『突然の君の訪問。』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
突然の君の訪問。
「びっ、くりしたぁー」
家に帰れば、誰もいないはずのリビングに我が物顔でくつろいでいるそいつがいた。
「おかえり」
「ただいま。いや、ここ私の家なんだけど」
「知ってる。合鍵使った」
ぷらーん、と鍵を揺らしながら言うそいつに、手を伸ばして鍵を奪い返そうとすれば、すっ、と体を引かれる。
「返せや」
「いやだ」
「何しに来たの」
「……フラれた」
「また?」
「また」
傷ついているのか、いないのか、よくわからないテンションで、少しだけ困ってしまう。
「本当に長続きしないね」
「はぁー、向いてないのかな、恋愛」
「そんなこと、……ないとは言えないけどさ」
「言ってよ、そこは。嘘でもいいから慰めてよ」
「やだよ、情が移るじゃん」
「情、ねぇ……。まだ私のこと、好き?」
「……好きじゃないよ」
この関係すらも崩したくないと思う私の臆病さに気づいた彼女は少しだけ呆れたように、それでいて気の毒そうに笑った。
君は突然現れた。夜中にかっぱを着てる君を見つけた私は息があがりとてもドキドキしていた。君は私を見つけると微笑み右手をあげふった。私は胸を抑えたが
小説『突然の君の訪問』より
『突然の君の訪問』
「お前歌上手いんだな。」
金曜日の放課後、誰も来ないはずの音楽室。
突然開いた扉から君が姿を現した。
投げかけられた言葉に全く反応できずにいると、なんの迷いもなく君はこちら側にやってくる。
息も出来ずにいる僕の横をすっと通り過ぎ、古びた大きなピアノの側に立つ。
白く長い指が鍵盤に下ろされる。
確かめるように軽やかに動く指先は、窓から差し込む黄金色の光に照らされ、魔法がかかっているかのようだった。
目の前の光景に呆然としていると、君が僕に向かって話しかけているようだった。
「つづき、歌ってよ。」
人気者の君が今この瞬間は僕だけを見ている。
クラスのみんなに向けるみたいな微笑みは、いつもと同じようであったが琥珀色に光る瞳だけは初めて見たものだった。
ドンドンと心臓を内側から叩く音がする。
おまえはまだお呼びじゃない。
まさか推しに認知されてるなんて思ってもいなかった。毎回動画のコメ欄にコメントしてるだけ。
TikTokでその人の切り抜き動画を上げた。
そしたらコメ欄に「ありがと〜!」って書いてあった。正直めちゃめちゃ嬉しかった。その人9月4日が誕生日なんだけどさ、俺本当は死のうとしてた。
9月4日まで生きるつもりはなかった。
でもさ毎回配信の最後で言ってくれるんだよ。
「今日も生きててくれてありがとう!蘭の大切な時間を俺にくれてありがとう。期末テスト頑張ってー!
