『鐘の音』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私はとある街でくらしている
その街には教会がある
中に入ると綺麗な色の
窓ガラスが陽の光をあびて
うつしだされていた
私は教会の写真をとって
帰ろうとした、すると
街中に響く
鐘の音が聴こえた
街をみると
いつもより風景が綺麗に感じた
cat
鐘の音が聞こえる。陸にいる時はそうでも無いが、浜辺や船の上にいる時は特に大きく聞こえる気がする。
これが何なのかは何となくわかっている。
おそらく呼ばれている。昔、平気で海に入っていた頃に見たあの魚やイルカ、鮫に鯨まで混じったあの大きな群れ。群れと言うには規則性もなにかリーダーがいるという訳でもなくなにかひとつの目的地に向かい捕食者も被捕食者も関係なく泳いでいた。
あの時から鐘の音がやまない。
無意識に海へと足が動く。止まらなければと思う反面、呼ばれている感覚が強すぎて足を止めることが出来ない。あの魚達が向かった場所へ自分もたどり着ければこの鐘の音は止むのだろうか・・・
そういえばあの時どうやって帰ったのだろう?自分ならあのまま魚達を追いかけて行ったと思うのだが・・・
そんなことを考えている間に足首が海水に浸かる。
グイッと誰かが自分の手を引く。
そうだ、あの時も自分の手を引いて連れ帰ってくれたやつがいた。
「帰るぞ」
鐘の音が遠退いた。
鐘の音
といえばTWO-MIXが出てきた回の事件ですね。
高山さん凄いって思った。
大変だったろうな。
鐘の音
母の里はお寺だった。
法事の時は電車に乗って、二人で出かけていた。
長いお経は退屈だったけど、
本堂で見慣れない物や音、いろんな気配を聴くのはすごく楽しかった。
8歳くらいの夏だったと思う。
その日はとても暑かった。
読経の間、風が通るようにと本堂の障子は開け放しにしてあった。
なので広い中庭がよく見渡せた。
端の方に井戸が見えた。その近くには小屋があった。母によると昔使っていた風呂場だそうだ。
いつも一人で行くのを禁じられていた場所だった。
気がつくと子供たちの笑う声がする。
蝉の声に混じって井戸の手押しポンプを動かす音と、パシャパシャ水が跳ねる音もする。
私は正座したまま体を傾けて、小屋の方をよーく見た。
いた!
2歳くらいの男の子と
6、7歳くらいの男の子。
そしてもう少し年上の、自分と同じ歳くらいの女の子。
三人の子供が小屋の回りで水浴びしながら大はしゃぎしている。
近所の子供たちかな。
学校のプールでもあんなに笑い転げることないな、と思いながら見ていると、
女の子がパッとこちらに顔を向けた。
そして大きく手を振ると、こっちこっちと手招きをしている。
他の2人もつられるように、私に手を振ってくれていた。
私は突然の誘いに驚くやら嬉しいやら、心臓が高鳴った感覚を今でもよく憶えている。
と…年は私と同じくらいだよね?
はだかんぼで恥ずかしくないのかな?
でも気持ちよさそう…遊びたい!
私は横にいる母をつついて、小声で
「あっちに行ってもいい?」と何度も訊ねたが、母は人差し指を唇に当てて小さく首を振るばかりだった。
そのうち坊守さんが来て障子が閉められ、子供たちの姿は見えなくなってしまった。
ただ笑い声と水の音だけは、障子越しにずっと聞こえていた。
私はせっかく誘ってもらったのに無視したみたいで、気になって仕方がなかった。
お経が終わり、お茶とお菓子を頂きながらのお坊さんの話もやっと済んだので、子供たちのところへと走って行った。
なんと、井戸には厳重に蓋がしてあり、その上には紐で括られたブロック片まで置いてあった。
小屋の中を覗くと確かに浴槽はあった。
でも洗い場には水の跡どころか、落ち葉がたまっていて、コンクリートでできた浴槽には、苔がぶ厚く生えていた。
呆然と立ち尽くしていると、母が来て「一人で来ちゃダメでしょ」と言った。
「だってここで遊んでたんだよ、みんなで…」
振り向いてそう言いかけた時、鐘撞堂から鐘の音が聞こえてきた。
その瞬間、誰にどれだけ説明しても分かってもらえないけど、とにかくあの子たちは確かにここにいたんだ、ここで遊んだことがあったんだ、ということをハッキリと理解した。
私は母に手を差し出す。母はその手を繋ぎながら「そろそろ汽車の時間ね」と言った。
私たちは帰途についた。
鐘の音は我に帰る合図。
鐘の音にまつわる記憶。
ほら急いで
この鐘の音が鳴り終わるまでに門を通り抜けないと、永遠に現実世界に戻れなくなってしまいますよ!
