なぜ、そんなところで座り込んでいるの。
こんなに寒いなか、暖房もつけないで。
風邪をひいてしまうよ。
やっぱり。
今日も泣いているんだね。
きみは何も悪いことをしていないのに。
毎日、何も、していないのに。
この部屋で泣く以外のこと。
きみの笑顔はいつから見ていないんだっけ。
見ていない期間が長すぎて、忘れてしまいそうだ。
それは嘘だけどね。
忘れられないから、いつまでもこんな、
湿っぽい部屋の片隅で、きみのことを眺めている。
また、笑った顔が、みたいんだ。
見られたら、成仏できる気がする。なんてね。
成仏なんて、一度もしたことがないから、
分からないけれど。
このまま、彼女の守護霊になれたりしないかな。
そうしたら、
彼女に温もりを与えられたりはしないか。
安心感として、存在できたりはしないか。
あはは。
死んでいるくせに、欲をだして、間抜けなことだ。
やっぱり、大人しく、幽霊として見守るとしよう。
届かなくても、励ましてみたりしよう。
きっとそれも、僕の穏やかで、幸せな日々になる。
ま、ちょっとくらいわがままを言っても、
聞こえないだろうけどね。
ほら、ちょっと笑ってみせてよ。
ね。
/部屋の片隅で
12/7/2024, 3:07:15 PM