俺は勉強苦手でテス勉なんてやった記憶ないw
期末テストの結果伝えに来てね。いつまでも待ってるから。」期末テストの話したの1ヶ月前だよ?覚えててくれたんだ。だったらテス勉ガチらなきゃじゃんw
推しに応援されて、結果まで待ってて貰って、推しのリスナーさんにも応援もらって、そんなんテストの結果知らせなきゃじゃん。朝起きてから夜寝るまで死ぬ事しか考えてない俺が推しの配信の時だけ死ぬ事以外を考えることが出来る。テストなんて9月下旬だよ?それでテスト返しが全て終わる頃には10月だよ?生きてる時間長くなっちゃうじゃんwでも俺が勉強苦手ながらも頑張って、いい点数取ったら褒めてくれるかなw
俺には昨日夢が出来ました。
それはここに出てる推しのライブに行く事です。
推しのライブに行く為だったら勉強死ぬほど頑張る、体重だって減らす。俺が大嫌いな学校行くよ。
iPad取られてでも行く。YouTube、TikTokが消すことがルールならYouTubeもTikTokも消すよ。
それぐらい行きたい。世界一行きたい。
俺は推しがマイクを置いたら死のうかな。
俺の夢叶うかなぁ。叶ったら最高に嬉しい。
明日もテスト勉強しなきゃ。今日は数学やったんだよね。明日は理科かなぁ。
でもこれだけは伝えさせてほしい。
俺の推しへ
いつも作り笑顔な俺が心から笑えるのは君の配信があるからです。
きっと君に会っていなかったら俺はこの世にないでしょう。
俺は最近吐き気がするし頭痛も凄いし食欲ないし、よく、学校でぶっ倒れそうになります。
いろいろなことを抱えながら生きているけど俺は貴方に会えて幸せです。
貴方と貴方のリスナーさんにありがとうを沢山伝えたいです。
いつも配信の時名前を呼んでくれてありがとう。
俺を認知してくれてありがとう。
「テスト頑張れ!」って言ってくれてありがとう。
配信で毎回俺の話題を出してくれてありがとう。
リスナーの皆さん
俺が「テストある」ってコメントで言ったらみんなして「頑張れ」って言ってくれて本当にありがとう。
俺は貴方達に出会だからこそここまで生きることが出来ました。
もう一度言わせてください。
「本当にありがとうございます」
突然のお前の訪問。
昨日は見なかったけど、
今日は気持ち良さそうに日向ぼっこしている。
お昼前のこの時間、
学校の授業をサボれば見かける奴。
「お前は生きやすそうだな~、」
そういうと
「にゃ~」と舐めた鳴き声を出した。
突然の君の訪問。
君と喧嘩した日から何日もの日が過ぎていた。
些細なことから発生した喧嘩。
僕は何も言えずに、君を手放そうとまでしてしまったのに。
突然の君の訪問。
君の姿は以前とはだいぶ変わっていた。
新しい人ができたのか。
僕はもう暇なされてしまったのか。
君が差し出した右手には、
僕たちがいつも買っていたケーキ屋さんの袋。
今日は僕の誕生日。
君ほど優しい女性は知らない。
僕ももう君を手放そうなんて思ったりしないよ。
自分の意見を押し通したいけど、みんなの意見でしました!って言いたい人、いませんか?
部活の保護者会にもそういうお母さんが居るのです。
ある日、保護者で応援Tシャツを購入することに。
何代か前の保護者がデザインしたもので、まぁおダサい。
けど、新しく作る熱意もないし、
記念にいいかと思い購入希望を出しました。
1人のお母さんが、
皆で色合わせませんか?ピンクで!
と。
ショッキングピンクですよ。
速乾タイプのテラテラした生地ですよ。
私は元々ターコイズブルーで希望出してました。
紺とかで希望出してたお母さんも、
次々ピンクに変更。
絶対嫌だ…と思い、ピンクを着こなす自信が無いのでと婉曲表現で行こうとしたら、
イヤミと受け取った別のお母さんから攻撃を受ける羽目に。
炎上しましたが、結局好きな色を購入しました。
別に直接何も言われませんでしたが、
協調性のない人と思われたことでしょう。
ピンク提案お母さんは、後に
皆ピンクで、親も仲良かったのー!って
別の部活のお母さんに話してました。
会社でこの話をしたら、
女子は皆、私だったらめんどくさいのでイヤイヤでも合わせますと言います。
でもそれを通せるあなたは羨ましいと
なぐさめのように言われます。
(取ってつけた感半端なし)
男性に聞いたことはないので分かりませんが、
性差ではなく性格かなと思います。
こんな私は自分の事が結構好きです。
不器用で生きづらくもありますが、
歳を重ねるごとに好きになっています。
皆に合わせるのは苦痛ではありません。