見えない誰かの声にせかされて目を開くと、けたたましい目覚まし時計のベルの音が四畳半に響きわたっていた
鐘の音
叶「鐘は朝7時と昼12時と夜12時に鳴る、神父の僕が鳴らしている。そしてそのちょうど1時間後ぴったりに教会のドアを叩く者がいるシスターサーシャだ、いつも夜になると化け物が徘徊し、町を壊すので僕とシスターサーシャで町を守っている。」
ドンドン!
叶「今日も来たかと思ったが時間がおかしいいつもは1時間後ぴったりだが30分早いそれにノックも力強い普段、コンコンだがどう考えても今のは間違いなくドンドンだった」
葛葉「叶開けろ」
どれくらいだろうか
あの鐘がなるのは
生きてる間に鐘の音を
何回聞けるだろうか
あぁ、はやく
死んでしまいたい
《鐘の音》
私の中でずっと鐘の音が響いてる。
私が理想に思うのは、何か愛でたい時になる鐘
君たちが笑いまくる声。
クラスのみんな
私の周りのみんな
私がその場に来たら
鐘が鳴り響くような
うるさいくらいの笑い声が
愛でたいの?
私が?
この状況で?
やめてよ
もう
何も言わないで
こっちを見ないで
私は何もしてない
愛でたくなんかない
森を走り抜ける中、カーン、カーンと鐘の音が聞こえる。どうしてだろう?この近くには教会なんてあるはずないのに。まだ、カーン、カーンと鳴り止む気配はない。そんな中私は走り続ける。はやく、早く抜けなければ。【アイツ】がやってくる。私を眠らせる悪夢が。クライ森の中走り続けた。しかし、出口は一向に見えない。なんで、神は私を見捨てたの?嫌だ。悪い子だから?何もしてないのに?!カーン、カーンと鐘の音は止まない。私は出口が見えずに走る。もう、何時間も逃げ回ったのだろうか?しかし、思考を遮るかのようにくだらないことが頭の中をよぎり始める。しばらくすると、森が開けてくる。その先には教会らしき建物が見えてきた。私は急いでその中に入る。
教会の中に入り、落ち着いたところで、改めて中を見る。草は生え、椅子はボロボロになり、神像にはツタが絡み付いている。その後ろに立つ十字架はそれらに比べ比較的綺麗であった。私はその神像に導かれるように体が動き出す。そこで私の意識は途切れた。
彼女は、神像に手招きをされたかのように一直線で向かっていく。神像までの距離が半分を過ぎたあたりから、彼女は魂が抜けたようにうなだれながら神像へ向かう。神像の前に来るやいなや、彼女は祈り始める。
「神よ、見ていますか。私は、あなた様に選ばれしもの。あなたの望みは私の望み。イア・イア。どうか、お姿をあらわにナサレテ。イア・イア」
そんな言葉に神は応じない。しかし、これはいかにも可愛そうだ。まともな呪文でもない。しかし、神は答えた。その姿はこの世界の全てだった。彼女は手を大きく広げ、広角を上げ、大声で突如笑い始める。そして、次の言葉が彼女の最後だった。
【夢から覚める! 終焉の時を! 今! 人類史はやり直しを迎える!】
彼女は目から黒い涙を流し、笑う。笑い続ける。どんな苦痛だろうと、どんな痛みだろうと笑い続ける。カーンと一回鐘の音の祝音が響き、木霊していた。
桜が踊る日、禁断の恋に触れた。
貴方と同じ歳ならばと、そう想う。
幾度、想おうがなんら変わらぬ。
手を差し伸べれば、木漏れ日が溢れ、
雪の結晶は、貴方に逢う度に溶けた。
それを嘲笑う鐘(チャイム)の音は、
再び桜が踊り出すよりも先に、
貴方との別れを告げさせた。
【鐘の音】#7
かの有名な平家物語の冒頭部分を思い出す。
和多志の仕える主は、この文を日常的によく唱えた。それほどまでに、好んでいたものは、他に無かった。
諸行無常。
一見すると、同じ事の繰り返しのような日常でも、その瞬間、その一時と同じ時は、もう二度と、決して訪れることは無い。
和多志は、そう解釈している。
