『部屋の片隅で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
僕は隅が好きだ。
部屋も心も関係も全部
でも、1つだけ真ん中にある。
それは、死にたい気持ち。
部屋の片隅に忘れ去られて置かれている、貴女の昔好きだったお召し物に、俺は時折目が向きます。
今世の貴女は、少し気まぐれで飽きっぽいところがありますね。それはそれで、俺にはお茶目で魅力的にすら感じてしまいます。だからこそ、その性によって貴女自身が傷つくことがあるのが悲しく思われます。
人の心は、その本質から移ろいゆくものです。
その速度が多少速いからといって、何だというのでしょうか。
どうか、貴女の心に嘘をつかないでください。
貴女の心の向く方に、貴女の人生を進めてほしいのです。
12
物心ついた頃から"苦手な音"というものが存在する。
例えば身近な音であれば『ハンドドライヤーの音』『人混みの喧騒』等がそれにあたる。
レアなケースでいえば『神社に初詣に行った際に流れている笙の音』であろう。
それらの音が鼓膜を震わすと、途端に身体の内側から何かにかき混ぜられているかのような得体の知れぬ気持ち悪さ―――不安感がぶわり、と湧き上がってくる。
頭の中はその音を一刻も早く遮断したいという思考でキャパオーバーを起こし、何にも手がつかなくなる。
いい大人になった今では、さすがにその場にうずくまり何もできなくなるといった事はなくなった。予防策も、例えば外出時は耳栓代わりにイヤホンを付けていく等、自分をコントロールするべく様々な策を講じている。
だが、それらの音を聞いた際の不安感は変わらず有り、部屋に戻った後は暫く気持ちを元に切り替えられない。
今日は図らずとも、イヤホンの電源が途中で切れてしまった。
人混みから急いでマンションの部屋に逃げてきたのだが、それでも気持ちは切り替えられない。
俺は部屋の片隅に一人うずくまった。
―――あの男が、早く帰ってきたら良いのに。
部屋の片隅には神様がいる
みたいなこと聞きますけど
実際、隅には家具とか置いて
見えなくしてますよね
神様、潰れてるかもしれないですね
ま、無神論者には関係ないか
2024/12/08
ひたすら
かいて かいて かきまくった
そのうち一つの作品が
正当な評価とともに
相応しい場所で披露された
この場にいる全ての人は
四畳半の畳の部屋で
悶え苦しみながらかいた作品だなんて
誰も想像しないだろうな
『部屋の片隅で』
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iPhone14に機種変更してはや二ヶ月が経過したんだけど
真っ黒な画面側を上に置いていると
上下逆さまのまま手に取ってしまい
インカメあたりをひたすらタップして
いつまでもホーム画面の明かりがつかないんですよ
やっぱりホームボタン欲しいなって……
いや早よ慣れろ
『逆さま』
溜め息にさえなれずに
ガラクタと混ぜて 部屋の隅っこ
鈍く痛んだ胸のどっか
会いたがって 爪を立ててるから
諦めきれなくて 今もここにあるよ
温め直せば まだ間に合うだろうか
【部屋の片隅で】
僕は編み物が趣味だった。「男の子なのに珍しいね」とか言われても、怪訝そうな顔をされても、やめようとは思わなかった。より難しく繊細なものを編みたくて『上手になりますように』と願った。でも、日本には編み物の神様はいないらしい。
日本にはいなくても、どこかもっと毛糸や羊と縁が深い場所には編み物の神様がいるかもしれない。僕は何かを編むたびに『上手に編めますように』『きちんと完成しますように』『良いものができますように』と祈っていた。
別に信心深いわけじゃない。ちょっとした願掛け、自分なりのジンクスみたいな感じで、祈るといっても、何に向けてというわけでもなかった。なのにその祈りが、まさか異世界の女神に届いているとは。
交通事故に遭って、これはもう助からないなと思った時。編み物の女神を名乗る声が、僕を異世界に転生させると言った。
熱心に祈っていたからそれを叶える、編み物の才能を授けると言われたんだけど、僕はその言葉を遮った。
「それよりも肩凝りにならない体をください。あと腱鞘炎と腰痛と眼精疲労も防いで欲しいです。技術は自分で身につけるので」
夢だと思っていたんだよ。まさか本当に転生できるとは思わなかった。こうなるとわかっていれば、もっと別のことを頼んだのに。ここは剣と魔法の世界で、魔物もいるし日本よりずっと治安が悪いみたいなんだ。ここで生きていくなら、剣の才能とか魔法の属性とか、そういうものが欲しかったよ。