皆と集まってキャイキャイするの好きです。
ただ、自分が良いと思わないものは良いと言えない、
行動にうつせないだけなのです。
「やっほー。新しく出来たパン屋で沢山買ってきたんだ。作りたてが美味しいじゃん? そのまま来ちゃった」
「え、あ、うん。と、とりあえず、入って、いいよ……」
「お邪魔しまーす」
本当に焼きたてのようで、袋からは油が染み出ている。
でも、今はそれ以上に僕が熱い。
ベランダで青々と繁るミントの鉢植えがある。
いつからか豆粒くらいの小さなカエルが住みついた。たまにいなくなったかと思うと、今度は数が増えていたり色が違ったりで中々出入りが激しい物件のようだ。
そんな小さな住人たちは私が水を撒く度に欄干に飛びのってじっくりとこちらを観察してくる。臆病なやつでも欄干の裏に隠れるだけで、私がいなくなればまた鉢植えに戻っていくのだ。
突然現れては、ある日突然姿を消して、またある日は突然増えたり色を変えたりする。自由気ままな君たちの訪問は私の楽しみの一つなんだよ。
「また来てね」
【題:突然の君の訪問。】
夜寝るむ前に胸が苦しくなった
朝起きるとまた、胸が苦しいままだった
そんな時に思う
あぁ、生きづらいなって
あぁ、生きるって大変だなって
人よりも敏感で、人よりも傷付きやすくて
人よりも不安で、人よりも不器用で
そんな僕たちにとっては
生きるということ自体が大きな課題だ
僕たちが生きる世界はきっとこのまま変わらなくて
僕たちの生きづらさがなくなることはないだろう
悲しみも苦しみも、きっと減らすことは出来ない
ただ僕たちには武器がある
小さなことに喜びと幸せを感じられる武器だ
例えば、道端に咲く小さな花に微笑んだり
例えば、空の風景に希望を抱いたり
例えば、風の匂いに季節を感じたり
例えば、誰かの小さな笑顔で心が温かくなったり
それは確かに僕たちだけの武器なんだ
悲しみも苦しみも減らすことの出来ない世界でも
喜びと幸せを増やすことはきっと出来るから
今日が辛くて、消えたくなっても
きっと大丈夫
共に生きていこう
「突然の君の訪問。」
仕事が休みで予定のない日曜日、突然インターホンが鳴った。
時計を見ると、夜の10時を過ぎていた。
ドアを開けると、元彼がったていた。
喧嘩して別れたわけじゃなかった。
ただ、お互いに依存してしまうから、夢を叶えるまでは合わないと決めていた。
彼はこう言った。「約束守りに来たよ」
私が忘れそうになっていた『辛いときは絶対にそばにいる』という約束。
幼馴染みからの着信。
「どうしたの?こんな時間にかけてくるなんて珍しいね」
日付を回った平日。
問いには答えずに弱々しく私の名前を呼んだ。
優しく、優しく。
「うん」
「家、行っていい?」
「いいよ、鍵空けとくね」
真隣の君の家。君の家の玄関が開く音がした。
しゃくりあげ、裸足のままの君を出迎えた。
突然の君の訪問。
滅多にない事だから。
「部屋入ろ?」
今日はとことん優しくしよう。
突然の君の訪問。
毎日、夜の8時になると、闇に隠れるようにして黒猫が僕の部屋にやって来る。遅く帰ってきた僕の夕飯のおこぼれをもらいにくるのだ。
ところが、どういう訳か、夜中の12時に突然の訪問があった。猫らしく、目だけが光っていて、怖かった。
部屋の電気を明るくして、訪問の理由がやっと分かった。口に黒の子猫を咥えている。かなり弱っていたがまだ生きていて、どうにかしてくれるだろう僕の元へ連れてきたのだ。
後日、子猫はすぐに病院に連れて行き、元気になるまで世話をした。その間ずっと側にいた黒猫は子猫と一緒に僕の家族になって、今では夜の8時、遅めの家族団欒が普通になった。
[突然の君の訪問]
最初の頃は突然のサプライズも
喜べたけど
今は隠してる事があって素直に喜べない
君にバレたらいけない事があるから
嘘も時には愛だから
ある日僕の彼女が殺された。
誰に殺されたかは分からなが、死体には刺し傷があったそうだ。仕事から帰ってくる間に起きた事件なので僕はすぐには気づけなかった。彼女との生活はとても楽しくて、僕にとって彼女はまさに生きがいだった。彼女に死によって僕は悲しみのような怒りのようなものが込み上げてけきた。もし自分が近くにいたのなら、そう思っていた。
そして事件から2日後、警察の調べにより犯人が特定された。それは僕にはあまりにも衝撃的だった。
その犯人は僕が中学生の時からの友達だった。
名は、滝田 連
僕は当然友達だから彼がどこに住んでいるのか分かる。彼が僕の...愛美を...
