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DG01

友人曰くどうやらそれがここの看板メニューらしい
とりあえずで注文された初めてのミラノ風に身をまかせる

外食をほとんどしない家庭で育った自分にとっては
非常にリーズナブルな未知との遭遇で胸が高鳴る

5分程でテーブル上にそれは現れた
確かにこれはまごうことなきミラノ風だ
本家ミラノをまったく知らないがそんな気がする

一旦持った箸をスプーンに握り変え食べ始める
円盤上の冷めきった溶岩のようなものを掬って口に運ぶ

すると口の中にミラノの香ばしい風が吹きすさんだ
そうかこれが これこそがミラノの風なのか
米という日本の大地の上にイタリアの旋風が舞う

高鳴っていた胸が風に押し出されさらに上空へ浮かんだ
もうこの風を知らなかった日常の生活には戻れない
さよなら今までの日々よ 3枚の銀貨と共に散らん

日伊同盟の奇跡に圧倒されていると友人に笑われた
どうやら食べる度にいちいち目を閉じていたらしい
その指摘で一気に意識がすっと地上に引き戻された

5/15/2024, 11:07:47 AM