幸い、今世の僕は貴族で、家族も使用人たちも僕を守ってくれている。僕自身は戦うのが苦手で魔法の腕前も普通以下、貴族じゃなかったら結構苦労したかもしれない。
父上は末っ子の僕に甘くて、僕が「毛糸と編み針が欲しい」と言えば、編み物は貴族のすることじゃないと言いながらも、期待以上のものを揃えてくれた。
僕には編み物の女神の加護がある。それがどれほどのものか、試してみるつもりでマフラーを編んだ。今世では初めてのことで、手が動くか心配だったけど、すぐに前世の感覚が戻ってきた。
そこそこ長い時間編んでみた。肩凝りもせず手も痛くならない。どうやら今の僕は編み物で疲れるということがないらしい。これは凄い。前世でもこの体が欲しかった。
貴族のお坊っちゃんが自分で編むということで、手触りの良い高品質な毛糸が用意されていた。これだけ良い毛糸なら良いものができるという確信があって、編むのも楽しかった。僕はつい、癖で祈っていた。『これを使う誰かが寒さから守られますように』と。
完成したマフラーを魔導具で鑑定してみたのは、どんな説明が表示されるかという好奇心からだった。結果を見た僕はその場で硬直した。
マフラーには銘が付いていた。『愛し子の祈りのマフラー』という銘が。そして特殊な効果があったのだ。
その効果は『絶対防寒』という。どんなに寒くてもどんなに薄着でも、このマフラーさえ身に着けていたら寒さから守られる……氷属性の魔法を防ぐこともできるらしい。ある意味、僕が祈った通りの効果だった。おまけに鑑定結果には製作者の名前が入っている。
こんなもの、外に出せるわけがない。最早ちょっとした神器である。僕が女神の加護を持っていることもバレるだろうし。
どうしよう……もし、これが誰かに知られたら。別の物も編めるのかとか言われて、どこかに軟禁でもされて、編み続けることを強要されるかもしれない。流石にそれは嫌だ。
マフラーを燃やすことも考えた。けど、父上が「何か編めたのかい?」と楽しみにしているようなのだ。完成したものを見せないわけにもいかないだろう……
きっと、父上は、今の家族は、僕が女神の愛し子でも、ちゃんと守ってくれる。だけどどう話そうか。信じてもらえるだろうか。打ち明ける覚悟ができていない。もう少しだけ時間が欲しい。
ひとまず、このマフラーは何かで包むとかして……とにかく、僕の部屋の片隅ででも、どうにか隠しておこうと思った。
翌日。マフラーはあっさりメイドに発見されて、僕は父上に全てを白状する羽目になった。マフラーは改めて鑑定され、父上は商売にしようと言い出した。
……え、売るの?
これ、売っていいの?
本当に大丈夫なのだろうか、と思っている間に、ほんの数日で僕のための商会が作られた。気付けば公爵閣下やこの国の宰相様にまで手回しされているみたいで……
とうとう国王陛下からも呼び出しを受けた。
やだよ、怖いよ、行きたくない。
僕は毛糸を抱えて蹲った。
「坊っちゃん、諦めてください。今日は謁見のための衣装の仮縫いですよ。ほら、立って」
容赦なくメイドに腕を掴まれた。魔法で身体強化されると僕にはもう抵抗できない。
ああ、本当に……加護がもらえるなら、もっと別の何かが良かったよ……
女神様。僕はあなたの愛し子なのでしょう。どうか、しっかり守ってください。お願いしますよ。
部屋の片隅ほこりをとると
昔の記憶が
落ちている
部屋の片隅は
思い出の入り口
→部屋の片隅で、私の誇りが咲いている。
部屋の隅、
割れたカップ、
壁のコーヒーのシミは、まるで大きな花。
昨日の決別をお祝いしてくれてるみたい。
さよなら、あなた。
怒鳴っても、宥めすかしても、
私はあなたの付属物にはならない。
私は私の人生を生きてゆく。
テーマ; 部屋の片隅で
部屋の片隅で
「久しぶり。元気だった?」
半年前に別れた彼の声に心がざわめく。
気づかれないように冷静を装う。
「え、元気だよ。番号変えた?」
「え……変えてないよ……そっか……ごめん、俺勝手だよな」
「いや、そうじゃなくて、」
「いや、いいんだ。そんなもんだよね。俺の方が別れたこと、すごく後悔してたんだな」
違う、そうじゃない。
番号を入れたままにしたら、かけてしまいそうで縋りたくなくて消去した。
かかってきたら、その時考えよう。そう思って部屋の片隅には、まだ彼の荷物がある。
「この気持ち伝えないと俺、一生後悔すると思って電話かけたんだ。でも、もうユミは……」
350キロは思っているより遠い。