だからこそ、大切なのだ。あたり前のこの平和な日常が…。
だからこそ、大切なのだ。この日々に、瞬く間に過ぎ去ってしまう時に、感謝することが…。
主は、それを…まだ、幼き頃に知ったのだ。知ってしまったのだ。
この日々は、決してあたり前では無いことを…。親しき者たちが、心から笑い逢い、生きていることの喜びと有り難みを…。
空は晴れ渡って、暖かい風が吹いている。
鐘の音が、純白の衣を身にまとった彼女を祝福する。
私は、何も言えなかった。言いたいことは沢山あるのに、全て頭の中で纏まりが無くなっていく。喉に突っかかって言えない。
「貴方は幸せ?」
彼女からそう問われた瞬間、何も言えなくなった
#45【鐘の音】
その音が
幸せの象徴だと
信じて疑わなかった。
その瞬間まで
何の疑いもなく
そう思っていた。
最後の鐘の音が聞こえた。
担任が少し寂しげに微笑む。
授業がようやく終わったと言うのに、誰も喜ばず、なんなら啜り泣きが聞こえたほどだった。
委員長が言った。「起立。」
椅子の音が響く。
いつもなら張った声で喋る委員長が鼻づまった大声で
「ありがとうございました。」と言うものだから。
クラスの運動部がここぞとばかりに大声で、
「ありがとうございました!!!!」と言った。
その声に押されて、自分の声も自然と大きくなる。
意識せずともいつの間にか視界に居た隣の席の彼女、
瞳を閉じたら落ちるであろう大きな雫を落とさないように。 眉に皺を寄せ、震えた声で、
「ありがとうございました。」 と言った。
一人一人の違った声色で聞こえた最後の号令は、ワサビを食べた時のように鼻にツーンと来るものだった。
春のくせに桜はまだ咲いていないままの学校を。
今日卒業した。
鐘の音がする、あの子の中で今年1番最初に会った人になりたい。
君のお願い事はなんだったのかな、でも今は聞きたくないのかも
「やめるときもす……すこ……」
「すこやか?」
「すこやか!な、なる?ときも……」
微笑ましさに緩む顔を悟られないように引き締めながら、昨日見たドラマの影響で一生懸命覚えてきたという辿々しい誓いの言葉を見守る。
「えーっと…………ちかいます、か?」
暫く記憶の中を走り回ったが成果はなかったらしい。かなり省略されてしまったが恐らく一番大切な部分には辿り着いていたので、誓います、と事前の打ち合わせ通りの言葉を口にした。
すると安心したように息を吐きながら自分より一回り程小さな手が差し出される。指示されていた通りにその小さな指にシロツメクサで編んだ指輪を通せば、目の前の少女は満足気ににんまりと笑った。
「おめでとうございまーす!」
幼い花嫁はそう言ってスカートの裾を翻しながら飛び跳ねると、ポケットに入れていた白いうさぎのキーホルダーの横に付いた鈴を鳴らした。チリンチリンと軽やかな音が鳴る。セルフ祝福。斬新。
「ダンナさまもおめでとうございまーす」
こちらへ向けて鈴を鳴らしながら楽しそうに笑う少女を本当の鐘の音が祝福する時、自分は彼女とその相手とを祝福する側にいるのだろうけれど。その時の君がどうか幸福でありますように。
まだ遠い未来の少女の幸せを願いながら、隠れて作っておいた花冠をその小さな頭に乗せた。
/鐘の音
【鐘の音】
カズオの住むボロアパートでは、近くのお寺の鐘の音が、日に三度聞こえてくる。
カズオは信仰心がある方ではないが、住みだした最初の頃は、うるさい上になんだか咎められているような気がして、胸がチクチクと痛んだものだ。今となってはすっかり慣れてしまって、鳴っている事にすら気づかない。
カズオはひとり暮らしだ。9年前に妻と別れ、娘とも離れ離れになり、それからずっとこのボロアパートで暮らしている。定職に就いてない訳ではない。いわゆる中小企業と呼ばれる町工場で機械の部品―主にネジ―を製造する仕事を、高校を卒業した後からずっとしている。真面目でおとなしい性格だし、自分の仕事にプライドを持っている。