そう思うと友達でも怒りが込み上げてくる。警察はまだ彼の家に行ってはいないだろう。早く捕まえなくては...焦る僕
そして不意にこんなことを思ってしまった。
(そうだ、僕が行けばいいんだ。 )
僕はもう彼女を殺された怒りしかなかった。
絶対に復讐を、してやる。
この手でそう思って、僕は彼の家のインターホンを鳴らした。
当然の君の訪問。...
『おかえり』
懐かしい声──お気に入りでよく着ているからか少し伸びているTシャツ──優しい笑顔──
仕事終わり、家に帰るとあなたが居た。
なんでここにいるの?だってあなたは───
触れて確かめようとすると、あなたは居なくなっていて
おかえりといわんばかりに足元にすり寄ってくる猫が居た。
あなたが居なくなってから保護した猫だ。
手のひらに収まる大きさだったが、今では両腕で抱き抱えるほどまで成長していて、時間がたったんだなぁと実感する。
『ただいま』
腕の中の猫はゴロゴロ鳴いていた。
-突然の君の訪問-
コツコツと
近づくヒールの音
これが君なら
あと16秒でチャイムが鳴る
…
そんなわけないかって
吹き出してしまうことにも慣れてしまった
寂しさすら訪ねてくれなくなったよ
[心の訪問者]
『突然の君の訪問』2023.08.28
「あれま、おどろいた」
部屋の中に彼がいた。電気もつけず、暗がりのなかでソファの上で膝を抱えている。
電気をつけると、彼はまぶしそうに目を細めた。
「不法侵入だよ」
「ちゃんとカギで入りました」
「それは失礼」
合鍵を渡しているのだから、彼の突然の訪問に疑問は抱かない。
スーツから部屋着に着替えようとすると、背中に彼がへばりついてきた。
「着替えにくいなあ」
ジャケットも脱げないと文句を言うが、彼は答えない。
どうやら、元気がないようだ。だから、俺に甘えたくてしかたがないらしい。
へこんでいる子を慰めるすべはひとつしか知らないが、あいにく、こちらもそんな元気はない。
店の女の子に狼藉を働いた客を警察に突き出したり、女の子のメンタルケアをしたりと神経をすり減らしたのだ。
むしろ慰めてほしいのはこちらである。
包み隠さずにそのまま伝えると、彼はグズグズと泣き出す。
「しょうがないな」
ため息とともに吐き出す。
泣く彼をソファに座らせて、グッと抱きしめた。
本来なら
涙が流れないといけない
そんな夜なのに
全ての感情に蓋をして
ただ雨に打たれている
私にかけるはずだった愛情を
全部持ってあなたは行ってしまった
あなたがくれたハンカチも
この夜には役に立たず
手の中に握り込んで乾いている
星は遠く
あなたはもっと遠く
私はこの夜に一人取り残されて
皆んなは明日に行ってしまって
ただ雨が降る
突然の訪問者
闇
昔から怖かった
闇そのものより
日常の端がめくれてのぞく闇が
カーテンの引っ掛かり
襖の惜しい閉め方
布団からはみ出た足
いつもにこにこ優しい人が
小声で囁く毒のような
闇がそこにはあった
その闇から細い腕が出てきて
私の足を掴んで
本当の闇へ攫ってゆく
幻想
私は怖い
遠い国の戦争もだが
日常の隣に確かに存在する
突然の訪問者
それは悪意であり
無知であり
哀しみであり
無関心の顔をした
人間だ
今年も突然キミはやって来ました
私達の元で家族を育み
時には外敵から子供達を守り
せっせせっせと仕事をこなす
予想外の台風で
なかなか自宅に帰ることが出来ず
子供達に満足に食べさせられない時もありました
一時はどうなるかと思いましたが
子供達も元気を取り戻し
成長して全員巣立ちました
あなたは私達のお手本です
また来年もこの軒下でお待ちしています