そうじゃないと言いたいけど……言えない。
半年が過ぎた。
結局、あれから電話がかかってくることはない。
部屋の片隅で積まれた3つの段ボールが問いかけてくる。
――本当に後悔するのは……。
むやみやたらに過去を詮索しない方がいい。
大人になってから、気づくこともある人間の闇。
部屋の片隅で
古い旅館の使われていない部屋の片隅に埃を被った本が一冊。
誰かが置き忘れたのか、捨てられたのかわからない。
手に取ることも躊躇してしまうほどに汚れたその本だが、タイトルが微かに読めた。
もうこの世にはいないが誰もが知る作家の詩集
偶然だが私の本棚にも同じものがある。
その当時、精神的に参っていた私を救ってくれた一冊だ。
この本の持ち主も救われたのだろうか。
全てに見放され、見知らぬこの地で終わりを遂げようかと思っていたのに何故か自分の部屋に帰り、この本を読み返さなくてはと思った。
同じ本に二度も救われるなんて、思わず苦笑いしてしまった。
翌日、旅館を出る時にその部屋を覗くと、もうあの本はなかった。
end
暗い教室の隅で何が起こっているかなんて誰も知らないだろう。知らない方がいい。クラスの天使の化けの皮は、剥がされるべきじゃ無い。
穴を見つけた
気になるよね
掘ってみた
木だから無理だった
じゃ壊してみた
壊れた
バコッって取れた
覗いたよ
なんかね
箱があった
中は一つのラブレターだった
手紙に汚い字でラブレターって書いてある
わあ大胆
古そうだから家の誰かだろう
それかこの家系の誰か
渡そうとしたか貰ったか
遠慮がちに覗いてみた
「すき」
わ大胆
これだけかよスゴ
コレは誰のか気になる
あれ裏に何か
みらいのおよめさんへ
(my name ) より
気づいたら目の前に焚き火があった
顔も熱くなっていた
知らないが温まり過ぎたみたいだ
さて今日の晩御飯は何かな
部屋の片隅で、二匹のくま🧸が寄り添っている。
互いの肩に凭れて、頭と頭をくっつけあう二匹のくまのぬいぐるみ。
互いの髪と目の色を似せて作られた〝彼等〟の姿は、見る度に胸に温かなものを呼び起こす。
部屋の灯りに照らされて壁に写る二匹の影。
くっついて、境い目の無い影は二匹で一つの形になって、一回り大きな生き物になっている。
――あぁ、そうだ。
くまを見つめる瞳がふわり、と柔らかく細められた。
私達はこうして、ある時は肩を並べて、ある時は背中を預けて、一人でいる時以上の力を発揮してきた。
大切なものを守る為に。
大好きなものを守る為に。
一人では出来ない事も、隣に彼がいるから出来た。
一人では不安な時も、隣に彼がいたから安心出来た。
今、こうしていられるのは、いつも、いつでも、隣に彼がいたからだ。
手を伸ばし、金色の毛並みをそっと撫で付ける。
心地よい手触りに、思わず唇が綻ぶ。
「ありがとう」
いつも隣にいてくれた彼に向けて。
物言わぬ彼等に向けて。
そっと呟いた言葉には、万感の思いが込められている。
「·····どういたしまして」
「!?」
声に驚き振り向くと。
幸せそうな顔で寝息を立てる男の姿があった。
END
「部屋の片隅で」
作品27 部屋の片隅で
物が割れる音がする。叫び声と泣き声が混ざったよくわからない声も聞こえる。それとは別の怒鳴り声。怒鳴ってる声が大きくなるたび、人を叩くような音がする。
いつもの家族の喧嘩だ。珍しいものじゃない。怖いけど、慣れた。
私はいつもどおり部屋の隅っこに逃げて、クマのぬいぐるみを抱きしめればいい。けどたまに、私もそれに巻き込まれるから、ここにいるのことをバレないように小さくなる。
そして手を強く握り合わせて、目をつぶって何度も願う。早く終わりますようにって。
神様、私はこの時間が大っ嫌いだ。だからもうやめて。早く終わらせて。お願いします。
何度も何度も願うから、手に爪が食い込んで血が出てくるようになった。それでも、それは終わらない。クマさんを強く抱きしめる。やっぱり怖いよ。
今日も隅っこで一人、血を流す。
それが、私だ。
なぜ、そんなところで座り込んでいるの。
こんなに寒いなか、暖房もつけないで。
風邪をひいてしまうよ。
やっぱり。
今日も泣いているんだね。
きみは何も悪いことをしていないのに。
毎日、何も、していないのに。
この部屋で泣く以外のこと。
きみの笑顔はいつから見ていないんだっけ。
見ていない期間が長すぎて、忘れてしまいそうだ。
それは嘘だけどね。
忘れられないから、いつまでもこんな、
湿っぽい部屋の片隅で、きみのことを眺めている。