それがなぜこんなボロアパートに住んでいるかと言うと、若い頃同僚に誘われて行った競馬にハマってしまい、借金を作ってしまったからだ。それが原因で妻にも愛想を尽かされ、離婚された。たった一人の娘は心臓が悪く、かなりの医療費がかかるのだから、それも当然だった。ユキノは働き者だから、きっと昼夜働いて生活費と娘の医療費を稼いでいるのだろう。
「さっさと別れてくれれば養育費は請求しません」
自分と違って賢く聡明で、合理的な判断ができるユキノを心から尊敬していたし、愛していた。カズオが計画性がないので、時に呆れた態度を取られることは付き合っている時から何度もあったが、それでもいつも優しかった。離婚を突きつけられた時の、愛情が完全に消え失せたユキノの冷たい目を思い出して、カズオはかすかに身震いした。
あれ以来、娘には会っていない。別れたとき5歳だったから、今はもう14歳か。ユキノに似て綺麗になっているだろうな。
あまり娘の事は考えないようにしていた。とても合わせる顔がないし、ユキノが会わせてくれないだろう。
そんな事を思いながら、カズオは吸っていたタバコを飲み干したビール缶に押し付けた。もう一本吸おう、とテーブルの上に置かれた箱に手を伸ばしたが、箱は空だ。
軽く舌打ちしながら、じゃあビールを飲むかと冷蔵庫を開けるも、それもない。がっくりと白髪混じりの頭を垂れたカズオが時計を見ると、時刻は17時少し前だ。今日は仕事が休みだったので、昼過ぎから飲んでいたのだ。
(仕方ない。コンビニに行くか。)
45を過ぎてだいぶ重くなった身体を持ち上げ、カズオはボロアパートを出た。ドアを開けると、傾いた夕暮れの太陽の光が直撃し、思わず目を細める。都心からそう遠くないとはいえ、この辺りに高い建物はあまりない。ボロアパートの2階から見える夕焼けは、なかなかに美しかった。
近頃は綺麗なものを見ると胸が痛い。自分が薄汚れたおっさんだからだろうか。
カズオはコンビニを目指して歩き出した。
コンビニでウィンストンのキャスターを買い、ビールも買おうとしたが、値段があまりにも高かったので、少し遠くのスーパーまで足を伸ばし、そこでビール6缶パックと、つまみを少し買った。
ボロアパートの近くに来る頃にはかなり薄暗くなっていた。歩くのは苦じゃない。ポケットに手を突っ込み、軽く口ずさみながら、人通りの少ない道を歩く。気分がいい時は、エレファントカシマシの「今宵の月のように」だ。まだ完全には日は落ちていないが、空には白い三日月が浮かんでいる。俺もまた輝く日なんて、来るだろうか。
あの角を曲がれば、我が家であるボロアパートが見える、という所まで来たときだ。
その角を曲がってこちらに向かって歩いてきた、中学生くらいの女の子と目が合った。少女は艶のある黒髪をおかっぱにしていて―実際はボブと呼ばれる髪型だが―、少し奇抜とも呼べる格好をしていた。カズオはそれをどう表現していいか分からないが、やたらとヒラヒラしていて、底の厚い靴を履いている。そんな格好をしている中学生にお目にかかることは滅多にないが、少女のまだあどけない幼い顔立ちと華奢な身体つきから、中学生くらいだろう、と判断した。
その少女の顔がほんの少し若い時のユキノに似ていたので、カズオは思わず立ち止まって、じっと少女の顔を見つめてしまった。よく見るとそんなに似てないが、色が白く、涼し気な目元が似た系統と言える。
少女としては知らないおじさんにじろじろ見られて気持ちが悪かっただろう。怪訝そうな顔つきで見返してきた。きっと普通の少女なら逃げるように立ち去っただろうが、その子はムッとした顔で、
