暮らしのときはもとより、二人で暮らしても広い家だと思う。よく晴れた静かな休日。開け放った窓という窓から風が通り、カーテンが音も立てずに揺れている。物静かな彼の気配はとっくに流され、まるでどこかへ消えたかのようだった。誰もいないリビングから廊下へ出る。寝室にも、彼の自室にもいない。階段を上って、二階。バルコニーにその姿はあった。何をしているのか尋ねたら、天気が良すぎて空を見ていた、だそう。不意に強く風が吹く。何それ、と笑いながらそれとなく彼の手を引く。家の中に戻るよう促せば、素直に従ってくれて内心安堵した。天に委ねてどこかへ飛び立ってしまいそうな、そんな空気を彼はいつも纏っていた。


(題:風に身をまかせ)

5/15/2024, 9:34:29 AM

オバサンという生き物はいつ如何なる時も何処ででもオバサンなのだな。類稀なるコミュニケーション力を発揮し、一度顔見知りになるともう"お友達"である。顔を合わせるたびに挨拶をし、互いの体調に気遣うことは欠かさず、世間話に花を咲かせ、愚痴を言いつつ、相手の内情を上手く引き出す。
今日もあちらこちらでいくつもの井戸端会議が開かれている。

5/15/2024, 9:30:10 AM

風に身をまかせ
ツバメは翼をたくさん動かして風に乗って遥か遠くまで旅をするように思う

私もいつかあんなふうに風に身をまかせて旅をしてみたい

5/15/2024, 9:22:58 AM

テーマ「風に身をまかせ」

「風に身をまかせ」なんて言葉は使ったことがないし、意味もよくわからない。
けれどそのテーマから雲が浮かんだ。

私は空を見ることが好きだ。
見るたびに空の色も雲の形も違って見える。
今見える空は…薄い灰色だけど薄い青色にも見える。全面が雲に覆われていてちょっと色が暗い雲や綿菓子のような雲が空に自然の模様を作っている。
まるで私が今悩んでいることを空で表されているように思える。

いろんな悩みが重なっていて何をどうすればいいか分からない。
特に人間関係。
私は、他人が傷つかないように異常に気を使ってしまう癖がある。
そのため、自分の時間を全て削って相手が話したいことをひたすら聞いたり、お願いを全て引き受けたり、苦手な人に好かれてしまったり。
もう全部投げ捨てて誰とも話すことがない環境に身を置きたい。
今までつくれなかった自分の時間をその分たくさんつくりたい。
…とそんなことをよく考える。

私は2年前ぐらいの時は人間関係の悩みなんてひとつもなかった。
1人で学校へ行って誰とも話さずに学校で過ごして下校も1人。
休み時間は結構暇だったがそれ以外はなんの不自由もなかった。
グループワークも同じようなかんじの人達で適当にやればいい。
だから、一生こういった感じで過ごせばいいと思っていた。

それが変わったのは1年前ぐらいだろうか。
体育の授業の時間、何もやることがない時はバレーボールかバスケットボール、バドミントンからどれかをやるか、体育館の端っこで休憩しておくかを選ぶことができる。
私は毎回端っこでぼーっとしていた。
その日もぼーっとしようかと立ち上がった時、「一緒にバドミントンしない??」と誘われた。
断るのも悪いなと思い、それを引き受けた。
その後、同じく誘われたのであろう子と3人でバドミントンをした。
本気でやるものではなく、ただ3人でラリーを続けるだけ。
それだけでも楽しかったのを覚えている。
別の日にも同じような自由な時間があったのだが、その子は毎回バドミントンに誘ってくれた。

繰り返して行くうちにいつの間にかよく話すようになって、移動教室を一緒に行ったりお昼ご飯を一緒に食べたりした。
楽しかったのはもちろんなのだが、小学校から高校1年生までの10年間1人で過ごしていたその環境が急に変わってしまったから心の底でその変化を耐えることができなかった。

だから思わず「もう話すのしんどいよ」と相手に言ってしまったことがある。
慌てて取り消そうとしたがその子は傷ついた表情も見せずにどうしてしんどいのかなど真剣に聞いてくれた。
その後も「こういう時は話してもいい」「こういう時は別々に行動する」などをざっくりではあるが決めて、程よい距離感で過ごしていた。

今、私には3人の友達がいる。
バドミントンに誘ってくれた子とあの時一緒にバドミントンをしたもうひとりの子、今年初めて同じクラスになってなぜかめちゃくちゃ話しかけてくれる子だ。
ちなみに最後の子は男の子で、付き合ってもいないくせに毎日好き好き言ってくる。
最近は特にその子で悩んでいるのだが、そのうち書けたらいいなと思う。

とにかく、私は少なくともせっかくできた3人の友達にこれ以上迷惑をかけたくない。
だから異常に気を使ってしまう。
コミュニケーションの経験なんてほとんどない私がちょっと間違った行動をとるだけでまわりがものすごく迷惑をかけてしまうのではと気になってしまう。
それから離れたくて昔のような環境に身を置きたいとよく考えてしまうけれど友達にはよく助けられている。

周りをよく見てみると、友達関係はもっと気楽なもののように見える。
1度やらかしてしまった私には難易度が高いものだけれどまた限界が来てしまう前に解決したい…とは思う。
風に身をまかせて浮かんでいる雲のように、私も風に身をまかせて行動してもいいのだろうか。

5/15/2024, 9:21:34 AM

風に身をまかせ
遠いどこかへ飛んでいく
窮屈な殻は捨てさって
どんなしがらみからも抜け出して
ただ流れのままに
空をただよう

5/15/2024, 9:17:23 AM

「お待たせ、危ないよ」
「大丈夫、早かったな」
風の吹き抜ける屋上
夕日に煌と舞う黒が眩しく
俯きがちに歩いた先で
からころと笑い声が降る
「後どのくらいだった?」
「一時間くらい」
「本当に案外早かったんだな」
「此処まで来て優先順序は間違えないよ」
「どうだか。手紙忘れてきたりしてないか」
「元々用意するつもりなかったし」
「………そーか」
疾うに既に意味の無いそんなのもの
けれどその右手にひらひら踊る白い紙
「……案外、意外」
「笑えよ一寸感傷に浸ったんだわ」
「笑わないよ、良いんじゃない」
赤い日差しが墜ちてくる
煌々と灼々と墜ちてくる
眼下は忙しなく騒々しく
不気味な程に静まり返り
ただ戦々恐々侃々諤々
大地が太陽に墜ちてゆくのを
ーーー待たないと、二人で決めた
「じゃあ、そろそろ行くか」
「そうだね。またいつか」
靴は脱がずに柵の外
最後の握手は酷く熱く
からりとした笑顔と共に
溶け爛れる風へ足を踏み出した

<風に身をまかせ>

5/15/2024, 9:03:54 AM

ガッカリして、風呂場に向かった。
「ちょっと、何してるの! びしょびしょになって」
母の目が見開かれた。
「ベランダに居たから」
「はー?! なんでこんな台風の日に、ベランダなんか出るの? 危ないじゃない! ここ何階だと思ってるの!」
「18階」
濡れた服と、室内の冷房は、容赦なく体温を奪っていく。
早く風呂に入りたい。
「そうよ。死にたいの? 万が一、落ちたらどうするのよ! もう高校生なら、それくらいわかるでしょ」
風呂場に向かう俺を、母の言葉が追ってくる。
「うっせーなー」
扉を閉めて、母からの追撃を阻止した。

台風の中なら、飛べるんじゃないかと思ったんだよ。
力強い風に身をまかせることができたら、何か変わるんじゃないかって。


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風に身をまかせ

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