また、笑った顔が、みたいんだ。
見られたら、成仏できる気がする。なんてね。
成仏なんて、一度もしたことがないから、
分からないけれど。
このまま、彼女の守護霊になれたりしないかな。
そうしたら、
彼女に温もりを与えられたりはしないか。
安心感として、存在できたりはしないか。
あはは。
死んでいるくせに、欲をだして、間抜けなことだ。
やっぱり、大人しく、幽霊として見守るとしよう。
届かなくても、励ましてみたりしよう。
きっとそれも、僕の穏やかで、幸せな日々になる。
ま、ちょっとくらいわがままを言っても、
聞こえないだろうけどね。
ほら、ちょっと笑ってみせてよ。
ね。
/部屋の片隅で
自分が勉強に集中していると部屋の片隅で飼っている犬が寝ていた
作品No.251【2024/12/07 テーマ:部屋の片隅で】
部屋の片隅で、ただ、考える。
自分の命が終わるときのことを。
年齢で考えれば、この家族の中で最後に死ぬのは私だろう。だが、本当にそうなるだろうか。
つい先日、まだ三十代の従兄を突然の病で亡くした身としては、必ずしも年齢順に終わりが来るなど有り得ないことくらいは、もうわかっている。従兄だって、彼の家族の中では最年少だったにもかかわらず亡くなっているのだ。つまりは、私の命だっていつ終わるかなど知れたものではない。事故にしろ、病気にしろ、はたまたそれ以外にしろ——それがいつ来るのかなんて、わかりやしない。
割と年齢の近い従兄を亡くしたから、ここ最近、唐突にそう考えることが増えた気がする。そして、いっそ自分が死ねばよかったのだと考え始める。
それはきっと、彼の命を、彼の人生を、残された彼の家族を、そして、私の存在そのものを、冒涜しているとわかっているのに。
夜、暗い部屋の片隅で、悶々と考える。答えの出ない問いを、取り留めもなく。
【部屋の片隅で】
1枚の小さな写真が揺れる
もう少し若い頃の俺だ
今より少し痩せている
家族好きの長女が
中学校の修学旅行の準備をしていた
やはり楽しみなようだが
家族と離れる事が少し寂しそうだった
加齢臭の染み付いた俺の枕を
持ってく?
とボケたつもりだったが
本気で悩み出したのを覚えてる
必要な物を買い足しながら準備をしていると
長女が新しいデジカメを買って欲しいと言い出した
まぁ確かに
子供達の成長を撮り続けた
我が家のデジカメは買い替え時でもあった
出発の日
大きな荷物と
新しいデジカメを携えた長女を
学校に送って行きながら
昨夜作ったお守りを渡した
本当に困った時に開けなさい
マンガなんかで見た事あるシーンだ
きっと小遣いが無くなった頃に開けるだろうと
その時は軽い気持ちで・・・
その夜
長女から泣きながら連絡があった
どうやら
買ったばかりのデジカメを
友達が誤って踏んでしまったらしい
わがまま言って買って貰ったデジカメが
活躍する間もなく寿命を終えた事実に
長女は底知れぬショックを受けたらしく
担任の先生に
持ってきたお小遣いで修理するから
電気屋さんに連れてってくれと号泣しながら言ったらしい
とにかく今日は
営業時間も過ぎてるから
と先生に嗜められ
ようやく部屋に戻ったとの事だった
部屋に戻った長女は
思い出してしまったらしい
今朝渡された
まさかホントのピンチに開けられるとは思ってなかった
お守りの存在
友人達の助けか
電話で伝えた思いが伝わったのか
翌朝には気を取り直した長女は
修学旅行をしっかり楽しみ
無事に帰って来た
学校に迎えに行くと
到着したバスから降りてくる生徒達が
やたらと俺に挨拶をしてくれる
あ!〇〇のお父さん!こんにちは!
中にはほぼ初めましての子も居た
何故か急に認知されていた
帰ってきた長女に話を聞くと
あの夜
一人部屋に戻った長女は
泣きながら荷物の中からお守りを取り出したらしい
幾重にも包まれ
その1枚1枚に
今なのか?
本当に今なのか?
などと書かれたお守りを迷う事なく開いた
出て来たのは
軽く微笑み
親指を立て
ポーズを決め
ど~んマイ!
と書かれた俺の写真
そこに心配して部屋にやって来た
長女の友人ユウナ
お守りセットを見たユウナは
お前のと~ちゃんオモロ!と
泣くほど笑い
そしてお守りは
同級生達の中で一周回って戻ってきたそうだ
あぁ
それで皆・・・
そ~ゆ~事は先に言ってくれよ!
そうと知ってたら
車の中で待ってたよ!
あぁ恥ずかしい
すっごい大人ぶって挨拶返しちゃったよ
そんな俺の気持ちを知ってか知らずか
部屋の片隅に飾られた
小さな写真は
ど~んマイ!
と
こちらに向かって微笑んでいるのだ