「なんですか?」
と挑戦的に言い放った。
その、思ったより低い声に、カズオはまた衝撃を受けた。
「いや…、申し訳ない。何でもないんだ。」
それだけ言って、カズオはその場を去った。少女の方は、カズオが変な行動を取ったりしないか気になるらしく、しばらくその後ろ姿を監視するように睨んでいたが、何もないことが分かると、また歩き始めた。
(変なおじさん)
少女―名前はレイ―は歩きながら聞いていた音楽のボリュームを上げた。最近のお気に入りはシティポップと呼ばれるジャンルだ。
その頃カズオは、自分のアパートが見える角で、呆然としたように立ち尽くしていた。
たぶん、あの子は娘のサキではない。サキはどちらかというと自分に似て、目が丸く、タレ目だった。でも、あの子はサキと同じくらいの歳だ。サキもあの少女のような格好で街を歩いたりするんだろうか?そもそも、心臓の弱いサキは、まだ生きているんだろうか?さすがにサキにもしもの事があったら、ユキノは連絡をくれるだろう。いや、本当にそうだろうか?サキは、サキは―――。
これまで考えないようにしていた娘の事が、急に頭から離れなくなり、いろんな思いが、体中をかけめぐった。
(娘に、会いたい―。)
あと数歩行けばアパート、という中途半端な場所から、カズオは動けなかった。暗く重たい鐘の音が、カズオを殴り付けるように、辺りに響きわたった。
【鐘の音】
陽の光が部屋に差し込むと同時に、鐘の音が街中に響く。凛としたその音は、身体中に染み渡るような気がした。
「おはよう」
声のした方を向く。君の姿を見かけて、思わず頬がゆるんだ。
「おはよう。昨日はよく眠れた?」
控えめに、君が頭を振る。
「残念だけど、あんまり。やっぱりまだ駄目みたい」
「そっか......」
君が、そっとベッドに腰かける。触れた手は冷たかった。
思わず君を抱きしめる。体温の低い身体。あの時の雨が、染み付いたみたいだ。
「大丈夫。ここなら絶対に大丈夫だからね」
「うん、ありがとう。君がいてくれてよかった」
「うん......私も。私も、君がいてくれてよかったよ」
大丈夫。絶対に君を守ってみせる。
鐘の音が聞こえた。耳に柔らかく入る音。
これからの私達を、祝福しているようだった。
鐘の音が鳴り響く。頭の中で。
遠くで揺れていただけのあの人の声が、いつからから鳴り止まなくなっていた。
僕はただ静寂を取り戻したかった。
夕焼けに染まった部屋は、静寂に包まれていた。もしかしたら、世界は終わったのかもしれないと勘違いする程に。
カーテンは閉めてあるけれど、夕日の赤い赤い光が、隙間から長く射し込んでいる。床に眠っている鉄でできた三日月の欠片が、光に溶け込んでいる。
ベッドには美しい人形が横たわっている。夕焼けで、何よりも綺麗に染まっていく。僕も少しだけ同じように染まっている。
鳴らなくなった鐘を、指先で優しく撫でた。
あぁ、世界は今、驚く程に穏やかだ。
幸せな気持ちで、このまま僕も一緒に夕焼けに溶けてしまおうかと、静かに瞼を閉じた。
『鐘の音』
ゴーン・ゴーン、何度も何度も聞こえてきます
今日は大切な親友の結婚式です
親友とは仲が良くよく遊びに行っていました
親友の家はお金が無く私がよく親友の文まで電車代を払っていました
その親友が結構しました
親友には恨みはありません
遊んでた時間は本当に楽しかったですし
ただ、「今度返す」「今お金ない」など言っときながら身に付けるもの全てブランド品ばかり
バイトして買ったものだから文句言わないでよと何度言われたことか、
ゴーン・ゴーン
その音で私ははっとしました
結婚式なのに考え過ぎていたと後悔しました
親友は綺麗な白色のドレスを着て楽しそうに笑っています
その白いドレスが真っ赤に染まるのを知らないのでしょう